04導入ガイド

冷凍食品の包装の種類と荷姿凍結前後の判断基準

冷凍食品の包装は、凍結前に包む商品と凍結後に包む商品に分けて決めます。液体を含むか、隣の素材へ水分が移るか、包装の圧で形が崩れるか、包装内に霜が出るかで前後が分かれます。唐揚げ用もも肉の2kgパックや生湯葉のパウチは、袋のまま中心-18℃まで凍らせた実測があります。

パック詰めの業務用食肉の凍結テスト

要点

  • 袋系と容器系、包装の種類ごとに向く商品
  • 液体・水分移行・形崩れ・霜で決める凍結前後の判断
  • 2kgパックやパウチのまま凍らせた実測値と条件

01

包装の決め手は商品・販売先・凍結方式

冷凍食品の包装は商品ごとに分かれます。肉、魚、味付け肉、ソース、業務用パックは凍結前の包装が合いやすく、揚げ物、パン、菓子、盛り付け済みの惣菜は凍結後に包む方が形を守りやすい商品です。

包装は空気を遮って乾燥や酸化を抑えます。ただし袋の中に空気が残ると熱が伝わりにくくなり、凍結時間が延びて霜の原因にもなります。守りたい品質と凍結のしやすさを両方見て決めます。

急速冷凍機の方式によっても包装の前提は変わります。液体に浸す方式は密封包装が前提になりやすく、冷気で凍らせるエアブラスト式や3Dフリーザー®は、包装の有無を商品ごとに選べます。

  • 凍結前に包むか、凍結後に包むかを最初に決める
  • 袋か容器か、真空・脱気・シールのどれを使うかを決める
  • 販売先(店内仕込み・業務用卸・通販・小売)で確認点が変わる
3Dフリーザー®の庫内から、トレーに載せた急速冷凍食品を取り出す様子
トレー、袋、容器のどの状態で凍らせるかは、商品と販売先から逆算して決めます。

02

袋系と容器系に大別する包装の種類

冷凍食品で使う包装は、袋系と容器系に大きく分かれます。袋系はピロー包装、パウチ(スタンディングパウチを含む)、真空包装、脱気包装、シュリンク包装です。

容器系は、トレーにフィルムをかけるトレー包装とトップシール、カップ容器など容器ごと凍らせる包装、フィルムを成形して食品を収める深絞りです。惣菜、弁当、スライス肉に多い荷姿です。

同じ袋でも、平たいピロー包装と、マチがあって厚みの出るガゼット袋では凍り方が違います。包装の名称だけでなく、包装後の厚みと空気の残り方まで含めて分けます。

包装の種類

袋系

ピロー包装菓子・パン・IQF袋詰め
パウチ調味液ごと・レンジ加熱
真空包装切り身・肉・ハム
脱気包装空気を減らして霜を防ぐ
シュリンク包装形に沿って密着

容器系

トレー+トップシール弁当・惣菜・寿司
蓋付き容器盛り付けたまま提供
深絞り成形フィルムで密着
ガス置換空気を置き換えて封入

厚みと空気の残り方で凍結時間が変わります。包材の耐冷温度や電子レンジ対応は、包材メーカーの表示で確認してください。

03

包装の種類ごとの向く商品と確認点

包装は、守りたい品質から逆算して選びます。酸化やにおい移りを抑えたい肉、魚、ソースは真空包装や脱気包装が合いやすく、形を見せたいスライス肉、寿司、惣菜、弁当はトレー包装が合います。

真空包装は空気を抜く分、食品に圧力がかかります。柔らかい惣菜、ケーキ、パン、揚げ物では潰れや衣の乱れが出ることがあり、脱気の度合いを弱めるか、凍結後に包装します。

厚みのある業務用パックは、袋の厚み、形状、粘度、段積みの有無で凍結時間が変わります。表は最初の判断材料で、実際の商品では厚みや油分、水分で結果が変わります。

トレーパックのまま急速冷凍した刺身盛り合わせ
刺身盛り合わせはトレーパックのまま投入し、5℃から25分で中心-18℃に到達しました(実機テスト、条件により変動)。
包装の種類と向く商品、確認点(出典: 急速冷凍食品の包装方法、および各凍結テスト記事)
包装向く商品確認点
真空包装肉のブロック・切り身、味付け肉、煮物、ソース、業務用パック真空圧で潰れないか、酸化・ドリップ・解凍後の色
脱気包装惣菜、パン、菓子、やわらかい加工品空気の残りすぎによる酸化・霜、シーラーと袋サイズの再現性
ピロー包装・ガゼット袋味付け肉、唐揚げ原料、カット野菜、麺、ソース・スープ袋の厚みと中心温度、調味液の流出、段積み
パウチソース、スープ、カレー、豆乳ごとの湯葉など液状品シール強度、液漏れ、凍結膨張、粘度、袋の厚み
トレー包装・トップシールスライス肉、魚切身、寿司、惣菜、弁当トレーの深さ、食品の重なり、フィルム内の空気、霜
深絞り煮付けなど姿煮・切り身の個食深絞りパックとトレイ盛りで仕上がりを比べる(鯛の煮付けテストの確認項目)
シュリンク包装タラバガニの肩、丸鶏など形のある水産・畜産品フィルムの密着度で冷気の伝わり方が変わる(丸鶏テストのFAQ)

04

凍結前後の判断基準。液体・水分移行・形崩れ・霜

液体を含むか、隣の食材へ水分が移るか、包装の圧で形が崩れるか、包装内に霜が出やすいかの4点を順に確かめます。液体を含む商品は、袋やパウチに密封してから凍らせます。

水分の多いソースと乾いた生地、果物とパンのように水分量の違う素材を重ねた商品は、置いておくだけで水分が移ります。包装の前後より、作りたてを先に短時間で凍らせて水分の移動を止める方が優先です。フルーツサンドのテストでは、断面を見せたままのサンドと個包装したサンドを同じトレーで凍らせ、どちらも断面を保ちました。

揚げ物、パン、菓子、盛り付け済みの惣菜は、真空圧で潰れることがあるため、凍結後包装が合いやすい商品です。トレーに並べて凍らせ、形が固まってから袋詰めやトップシールへ進める二段階の包装も使えます。

凍結前後の判断

  1. Q1
    液体(タレ・スープ)を含みますかはい → 凍結前に密封(袋・パウチ)
  2. Q2
    水分が移る素材が重なっていますかはい → 先に凍結し、凍結後に包装
  3. Q3
    包装の圧で形が崩れますかはい → トレーで凍結し、凍結後に包装
  4. Q4
    霜が気になりますかはい → 空気を減らす、短時間で凍結する
  5. どれも「いいえ」なら凍結の前後どちらでも可。作業の流れで決めます

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袋・パウチ・木箱のまま凍らせた実測値

包装したままでも中心-18℃まで凍らせ切れることは、3Dフリーザー®の実機テストで確認しています。数値はいずれも単発のテストの実測値で、袋の厚み、充填量、配合、投入温度が変われば凍結時間は変わります。

調味済みの唐揚げ用もも肉2kgパックは、4℃から袋のまま70分で中心-18℃に到達しました。広げてバラ凍結してから袋へ詰め直す工程を省き、充填から箱詰めまでを一つの流れにできる結果です。

液体を含む商品も、密封したまま凍らせています。具材入りカレーパックは25℃から30分、豆乳ごと充填した生湯葉のパウチは5℃から60分、明太子チューブは10℃から35分、木箱に盛り付けた和牛スライスは7℃から27分でした。

表の凍結時間はいずれも実機テストの実測値です。自社の荷姿での時間は実機テストで確定します。

袋のまま急速冷凍した唐揚げ用もも肉の2kgパック
調味済みの唐揚げ用もも肉2kgパック。袋の中心に温度センサーを差し込み、袋のまま70分で中心-18℃に到達しました。
包装のまま急速冷凍した実測値(3Dフリーザー®の実機テスト。目安であり、荷姿で変動)
商品と包装投入→中心所要時間
唐揚げ用もも肉2kgパック(袋のまま、アルミトレーに平置き)4℃→-18℃70分
具材入りカレーパック4個(袋のまま、重ねず並べる)25℃→-18℃30分
生湯葉パウチ(豆乳ごと、番重に重ねず平置き)5℃→-18℃60分
明太子チューブ(袋のまま、金属網にのせる)10℃→-18℃35分
和牛スライス(販売用の木箱3箱に盛り付けたまま)7℃→-18℃27分
ボイルホタテ(トレーにフィルム包装したパック品)10℃→-18℃60分
牛・豚・鶏盛り合わせ(トレーにラップ包装)10℃→-18℃40分

06

包装内の空気層は凍結時間を延ばし霜の原因になる

包装で凍結が遅くなる主な原因は、袋やトレーの中に残った空気です。トレーの中の空気層とフィルムは断熱材のように働き、熱を伝えにくくします。袋に余白が多いほど、中心温度が下がるまでの時間は延びます。

凍結が長引くと、食品から蒸発した水分が冷えたフィルムの内側で氷の結晶に変わり、霜になります。霜の多いパックは中身が古く見え、売り場で選ばれにくくなるため、包装内の霜は品質だけでなく販売にも関わる問題です。

対策は、食品の形状に合った袋サイズで空気を減らすこと、厚いパックを段積みせず平らに並べること、凍結そのものを短時間で終えることです。ボイルホタテのパック品では、包装のまま60分で凍らせ、フィルム内側の霜を防げました。

白いトレーにフィルム包装したまま急速冷凍したボイルホタテのパック
フィルム包装のまま投入したボイルホタテ。空気層越しでも10℃から60分で中心-18℃に達し、フィルム内側に霜は付きませんでした。

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凍結方式ごとの包装の前提

液体に浸して凍らせる方式では、食品を液体に触れさせないため、実務上は多くの場合、防水性のある密封包装が前提になります。真空包装した肉や魚、パウチ入りのソースやスープのように、最初から包装形態が決まっている商品では扱いやすい場合があります。

冷気で凍らせるエアブラスト式は、未包装、トレー入り、容器入り、袋入りのどの状態でも投入でき、包装の前後どちらで凍らせるかを商品ごとに選べます。乾いた強い気流が当たり続ける商品では、乾燥や目減り、霜付きを確認します。

3Dフリーザー®は高湿度の冷気で包み込む方式で、包装前の商品と袋入りの商品を同じ庫内で比べられます。乾燥・目減り・ドリップを抑えたい商品に向く方式です。ホルモンのテストでは袋入りと袋なしを並べて投入し、どちらも形を保ちました。

袋入りと袋なしの2形態を並べて急速冷凍したホルモン
袋入りと袋なし(バラ置き)を同じトレーに並べて投入したホルモン。16℃から35分で中心-18℃に到達し、両方とも凍結前と同じ形でした。

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包材の耐冷温度と用途はメーカー表示で確認

包材は見た目や価格だけで選ばず、食品用途、耐冷温度、電子レンジや湯せんの可否、シール適性を包材メーカーや仕入先の表示で確認します。耐冷温度の数値は包材ごとに異なるため、個別に表示を確認します。

冷凍に耐えても電子レンジや湯せんに向かない包材があり、加熱に使えても冷凍時に割れやすい容器もあります。冷凍、保管、配送、解凍、再加熱までを一つの商品として通して確認します。

食品に直接触れる合成樹脂製の袋、トレー、容器、フィルムは、食品衛生法の器具・容器包装のポジティブリスト制度の対象です。液体入りの商品では、凍結膨張や配送中の衝撃による破袋も、シール幅や袋の厚みとあわせて確認します。

耐冷温度や電子レンジ可否は包材ごとに異なります。数値は包材メーカーの表示で確認してください。

パックのまま急速冷凍した具材入りカレー
具材入りカレーパックは袋のまま25℃から30分で中心-18℃に到達。液体入りの袋は、シール強度と凍結膨張も包材メーカーの表示で確認します。
包材を選ぶときの確認項目(出典: 急速冷凍食品の包装方法)
確認項目確認先・方法
食品用途に使えるか包材メーカー・仕入先の表示、ポジティブリスト制度への適合
耐冷温度包材メーカーの表示(数値は包材ごとに異なる)
電子レンジ・湯せんの可否包材メーカーの表示と、実際の再加熱テスト
シール強度・破袋凍結直後、保管後、配送想定後、解凍時まで確認
表示を貼る面ラベル、期限、保存方法、調理方法を載せる面の確保

09

販売する荷姿のまま行う凍結テスト

包装方法は机上では決まりません。同じロットの商品を、真空包装、脱気包装、トレー入り、未包装、凍結後包装のように条件を分けて凍らせ、凍結直後だけでなく保管後、解凍後、再加熱後まで比べます。

テストは、最終的に販売する袋、トレー、外箱、入数で行います。小さな袋で試して本番で厚いパックに変えると、中心温度の下がり方も仕上がりも変わります。最も厚い部分に温度センサーを入れて測ります。

凍結時間、見た目、重量変化、ドリップ、包装内の霜、シールの状態を記録しておくと、量産条件の根拠になり、取引先への品質説明にも使えます。KOGASUNの凍結テストでは、包装前、包装後、凍結後包装の条件を並べて比較できます。

  • 同じロットで包装条件だけを変える
  • 販売する袋・トレー・入数のまま試す
  • 最も厚い部分の中心温度を測る
  • 凍結直後、保管後、解凍後、再加熱後まで見る
断面を見せたままのフルーツサンドと透明フィルムで個包装したフルーツサンドを同じトレーで凍結した様子
断面を見せたサンドと個包装したサンドを同じトレーで一度に凍結。包装の前後を同条件で比べる進め方の例です。

FAQ

よくある質問

冷凍食品は必ず真空包装しないといけませんか。

必ずではありません。肉、魚、味付け肉、ソース、業務用パックでは真空包装が合う場合がありますが、パン、菓子、揚げ物、やわらかい惣菜、形を見せたい商品では真空圧で潰れることがあります。商品ごとに脱気包装、トレー包装、凍結後包装と比べて決めます。

凍結前に包装するのと、凍結後に包装するのはどちらがよいですか。

商品によって変わります。液体を含む商品や、真空包装済みの肉、魚、パウチ品は凍結前包装が合いやすく、揚げ物、パン、菓子、盛り付け済みの惣菜や弁当は、トレーで凍らせてから包装する方が形を守りやすい傾向です。迷う場合は両方を同じ条件で凍らせて比べます。

厚みのある業務用パックは、袋のまま急速冷凍できますか。

できます。調味済みの唐揚げ用もも肉2kgパックは、袋のまま4℃から70分で中心-18℃に到達しました。ただし袋の厚み、形状、調味液の粘度、段積みの有無で凍結時間は変わるため、実際の荷姿で温度センサーを入れて確かめます。

液体を含む商品は、どの方式でも包装が必要ですか。

スープやタレなど液体そのものを含む商品は、方式を問わず袋やパウチに密封してから凍らせます。液体に浸して凍らせる方式では、食品を液体に触れさせないため、多くの場合、密封包装が前提になります。エアブラスト式や3Dフリーザー®は冷気で凍らせるため、液体を含まない商品では包装の有無を選べます。

包装の内側に霜が付くのはなぜですか。

食品から蒸発した水分が、冷えたフィルムの内側で氷の結晶に変わるためです。袋やトレーの中の空気層が断熱材のように働いて凍結が長引くほど、霜は厚く広がります。袋サイズを食品に合わせて空気を減らし、段積みを避け、短時間で凍結を終えることが対策です。

包材の耐冷温度はどのくらい必要ですか。

耐冷温度は包材ごとに異なるため、包材メーカーや仕入先の表示で確認してください。あわせて食品用途に使えるか、電子レンジや湯せんに対応するか、シール強度が冷凍配送に耐えるかを確認し、冷凍、保管、解凍、再加熱までの流れで実物を試します。

包装方法別に凍結テストはできますか。

できます。同じ商品を真空包装、脱気包装、トレー入り、未包装、凍結後包装のように分け、同じ条件で凍らせて比べると、どの包装が合うか判断しやすくなります。販売する袋やトレーをそのまま持ち込み、最も厚い部分の中心温度と解凍後の仕上がりを確認します。

出典

機種選定の前に、自社の食材で無料の凍結・冷却テスト

凍結・冷却テストは無料で、訪問、来場(全国4拠点)、郵送の3種類です。食材500g〜2kg程度を用意いただくと、申込みから1〜2週間で実施し、中心温度の推移と品質を報告書でお渡しします。機種選定、見積、補助金の相談も、テストの申込みと同じお問い合わせフォームで承ります。

本社(山口)
東京営業所
関西営業所
札幌営業所

電話受付 9:00〜17:00(土・日・祝を除く)

導入ガイドの項目

  1. 導入ガイド
  2. 01 冷凍機と冷却機の違い
  3. 02 積載数と処理量
  4. 03 商品形態と製造工程
  5. 04 包装の種類と荷姿
  6. 05 保管設備と温度帯
  7. 06 賞味期限の設定
  8. 07 解凍設計と表示
  9. 08 販路と凍結条件
  10. 09 高付加価値の商品化
  11. 10 凍結時間の目安
  12. 11 解凍方法の種類
  13. 12 導入費用と補助金

最終更新: 2026年9月2日。数値は製品ページ、テスト記事、一次資料に基づきます。3Dフリーザー®、3D凍結®、ACVCS®は株式会社コガサンの登録商標です。

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