01導入ガイド
急速冷凍機と急速冷却機の違い到達温度・仕組み・対象業種
急速冷却機は加熱後の食品を中心温度3℃付近まで、急速冷凍機は中心温度−18℃以下まで短時間で下げる機械です。役割は到達温度で分かれ、当日から数日以内に提供する現場は冷却機、数週間以上の保存や遠方への販売をする事業は冷凍機が基本です。両方が日常的に発生する現場には、冷却と冷凍を切り替えて使う機種があります。

要点
- 冷却機は3℃付近、冷凍機は−18℃以下。到達温度で役割が決まる
- 給食・病院・ホテルは冷却、水産・食肉・製菓・通販は冷凍が主用途
- 冷却基準は厚生労働省のマニュアル、保存温度は法令−15℃と協会自主基準−18℃
01
到達温度の違い。冷却機は3℃付近、冷凍機は−18℃以下
急速冷却機(ブラストチラー)と急速冷凍機(ショックフリーザー)の違いは、食品の中心温度をどこまで下げるかです。冷却機は加熱直後の食品を3℃付近のチルド帯で止め、冷凍機は−18℃以下の冷凍帯まで下げます。
冷却機は、菌が増えやすい温度帯を短時間で通過させて、当日から数日以内の提供を安全にします。冷凍機は、水が氷に変わる温度帯を短時間で通過させて、解凍後の品質を保ったまま長期保存に回します。
選ぶ基準は、提供までの期間と届ける距離です。数日以内に近くで提供するなら冷却機、数週間以上の保存や遠方への配送なら冷凍機が基本です。
上の温度と時間は目安です。実際の到達時間は食品の厚み・投入温度・積載量で変わるため、実機テストで確定します。
温度帯と2つの機械の担当範囲
20〜50℃付近は菌が増えやすい温度帯、−1〜−5℃付近は氷の結晶が大きく育つ最大氷結晶生成温度帯です。どちらも短時間で通過することが目的です。
02
急速冷却機。加熱後の食品を中心3℃付近まで冷やす機械
急速冷却機は、加熱調理を終えた食品を強い冷気で一気に冷やし、中心温度を3℃付近まで下げる機械です。自然放冷や冷蔵庫では数時間かかる冷却が、数十分から90分程度(目安)で終わります。
冷却の速さは衛生管理に直結します。厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルは、加熱後に冷却する場合、30分以内に中心温度20℃付近(又は60分以内に10℃付近)まで下げるよう求め、冷却の開始時刻と終了時刻の記録も求めています。
多くの機種は食品の中心に差し込む芯温センサーを備え、目標温度への到達を数値で確認できます。加熱、急速冷却、チルド保存の順で仕込みを前倒しするクックチルでは、この機械が工程の中心になります。
冷却機の到達温度はチルド帯までです。冷凍保存や冷凍配送には急速冷凍機、または冷却と冷凍を切り替えられる機種が必要です。

03
急速冷凍機。氷の結晶を小さく保ったまま凍らせる機械
急速冷凍機は、食品を強い冷気で短時間に凍らせ、中心温度を−18℃以下まで下げる機械です。通常冷凍との違いは凍る速さで、−1〜−5℃付近の最大氷結晶生成温度帯をどれだけ速く抜けるかが品質を分けます。
通常冷凍ではこの温度帯に長くとどまるため、氷の結晶が大きく育って細胞を壊します。解凍時にうま味を含んだ水分がドリップとして流れ出し、食感や色、重量が損なわれます。急速冷凍は結晶を小さく保つため、この損失を抑えられます。
冷凍機の用途は保存にとどまりません。旬の食材の通年販売、EC・通販や輸出への販路拡大、繁忙期に向けた計画生産など、冷凍在庫を前提にした事業の組み立てに使います。
冷凍保存の期限は機械が決めるものではありません。期限は製造業者などの表示責任者が保存試験をもとに設定します。

04
仕組みは強い冷風。冷気の湿度で凍結後の品質に差
急速冷却機も急速冷凍機も、基本の仕組みは同じです。庫内のファンが冷気を食品に強く当て、表面にできる熱の境界層を吹き飛ばして熱を奪います。冷却機はチルド帯で止め、冷凍機は−30℃以下の庫内温度で凍結まで進めます(庫内温度は機種で異なります)。
一般的な冷凍庫では、冷気をつくる冷却器(フィンコイル)が空気中の水分を霜として奪うため、庫内の冷気は乾きます。乾いた強風が当たると表面が乾燥し、目減り(重量ロス)や冷凍焼けが起こりやすくなります。
3Dフリーザー®の特許技術ACVCS®(非貫流熱交換方式)は、冷気をフィンコイルに戻さない構造で庫内の水分を保ち、高湿度の3D冷気を全方向から循環させます。乾燥・目減り・ドリップを抑えたい商品に向く方式です。
- 一般エアブラスト式: 一方向からの乾いた強風。凍る力はあるが、乾燥と冷却ムラが出やすい
- 高湿度3D冷気(ACVCS®): 冷気を冷却器に戻さず湿度を保ち、全方向から均一に冷やす
- 液体凍結・窒素凍結: 速いが、真空包装が前提になる、急激な温度変化を受ける、消耗品費がかさむといった制約がある
方式ごとの得意・不得意は食材で変わります。同じ「急速冷凍機」でも、冷気の乾き方で凍結後の歩留まりに差が出ます。

05
給食・病院・ホテルは冷却、水産・食肉・製菓・通販は冷凍
どちらの機械が中心になるかは、提供までの期間で決まります。当日から数日以内に食事を出す給食センター、病院、惣菜工場、ホテルや宴会場では、加熱後の粗熱取りを速く終える急速冷却機が中心です。
水産加工、食肉・精肉、製菓・ベーカリー、EC・通販、輸出のように、商品を数週間以上保存して遠方へ届ける事業では、品質を保って凍らせる急速冷凍機が中心です。刺身や生菓子など、通常冷凍では品質が落ちやすい商品ほど差が出ます。
セントラルキッチンや飲食店のように、日々の粗熱取りと冷凍商品化の両方がある現場では、冷却と冷凍を切り替えられる1台2役の機種が候補になります。
上の対応は代表例です。給食施設でも冷凍商品化を始めれば冷凍が必要になるなど、実際の主用途は各社の工程で変わります。
業種と用途
急速冷却が中心
中心3℃付近- 給食・病院・介護
- ホテル・宴会場
両方が必要
3℃ / −18℃- 惣菜工場・中食
- セントラルキッチン
- 飲食店
急速冷凍が中心
中心−18℃以下- 水産加工・漁業
- 食肉・精肉
- 製菓・ベーカリー
- EC・通販・輸出
代表例です。給食施設でも冷凍商品化を始めれば冷凍が必要になるなど、主用途は各社の工程で変わります。
06
冷却と冷凍の両方がある現場。切替式の1台2役の機種
冷却と冷凍の両方が日常的に発生する現場では、専用機を2台置くより、モードを切り替えて両方を担う機種のほうが設置面積と導入費用を抑えやすくなります。3Dフリーザー®はタッチパネルで急速冷却(芯温3℃以下)と急速冷凍(芯温−18℃以下)を切り替えます。
実機テストでは、握りたて51℃のおにぎりを放冷せずに投入し、60分で中心−18℃に到達しました。加熱後の冷却から凍結までを1台で連続処理できるため、粗熱取りの待ち時間そのものを省けます(1回の条件での実測値・目安)。
切替式の機種は、急速冷却機(ブラストチラー)の置き換え候補にもなります。冷却中の乾燥やパサつき、目減りは冷気の湿度で差が出るため、粗熱取りの仕上がりも、冷凍の仕上がりと同じく実機で見比べます。
切替式でも処理量は機種と積載条件で変わります。冷却のみのテストにも対応しているため、両方の工程を試したうえで機種を決めます。

07
冷却は厚労省マニュアル、保存温度は法令−15℃と協会−18℃
冷却の根拠は厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルです。加熱後に冷却する場合、30分以内に中心温度20℃付近(又は60分以内に10℃付近)まで下げるよう工夫し、冷却の開始・終了時刻を記録することを求めています。適用対象は同一メニューを1回300食以上又は1日750食以上提供する施設です。
凍結の速さの目安は日本冷凍食品協会が示しています。前処理を施し、急速凍結し、包装して−18℃以下で保存したものを冷凍食品とし、急速凍結は最大氷結晶生成温度帯をおおむね30分以内に通過することを目安としています。
保存温度は、法令の数値と自主基準の数値を分けて扱います。食品衛生法の規格基準(厚生省告示第370号)では冷凍食品の保存基準は−15℃以下で、−18℃以下は協会の自主基準と国際的な目安です。実務や取引先基準では−18℃以下が広く使われています。
このマニュアルは大量調理施設向けの規定ですが、中小規模の調理施設でも趣旨を踏まえた衛生管理が求められています。
| 基準 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 加熱後の冷却 | 30分以内に中心20℃付近、又は60分以内に10℃付近。時刻を記録 | 厚労省 大量調理施設衛生管理マニュアル |
| 調理後の管理温度 | 直ちに提供しない食品は10℃以下又は65℃以上 | 同マニュアル |
| 急速凍結の目安 | 最大氷結晶生成温度帯をおおむね30分以内に通過 | 日本冷凍食品協会 |
| 冷凍食品の保存(法定) | −15℃以下 | 食品衛生法 規格基準(厚生省告示第370号) |
| 冷凍食品の保存(自主基準) | −18℃以下 | 日本冷凍食品協会 |
08
呼称の揺れ。ショックフリーザーも瞬間冷凍機も同じ機械
急速冷凍機には呼び名が複数あり、カタログや検索結果では別の機械のように見えます。ショックフリーザー、瞬間冷凍機、急速凍結機はいずれも急速冷凍機を指し、名称で機械の分類が変わるわけではありません。
特殊冷凍機・特殊急速冷凍機は、一般的なエアブラスト式(乾いた冷風を強く当てる方式)とは異なる独自方式の機器を指す呼び名で、高湿度の3D冷気で凍らせる3Dフリーザー®もこれにあたります。
冷却側はブラストチラー、チラー、急速冷却機がほぼ同じ意味で使われます。機種の比較では、名称ではなく到達温度、1回の処理量、冷気の湿度をそろえて読み比べます。
| 呼称 | 意味 | 到達温度 |
|---|---|---|
| 急速冷凍機 | 短時間で凍らせる機械の一般名 | −18℃以下 |
| ショックフリーザー | 急速冷凍機の別名 | −18℃以下 |
| 瞬間冷凍機 | 急速冷凍機の別名 | −18℃以下 |
| 急速凍結機 | 急速冷凍機の別名 | −18℃以下 |
| 特殊冷凍機 | 一般エアブラスト式と異なる独自方式の急速冷凍機 | −18℃以下 |
| ブラストチラー/チラー | 急速冷却機の別名 | 3℃付近 |
09
機種選定の前に自社の食材で実機テスト
機械の種類が定まったら、カタログの数値ではなく自社の食材で確かめます。同じ機種でも、食品の厚み、包装の有無、投入温度、トレーへの並べ方で冷却・凍結にかかる時間は変わります。
処理量の目安は、厨房向けのテーブルモデルで1時間あたり8kg程度から、工場向けの連続式で1時間あたり数百kg以上までの幅があります。いずれも目安で、実際の処理量は実機テストで確定します。
実機テストには、担当者が機械を持参する訪問テスト、全国4拠点での来場テスト、食材を送る郵送テストの3種類があり、冷却(粗熱取り)のみのテストにも対応しています。解凍後の味、食感、ドリップ、重量まで確認できます。
処理量・積載数・凍結時間は保証値ではありません。テスト報告書の実測値をもとに機種を選びます。

FAQ
よくある質問
急速冷却機と急速冷凍機は何が違うのですか。
到達温度が違います。急速冷却機は加熱後の食品を中心温度3℃付近のチルド帯まで冷やす機械で、当日から数日以内の提供を安全にするのが目的です。急速冷凍機は中心温度−18℃以下まで凍らせる機械で、解凍後の品質を保ったまま長期保存し、遠方へ届けるのが目的です。提供までの期間と届ける距離で選びます。
急速冷却機で冷凍もできますか。
一般的な急速冷却機ではできません。到達温度はチルド帯(3℃付近)までで、−18℃以下の冷凍には対応していません。冷凍保存や冷凍配送が必要な場合は急速冷凍機が必要です。冷却と冷凍の両方が日常的に発生する現場では、モード切替で急速冷却と急速冷凍を1台でこなす機種にすると、設置面積と導入費用を抑えやすくなります。
ショックフリーザーや瞬間冷凍機は、急速冷凍機と別の機械ですか。
同じ機械です。ショックフリーザー、瞬間冷凍機、急速凍結機はいずれも急速冷凍機の別名で、名称によって分類が変わるわけではありません。特殊冷凍機は、一般的なエアブラスト式とは異なる独自方式の急速冷凍機を指す呼び名です。比較の際は、名称ではなく到達温度、1回の処理量、冷気の湿度をそろえて読み比べてください。
冷凍食品の保存温度は、法令ではどう定められていますか。
法定基準は−15℃以下です。食品衛生法の規格基準(厚生省告示第370号)では冷凍食品の保存基準を−15℃以下と定めています。−18℃以下は日本冷凍食品協会の自主基準と国際的な目安で、実務や取引先基準では−18℃以下が広く使われています。自社の記録基準をどちらに置くかを決めて、保管温度の管理に反映してください。
加熱後の冷却は、何分でどこまで下げればよいのですか。
30分以内に中心温度20℃付近、又は60分以内に10℃付近までが基準です。厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルがこの冷却を求め、冷却の開始時刻と終了時刻の記録も求めています。適用対象は同一メニューを1回300食以上又は1日750食以上提供する施設ですが、中小規模の施設でも趣旨を踏まえた管理が求められています。
急速冷凍の効果は、食材によって変わりますか。
変わります。急速冷凍は最大氷結晶生成温度帯を短時間で抜けることでドリップや食感低下を抑えますが、食品の厚み、包装の有無、投入温度、トレーへの並べ方で凍結時間は変わります。カタログの数値だけで判断せず、自社の主力商品で実機テストを行い、解凍後の味・食感・ドリップ・重量を確認してから機種を選んでください。
出典
- 厚生労働省 大量調理施設衛生管理マニュアル(平成29年6月16日最終改正) https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/
加熱後の冷却基準(30分以内に中心20℃付近、又は60分以内に10℃付近)、時刻記録、10℃以下又は65℃以上の管理、適用対象(300食/回・750食/日)、別添1の冷凍食品−15℃以下 - ブラストチラーとは?業務用の仕組み・選び方・価格を専門メーカーが解説 https://kogasun.com/blast-chiller-complete-guide/
急速冷却機の定義(90℃→3℃・90分の目安)、強制対流と芯温センサーの仕組み、クックチル、冷却機の到達温度がチルド帯までである点 - 急速冷凍機とは?仕組み・種類・選び方を業務用メーカーが徹底解説 https://kogasun.com/rapid-freezer-guide/
最大氷結晶生成温度帯(−1〜−5℃)と30分以内通過、通常冷凍との違い、−30℃以下の庫内環境、エアブラスト式の乾燥リスク、方式比較、凍結テストの重要性 - ブラストチラーvs急速冷凍機 違いと選び方|コストと品質で徹底比較 https://kogasun.com/blast-chiller-vs-rapid-freezer/
到達温度(3℃前後/−18℃以下)、目的別の選び方、適した業態と代表的な食品(鮮魚・寿司ネタ、冷凍惣菜・冷凍弁当・ケーキ等)、急速凍結機・ショックフリーザーの呼称 - 3Dフリーザー®とは | KOGASUN https://kogasun.com/about_3dfreezer/
ACVCS®(非貫流熱交換方式)の仕組み、3Dフリーズモード(芯温−18℃以下)と3Dチラーモード(芯温3℃以下)、特殊冷凍機の呼称、業種別の課題、処理量の目安(8kg/hの小型機から連続式ライン)、実機テストの3種類(訪問・全国4拠点での来場・郵送)と冷却のみのテスト対応 - 急速冷凍と食品衛生法|営業許可・HACCP・表示義務を解説【2026年版】 https://kogasun.com/rapid-freezing-food-sanitation-law/
保存温度の法定基準−15℃以下(厚生省告示第370号)と日本冷凍食品協会の自主基準−18℃以下の区別 - 急速冷凍とは|品質を守る仕組みと通常冷凍との違い https://kogasun.com/what-is-rapid-freezing/
日本冷凍食品協会が示す急速凍結の目安(最大氷結晶生成温度帯をおおむね30分以内に通過) - おにぎりの急速冷凍テスト事例 https://kogasun.com/onigiri-freezing-case-study/
握りたて51℃を放冷なしで投入し60分で中心−18℃到達、冷却から凍結まで1台で連続処理した実測データ - 焼き芋の急速冷凍テスト事例 https://kogasun.com/sweet-potato-3dfreezer-test/
中心98℃から−18℃まで90分で到達した実測データ
機種選定の前に、自社の食材で無料の凍結・冷却テスト
凍結・冷却テストは無料で、訪問、来場(全国4拠点)、郵送の3種類です。食材500g〜2kg程度を用意いただくと、申込みから1〜2週間で実施し、中心温度の推移と品質を報告書でお渡しします。機種選定、見積、補助金の相談も、テストの申込みと同じお問い合わせフォームで承ります。
導入ガイドの項目
- 導入ガイド
- 01 冷凍機と冷却機の違い
- 02 積載数と処理量
- 03 商品形態と製造工程
- 04 包装の種類と荷姿
- 05 保管設備と温度帯
- 06 賞味期限の設定
- 07 解凍設計と表示
- 08 販路と凍結条件
- 09 高付加価値の商品化
- 10 凍結時間の目安
- 11 解凍方法の種類
- 12 導入費用と補助金
最終更新: 2026年9月2日。数値は製品ページ、テスト記事、一次資料に基づきます。3Dフリーザー®、3D凍結®、ACVCS®は株式会社コガサンの登録商標です。
