急速冷凍で生しらすを通年提供に変えた漁師直営の株式会社七宝丸様の導入事例

生しらすの旬は、夏の終わりから秋口までのわずかな期間です。足が早く、時間が経てばドリップと臭みが出ます。そのため、この味は季節限定とされてきました。広島県江田島市で漁業から水産加工、飲食店までを手掛ける株式会社七宝丸様は、その常識に挑みました。本記事では、旬のまま凍結した生しらすの通年提供という導入事例に加えて、しらすの足がなぜ早いのか、凍結したあと家庭に持ち帰るまで品質を守る考え方まで解説します。

結論:生しらすは旬のまま冷凍でき、季節限定の看板メニューが通年の強みに変わった

株式会社七宝丸様は、3Dフリーザー®の導入で、秋口までしか出せなかった生しらすを一年中提供できるようになりました。旬の時期に大量に急速冷凍しておく運用により、いつ来ても美味しい生しらすが食べられる店として認知され、他店との差別化につながりました。江田島の海鮮工房&カフェ「ハジマリノテラス」では獲れたてをその場で凍結したお土産が評判となり、豊漁時のストックは食品ロスの削減と安定供給を支えています。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業株式会社七宝丸様(広島県江田島市・広島市)
事業漁業、水産加工、海鮮居酒屋「七宝丸」、海鮮工房&カフェ「ハジマリノテラス」
対象食材生しらす、鯛などの瀬戸内海の魚介
導入目的季節限定メニューの通年化、お土産品の品質確保、食品ロス削減
導入機種3Dフリーザー® トレーインタイプ(2枚扉モデル)
導入の決め手繊細なしらすを傷つけず、生食できる品質のまま凍結できた

導入企業:漁業から食卓まで、6次産業化の担い手

株式会社七宝丸様は、江田島近海で獲れた新鮮な魚介類を扱う水産加工会社であると同時に、広島市内で海鮮居酒屋「七宝丸」などの飲食店も経営しています。さらに江田島には海鮮工房&カフェ「ハジマリノテラス」を構え、観光客へのお土産販売や飲食提供も行っています。獲るところから加工、販売まで自社で担う、6次産業化を体現する企業です。

瀬戸内海と島々を見渡す、タープの張られたハジマリノテラスのテラス席

導入前の課題:旬の短さと、足の早さ

強みである鮮度を活かしきれない悩みが、三つありました。

  • 旬が限られる。人気のしらすの漁期は夏の終わりから秋口まで。それ以外の時期は提供できず、お客様の要望に応えられなかった。
  • 鮮度維持が難しい。生しらすは足が早く、少し時間が経つだけでドリップが出て臭みにつながるため、保存がきかなかった。
  • お土産の品質。観光客に海産物を販売したくても、家庭に持ち帰るまでの鮮度維持が課題だった。

なぜ生しらすは、これほど足が早いのか

同じ魚介でも、しらすの鮮度落ちはとりわけ速いといえます。その理由は、この魚の姿かたちそのものにあります。

しらすは体長数センチの稚魚で、頭も内臓も付いたまま丸ごと食べる魚です。魚の身は、時間の経過とともに自らが持つ分解酵素の働きでやわらかくなっていきますが、内臓に多く含まれるその酵素が、しらすの場合は身のすぐ隣にあります。しかも体が小さいぶん、重さのわりに外気や海水に触れる表面積が大きくなります。分解の進みやすい条件がそろっているのです。ドリップが出て臭みが立つのは、この変化が進んだ結果です。そして変化の速さを決めるのは、温度です。温度が高いほど反応は速く進み、低いほどゆっくりになります。

ここに冷凍の弱点が重なると、事態は悪化します。ゆっくり凍らせれば、身の中の水分は大きな氷の粒に育ち、薄い身の細胞膜を押し破ります。

急速冷凍で重要な最大氷結晶生成帯の-1〜-5℃付近を示す温度変化のイメージ

解凍したとき、破れた場所から細胞の中身が外へ出てきます。分解酵素と身が混ざり合ったこの状態が、臭みが一気に立つ原因です。しらすを冷凍するとおいしくない、と言われてきた理由は、ここにありました。

3D凍結®が、獲れたての生しらすを生食品質のまま冷凍できる理由

3Dフリーザー®(ACVCS®高湿度冷気)でムラなく冷却・冷凍するイメージ

打つ手は二つあります。変化が進む前に温度を下げてしまうことと、凍らせるときに細胞膜を壊さないことです。温度を下げる速さだけなら、強い風の急速冷凍機でも得られます。ただし体の小さいしらすは、強風にさらせば乾き、トレーの上で吹き寄せられてしまいます。3Dフリーザー®は、この二つを穏やかな風のまま同時に実現します。

その穏やかな風の正体が、高湿度の3D冷気です。全方向からしらすを包み込み、一気に温度を落とします。分解が進む時間を与えず、獲れたての状態で品質を固定します。旬の時期に水揚げしたその日に凍結できることが、この事例の出発点です。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

小さな身ほど、凍り方の均一さが仕上がりを左右します。トレーの中央と端とで冷気の量が違うと、凍るのが遅い場所では氷結晶が大きく、角の張った歪な形に育ちます。しらすの薄い身は、その角にたやすく裂かれます。一パックの中に形の崩れた身が混ざる理由は、この凍り方の差にあります。3Dフリーザー®は冷気の当たり方に偏りがないため、どの位置の身も凍り上がりまでの時間がそろいます。

同時に、氷が育つ温度帯を短時間で通り抜けるため、水分は大きな粒になりません。微細な粒しか作らなければ、しらすの薄い身も破れず、解凍しても細胞の中身は身の中にとどまります。

ドリップが出なければ、臭みが立つ原因そのものがなくなります。ここまで満たして初めて、加熱用ではなく生食で出すという同社の基準を満たせます。

小さな身には、冷気の湿度も欠かせません。冷気が乾いていないからこそ、しらすはふっくらとした姿のまま凍ります。水揚げのたびに続けて投入しても冷気が乾かないのは、冷却器への着霜を抑えるKOGASUN独自のACVCS®によるものです。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

導入の決め手:繊細なしらすを、生食できる品質のまま凍らせる

導入の決め手は、繊細なしらすさえ傷つけずに凍らせる技術でした。高湿度の3D冷気が全方向から包み込み、急速に凍結するため、解凍してもドリップとして旨味が流れ出ません。

白い衛生服の作業者が、2室型の3Dフリーザーへトレーを差し込んでいる後ろ姿

加熱用ではなく、最も条件の厳しい生食としての提供に耐える品質を保てたことが、鮮度を強みとする漁師直営店の基準を満たしました。

比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

効果1:生しらすの通年提供が、店の名物になった

これまで秋口までしか出せなかった生しらすが、旬の時期に大量に急速冷凍しておくことで一年中提供できるようになりました。いつ来ても美味しい生しらすが食べられる店という評判が、他店との明確な差別化になっています。

季節限定の看板メニューは、提供できない期間が長いほど機会損失が大きくなります。旬の時期にまとめて凍結しておく運用は、その取りこぼしを抑える打ち手になります。

効果2:獲れたてをその場で凍結する、お土産の付加価値

庫内の2段のトレーに、鯛の頭と切り身が並んで凍結されている様子

江田島の「ハジマリノテラス」では、獲れたての魚をその場で急速冷凍し、お土産として販売しています。家で解凍しても現地の味そのままで感動した、という評判が商品の付加価値を高めました。現地の味をそのまま持ち帰れることが、物販の確かな訴求点になります。

効果3:豊漁時の水揚げをストック化し、食品ロスを削減した

獲れすぎた日でも、鮮度を落とさずにストックしておけるため、食品ロスを削減しながら安定した供給・提供体制を築けました。漁師直営だからこそ向き合ってきた「獲れすぎる日」の悩みが、強みに変わっています。導入前後の変化をまとめます。

皮目を残した鯛の切り身が並ぶクローズアップ
観点導入前導入後
生しらす秋口までの季節限定旬のまま凍結し通年提供
お土産持ち帰りの鮮度が課題その場で凍結し現地の味を持ち帰り
豊漁時売り切れず廃棄の懸念ストック化で食品ロス削減

漁協による鮎の事例は漁業協同組合様の導入事例で、魚介類のほかの実例は魚介類の導入事例一覧で確認できます。

導入機種:獲れたてをその場で凍らせるトレーインタイプ(2枚扉モデル)

導入機種は、3Dフリーザー®のトレーインタイプ(2枚扉モデル)です。生しらすや魚をトレーに広げ、棚へ差し込むだけで凍結できます。上下2室の扉により水揚げの合間の少量投入でも冷気を保って運転でき、獲れたてをその場で凍らせるお土産づくりに合う構造です。機種の一覧は3Dフリーザーの製品ラインナップで確認できます。

上下2室の扉を開いたKOGASUNトレーインタイプ。トレー棚が並び、脇に操作パネルが付く

お客様の声:株式会社七宝丸様より

「うちの強みは『新鮮な魚』をお客様に届けられること。シラスは秋口までがシーズンですが、シーズンを過ぎても凍結させることで、新鮮なままお客様に届けられる点が導入して良かった点です。アフターフォローもしっかりしているので、これからも活用していきたいです。」

ご協力いただいた企業様

「江田島海鮮工房 七宝丸」の看板を掲げたコンテナ建築と屋上テラスのあるハジマリノテラスの外観

株式会社七宝丸様

獲れたての生しらすを、生食できる品質のまま凍結できるか試す:無料の凍結テスト

鮮度劣化の早い食材ほど、凍結設備の実力差がそのまま品質差になって表れます。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。しらすのような繊細な魚介や、旬の限られる食材を持ち込めば、次の項目を確かめられます。

確認項目見るポイント
解凍後の香り臭みが立っていないかを、生の状態と比べて確かめる
身の姿ふっくらとした形が残っているか、しぼんでいないかを見る
ドリップ解凍後に容器へ出る水分の量を比べる
生食の可否加熱せずそのまま食べたときの味と食感を確かめる
小さな食材の扱い風で飛ばされずにトレーの上で凍らせられるかを見る

生食提供を想定した品質の見極めにも対応します。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

しらす・旬の魚介の冷凍でよくある質問

生しらすのような足の早い魚も、冷凍で品質を保てますか?

保てます。鮮度劣化が早い食材ほど、獲れた直後に凍結する価値が大きくなります。細胞を壊さない3D凍結®なら、解凍後もドリップが出にくく、本事例のように生食できる品質のまま提供できます。

釜揚げしらすと生しらすで、冷凍の考え方は変わりますか?

変わります。加熱済みの釜揚げは比較的冷凍に強い一方、生しらすは細胞の損傷がそのまま食感と臭みに直結します。生食用こそ凍結スピードと湿度管理が問われるため、設備の実力差が出やすい食材です。本事例では、3Dフリーザー®による凍結で生食できる品質を保てたことが導入の決め手になりました。

観光地で冷凍の海産物をお土産にするとき、何が大切ですか?

家庭に着くまでの保冷と、家庭での解凍案内までを商品設計に含めることです。本事例では獲れたてをその場で3Dフリーザー®にかけ、現地の味をそのまま持ち帰れる価値が評判につながりました。

季節限定メニューを通年化すると、店の経営はどう変わりますか?

看板メニューの提供期間が伸びるほど、集客の柱を長く使えるようになります。旬の時期の大量凍結が前提になるため、漁期・仕入れ計画と凍結能力をセットで設計することが成功の条件です。本事例でも、旬の時期にまとめて凍結する運用で生しらすの通年提供を実現しています。

漁業・水産加工の6次産業化に、設備面の支援はありますか?

加工・販売への展開投資として、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金が候補になります。地域の水産振興施策が使える場合もあるため、KOGASUNの導入相談で計画段階からご確認ください。

まとめ:旬の時期の急速冷凍が、漁師直営の強みを通年の事業の柱にした

七宝丸様の事例が示しているのは、鮮度管理が難しい食材ほど、急速冷凍の効果が大きいということです。足の早さの正体が温度と時間である以上、獲れたその日に一気に凍らせることが最も効果的な対策になります。生しらすの通年提供、その場で凍結するお土産、豊漁の日のストック化が実現しました。漁師直営の強みが、季節に縛られない事業の柱になりました。季節限定メニューの通年化やお土産品の品質向上を考える飲食店・水産加工の現場は、まず無料の凍結テストで実力をお確かめください。機種選定や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
導入・更新をご検討中の方へ
食品・生産量・設置環境に合わせて、最適な3Dフリーザーをご提案します。
機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
お問い合わせ・ご相談

関連記事

お問い合わせ