牡蠣お好み焼きと牡蠣めしを地域ブランド認定に導いた海鮮厨房まからずや様の導入事例

岡山県浅口市の寄島漁港のそばで、弁当や惣菜、お好み焼きを作り続けてきた海鮮厨房まからずや様。地元特産の牡蠣を使ったお好み焼きの評判を店の外へ届けたい、という思いから始まった初めての冷凍食品開発は、地域ブランド認定、大手百貨店のギフト採用へと実を結びました。本記事では、作りたてを熱いまま真空包装してそのまま急速冷凍する工程を確立した導入事例に加えて、お好み焼きが冷凍でべちゃつく仕組みと、なぜ熱いまま入れられるのかまで解説します。

結論:牡蠣お好み焼きの冷凍商品化が成功し、地域ブランド認定から百貨店ギフトへ販路が広がった

海鮮厨房まからずや様は、真空包装機と3Dフリーザー®の組み合わせで、看板商品の牡蠣お好み焼きを冷凍商品化しました。作りたてを熱いまま真空包装し、そのまま急速冷凍する工程です。同時開発の牡蠣めしとともに地域ブランド商品に認定され、大手スーパーやアンテナショップ、さらに大手百貨店のギフト商品として扱われるまでになり、生産量は飛躍的に増えています。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業海鮮厨房まからずや様(岡山県浅口市)
対象食材牡蠣お好み焼き(寄島風お好み焼き)、漁港の釜飯シリーズ
導入目的販路拡大、ブランド認知向上
導入機種3Dフリーザー® 2枚扉トレーインタイプ
導入の決め手熱いまま真空包装から急速冷凍する工程で、生地のふんわり感を再現できた

導入の経緯:初めての冷凍食品開発で、真空包装機と3Dフリーザー®の組み合わせにたどり着いた

同社は弁当、惣菜、お好み焼きなどを製造販売してきた地域の食のプロです。販路拡大策として選んだのが、地元特産の牡蠣を使った人気のお好み焼きの冷凍商品化でした。冷凍食品の開発は初めての経験です。機械メーカーや商社と条件をひとつずつ満たしながら、商品づくりを進めていきました。

鉄板の上でヘラに載せた、ソースとマヨネーズがかかりカットされたお好み焼き

当初は調理したものを一般的な冷凍庫で凍らせていました。しかし、食の安全と品質の両方を突き詰めるにはそれでは足りません。たどり着いたのが、真空包装機と3Dフリーザー®を組み合わせた工程でした。

なぜお好み焼きは、冷凍でべちゃつくのか

焼きたてのお好み焼きは、生地がふんわりと軽く、キャベツはしゃきっとしています。冷凍したものを温め直すと、この二つが同時に崩れることがあります。原因は、どちらも水分の移動です。

お好み焼きの生地は、小麦粉のたんぱく質と卵が細かな網目状につながり、その網目の中に空気を含んで膨らんでいます。凍結がゆっくり進むと、生地の中の水分は一か所に集まりながら大きな氷の粒に育ち、この網目を押し破ります。破れたたんぱく質の網目は、解凍しても元には戻りません。含んでいた空気は抜け、水分は行き場を失って生地の外へにじみ出します。ふんわりが失われ、べちゃついた食感になるのはこのためです。

キャベツも同じ道をたどります。野菜の細胞は、細胞壁と細胞膜という二重の仕切りの内側に水分を抱えていますが、大きな氷はこれを破ります。

破れれば、しゃきっとした歯ざわりを支えていた水が出ていきます。生地とキャベツの両方から水が出れば、皿の上のお好み焼きは水っぽくなります。氷の粒が育つのは、食品の温度が-1〜-5℃の帯にある間で、ここを素早く抜ければ粒は微細なまま収まります。素早く凍らせる手段としては、強い風を当てる急速冷凍機が一般的です。ただし強風は、焼き上がりの柔らかい生地から水分を奪い、表面を乾かしながら凍らせます。お好み焼きには、風に頼らない速さが要ります。

なぜ、焼きたてのお好み焼きを熱いまま3Dフリーザー®へ入れられるのか

もう一つの課題は、焼き上がりの熱です。一般的な冷凍庫に熱いものを入れれば、立ち上る湯気が庫内で霜となって冷却器を覆い、冷却の能力が落ちてしまいます。そのため一般には放冷が必要になり、その待ち時間に水分は蒸発し、品質も落ちていきます。

3Dフリーザー®には、冷却器への着霜を抑えるKOGASUN独自のACVCS®が組み込まれています。湯気の出る高温の商品を入れても霜に邪魔されず、能力を保ったまま一気に温度を下げられます。この結果、焼きたてを熱いまま真空包装し、そのまま凍結へ回す工程が成立します。

電気代やデフロスト削減効果などランニングコストに関する説明資料

この工程には二重の意味があります。放冷の待ち時間がないため、加熱直後の菌が少ない状態のまま密封と凍結が完了し、菌の繁殖を抑えて安全を確保できます。そして高湿度の3D冷気が全方向から包み込むため、氷の粒は微細なままです。生地の網目もキャベツの細胞も壊れず、焼きたてのふんわり感がそのまま残ります。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

凍り方が一枚の中でそろっていることも、品質を支えます。一枚の中心と縁とで冷気の当たりが違うと、凍る速さにも差が付きます。後になる部分ほど結晶は大きく歪み、その先端が生地の網目とキャベツの細胞を壊します。温め直したときに中心だけべちゃつく仕上がりは、この差が原因です。3Dフリーザー®では冷気が一枚の中央にも縁にも同じように届くので、凍る速さがそろい、どこを切っても結晶は微細なままです。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

工程の核心:熱いまま真空包装し、そのまま急速冷凍

確立した工程はシンプルです。焼きたてのお好み焼きを熱いまま真空包装し、そのまま3Dフリーザー®へ入れて急速冷凍します。加熱直後に密封と凍結まで進むため、作りたての状態がそのまま保存されます。

トレーごと真空パックされた急速冷凍後のお好み焼き

品質面の決め手は、生地のふんわり感でした。テストを重ねた結果、解凍後も生地がふんわりとした食感を再現できたことが、導入の決断につながっています。お好み焼きの凍結前後の状態はお好み焼きの冷凍テストでも紹介しています。

販路拡大:地域ブランド認定を経て、大手百貨店のギフト商品まで取り扱いが広がった

商品は牡蠣お好み焼きにとどまりません。同時開発した牡蠣めしとあわせて店頭とネットショップで販売を始め、展示商談会にも積極的に参加しました。転機は地域ブランド商品への認定です。認定後は大手スーパーやアンテナショップでの販売が実現し、大手百貨店のギフト商品としての取り扱いも始まりました。

「旨味濃厚 かきめし」の題字と炊き込みごはんの写真、フード部門大賞のリボンが入った商品パッケージ

釜飯シリーズへの展開:年間を通した売り上げの柱

販売開始後は米飯類の人気が高まり、牡蠣めしに加えて鯛めし、たこめし、いかめしがラインナップに加わりました。漁港の釜飯シリーズとして、年間を通してコンスタントな売り上げを確保しています。

「寄島 漁港の釜めしシリーズ 3種・4個セット」の商品画像。かきめし・たこめし・いかめしの3椀が並ぶ

牡蠣の旬に縛られない商品構成になったことは、経営面の大きな変化です。導入前後の変化をまとめます。

観点導入前導入後
商品店頭販売の弁当・惣菜・お好み焼き冷凍の牡蠣お好み焼き・釜飯シリーズを商品化
販路地元の店頭が中心ネットショップ、大手スーパー、百貨店ギフトへ拡大
ブランド地域の人気店地域ブランド商品に認定
売り上げ季節と立地の影響を受ける年間を通してコンスタントに確保

惣菜・調理済み食品のほかの実例は惣菜・調理済み食品の導入事例一覧で確認できます。

導入機種:上下2枚扉のトレーインタイプ

導入機種は、3Dフリーザー®の2枚扉トレーインタイプです。トレーに載せた商品を棚へ差し込むだけで凍結でき、上下2室の扉で少量ずつ効率よく運用できます。お好み焼きと釜飯のような形の違う商品も、トレー単位で柔軟に凍結できる構造です。粗熱取りから凍結までを1台でまかなえます。

上下2枚の扉を開けたKOGASUNのトレーインタイプ。庫内にトレー用の棚が並び、扉脇にタッチパネルが付く
比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

初めての冷凍商品化を支える:無料の凍結テスト

冷凍食品の開発が初めてでも、本事例のように、工程づくりの試行錯誤から商品化までを凍結テストで積み上げていけます。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。看板商品を普段の作り方のまま持ち込めば、次の項目を確かめられます。

確認項目見るポイント
生地の食感温め直したときのふんわり感が、焼きたてとどこまで近いかを確かめる
水っぽさ皿の上で水が出ていないか、キャベツの歯ざわりが残っているかを見る
包装のタイミング熱いまま包むか、冷ましてから包むかで仕上がりを比べる
具材の違い牡蠣や米飯など、水分の異なる具材ごとに仕上がりを確かめる
温め直しの方法電子レンジ、湯せんなど、想定する調理法で味を確かめる

解凍後の食感・見た目を確かめながら、真空包装との組み合わせや凍結のタイミングも相談できます。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

ご協力いただいた企業様

黒い板張りに白い文字で店名を掲げた海鮮厨房まからずやの店舗外観。壁に寄島かきめしのポスターが貼られている

海鮮厨房まからずや様

お好み焼き・釜飯の冷凍でよくある質問

お好み焼きは冷凍すると、生地がべちゃっとしませんか?

凍結の速さで結果が変わります。時間をかけて凍らせると水分が一か所に集まって大きな氷になり、生地の網目とキャベツの細胞を壊すため、解凍後に水が出てべちゃつきます。3Dフリーザー®で水分を細かい氷のまま固定できれば、本事例のように生地のふんわり感を再現しやすくなります。

真空包装と急速冷凍を組み合わせると、何が変わりますか?

密封により冷凍中の乾燥と酸化を抑えられ、冷凍焼けの防止につながります。包装後に凍結すれば持ち運びや保管も清潔に保てます。包装のタイミングは商品によって最適解が違うため、凍結テストで比べるのが確実です。

初めて冷凍食品を開発するとき、何から始めればよいですか?

まず看板商品を1品決め、凍結テストで解凍後の品質を確かめることから始めるのが近道です。品質が確認できたら、包装・表示・販路の設計へ進みます。本事例も機械メーカーや商社と条件を整理しながら段階的に進めました。

釜飯のようなごはんものは、冷凍してもおいしさを保てますか?

保ちやすい食品です。米の水分が一か所へ集まって氷の粒に育つ前に凍らせきれば、炊き込みごはんの水分と具材のうま味は損なわれません。3D凍結®は電子レンジ解凍との相性もよく、本事例では牡蠣・たこ・いかめしの釜飯セットが詰め合わせ商品として販売され、米飯類が年間の売り上げの柱に育っています。

惣菜店でも急速冷凍機の導入に補助金を活用できますか?

販路拡大や生産性向上の設備投資として、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金の対象になり得ます。申請の要件と締切は公募回ごとに変わるため、KOGASUNの導入相談で最新情報をご確認ください。

まとめ:作りたてを保つ工程が、地域の味を全国へ広げた

同社の成功は、熱いまま真空包装してそのまま急速冷凍するという、作りたてを保つ工程に支えられています。べちゃつきの原因が水分の移動である以上、氷結晶を成長させずに一気に凍らせることが最も効果的です。牡蠣お好み焼きは地域ブランド認定から百貨店ギフトへ届いて生産量が飛躍的に伸び、釜飯シリーズが年間の売り上げを支えています。地域の看板商品を全国へ届けたい食のプロにとって、参考になる道筋です。最初の一歩として、無料の凍結テストで品質をお確かめください。機種選定や工程づくりのご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
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