アニサキス対策と仕入れコストの安定を両立した株式会社ひのき様の導入事例

魚の仕入れは、海に左右されます。時化の日は入荷がなく、不漁が続けば価格は跳ね上がります。広島で人気寿司チェーン「すし亭」を展開する株式会社ひのき様のセントラルキッチンは、この仕入れの波に加え、青魚の生食に伴うアニサキスのリスクとも向き合ってきました。本記事では、3Dフリーザー®の導入で、安い時に仕入れて凍結する戦略とアニサキス対策を同時に成立させた事例を紹介します。あわせて、生の魚が冷凍で水っぽくなる仕組みと、閑散期の仕込みで繁忙期の負担を軽くする運用の考え方まで解説します。

結論:安い時に仕入れて凍結する運用が、原価率の安定とアニサキス対策を両立させた

株式会社ひのき様は、セントラルキッチンに3Dフリーザー®を導入し、魚が安く大量に出回るタイミングで仕入れて凍結する運用を確立しました。不漁で相場が高騰しても、安く仕入れた高品質なストックを使えるため原価率は安定します。冷凍処理はアニサキス対策にもなり、リスクのあったサンマなども刺身で提供できるようになりました。閑散期にストック用の魚を加工する計画製造で、繁忙期の負担も軽くなっています。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業株式会社ひのき様(広島県広島市)
事業寿司チェーン「すし亭」5店舗、豆腐と釜飯の専門店「翁」などを展開
対象食材サンマ、サバなどの寿司ネタ・鮮魚
導入目的仕入れ原価の安定、アニサキス対策、業務の平準化
導入機種3Dフリーザー® トレーインタイプ(1枚扉モデル)
導入の決め手寿司ネタの瑞々しさを守る湿度管理と、手厚いサポート体制

導入企業:市場の買参権を持ち、すし亭など寿司チェーンを展開する飲食企業

株式会社ひのき様は、広島市を中心に本格的な寿司をリーズナブルに楽しめる「すし亭」を5店舗、そごう広島店内で豆腐と釜飯の専門店「翁(おきな)」などを展開する飲食企業です。市場での買参権(ばいさんけん)、つまり市場で直接セリに参加して買い付ける資格を持ち、プロの目利きで仕入れた新鮮な魚介類を自社セントラルキッチンから各店へ届ける独自の供給網を築いています。

青い手袋の調理スタッフが、バットにサンマの切り身を丁寧に並べている仕込みの場面

目利きの力があるからこそ、「良い魚を、良い状態のまま店へ届けたい」という思いも強く、凍結設備への要求水準も高くなります。設備の選定では、その水準を満たすことが条件になりました。

導入前の課題:仕入れの波、アニサキス、繁閑差

銀色の皮が光るサンマの開き身が、トレーに整然と並ぶ接写

多店舗展開を支えるセントラルキッチンは、三つの課題に直面していました。

  • 仕入れ価格と供給の不安定さ:時化や不漁時には入荷がなかったり価格が高騰したりするため、安定した品質と価格での提供が難しい。
  • アニサキスへの対策:サンマやサバなどの青魚を生食で提供するには、食中毒の原因となる寄生虫アニサキスへの細心の注意と対策が必要になる。
  • 業務の繁閑差:繁忙期には作業が集中してスタッフの負担が増える一方、閑散期もあり、業務量の平準化が求められていた。

どれか一つではなく、三つを同時に解ける仕組みが必要でした。

なぜ生の魚は、冷凍すると水っぽく艶を失うのか

「冷凍の刺身」に良い印象を持たない人は少なくありません。その理由は、凍らせ方を誤ったときに起きる二つの劣化にあります。身がゆるんで水っぽくなること、そして表面の艶が失われることです。

水っぽさの正体は、解凍時に流れ出るドリップです。魚の身は、短い筋繊維が束になってできています。一本ずつの筋繊維を細胞膜という薄い膜が包み、その内側に多くの水分と旨味成分を抱えています。牛や豚の肉に比べて筋繊維が短く細胞膜もやわらかいぶん、氷の粒に押されると壊れやすくなります。ゆっくり凍らせると水分は大きな氷へ育ち、筋繊維を包む細胞膜を内側から破ります。解凍すれば、破れた場所から旨味ごと水分が抜けていきます。身はゆるみ、噛んだときの弾力も、口に広がる味も薄れます。氷が育つのは、身の温度が-1〜-5℃の帯にとどまっている間です。この帯を素早く抜けられるかが分かれ目になります。

急速冷凍で重要な最大氷結晶生成帯の-1〜-5℃付近を示す温度変化のイメージ

艶が失われるほうは、表面の乾燥が原因です。凍結中に乾いた強風を当てたり、保管中に庫内の温度が上下したりすると、表面の氷は溶けないまま水蒸気となって抜けていきます。水分の抜けた跡には細かな空隙が残り、そこへ空気が入り込みます。空気に触れた脂は時間とともに酸化し、白っぽい乾いた斑や黄ばみとして現れます。冷凍焼けと呼ばれる状態です。サンマやサバのような青魚は脂を多く含むぶん、この影響を受けやすい食材といえます。皮目の輝きと切り口のみずみずしさが商品価値そのものである寿司ネタにとって、乾燥は致命傷です。

3D凍結®が、寿司ネタの水っぽさと艶の劣化を防げる理由

3Dフリーザー®(ACVCS®高湿度冷気)でムラなく冷却・冷凍するイメージ

同社が他社機との比較の末に3Dフリーザー®を選んだ理由は、この二つの劣化への対策を併せ持っていたからです。

水っぽさへの答えは、凍る速さです。高湿度の3D冷気が魚を全方向から包み、氷が育つ温度帯を短時間で通り抜けさせます。結晶の核が身の各所で同時にでき、どれも育ちきる前に凍結が終わります。やわらかい細胞膜を破らない微細な粒だけが残るため、解凍しても水分と旨味は身の中にとどまります。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

水っぽさを防ぐには、仕入れた魚を一尾ずつ同じ速さで凍らせられることも条件になります。身の厚い部分と薄い部分、トレーの手前と奥とでは、放っておけば凍る速さが違ってきます。凍るのが遅れた場所では氷が角の張った大きな粒に育ち、やわらかい細胞膜を裂きます。同じ日に仕込んだネタなのに水っぽい一切れが混ざるのは、この速度差が残るためです。3Dフリーザー®では冷気が魚体の上下左右から同時に当たるため、厚い部分と薄い部分の凍結時間の差が縮まり、氷の粒の細かさが一尾の中で一定になります。

艶への答えは、冷気の湿度です。冷気が湿度を保ったまま熱だけを運び去るため、皮目も切り口も乾きません。乾かなければ空隙もできず、脂の酸化が始まる起点そのものが生まれにくくなります。同社が決め手に挙げた「庫内の湿度を保ちながら冷却できる」という性質は、この働きを指しています。

仕入れた魚をまとめて処理しても冷気が乾いてこないのは、冷却器への着霜を抑えるKOGASUN独自のACVCS®によるものです。一般的な急速冷凍機は運転中に冷却器へ霜が育ち、その霜として庫内の水分が奪われていきます。

電気代やデフロスト削減効果などランニングコストに関する説明資料

霜の付着を抑え込めれば、湿った冷気のまま凍らせ続けられます。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

導入の決め手:寿司ネタの瑞々しさを守る湿度管理

他社の凍結機と比較検討した末に3Dフリーザー®を選んだ最大の理由は、寿司ネタの品質を左右する瑞々しさを守れる点でした。庫内の湿度を保ちながら冷却するため魚の表面が乾きにくく、解凍後も切りたてのような鮮度を維持できます。

もうひとつの決め手はサポート体制です。導入時の立ち会いや、運用がうまくいかない時の迅速な駆けつけ対応など、手厚いアフターフォローが信頼につながりました。

比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

効果1:相場が安い時期に仕入れて凍結し、原価率を安定させた

市場で魚が安く大量に出回るタイミングで仕入れ、新鮮なうちに急速凍結します。この運用により、不漁で価格が高騰している時でも、安く仕入れた高品質なストックを使用でき、原価率の安定に成功しました。

サバと赤い魚を並べたトレーを、3Dフリーザーの棚へ差し込む手元

相場を読む目利きの力と品質を保つ凍結技術が組み合わさって初めて、「安い時に買う」は戦略になります。仕入れのプロが選んだ理由がここにあります。

効果2:冷凍によるアニサキス対策で、サンマも刺身で提供できるようになった

中心温度-20℃で24時間以上の冷凍処理はアニサキスを死滅させるとされるため、食中毒のリスクを回避できます。3Dフリーザー®なら冷凍による品質の劣化を抑えられるため、これまでリスクがあったサンマなども、安心して美味しい刺身として提供できるようになりました。

安全のための冷凍処理でも、品質は犠牲になりません。刺身の凍結前後の比較は刺身の冷凍テストでも確認できます。

効果3:閑散期の仕込みで、繁忙期の負担を軽くした

閑散期にストック用の魚を加工・冷凍しておくことで、繁忙期の作業負担が軽くなりました。計画的な製造が可能になり、スタッフの業務時間を効率的に分散できています。導入前後の変化をまとめます。

赤い皮の魚のフィレと大きな目の頭が、調理台に並ぶ下処理の様子
観点導入前導入後
仕入れ相場と入荷に振り回される安い時に買って凍結し原価率が安定
生食提供アニサキスのリスクに細心の注意冷凍処理で対策しサンマも刺身に
業務繁忙期に作業が集中閑散期の仕込みで平準化

魚介類のほかの実例は魚介類の導入事例一覧で確認できます。

導入機種:セントラルキッチンの仕込みに合うトレーインタイプ(1枚扉モデル)

導入機種は、3Dフリーザー®のトレーインタイプ(1枚扉モデル)です。仕入れた魚や寿司ネタをトレーに並べ、棚へ差し込むだけで凍結できます。相場を見て仕入れる日々の量の変動にも、トレー単位の運用で柔軟に対応できます。機種の一覧は3Dフリーザーの製品ラインナップで確認できます。

開扉状態のトレーインタイプ正面写真。トレー棚とタッチパネル、KOGASUNロゴ付き

お客様の声:株式会社ひのき様より

「魚はどうしても入荷がない時や高値になる時がありますが、安い時に仕入れて3Dフリーザーで凍結しておけば、時化の時でも同じ品質で提供できるのが良かったです。また、サンマなどのアニサキス対策にもなり、仕入れた時と同じ品質でお刺身にできる点も助かっています。最初うまくいかなかった時もすぐに駆けつけて親切に教えていただき、サポート面でもとても感謝しています。」

ご協力いただいた企業様

株式会社ひのき様

仕入れたサンマやサバを持ち込み、解凍後の食感と皮目の艶を判定する:無料の凍結テスト

生食で出す魚の凍結は、データではなく実物で判断すべき領域です。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。いつも仕入れている魚を持ち込めば、次の項目を寿司ネタの目線で確かめられます。

確認項目見るポイント
解凍後のドリップバットにたまる量を、いつもの凍結品と同じ条件で比べる
身の弾力握ったとき、噛んだときの歯ざわりを実食で確かめる
皮目の艶光の反射と切り口のみずみずしさが残っているかを見る
表面の状態保管後に乾いた斑や黄ばみが出ていないかを確かめる
魚種ごとの差青魚と白身で、仕上がりの違いを比較する

アニサキス対策と品質の両立を検討する段階からご相談いただけます。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

寿司ネタ・鮮魚の冷凍でよくある質問

アニサキス対策の冷凍には、どんな条件が必要ですか?

一般に中心温度-20℃で24時間以上の冷凍が、アニサキスを死滅させる目安として知られています。3Dフリーザー®のような急速冷凍機であれば品質を保ちながらこの条件を満たせるため、安全対策と美味しさの両立が可能になります。

冷凍したサンマやサバを刺身で出すと、食感は落ちませんか?

凍結の速さと湿度管理しだいです。高湿度の3D冷気で細胞の傷みと乾燥を抑えて凍らせれば、解凍後も切りたてに近い食感を保てます。本事例では仕入れた時と同じ品質で刺身にできるという評価を得ています。

時化や不漁が続いたとき、冷凍ストックはどこまで頼れますか?

適切に凍結・保管された魚は品質が安定しているため、入荷ゼロの期間もメニューを止めずに提供を続けられます。本事例では、時化の時でも通常時と同じ品質で提供できる体制が実現しています。

目利きで仕入れた魚の価値は、冷凍しても保てますか?

保てます。むしろ、良い魚ほど鮮度のピークで凍結する価値があります。買参権を持つ本事例の企業様が採用したように、目利きの仕入れと急速冷凍の組み合わせは、品質と原価の両方を守る戦略になります。

飲食店のセントラルキッチン整備で、補助金は使えますか?

生産性向上や衛生強化の設備投資として、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金が候補になります。公募回ごとの要件と締切は、KOGASUNの導入相談で最新情報をご確認ください。

まとめ:凍結品質が、目利きの仕入れを経営戦略に変えた

ひのき様の事例が示すのは、急速冷凍機が単なる保存庫ではなく、原価を安定させリスクを減らす経営の道具だということです。仕入れの波、アニサキスのリスク、繁閑差という三つの課題が、一つの設備で解けました。水っぽさも艶の劣化も、突き詰めれば凍らせる速さと冷気の湿度の問題です。アニサキス対策と美味しさを両立させたい飲食店・セントラルキッチンの現場は、実際の魚を使った無料の凍結テストで、解凍後の食感をお確かめください。機種選定や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
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機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
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