
Contents
結論|冷凍食品事業者が押さえるべき4つの論点
急速冷凍機を導入して冷凍食品を製造・販売する場合、設備性能の前に確認すべき食品衛生法上の論点が4つあります。2021年6月1日に施行された改正食品衛生法では、営業許可業種が32業種に再編され、HACCPに沿った衛生管理が完全施行(経過措置終了)されました(厚生労働省「営業届出制度の創設と営業許可制度の見直し」)。
導入前に押さえるべき4つの論点は次のとおりです。
- 論点1:自社の事業がどの営業許可業種に該当するか(冷凍食品製造業/複合型冷凍食品製造業/食品の冷凍又は冷蔵業のいずれか、または届出のみ)
- 論点2:HACCPの2区分(コーデックスHACCP/HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)のどちらで運用するか
- 論点3:施設基準(共通基準+業種別個別基準)と図面上の区画動線が許可要件を満たすか
- 論点4:食品表示基準(消費者庁所管)の冷凍食品必須表示と、保存温度法定基準(−15℃以下)への適合
なお、上記4論点を満たす施設で「庫内温度の確保」と「乾燥防止」を両立しながら高品質な急速凍結を実現できる3Dフリーザー®(株式会社コガサン)がお勧めです。独自特許技術 ACVCS® により高湿度の冷気で食品を包み込みながら凍結するため、HACCP記録に求められる温度管理の安定性と、商品品質の維持を同時に確保できます。
本記事は、2021年6月施行の改正食品衛生法を起点として、営業許可業種32業種の再編、HACCP完全施行の意味、冷凍食品3業種の許可・届出区分、施設基準の確認手順、食品表示基準の必須項目、そして急速冷凍機メーカーの視点で整理する設備選定の論点までを、食品工場の設備担当・品質保証担当・経営層に向けて解説します。
本記事で使う主な用語の整理
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 営業許可 | 食品衛生法第55条に基づく、公衆衛生影響が大きい業種を対象とした事前確認制度。32業種が対象 |
| 営業届出 | 食品衛生法第57条に基づく、許可対象外業種の事業実態を行政が把握する制度(2021年新設) |
| 冷凍食品製造業 | 厚生省告示370号で規格基準が定められた冷凍食品(保存基準−15℃以下)を製造する許可業種 |
| 複合型冷凍食品製造業 | 冷凍食品製造に食肉処理・菓子製造・水産製品製造・麺類製造等を併せて行う許可業種。HACCPに基づく衛生管理が必須 |
| 食品の冷凍又は冷蔵業 | 冷凍冷蔵倉庫業など。2021年改正で許可制から届出制に変更 |
| HACCPに基づく衛生管理 | コーデックス7原則に従った衛生管理。従事者50人以上の事業場等が対象 |
| HACCPの考え方を取り入れた衛生管理 | 業界手引書を活用した小規模事業者向け衛生管理(従事者50人未満) |
| 食品衛生責任者 | 食品衛生法第51条に基づき営業許可・届出施設で原則必須の管理者 |
食品衛生法の全体像|急速冷凍と関係する条文を一度に整理する
食品衛生法は、飲食に起因する衛生上の危害発生を防止することを目的とする法律です(食品衛生法第1条)。冷凍食品を製造・販売する事業者にとって、押さえておくべき主要条文は次のとおりです。
| 条文 | 内容 | 急速冷凍との関係 |
|---|---|---|
| 第50条の2 | HACCPに沿った衛生管理の実施 | 温度管理記録、CCP(重要管理点)での凍結温度モニタリング |
| 第51条 | 食品衛生責任者の設置 | 営業許可・届出施設で原則必須 |
| 第55条 | 営業許可(32業種) | 冷凍食品製造業、複合型冷凍食品製造業 |
| 第57条 | 営業届出 | 食品の冷凍又は冷蔵業(2021年改正で許可→届出へ移行) |
| 厚生省告示第370号 | 食品の規格基準 | 冷凍食品の保存基準−15℃以下 |
法令本文は食品衛生法(e-Gov 法令検索)、食品衛生法施行規則(e-Gov 法令検索)で原文を確認できます。
2021年6月改正で何が変わったか|3つの大きな転換点

2018年6月に公布、2021年6月1日に完全施行された改正食品衛生法は、急速冷凍機を導入する事業者に直接影響する3つの転換点を含んでいます。経過措置は2024年5月31日に終了しており、現時点ではすべての事業者が新制度の対象です。
1. 営業許可業種が34業種から32業種に再編
旧制度の34業種は、業種統合や名称変更を経て32業種に再編されました。冷凍食品関連では、新たに「冷凍食品製造業」と「複合型冷凍食品製造業」が独立した許可業種として新設され、従来の総合的な「食品の製造業」から切り出されています。
2. HACCPに沿った衛生管理の完全施行
2020年6月の制度化開始から1年間の経過措置を経て、2021年6月1日に完全施行されました。原則すべての食品等事業者が、規模に応じてHACCPの2区分のいずれかに沿った衛生管理を実施する義務を負います(厚生労働省「HACCPに沿った衛生管理の制度化」)。
3. 冷凍冷蔵倉庫業が「許可」から「届出」に変更
旧制度で営業許可が必要だった「食品の冷凍又は冷蔵業」(冷凍冷蔵倉庫業)は、2021年改正で営業届出に変更されました。許可申請の必要はなくなりましたが、行政が事業実態を把握するために届出は必要です。
冷凍食品関連の営業許可・届出区分|どれに該当するかを判定する

自社の事業がどの区分に該当するかは、製造工程の中身と取り扱う食品の種類で判定します。冷凍食品を扱うすべての事業者が「冷凍食品製造業」になるわけではない点に注意が必要です。
1. 冷凍食品製造業(許可)
厚生省告示第370号で規格基準が定められた冷凍食品(保存基準−15℃以下)を製造する事業が対象です。たとえば、農産物・畜産物・水産物・調理食品を冷凍した「冷凍食品」を製造する場合、この許可を取得します。
2. 複合型冷凍食品製造業(許可)
冷凍食品製造に食肉処理・菓子製造・水産製品製造・麺類製造等を併せて行う事業が対象です。たとえば、自社で鶏肉を解体・加工し、それを唐揚げに調理して冷凍する事業形態は、ここに該当する可能性があります。
この業種ではHACCPに基づく衛生管理(コーデックスHACCP)が必須です(厚生労働省「営業届出制度の創設と営業許可制度の見直し(資料)」)。
3. 食品の冷凍又は冷蔵業(届出)
冷凍冷蔵倉庫業など、自社で製造はせず保管・輸送のみを行う事業が対象です。2021年改正で許可から届出に変更されました。届出だけで済みますが、HACCPに沿った衛生管理(小規模事業者は「考え方を取り入れた衛生管理」)の実施義務はあります。
4. 麺・菓子の冷凍食品の場合
厚生労働省Q&Aでは、「そうざい又は農水産物の冷凍食品」に該当しない麺類または菓子の冷凍食品については、麺類製造業または菓子製造業の許可のみで製造可能と整理されています。たとえば冷凍うどん、冷凍ピザ、冷凍ケーキなどは、必ずしも冷凍食品製造業の許可が必要とは限りません。
5. 自社製造品をそのまま販売する場合
第55条に基づく営業許可を持つ事業者が、自ら製造・加工・調理した食品を出荷・販売する場合は、別途第57条の営業届出は不要です。製造許可を取った上で、別途販売届出を重ねて考えてしまう誤解を防いでください。
HACCPに沿った衛生管理|規模別の2区分と冷凍食品事業者の判定
HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は、原材料受入から最終製品出荷までの工程で危害要因を分析し、重要管理点を継続的にモニタリングする衛生管理手法です。2021年6月の完全施行以降、すべての食品等事業者は規模に応じて2区分のいずれかを実施する義務を負います。
| 区分 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| HACCPに基づく衛生管理 | 食品取扱従事者50人以上の事業場、と畜場、食鳥処理場、複合型冷凍食品製造業など | コーデックス7原則12手順に従い、HACCPプランを文書化 |
| HACCPの考え方を取り入れた衛生管理 | 食品取扱従事者50人未満の小規模事業者 | 業界団体作成の手引書に従って簡易的に実施 |
詳細は厚生労働省「HACCPに基づく衛生管理」、厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を確認してください。
急速冷凍工程をHACCPで管理する際の論点
冷凍食品製造ラインに急速冷凍機を組み込む場合、凍結工程をCCP(重要管理点)として設定するかどうかが論点になります。一般的には、以下の観点で凍結工程をモニタリング対象とすることが推奨されます。
- 庫内温度の連続記録:凍結室の入口・出口・中央温度をセンサで連続記録
- 凍結時間の管理:投入時刻と排出時刻を記録し、最大氷結晶生成帯(−1℃〜−5℃)通過時間が概ね30分以内であることを確認
- 熱中心温度の検証:定期的に製品中心温度を測定し、Codex規格の−18℃以下到達を確認
- 逸脱時の是正措置:温度逸脱が発生した場合の処置(再凍結、廃棄、原因調査)を手順化
HACCP対応の詳細手順は急速冷凍とHACCP|安全な冷凍食品製造のための衛生管理ガイド、自動温度記録機能を備えた設備の選び方はHACCP監査が楽になる急速冷凍機とは?温度管理の自動化メリット、急速冷凍機による食中毒リスク低減については急速冷凍機でアニサキス対策!食中毒リスクを減らし品質向上もあわせてご覧ください。
記録保管期間の考え方
HACCP記録の保管期間について、食品衛生法に法定の一律期間は定められていません。厚生労働省Q&Aでは「取り扱う食品等の消費期限・賞味期限を踏まえた合理的な期間」と示されており、冷凍食品の場合は賞味期限相当の期間(一般的に1〜2年程度)を保管目安とする運用が現実的です。
施設基準|共通基準と業種別個別基準の両方を確認する
営業許可を取得するには、施設が共通基準と業種別個別基準の両方を満たす必要があります。設備機器の発注を施設基準確認より先に進めると、レイアウト修正や追加工事が発生してコストが2〜3倍に膨らむ事例が珍しくありません。
共通基準で押さえるべきポイント
共通基準は、給排水・冷蔵冷凍設備・換気・採光・床壁天井の構造・手洗い設備・更衣室など、すべての許可業種に共通して求められる施設要件です。
- 給排水設備:飲用適水の供給、排水溝の傾斜と詰まり防止構造
- 冷蔵冷凍設備:保存温度を維持できる能力と容量
- 区画と動線:原料受入→下処理→加熱・調理→冷却・凍結→包装→出荷の一方通行動線
- 手洗い設備:作業区域ごとに自動水栓またはペダル式の手洗い設置
- 更衣室・トイレ:作業区域と物理的に区画された更衣室、作業着の管理
業種別個別基準
冷凍食品製造業・複合型冷凍食品製造業では、共通基準に加えて業種別の個別基準が課されます。たとえば原料の保管温度、加熱工程の温度・時間管理、凍結工程の温度確認、包装区画の清潔度などが該当します。
区画の物理的分離が必須
厚生労働省Q&Aでは、住居の台所と営業施設について「工程の配慮や時間設定による区画ではなく、物理的に区画されていることが必要」と明示されています。これは家庭兼用に限らず、既存厨房や既存工場を流用する場合にも適用される原則です。曖昧な区画は許可不可の理由になります。
図面相談を機械発注より先に行う
設備会社へ見積依頼する前に、商品・工程・必要区画を図面に落として保健所へ事前相談することが安全です。急速冷凍機本体だけでなく、保管庫・包装機・手洗い・汚染区域と清潔区域の関係まで含めて整理してください。急速冷凍機の設置レイアウトの考え方はトンネル型フリーザーの設置レイアウト、食品工場全体での急速冷凍機の活用論点は急速冷凍機で品質向上!食品工場の歩留まり改善とクレーム削減の秘訣、HACCP対応の洗浄性については【2026年版】トンネルフリーザー導入で生産性向上|HACCP対応と省エネ事例もあわせて確認してください。
食品衛生責任者制度|必須資格と養成講習会
食品衛生法第51条に基づき、営業許可・届出施設では食品衛生責任者の設置が原則必須です(公衆衛生影響が少ない一部業種を除く)。
食品衛生責任者の資格要件
以下のいずれかに該当する者が食品衛生責任者となれます。
- 栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者
- と畜場法上の衛生管理責任者、船舶料理士
- 食品衛生管理者の有資格者
- 都道府県知事指定の食品衛生責任者養成講習会修了者(受講時間6時間)
養成講習会は各都道府県の食品衛生協会が実施しており、6時間程度の講習で取得できます。新規施設の責任者を養成講習会で確保する場合、受講予約から修了まで1〜2か月かかることもあるため、開業スケジュールの逆算が必要です。
食品衛生監視員と食品衛生管理者との違い
混同されやすい類似制度として、食品衛生監視員(保健所職員等の公務員)、食品衛生管理者(と畜場・乳製品製造等の特定業種で必要な国家資格)があります。冷凍食品製造業では原則として食品衛生責任者の設置で足りますが、特定の食肉処理業や乳製品製造業を併設する場合は食品衛生管理者の選任が必要となるケースがあります。
営業許可申請の実務フロー|事前相談から交付までの5ステップ

営業許可の申請は、保健所への事前相談から始めることが鉄則です。施設工事を完了させてから初めて保健所に行くと、施設基準不適合で工事のやり直しが発生します。
1. 事前相談(施設工事着工前)
保健所の食品衛生担当窓口に、商品・工程・図面・販売形態を持参して相談します。この段階で、必要な許可業種、施設基準、設備配置の論点を確認します。所要期間:1〜2週間
2. 施設整備
保健所での事前相談を反映した図面で、施設整備(建築工事・設備設置)を進めます。所要期間:3〜6か月(規模による)
3. 営業許可申請
施設工事完了後、保健所へ営業許可申請書を提出します。申請書には、施設の概要、配置図、食品衛生責任者の資格証明、HACCPに沿った衛生管理計画書などを添付します。
オンライン申請は食品衛生申請等システムから可能ですが、業種選択や記載内容は管轄保健所への確認が前提です。
4. 現地検査
保健所職員が実地で施設基準への適合を確認します。所要期間:申請から2〜4週間
5. 営業許可証の交付
検査合格後、営業許可証が交付されます。許可有効期間は5年以上(食品衛生法第55条第3項、自治体により5〜8年)で、期間満了前に更新申請が必要です。
申請手数料の目安
申請手数料は自治体条例で定められており、業種・自治体で異なります。冷凍食品製造業では概ね1万円〜2万円台が目安ですが、正確な金額は管轄保健所で確認してください。
食品表示基準|冷凍食品の必須表示と業務用・家庭用の違い
冷凍食品を販売する段階では、食品衛生法だけでなく食品表示法(消費者庁所管)の対象になります。食品表示基準(食品表示基準(平成27年内閣府令第10号))の別表第19で、冷凍食品の表示事項が定められています。
容器包装に入れた一般用加工食品の必須表示項目
| 表示項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 商品名(一般的な名称) |
| 冷凍食品である旨 | 「冷凍食品」と明記 |
| 凍結前加熱の有無 | 加熱後摂取冷凍食品では必須 |
| 加熱調理の必要性 | 加熱を要する場合は調理方法 |
| 原材料名 | 重量割合の高い順に記載 |
| 添加物 | 用途名併記など |
| 内容量 | g、ml等の単位 |
| 消費期限/賞味期限 | 商品特性により選択 |
| 保存方法 | 「−18℃以下で保存してください」等 |
| 製造者または販売者 | 氏名・住所 |
| アレルゲン | 特定原材料等 |
| 栄養成分表示 | 家庭用は原則義務(業務用は任意) |
| 原料原産地表示 | 必要に応じ |
業務用と家庭用の差
業務用冷凍食品は、栄養成分表示が任意である点が家庭用との大きな違いです。ただし業務用であっても、卸先で家庭用に再包装される可能性がある場合は、栄養成分表示を準備しておくほうが安全です。
食品表示基準の見直し動向(2025年〜)
消費者庁では、食品表示基準別表第19(加工食品の表示)について見直し議論が進められています(消費者庁 食品表示部会資料 2025年11月)。凍結前加熱表示の整理を含む変更が検討されており、ラベル印刷を行う前に最新動向の確認をお勧めします。
表示の相談窓口
表示の細部については、保健所ではなく消費者庁または都道府県の食品表示窓口が論点になります。営業許可は保健所、表示は消費者庁系統と切り分けて確認するのが安全です。
なお、自社製造の冷凍食品をEC・通販で販売する場合は、表示義務に加えて配送・梱包・許可の論点も整理が必要です。詳細は冷凍食品のEC・通販を成功させる5つのポイント|始め方から許可、配送までで解説しています。
冷凍食品の保存温度法定基準|−15℃以下と−18℃以下の差
冷凍食品の保存温度を調べると、法律・業界・国際基準で3つの数字が出てきます。
| 基準 | 温度 | 出典 |
|---|---|---|
| 食品衛生法(法定) | −15℃以下 | 厚生省告示第370号(昭和34年) |
| 日本冷凍食品協会(業界自主) | −18℃以下 | 日本冷凍食品協会「品質管理手引き 令和3年度版」 |
| FAO Codex 国際基準 | −18℃以下 | FAO Codex CXC 8-1976(Code of Practice for Quick Frozen Foods) |
法定基準の−15℃以下は、昭和34年(1959年)の告示制定時の技術水準で定められた数値で、現在も改正されていません。一方、業界自主基準の−18℃以下は、Codex(1976年採択)との国際整合性を確保するため、日本冷凍食品協会が1971年に採用、JAS規格でも1978年に組み込まれた経緯があります。
実務上は業界自主基準の−18℃以下が事実上の標準であり、国内で流通する冷凍食品はほぼ−18℃以下で保管されています。ラベル表示で「−18℃以下で保存してください」と記載する事業者が多いのもこのためです。
なお、2025年にはIIR(国際冷凍協会)が−18℃から−15℃へ緩和した場合の試算(省エネ約10%、保存期間約30%短縮)を公表しており、国際的な基準見直しの議論も継続しています。
なぜ−18℃が事実上の標準として運用されているかの背景は、なぜ保存温度はマイナス18℃なのか?食品安全と品質を守る秘訣で詳しく解説しています。冷凍食品の定義や急速凍結の仕組みは、IQFとは|定義・温度・設備・BQFとの違いを解説もあわせてご覧ください。
急速冷凍機メーカーの視点|設備選定で気をつける3つの論点
急速冷凍機メーカーとして食品衛生法対応で重要だと考える論点は、機械選定の段階から逆算しておくべき次の3つです。
1. 衛生管理計画と整合する温度記録機能
HACCPに沿った衛生管理では、凍結工程の温度を継続的に記録することが推奨されます。設備選定時に、温度センサの位置(入口・出口・中央)、記録間隔、データ出力方式(紙チャート/デジタル/クラウド)、記録保管方法を確認してください。
3Dフリーザー® は独自特許技術 ACVCS® により、霜の付着抑制と高湿度の冷気維持を両立しているため、温度ムラが少なく記録の信頼性が高い特長があります。さらにダクトレス構造により風の通り道を直接点検できるため、衛生管理上の異物混入リスクも抑えられます。
2. 施設基準(区画・動線)と整合する設置レイアウト
施設基準では原料区域・加熱区域・凍結区域・包装区域の物理的区画が求められます。急速冷凍機の設置位置は、汚染区域から清潔区域への一方通行動線を確保できる配置が必須です。本体と冷凍機を分けて設置できる別置型構造(業界標準)を採用すれば、機械室を清潔区域外に配置できます。
レイアウト設計の考え方はトンネル型フリーザーの設置レイアウトで詳しく解説しています。
3. 商品ラインナップ拡張時の対応余地

将来的に複合型冷凍食品製造業の許可を取得して商品ラインナップを拡張する場合、設備の対応範囲が広いほうが有利です。3Dフリーザー® は4系統10機種のラインナップ(バッチ型・パススルー型・トンネル型・スパイラル型)を揃えており、処理量8〜500+ kg/hで段階的な事業拡大に対応できます。
急速冷凍機の選定全体フローは急速冷凍機とは?仕組み・種類・選び方を業務用メーカーが徹底解説、価格・性能で失敗しない比較術は業務用急速冷凍機の選び方【2026年版】価格・性能で失敗しない比較術、急速冷凍機の必要性そのものを整理したい場合は急速冷凍機はなぜ必要?品質向上とコスト削減を両立する選び方、補助金活用は【2026年】急速冷凍機の補助金一覧|対象要件と申請フロー解説もあわせてご覧ください。
この記事の要点
- 2021年6月1日施行の改正食品衛生法で、営業許可業種は34業種から32業種に再編され、HACCPに沿った衛生管理が完全施行された
- 冷凍食品関連の許可業種は冷凍食品製造業(厚生省告示370号対象品)と複合型冷凍食品製造業(食肉処理等を併設、HACCPに基づく衛生管理が必須)の2業種
- 食品の冷凍又は冷蔵業(冷凍冷蔵倉庫業)は2021年改正で許可制から届出制に変更された
- 麺類・菓子の冷凍食品は、原則として麺類製造業または菓子製造業の許可のみで製造可能(冷凍食品製造業は不要)
- HACCP区分は従事者50人以上で「HACCPに基づく衛生管理」(コーデックス7原則)、50人未満で「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」
- 施設基準は共通基準+業種別個別基準の両方を満たす必要があり、住居台所と営業施設は物理的区画が必須
- 食品衛生責任者は営業許可・届出施設で原則必須、養成講習会修了で資格取得可能(受講予約から修了まで1〜2か月)
- 営業許可申請は事前相談→施設整備→申請→現地検査→交付の5ステップ、許可有効期間は5年以上
- 冷凍食品の保存温度法定基準は−15℃以下(厚生省告示370号、現行のまま)、業界自主基準とCodex国際基準は−18℃以下
- 食品表示基準(消費者庁所管)では、容器包装入り一般用加工食品で冷凍食品である旨・凍結前加熱の有無・加熱調理の必要性・栄養成分表示等が必須
- 3Dフリーザー® は ACVCS® とダクトレス構造により温度記録の信頼性と衛生管理上の点検性を両立し、4系統10機種のラインナップで段階的な事業拡大に対応できる
急速冷凍と食品衛生法についてよくあるご質問
A. 一律ではありません。自社製造か委託製造か、包装済みで仕入れているか、小分けや再包装を行うか、冷凍冷蔵保管をどう行うかによって、必要な許可業種・届出区分が変わります。最終判断は管轄保健所で確認してください。
A. そうではありません。厚生労働省Q&Aでは、そうざい又は農水産物に該当しない麺類または菓子の冷凍食品については、麺類製造業または菓子製造業の許可のみで製造可能と整理されています。冷凍うどん・冷凍ピザ・冷凍ケーキなどが該当する典型例です。商品区分で判断する必要があります。
A. 食品衛生法(厚生省告示第370号)では−15℃以下と定められており、2026年4月時点でも改正されていません。一方、日本冷凍食品協会の業界自主基準とFAO Codex国際基準では−18℃以下となっており、実務上は業界自主基準の−18℃以下が事実上の標準として運用されています。
A. 主な変更点は3つです。第一に、営業許可業種が34業種から32業種に再編され、冷凍食品製造業と複合型冷凍食品製造業が新設されました。第二に、HACCPに沿った衛生管理が完全施行されました。第三に、食品の冷凍又は冷蔵業(冷凍冷蔵倉庫業)が許可制から届出制に変更されました。
A. 対象事業者の規模で区分されます。HACCPに基づく衛生管理は食品取扱従事者50人以上の事業場等が対象で、コーデックス7原則12手順に従ってHACCPプランを文書化します。HACCPの考え方を取り入れた衛生管理は従事者50人未満の小規模事業者が対象で、業界団体作成の手引書に従って簡易的に実施できます。
A. 栄養士・調理師・製菓衛生師などの有資格者は無条件で食品衛生責任者になれます。資格を持たない場合は、都道府県知事指定の食品衛生責任者養成講習会(受講時間6時間)を修了することで取得できます。各都道府県の食品衛生協会が実施しており、新規施設で確保する場合は受講予約から修了まで1〜2か月の余裕を見てください。
A. 施設工事完了後の申請から現地検査・交付までは2〜4週間が目安です。ただし、これは事前相談と施設整備が完了している前提です。事前相談から実際の交付までは、施設規模により4〜8か月程度を見込んでください。営業許可証の有効期間は5年以上で、期間満了前に更新申請が必要です。
A. 管轄保健所の食品衛生担当窓口です。商品・工程・図面・販売形態を整理した上で、必要な許可業種、施設基準、設備配置の論点を相談してください。設備発注を先行させると、施設基準不適合で工事のやり直しが発生してコストが膨らみます。表示の細部については、必要に応じて消費者庁または都道府県の食品表示窓口も併用すると安全です。
A. 食品衛生法に法定の一律期間は定められていません。厚生労働省Q&Aでは「取り扱う食品等の消費期限・賞味期限を踏まえた合理的な期間」と示されており、冷凍食品の場合は賞味期限相当の期間(一般的に1〜2年程度)を保管目安とする運用が現実的です。自社の品質保証方針や取引先の要求に応じて、より長期の保管を行う事業者もあります。
A. 営業許可は不要になりましたが、営業届出は必要です。2021年改正で「食品の冷凍又は冷蔵業」は許可制から届出制に変更されました。届出だけで済みますが、HACCPに沿った衛生管理(小規模事業者は「考え方を取り入れた衛生管理」)の実施義務はあります。「届出だから無規制」と誤解しないように注意してください。
A. はい、有効です。HACCPでは凍結工程をCCP(重要管理点)として設定する事業者が多く、庫内温度の連続記録、凍結時間の管理、熱中心温度の検証、逸脱時の是正措置が記録項目になります。3Dフリーザー® はACVCS®により温度ムラが少なく記録の信頼性が高い特長があります。HACCP対応設備の選び方はHACCP監査が楽になる急速冷凍機もあわせてご覧ください。
まずは無料の実機デモテストで、自社商品で衛生管理基準を満たせるか確かめませんか

食品衛生法対応は、設備のカタログスペックだけでは判断しきれない領域です。商品ごとに凍結時間・温度ムラ・記録方式が異なり、施設基準・HACCP区分・表示義務との整合まで含めて全体設計が必要です。
KOGASUN では、店舗から食品加工場までに対応した様々な規格の急速冷凍機3Dフリーザーがあり、お客様の商品を実際に凍らせる無料の実機デモテストを全国4拠点で受け付けています。凍結前後の品温ログ、温度記録の出力サンプル、施設レイアウトの相談まで、衛生管理対応に必要な実データを取得した上で、自社工場での導入可否を判断いただけます。
資料請求・実機デモテスト・個別相談はこちらから
- 無料 製品資料ダウンロード:https://kogasun.com/catalog_dl/
- 無料 実機デモテストの申し込み:https://kogasun.com/support/demo_test/
- 個別相談(お問い合わせフォーム):https://kogasun.com/contact_us/
お電話でのお問い合わせ(全国4拠点)
- 本社(山口県):083-267-2811
- 東京営業所:03-5639-9387
- 関西営業所:075-963-5414
- 札幌営業所:0133-77-6144
あわせてお読みいただきたいページ
- 業務用急速冷凍機の選び方を整理したい方:業務用急速冷凍機の選び方【2026年版】価格・性能で失敗しない比較術
- 急速冷凍機の必要性を整理したい方:急速冷凍機はなぜ必要?品質向上とコスト削減を両立する選び方
- 急速冷凍機の補助金を確認したい方:【2026年】急速冷凍機の補助金一覧|対象要件と申請フロー解説
- 食品工場での急速冷凍機活用を検討中の方:急速冷凍機で品質向上!食品工場の歩留まり改善とクレーム削減の秘訣
- 急速冷凍機でアニサキス対策・食中毒リスク低減を確認したい方:急速冷凍機でアニサキス対策!食中毒リスクを減らし品質向上
- HACCP対応の急速冷凍機を選びたい方:HACCP監査が楽になる急速冷凍機とは?温度管理の自動化メリット
- HACCPと急速冷凍の基礎を確認したい方:急速冷凍とHACCP|安全な冷凍食品製造のための衛生管理ガイド
- 急速冷凍機の基礎を確認したい方:急速冷凍機とは?仕組み・種類・選び方を業務用メーカーが徹底解説
- −18℃保存温度の理由を深掘りしたい方:なぜ保存温度はマイナス18℃なのか?食品安全と品質を守る秘訣
- 冷凍食品のEC・通販を始めたい方:冷凍食品のEC・通販を成功させる5つのポイント|始め方から許可、配送まで
- 3Dフリーザー® の製品ラインナップを確認したい方:3Dフリーザー® 製品ページ
