チルド品と同等の食感を数値で実証した冷凍チキンカツの株式会社ワイズ様の導入事例

福岡県北九州市に本社を置く株式会社ワイズ様は、手作りの温かみを大切にする食肉加工会社です。チキンカツやトンカツを丁寧なパン粉付けで仕上げ、ハンバーグなども手掛ける同社には、揚げ物冷凍ならではの悩みがありました。鶏ムネ肉が硬くなること、強い風で衣が飛ぶこと、そして凍結が遅く生産が頭打ちになることです。本記事では、破断強度の測定でチルドに劣らない食感を確かめた導入事例に加えて、鶏ムネ肉が硬くなる仕組みと、速く凍らせるほど衣が飛ぶという板挟みの正体まで解説します。

結論:冷凍チキンカツは破断強度までチルドと並び、パン粉も飛ばずに凍結できた

株式会社ワイズ様は、3Dフリーザー®の導入で、揚げ物冷凍の弱点を克服し、その効果を数値でも確かめました。噛み切る力を測る破断強度のテストでは、冷凍後に揚げたものがチルドから揚げたものより低い荷重にとどまり、冷凍による硬化は見られませんでした。風速を上げずに済む高湿度の3D冷気のため、丁寧に付けた生パン粉も飛びません。解凍時のドリップ流出は従来比で約10%減り、凍結時間の短縮で生産のボトルネックも解消しています。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業株式会社ワイズ様(福岡県北九州市)
事業牛・豚・鶏肉の一次加工、パン粉付け・味付けなどの二次加工
対象食材チキンカツ、トンカツ、ハンバーグなどの食肉加工品
導入目的チルド同等の食感の実現、パン粉剥がれの防止、生産能力の拡大
導入機種3Dフリーザー® ラックインタイプ
導入の決め手事前テストで、ドリップが減ることとパン粉が飛ばないことを確認できた

導入企業:手仕事を残す北九州の食肉加工会社

株式会社ワイズ様は、牛・豚・鶏肉の一次加工から、パン粉付けや味付けの二次加工まで手掛ける食肉加工会社です。機械化が進む業界であえて人の手による工程を重視し、手作り感のある高品質な商品を製造しています。HACCP認証を取得した衛生管理のもと、直売所「宗像肉工房」でも工場直送の商品を届けています。

導入前の課題:揚げ物冷凍の三つの弱点

青い手袋の作業者たちが、成形した肉にパン粉を付けて並べていく加工場の作業風景

生産効率を上げるため急速冷凍機の導入を検討していましたが、既存の冷凍方法には構造的な欠点がありました。

  • パン粉が飛ぶ:一般的なエアブラスト式の急速冷凍機は風が強く、丁寧に付けた生パン粉が吹き飛んで商品価値が下がってしまいます。
  • 肉が硬くなる:脂肪分の少ない鶏ムネ肉はドリップが流出しやすく、揚げるとパサついた硬い食感になってしまいます。
  • 生産の頭打ち:通常の冷凍庫に入れるだけの緩慢凍結では凍結に時間がかかりすぎ、生産量を増やせませんでした。

速く凍らせたいが、強い風は使えません。揚げ物の冷凍では、この二つの要求が両立しませんでした。

なぜ鶏ムネ肉は、冷凍すると硬くなるのか

冷凍したカツは硬い。こう受け止められる背景には、鶏ムネ肉という食材の性質がそのまま表れています。

鶏ムネ肉は脂肪がきわめて少ない部位です。豚ロースや鶏モモは脂が口当たりを補いますが、ムネ肉のやわらかさは、繊維が抱えている水分だけで成り立っています。つまり、水を失えばそのまま食感を失う部位です。

時間をかけて凍らせると、この水分は繊維のすき間で少しずつ大きな氷の粒へ育ち、筋繊維を包む細胞膜を内側から押し破ります。解凍したとき、破れた場所から旨みを含んだ水分がドリップとして流れ出します。水分の減った身をそのまま油へ入れれば、加熱でさらに水分が抜け、繊維は締まって縮みます。噛み切るのに力が要る、パサついた仕上がりになります。これが冷凍チキンカツの硬さの正体です。

氷の粒が育つのは、肉の温度が-1〜-5℃あたりにとどまっている間です。この帯を素早く抜けられれば粒は微細なまま収まり、繊維も水分も守られます。答えははっきりしています。速く凍らせることです。

なぜ速く凍らせようとすると、衣が飛ぶのか

ところが、この「速く凍らせる」がもう一つの問題を呼び込みます。

一般的な急速冷凍機は、エアブラスト式と呼ばれる方式です。強い風を一方向から吹き付け、その風速で熱を運び去ります。速く凍らせたければ、風を強くするほかありません。ここで揚げ物特有の弱点が問題になります。

生パン粉は、軽くて表面がざらついた素材です。重さのわりに風を受ける面が大きいため、強い風の中では簡単に舞い上がります。職人が一枚ずつ丁寧に付けた衣が、庫内で吹き飛ばされて剥がれます。速さを求めて風を強めるほど、商品価値は削られていきます。

肉のためには速く、衣のためには穏やかにという二つの要求を同時に満たす方法がないことが、揚げ物冷凍がずっと抱えてきた制約でした。

3D凍結®が、パン粉を飛ばさない風と凍結の速さを両立できる理由

3Dフリーザー®(ACVCS®高湿度冷気)でムラなく冷却・冷凍するイメージ

3Dフリーザー®は、風速を上げずに速さを得るという方法でこの矛盾を解きます。

一方向から強く吹き付けるのではなく、高湿度の3D冷気が食品を全方向から包み込みます。触れる面が広ければ、風が穏やかでも奪える熱の総量を確保できます。上からも横からも同時に冷やされるため、氷が育つ温度帯を短時間で通り抜けられます。パン粉を吹き飛ばす力を持たない風のまま、肉の繊維を守る凍結速度が得られます。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

ロットの中で食感がばらつかないことも、測定で安定した数値を得るための条件です。エアブラスト式のように強い風を一方向から当てる方式では、風上と風下、ラックの上段と下段で凍る速さに差が出ます。凍りきるまでの時間が長い位置ほど、氷は角の張った大きな粒に育って筋繊維の細胞膜を破ります。同じロットでも硬い一枚が混ざるのは、この差によるものです。3D凍結®では冷気がラックの段と段のあいだまで回り込むので、どの一枚も同じ速さで凍り、氷の粒はどこも同じ細かさに収まります。時間が経っても硬くなりにくい結果が得られたのは、この均一さがあってこそです。

湿度も、揚げ物には欠かせません。乾いた強風なら衣も肉の表面も乾かしてしまいますが、湿り気を保った冷気は熱だけを奪います。パン粉を付けた商品を続けて投入しても湿度が保たれるのは、冷却器への着霜を抑えるKOGASUN独自のACVCS®によるものです。

電気代やデフロスト削減効果などランニングコストに関する説明資料

つけたての衣がそのまま残ります。繊維も壊れないため、揚げてもジューシーに仕上がります。同社が測定で確かめたチルド品より低い破断強度は、この二つが同時に成立した結果です。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

導入の決め手:食感を守り、衣も飛ばさない高湿度冷気

選定の決め手は、風の質でした。事前テストでドリップが大幅に減ることを確認し、揚げたときの食感を守れる見通しが立ちました。同時に、3Dフリーザー®の微風の高湿度冷気ならパン粉が吹き飛ばず、つけたての状態のまま凍結できます。強い風に頼らず速く凍らせる方式が、揚げ物の相反する条件を同時に満たしました。

比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

効果1:破断強度の測定で確かめた、チルド同等の食感

導入効果は感覚だけでなく、測定データにも表れました。チキンカツの破断強度(噛み切る力)を測ると、揚げたての荷重は3D凍結®品4.42に対しチルド品5.21でした。3時間後は3D凍結®品5.64に対しチルド品6.84、5時間後は6.33対7.98となりました。3D凍結®品はどの時点でもチルド品より低い荷重(=やわらかい状態)にとどまり、時間が経っても硬くなりにくいことを示しています。担当者様が「ミラクル」と表現するほど、冷凍特有のパサつきのないジューシーな仕上がりになっています。

チキンカツのかたさを3D凍結とチルドで測った棒グラフ。揚げたてから5時間後までの荷重の推移を比較している

効果2:ドリップ流出を約10%削減し、歩留まりが向上

従来の緩慢凍結と比較して、解凍時のドリップ流出量は約10%減少しました。社内では、緩慢凍結品と3D凍結®品の豚ロース肉100gカットを同条件で8時間解凍し、ドリップ量を比べる検証も行っています。流出を抑えられた水分が、柔らかさと歩留まりの両方を支えています。

豚ロース肉100gカットの解凍比較をまとめた3Dフリーザー解凍検証のボードを、青い手袋の手が掲げる様子

効果3:凍結時間の短縮で、生産の頭打ちを解消

急速冷凍により、凍結にかかる時間が大幅に短縮されました。凍結工程のボトルネックが解消され、より多くの取引先へ商品を届けられる体制が整っています。導入前後の変化をまとめます。

衛生服の作業者が、パン粉付き食材を段ごとに並べたラックをラックインタイプの3Dフリーザーへ押し入れる場面
観点導入前導入後
強風で生パン粉が吹き飛ぶつけたての状態のまま凍結
食感鶏ムネ肉が硬くパサつく破断強度がチルド品より低く、やわらかい
歩留まり解凍時にドリップが流出流出量を約10%削減
生産緩慢凍結で頭打ち凍結時間の短縮で能力拡大

ラックごと投入する食肉加工の運用例は、食肉加工業者様の導入事例でも紹介しています。

導入機種:パン粉付けの量産を受け止めるラックインタイプ

導入機種は、3Dフリーザー®のラックインタイプです。パン粉付けを終えたカツをトレーに並べ、ラックごと庫内へ入れてまとめて凍結します。手作業の二次加工から流れてくる量をラック単位で受け止め、つけたての衣のまま凍結へ移れます。機種の一覧は3Dフリーザーの製品ラインナップで確認できます。

3Dフリーザー ラックインタイプにラックを搬入する作業者の様子|業務用急速冷凍機 KOGASUN製

お客様の声:株式会社ワイズ様より

「以前は風でパン粉が剥がれてしまうのが悩みでしたが、3Dフリーザーは全て解決してくれました。何より驚いたのは、冷凍したチキンカツを揚げても、チルド品と全く遜色ないことです。これは本当に『ミラクル』です。故障時の対応も迅速で、近隣ということもありアフターフォローも手厚く感謝しています。」

ご協力いただいた企業様

「お肉工場直売所 宗像肉工房」の看板を掲げた、株式会社ワイズのレンガ調の直売所外観

株式会社ワイズ様

  • 牛・豚・鶏肉加工品(一次・二次)の製造、食肉・食肉加工品の卸売業・小売業、惣菜・外食・中食向け食材の商品開発および販売
  • 本社・八幡工場:福岡県北九州市八幡西区楠橋4547 / 宗像工場:福岡県宗像市東郷4-5-1
  • 株式会社ワイズ様 ウェブサイト

自社の商品で品質を確かめる:無料の凍結テスト

冷凍したものを揚げたときにチルドと同じ食感になるかどうかは、感覚ではなく数値で判断できます。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。本事例と同じように、破断強度やドリップ量での比較を前提にした持ち込みも歓迎です。普段どおりに仕込んだ商品で、次の項目を確かめられます。

確認項目見るポイント
食感破断強度を測るか、実食でチルド品と噛み切る感触を比べる
解凍後のドリップ解凍後に出る量を、現行の凍結品と同条件で計る
揚げ上がり衣の立ち上がりと色づきを、チルド品と揚げ比べる
部位ごとの差鶏ムネと豚ロースなど、脂肪量の違う部位で仕上がりを比べる
衣の付き方凍結後にパン粉が剥がれていないか、トレーに落ちていないかを見る

チルド品と並ぶ仕上がりになるか、実機でお確かめください。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

揚げ物・パン粉付き食材の冷凍でよくある質問

鶏ムネ肉のカツは、なぜ冷凍で硬くなりやすいのですか?

脂肪分が少なく、やわらかさが繊維の抱える水分だけで成り立っている部位だからです。氷の粒が繊維を壊せば解凍時にドリップが流出し、揚げるとさらに水分が抜けて繊維が締まります。ドリップを抑える凍結が、柔らかさを守る近道です。

破断強度の測定では、何が分かるのですか?

食品を噛み切るのに必要な力を数値化でき、食感を客観的に比較できます。本事例ではチルド品と3D凍結®品を揚げて測定し、揚げたて4.42対5.21から5時間後6.33対7.98まで、3D凍結®品がチルド品より低い荷重で推移することを確認しました。

急速冷凍機の風で、パン粉や衣が剥がれることがあるのですか?

あります。一般的なエアブラスト式は風速で熱を奪うため、速く凍らせようとするほど風を強める必要があり、軽い生パン粉は吹き飛ばされます。高湿度の3D冷気は全方向から包み込んで熱を奪うので、風を強めずに速く凍り、つけたての衣を保てます。

緩慢凍結から急速冷凍へ替えると、生産量は変わりますか?

凍結時間が大幅に短くなるため、同じ設備時間で処理できる量が増えます。本事例では凍結工程のボトルネックが解消され、生産の頭打ちを抜け出しました。品質と生産性は両立できます。

食肉加工の設備更新に使える補助金はありますか?

生産性向上や販路拡大の投資として、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金を検討できます。公募回ごとの要件と締切は、KOGASUNの導入相談で最新情報をご確認ください。

まとめ:冷気の当て方が、揚げ物の商品力を決める

株式会社ワイズ様の事例は、パン粉付きの商品や鶏ムネ肉のようにデリケートな原料こそ、凍らせ方の差が商品力の差になることを示しています。肉のためには速く、衣のためには穏やかにという、両立できないと思われていた二つの要求を、包み込む冷気が同時に満たしました。食感は破断強度の数値でチルド品を下回るやわらかさを保ち、衣はつけたてのまま凍ります。冷凍品の食感や衣の剥がれに悩む食品メーカーは、無料の凍結テストで仕上がりをお確かめください。機種選定や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
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機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
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