冷凍ラインの入れ替えで電気代30%減と歩留まり向上を実現した水産加工メーカー様の導入事例

冷凍保管庫の奥に、1年以上前のデモで凍らせた寿司が残っていました。工場長が興味本位で解凍して食べてみると、味が変わっていませんでした。この体験が、水産加工メーカー様の冷凍ライン刷新の出発点になりました。本記事では、既存のコンベア式冷凍装置を3Dフリーザー®のトンネル型フリーザーへ入れ替えた導入事例に加えて、冷凍で製品が軽くなる仕組みと、それが電気代とつながっている理由まで解説します。

結論:鮮魚加工品の冷凍ラインを3Dフリーザー®に入れ替え、電気代30%減と歩留まり向上を実現できた

水産加工メーカー様は、既存のコンベア式冷凍装置を3Dフリーザー®のトンネル型フリーザーへ入れ替えました。着霜が抑えられる運転により月々の電気代は30%下がり、オイル交換の頻度も減ってランニングコストが削減されています。製品の乾燥がなく重量の目減りが少ないため、歩留まりも大幅に向上しました。冷凍品質の評価は販路拡大につながり、増産や新商品開発に合わせて2号機、3号機、4号機と導入が続いています。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業水産加工メーカー様
対象食材各種鮮魚の加工品、棒寿司
導入目的品質向上、ランニングコスト削減
導入機種3Dフリーザー® トンネル型フリーザー(連続コンベア式)
導入の決め手デモで凍結し1年以上保管した寿司が、変わらない美味しさを保っていた

導入のきっかけ:1年以上前の冷凍寿司が、変わらず美味しかった

きっかけは、テスト機を持ち込んだデモの後日談です。冷凍保管庫に残っていた1年以上前の寿司を、工場長が興味本位で解凍して食べたところ、その変わらない美味しさに驚きました。凍らせた直後だけでなく、長期保管を経ても品質が落ちていません。この事実が何よりの証拠となり、既存のコンベア式冷凍装置から3Dフリーザー®への入れ替えが決まりました。

テスト機の庫内に、にぎり寿司と巻き寿司のトレーが温度センサー付きで並ぶデモの様子

冷凍寿司はシャリとネタの複合食品で、長期保管では乾燥や冷凍焼けの影響が出やすい商品です。それが1年を超えて美味しさを保っていたことは、凍結品質と保管性の両方を示す結果でした。

なぜ冷凍すると、製品は軽くなるのか

凍らせただけなのに、出てきた製品の重さが減っています。水産加工の現場ではよく知られた現象ですが、その正体を突き詰めると、水分の行き先にたどり着きます。

急速冷凍機は、庫内の空気を冷却器で冷やし、その冷たい空気を食品に当てて熱を奪います。このとき、乾いた空気は食品の表面から水分を奪っていきます。凍った表面の氷が、溶けずに直接水蒸気となって抜けていくのです。抜けた水分の分だけ製品は軽くなり、表面には細かな空隙が残ります。空隙に空気が入り込めば、そこから脂やたんぱく質の酸化が進み、白っぽい斑や色のくすみが出ます。これが冷凍焼けです。

歩留まりの目減りと冷凍焼けは、別々の問題に見えて、原因は同じ一つの現象です。売れるはずだった重量が、凍結のたびに失われていきます。切り身1枚あたりでは数グラムでも、年間の生産量を掛け合わせれば無視できない損失になります。

なぜ製品から抜けた水分が、電気代を増やすのか

食品から抜けた水分は、庫内から消えてなくなるわけではありません。行き先は冷却器です。冷たい金属の表面に触れた水蒸気は、そこで霜となって張り付きます。これが着霜です。

電気代やデフロスト削減効果などランニングコストに関する説明資料

霜の層は、冷却器から空気への熱の受け渡しを妨げます。層が厚くなるほど熱は伝わりにくくなり、同じ量を凍らせるのに余計な電力が必要です。霜を落とすには運転を止めて解かすしかなく、その間ラインも止まります。圧縮機に無理がかかれば、オイル交換の周期も短くなっていきます。

つまり、製品の目減り、電気代の増加、メンテナンスの手間は、すべて同じ原因から生じています。食品から水分が奪われ、それが霜になります。この連鎖を止めれば、三つが同時に改善します。

3D凍結®が、歩留まりと電気代を同時に改善する理由

3Dフリーザー®による凍結(3D凍結®)を支えるのは、着霜そのものを起こしにくくするKOGASUN独自のACVCS®です。霜が育たなければ、熱の通り道はふさがれません。冷却の能力を保ったまま長時間の持続運転ができ、霜取りで止める必要もありません。同社が実感した電気代の月30%削減とオイル交換頻度の減少は、この積み重ねの結果です。

同じ仕組みが、品質も支えます。庫内の水分が霜として奪われないため、冷気は湿り気を保ったままです。湿った冷気は食品の表面から水分を奪わないので、製品は軽くなりません。乾かなければ空隙もできず、冷凍焼けの起点も生まれません。歩留まりの大幅な向上と、1年を超えても変わらなかった寿司の美味しさは、どちらも冷気が乾かないという同じ性質によるものです。

3D冷気によるトンネルフリーザー内部冷却工程|高湿度で鮮度を保つ技術

凍る速さも品質を支えます。高湿度の3D冷気がベルト上の製品を包み込むので、結晶が成長する温度帯を短時間で抜け、水分は微細な粒のまま固まります。細かな氷は魚の身の細胞膜を壊さず、解凍してもうま味と水分が残ります。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

凍り方の均一さも、ライン生産では欠かせません。コンベアの中央と端とでは、風の通り方しだいで凍る速さに差が出ます。凍りきるまでが長い位置ほど、氷は角の張った大きな粒に育って身の細胞膜を突き破ります。同じベルトに載せた製品の出来がまちまちになるのは、この速度差の表れです。3Dフリーザー®は冷気がベルトの幅いっぱいに同じように届くので、どの位置でも結晶の細かさが変わりません。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴にまとまっています。

導入機種:コンベアラインごと置き換えるトンネル型フリーザー

導入機種は、コンベアで食品を流しながら連続凍結するライン型の3Dフリーザー®、トンネル型フリーザーです。投入口のコンベアに製品を載せれば、庫内を通過する間に凍結が完了します。大量生産ラインの流れを止めずに凍結工程を組み込める構造です。

投入口のコンベアと複数の扉、制御盤を備えた長い筐体の3Dフリーザーのトンネル型フリーザー

トンネル型フリーザーは、処理量・製品サイズ・ライン速度に合わせたオーダーメイド設計で製作します。連続式の仕組みと選定の考え方はトンネルフリーザーの解説にまとまっています。

比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

導入後の効果:着霜のない持続運転で、電気代を月30%削減しオイル交換頻度も低減した

導入前と同じ生産量・同じ運転条件でも、急速冷凍機への負担が明らかに減りました。電力のロスと停止時間がなくなり、電気代は月30%削減されました。オイル交換の頻度も減り、メンテナンスの手間まで含めたランニングコストの削減につながっています。

歩留まりの向上:乾燥による重量の目減りが少なく、冷凍焼けも防げる

製品の乾燥がなく重量の目減りが少ないため、歩留まりは大幅に向上しています。冷凍焼けのない高い凍結品質が、販路拡大を後押ししました。冷凍後に揚げて仕上げる揚げ物用加工品への展開余地も見えています。導入前後の変化をまとめます。

白い皿に盛られた、衣がきつね色に揚がったイカリングのクローズアップ
観点導入前導入後
運転着霜により負担が大きい着霜がなく持続運転
電気代従来のコンベア機の水準月30%削減
メンテナンスオイル交換の頻度が高い交換頻度が減少
歩留まり乾燥による重量の目減り目減りが少なく大幅向上

導入の広がり:増産と新商品開発に合わせて4号機まで導入が続いている

1号機の成果を受けて、増産対応や新商品開発に合わせ、2号機、3号機、4号機と導入が続いています。設備の入れ替えは一度きりの投資判断ではなく、成果を確かめながら生産体制を広げていく過程です。同じ機種を段階的に増やしているのは、品質とコストの両面で結果が出ているためです。

焼き色が付き、脂で照りのある鯖の切り身が並ぶクローズアップ

焼き魚用の切り身から棒寿司まで、扱う商品の幅も広がりました。魚介類のほかの実例は魚介類の導入事例一覧で確認できます。

ラインの入れ替えを検討するなら:主力商品の目減りと仕上がりを測る無料の凍結テストとテスト機デモ

本事例の出発点は、テスト機を持ち込んだデモでした。ライン型の導入検討では、まず自社の主力商品で凍結品質を確かめ、その結果をもとに処理量とライン設計を詰めていきます。KOGASUNの凍結テストは、テスト費用も出張費も無料です。実際の商品を持ち込めば、次の項目を確認できます。

確認項目見るポイント
凍結前後の重量同じ製品を凍結前後で量り、目減りの差を確かめる
表面の状態乾いた斑や色のくすみが出ていないかを見る
解凍後の品質ドリップの量と、身の張り・味の残り方を確かめる
保管後の変化一定期間置いたあとに、重量と表面をもう一度確かめる
ライン速度との相性想定する処理量で、凍結が間に合うかを確かめる

切り身・寿司・揚げ物用加工品など、実際の商品での仕上がりを導入前に確認できます。申し込みは食品を持ち込める凍結テストからご相談ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

水産加工の冷凍ラインでよくある質問

既存のコンベア式冷凍ラインも、急速冷凍機へ入れ替えられますか?

入れ替えられます。連続式の3Dフリーザー®はトンネル型フリーザーとスパイラルフリーザーで対応し、処理量・製品サイズ・ライン速度に合わせたオーダーメイド設計で製作します。本事例も既存コンベア機からの入れ替えです。設置スペースと搬入経路は図面をもとに個別に確認します。

業務用急速冷凍機の電気代は、何で決まりますか?

機種と処理量、運転時間に加えて、着霜の量が大きく影響します。冷却器に霜が付くと熱の通り道がふさがれて冷却能力が落ち、霜取り運転の分だけ電力と時間を消費するためです。3Dフリーザー®のように着霜を抑えて連続運転できる方式は、消費電力の面で有利に働きます。本事例では、着霜のない持続運転への切り替えで電気代が月30%下がりました。

棒寿司のようなシャリを含む商品も、ラインで冷凍できますか?

できます。シャリは、凍結に時間がかかるとでんぷんが硬くなりやすいため、急速凍結が向く食品です。ネタとシャリは一体のまま凍らせられます。品質は品目ごとの凍結テストで確認するのが確実です。

急速冷凍機の入れ替え工事中、生産は止まりませんか?

工事の段取りは設置環境と既存設備の状況で変わります。生産を止めずに進められるかどうかは、既存ラインを区画に分けて工事できるか、搬入経路を確保できるか、据付に何日かかるかで決まります。この三点と工期は、図面と現地確認をもとに導入相談で個別にご案内します。

水産加工メーカーの設備更新で使える補助金はありますか?

ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金が代表的な候補です。電気代削減のような省エネ効果や生産性向上は、申請でも訴求点になります。公募回ごとの要件と締切は、KOGASUNの導入相談で最新情報をご確認ください。

まとめ:3Dフリーザー®へのライン入れ替えは、品質とコストの両方を改善する投資だった

同社の入れ替えは、1年以上前の冷凍寿司の美味しさという確かな裏づけから始まりました。製品の目減りも電気代も、たどれば同じ「奪われた水分」に行き着きます。その水分の流出を抑えた結果が、電気代の月30%削減、オイル交換頻度の減少、乾燥のない凍結による歩留まりの大幅向上、そして4号機まで続く段階導入です。冷凍ラインの更新を検討する水産加工の現場にとって、品質とランニングコストを同時に見直せる実例といえます。まずは主力商品の仕上がりを、無料の凍結テストでお確かめください。ライン設計や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
導入・更新をご検討中の方へ
食品・生産量・設置環境に合わせて、最適な3Dフリーザーをご提案します。
機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
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