鱒寿司の冷凍品質を安定させ全国販売を実現した米飯メーカー様の導入事例

富山の名産である鱒寿司は、笹に包まれた鮮やかな押し寿司で、これまでチルド流通が届く範囲でしか味わえない商品でした。米飯メーカー様には、自社製の鱒寿司の販路を全国へ広げたいという構想がありましたが、冷凍後の品質が安定せず実現できずにいました。本記事では、一昼夜かけていた冷凍を切り替えて全国販売へ踏み出した導入事例に加えて、-35℃の冷凍庫でも品質が安定しなかった理由と、夏場にクレームが増えた仕組みまで解説します。

結論:鱒寿司は3Dフリーザー®で品質のムラなく冷凍でき、チルド圏を越えて全国販売へ広がった

米飯メーカー様は、プレハブ式冷凍庫で一昼夜かけていた凍結を3Dフリーザー®ラックインタイプへ切り替えました。米飯も具も冷凍焼けせず、解凍時の米飯の硬化や乾燥がなく、鱒からのドリップもほとんどありません。製造時の品質をそのまま維持できるようになりました。品質の安定は計画生産を可能にし、電子レンジで解凍できる冷凍鱒寿司として全国への販売が始まり、売り上げを伸ばしています。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業米飯メーカー様(富山県)
対象食材鱒寿司(富山名産品)、おはぎ
導入目的販路拡大、計画生産、品質向上
導入機種3Dフリーザー® ラックインタイプ
導入の決め手テストで凍結時間を大幅に短縮でき、品質のムラが出ないことを確認できた

導入前の課題:一昼夜の冷凍が、品質のムラと夏場のクレームを生んでいた

導入前はプレハブ式冷凍庫(-35℃)で、一昼夜かけて鱒寿司を凍らせていました。庫内温度は低くても、凍り切るまでの時間が長ければ品質は安定しません。仕上がりにムラが出て、気温の高い夏場には度々クレームが発生していました。

広げた笹の葉に囲まれた、切り分ける前の丸い鱒寿司

冷凍を諦めれば、販路はチルド流通の届く地域までにとどまります。名産品を全国へ届ける計画は、凍結品質が安定しないために止まっていました。試行錯誤の末に出会ったのが3Dフリーザー®です。

なぜ-35℃の冷凍庫でも、鱒寿司の凍結に一昼夜かかったのか

庫内が-35℃なのだから、入れておけば十分に速く凍るはずだと考えたくなりますが、実際には一昼夜かかっていました。ここに、冷凍をめぐる大きな誤解があります。

食品が凍る速さを決めるのは、庫内の設定温度ではありません。食品の中心から熱がどれだけ速く抜けていくかです。熱を運び出す役目を担うのは、食品の表面に触れる冷たい空気の流れです。プレハブ式の冷凍庫は、庫内を低温に保つことは得意でも、空気を強く回して熱を運び出す設計にはなっていません。しかも棚に積み上げれば、内側の商品には冷気がほとんど触れず、熱が抜けにくくなります。

つまり、庫内は-35℃でも、鱒寿司の中心はゆっくりとしか冷えていなかったのです。長い時間をかけて凍れば、米飯の中の水分は一か所へ集まって大きな氷の粒に育ちます。育った氷は米粒の構造を押し破り、解凍したときの硬さやパサつきになります。冷凍焼けや白蝋化も、この長い時間のあいだに表面から水分が抜けていくことで進みます。白蝋化とは、乾燥によって食品の表面が白く蝋のように変質する現象のことです。

なぜ夏場に、クレームが集中したのか

笹の葉の上で扇形に切り分けられた、鮮やかなサーモンピンクの鱒寿司

品質のムラが季節で偏っていたことにも、はっきりした理由があります。

夏場は、工場の室温も原料の温度も高くなります。製造したばかりの鱒寿司も、冬より高い品温で庫内へ入ることになります。冷凍庫が奪わなければならない熱の量が、それだけ増えます。同時に、扉の開け閉めで入り込む外気も暖かく湿っているため、冷凍庫の負担はさらに大きくなります。

結果として、夏の凍結には冬よりも長い時間がかかります。氷が育つ時間が延びれば、仕上がりは落ちます。同じ作り方をしていても、季節によって商品の出来が変わってしまいます。夏場に集中したクレームは、この季節による凍結時間の差がそのまま現れたものでした。手作業で丁寧に作った商品が、最後の工程の事情で評価を落としていました。

3D凍結®が、夏でも冬でも鱒寿司を同じ品質で凍らせられる理由

必要なのは、冷凍庫の温度を下げることではなく、中心から熱を抜く速さを上げることでした。熱を抜く速さを上げる装置としては、強い風を吹き付ける急速冷凍機が代表的です。ただし乾いた強風は、押し寿司のむき出しの米飯から水分を奪い、白蝋化の原因を凍結の段階で作ってしまいます。

一方、3Dフリーザー®の高湿度の3D冷気は、ラックのどの段にも同じように届きます。上からも横からも同時に冷気が触れるため、トレーのどこに置かれた鱒寿司からも熱が均等に抜けます。中心の温度は短時間で下がり、水分は集まる間もなく微細な粒として固まります。米粒の構造は押し破られず、解凍しても硬くなりません。鱒の身も同じで、繊維が壊れないためドリップが出ません。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

品質のムラが消えたもう一つの理由は、凍り方に偏りがないことです。ラックの段や置く位置で冷気の量が違えば、凍る速さも段ごとに変わります。凍り終わるのが遅い段ほど氷の粒は粗く角張り、米粒の細胞や身の細胞膜を壊します。プレハブ冷凍庫で品質にムラが出ていたのは、まさにこの差でした。3Dフリーザー®では段の上下で冷気の量が変わらないので、ラックのどのトレーの商品もそろって凍結を終えます。

冷気の湿度が保たれていることも、押し寿司には重要です。湿った冷気は熱だけを奪い、むき出しの米飯の水分を残します。夏場に品温の高い商品が続いても冷却の能力が落ちないのは、冷却器への着霜を抑えるKOGASUN独自のACVCS®によるものです。

電気代やデフロスト削減効果などランニングコストに関する説明資料

そして凍結が短時間で終わるということは、季節による差も小さくなるということです。夏の高い品温から始めても、短時間で凍らせきれる能力があれば、冬との差は仕上がりに現れにくくなります。品質が季節に左右されなくなったことが、計画生産と全国販売の土台になりました。ゆっくり凍らせる従来方式との違いは急速冷凍と通常冷凍の違いで解説しています。

導入後の品質:冷凍焼けも米飯の硬化も起きず、ドリップもほとんど出ない

切り替え後の品質は明確に変わりました。鱒寿司の米飯と具は冷凍焼けを起こさず、変色や白蝋化もありません。解凍時には米飯の硬化や乾燥がなく、鱒からのドリップもほとんどありません。製造した時点の品質を、そのまま食卓まで届けられるようになりました。

笹に包まれた鱒寿司と、赤い絵皿に取り分けた1切れ

品質の安定が生んだ計画生産:繁忙期の24時間体制がなくなった

鱒寿司づくりはすべて手作業です。導入前は受注量の変動に生産が振り回され、繁忙期には24時間体制で作り続けていました。冷凍品質が安定したことで、十分なストックを持てるようになり、この構造が変わりました。

扉を開けたラックインタイプの庫内に、多段のトレーラックが収まっている工場内の運用風景

製造方法が統一できたことで、生産時間の把握や原材料の仕入れもスムーズになり、計画生産が実現しています。需要に合わせて製造時期を決められるため、名産品の生産現場に時間の余裕が生まれました。

販路:冷凍鱒寿司を全国へ販売できるようになった

チルド流通では届く範囲に限界がありました。冷凍鱒寿司は電子レンジで解凍できる商品として全国へ販売できるようになり、売り上げを伸ばしています。導入前後の変化をまとめます。

観点導入前導入後
凍結プレハブ式冷凍庫で一昼夜3D急速冷凍で短時間
品質ムラがあり夏場にクレーム冷凍焼け・硬化・ドリップなし
生産繁忙期は24時間体制ストックを持つ計画生産
販路チルド流通の届く地域まで冷凍で全国へ販売

米飯類のほかの実例は米飯類の導入事例一覧で確認できます。

導入機種:多段トレーで一度に凍らせるラックインタイプ

導入機種は、3Dフリーザー®のラックインタイプです。多段のトレーラックを台車ごと庫内へ入れ、手作業で仕上げた鱒寿司をまとめて凍結できます。押し寿司の形を崩さずトレー単位で扱える構造は、手づくり商品の量産に向いています。急速冷却と急速凍結は1台で完結し、増産時はオーダーメイド設計や増設で対応できます。仕組みは3Dフリーザーの特徴にまとまっています。

縦長の取っ手が付いたステンレス扉の3Dフリーザーラックインタイプを正面斜めから写した製品写真
比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

鱒寿司の米飯の食感と解凍後のドリップを見極める:無料の凍結テスト

郷土の名産品は、品質がブランドそのものです。冷凍で妥協はできません。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。いつもの作り方で仕上げた商品を持ち込めば、次の項目を確かめられます。

確認項目見るポイント
米飯の食感解凍後に硬くパサついていないかを実食で確かめる
具の色鱒の身の色が淡くなっていないかを見る
ドリップ笹や容器に水が出ていないかを確かめる
表面の状態白蝋化や乾いた斑が出ていないかを見る
中心温度の推移何分で中心まで凍り切るかを実測する

電子レンジ解凍まで含めた食べ方の検証も相談できます。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

鱒寿司・米飯の冷凍でよくある質問

冷凍した鱒寿司は、どうやって食べますか?

冷凍した押し寿司は、電子レンジ解凍か冷蔵庫での解凍が基本です。本事例の商品は電子レンジでの解凍に対応しています。時間に余裕があれば、冷蔵庫でゆっくり戻す方法も選べます。解凍方法を商品設計に組み込んでおくと、届いた先での仕上がりが安定します。

庫内温度が低ければ、品質は保てるのではないですか?

庫内温度と凍る速さは別の問題です。凍る速さを決めるのは、食品の中心から熱がどれだけ速く抜けるかで、空気の流れ方と積み方に大きく左右されます。本事例では-35℃のプレハブ冷凍庫でも一昼夜かかっており、その長さが品質のムラを生んでいました。多方向から3D冷気を当てる方式なら、中心まで短時間で下がります。

冷凍焼けや白蝋化は、どうすれば防げますか?

原因は凍結中の乾燥と長い凍結時間です。庫内温度を下げるだけでは防げません。高湿度の3D冷気で素早く凍らせて水分の抜けを抑え、包装で保護するのが基本です。凍結時間そのものを短くすることが、最も効果の大きい対策になります。

おはぎのような和菓子系の米飯も冷凍できますか?

できます。本事例でも鱒寿司とあわせておはぎを扱っています。もち米とあんこは水分が多く、3Dフリーザー®の急速冷凍と相性がよい組み合わせです。おはぎの凍結の詳細はおはぎの冷凍テストで紹介しています。

米飯メーカーが冷凍設備を導入する場合、どんな補助金が候補になりますか?

販路拡大や計画生産のための設備投資は、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金の候補になります。公募の要件と締切は回ごとに変わるため、KOGASUNの導入相談で最新情報をご確認ください。

まとめ:品質の安定が、名産品を全国商品に変えた

同社の転機は、庫内温度ではなく凍結にかかる時間こそが品質を決めると分かったことでした。一昼夜が短時間になれば、氷は育たず、季節による差も小さくなります。その結果が、冷凍焼けもドリップもない鱒寿司、24時間体制からの解放、そしてチルド流通の制約を越えた全国販売です。地域の名産品を遠くへ届けたい米飯・惣菜の現場にとって、確かな道筋を示す事例です。まずは看板商品の仕上がりを、無料の凍結テストでお確かめください。機種選定や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
導入・更新をご検討中の方へ
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機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
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