規格外のあまおうを氷臭さのない冷凍商品に変えた株式会社ONE GO様の導入事例

福岡県北九州市・久留米市エリアで高級いちご「あまおう」を育てる株式会社ONE GO(ワンゴー)様は、30年のベテラン農家の技術と障がい者就労支援を掛け合わせた農福連携の生産者です。どれほどこだわって育てても、少しの傷や変形で出荷できないいちごが生まれ、廃棄や安値の取引を強いられていました。本記事では、規格外のあまおうを冷凍スイーツ素材へ変えた導入事例に加えて、冷凍いちごに氷臭さが出る理由と、包丁が通らない塊になる仕組みまで解説します。

結論:あまおうは氷臭さなしで冷凍でき、規格外品が収益と雇用を支える商品になった

株式会社ONE GO様は、3Dフリーザー®の導入で、規格外のあまおうを高品質な冷凍商品へ変えました。凍らせてもカチカチの氷の塊にならず、包丁がサクッと通る柔らかさを保ちます。懸念だった氷臭さはなく、解凍してもあまおう本来の甘酸っぱい香りが残ります。冷凍あまおうはふるさと納税の返礼品としても人気になり、通販レビューでは高評価が相次いでいます。廃棄ロスの削減が収益性を高め、障がいを持つスタッフの賃金向上と雇用の安定にもつながりました。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業株式会社ONE GO様(福岡県)
事業あまおうの生産・販売(農福連携)
対象食材あまおう(規格外品を含む生食用いちご)
導入目的規格外品の商品化、廃棄ロス削減、冷凍品質の向上
導入機種3Dフリーザー® ラックインタイプ
導入の決め手持ち込みテストで、氷臭さがなく包丁が通る凍り方を確認できた

導入企業:農福連携で育てる、減農薬のあまおう

株式会社ONE GO様は、ベテラン農家の築島様と就労支援事業を行う企業が協力して設立し、一歩一歩進むという意味を社名に込めています。減農薬に徹底的にこだわり、ハウスに水を張って土壌をリセットする独自の農法や、炭酸ガスとシナモンなどのハーブを使った防虫対策も行い、環境にも人にも優しいあまおう栽培を続けています。

ハウスの中で、土の畝に沿って苺の株が並んで育つ栽培風景

導入前の課題:規格外品の廃棄ロスと、一般的な冷凍庫で出る氷臭さ

手間暇かけて育てたいちごにも、青果として出荷するには厳しい規格の制約がありました。

  • 規格外品の廃棄ロス。少しの傷や変形だけでB品・C品となり、正規品として出荷できないいちごが多く発生。味は変わらないのに廃棄せざるを得なかった。
  • 冷凍品質の低さ。冷凍保存を試みても、一般的な冷凍庫ではカチカチの氷の塊になり、いちご特有の香りが消えて氷臭さが出てしまった。

「味は最高なのに、もったいない」という思いが、凍らせ方を根本から見直す出発点になりました。

なぜ冷凍いちごから、氷臭さが出てしまうのか

家庭の冷凍庫で凍らせたいちごを口に入れると、いちごの香りより先に、独特のにおいを感じることがあります。氷臭さと呼ばれるこの現象には、二つの側面があります。

一つは、いちご自身の香りが抜けてしまうことです。あまおうの甘酸っぱい香りの成分は、果肉の細胞の中に収まっています。凍結がゆっくり進むと水分は大きな氷の粒に育ち、果肉の細胞を包む細胞壁を押し破ります。

壊れた場所は香りの出口になり、解凍したときに水分と一緒に外へ抜けていきます。香りの薄い果実が残ります。

もう一つは、外からのにおいを受け取ってしまうことです。庫内の空気にはさまざまなにおいの成分が漂っており、凍結に時間がかかるほど、果実の表面や表面の氷はそれを取り込んでいきます。氷臭いという印象は、香りが抜けることと、外のにおいを吸うことの両方から生まれます。

なぜ冷凍いちごは、包丁が通らない氷の塊になるのか

もう一つの悩みだった硬さにも、はっきりした理由があります。

いちごは、重さの大半を水分が占めています。この水分がゆっくり凍ると、あちこちに散らばっていた水は少しずつ一か所へ集まりながら、大きな氷へと成長していきます。行き着く先は、果実の形をした、ひと塊の氷です。刃を当てても入り込む隙間がなく、まな板の上で滑るばかりです。削ることも切ることもできません。

一方、水分がその場で微細な粒として固まっていれば、果肉の細胞は粒と粒の間に残ります。刃はその隙間を縫って進めるため、サクッと通ります。同じ「凍っている」という状態でも、氷の粒の大きさが違うだけで、加工できるかどうかが分かれます。削りいちごのような商品が作れるかどうかは、この一点にかかっていました。

3D凍結®が、あまおうの香りと包丁の通る柔らかさを残せる理由

香りも刃の通りも、答えは同じところにあります。氷の粒を育てないことです。氷の粒を育てない、つまり素早く凍らせる機械は、以前から強い風を使うものが主流です。しかし乾いた強風は、いちごの薄い果皮から水分を奪い、繊細な果実を傷めます。

その点、3Dフリーザー®の風は違います。高湿度の3D冷気が実と実のすき間まで通り、一粒ずつを包み込みます。トレーに広げたいちごは全方向から同時に冷やされ、氷が育つ温度帯を短時間で通り抜けます。水分は集まる間もなくその場で微細な粒として固まります。細胞壁が破れないので香りの出口は開かず、あまおう本来の甘酸っぱさがそのまま残ります。

粒によって香りの残り方が変わらないことも、素材として使ううえで重要です。トレーの手前に置いた実と奥の実とで冷気の量が違えば、凍結が完了する順番が生まれます。後回しになった実では、氷は大きく歪な形にまで育ち、その角で細胞壁を破ります。同じパックにしぼんだ粒と張った粒が混ざる原因は、この順番の差です。3D冷気には風上も風下もないため、手前の粒も奥の粒も同時に凍り終わります。

凍るまでの時間が短いということは、庫内のにおいを吸う時間も短いということです。自分の香りを保ったまま、外のにおいを受け取る前に固まります。氷臭さが出ない理由がここにあります。

そして微細な粒は、刃の通り道を残します。包丁がサクッと入る柔らかさは、果実がひと塊の氷になっていないことの証拠です。粒どうしがくっつかずバラのまま凍るため、使う分だけ取り出せる商品にもなります。通販レビューの「一粒一粒がバラバラで使いやすい」という声は、この凍り方から生まれています。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

導入の決め手:持ち込みテストで確かめた、包丁が通る凍り方

近隣の山口県にあるKOGASUNへいちごを持ち込み、冷凍テストを実施しました。3Dフリーザー®で凍らせたいちごはカチカチに固まらず、包丁がサクッと通る柔らかさを保っていました。懸念していた氷臭さは全くなく、解凍後も、あまおう本来の甘酸っぱい香りがそのまま残るという結果です。この品質の違いが導入の決め手です。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

白いシャツの男性が、ステンレスの多段ラックを扉の開いた3Dフリーザーの庫内へ収める場面
比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

効果1:冷凍あまおうが、ふるさと納税の返礼品として人気商品になった

規格外のいちごは、新鮮なうちに急速冷凍することで、生に劣らないスイーツ素材へ生まれ変わりました。そのまま削って削りいちごにしたり、スムージーに使ったりと用途は広く、ふるさと納税の返礼品としても人気商品になっています。捨てられていた果実が、収益を生む商品になりました。

ドーム型の蓋のカップに、ミルクと刻んだ冷凍いちごを重ねたスイーツ商品

効果2:通販レビューで、氷臭さのなさと粒のほぐれやすさが評価された

ネット通販のレビューでは、冷凍特有の臭みがない、一粒一粒がバラバラで使いやすい、味が濃厚といった高評価が続いています。冷凍品質の高さが口コミで広がり、新規顧客の獲得とリピート購入につながっています。

うっすら霜をまとった冷凍あまおうが、一粒ずつ離れて並ぶクローズアップ

効果3:廃棄ロスの削減が、農業と福祉を支える

廃棄ロスが減って収益性が向上したことで、障がいを持つスタッフの賃金向上や雇用の安定にも貢献しています。規格外品を生かす冷凍技術が、農業と福祉の両方を支えています。導入前後の変化をまとめます。

観点導入前導入後
規格外品廃棄か安値の取引冷凍あまおうとして商品化
品質氷の塊になり氷臭さが出る包丁が通り香りが残る
経営ロスが収益を圧迫返礼品・通販の新たな柱に
雇用収益が伸びず賃金を上げにくい賃金向上と雇用安定に貢献

凍結技術が雇用を支えた実例は世羅の大地様の導入事例でも紹介しています。野菜・果物のほかの実例は野菜・果物類の導入事例一覧にまとまっています。

導入機種:規格外品をまとめて凍結するラックインタイプ

導入機種は、3Dフリーザー®のラックインタイプです。選別した実をトレーに広げ、ラックごと庫内へ入れて凍結します。収穫期にまとまって出る規格外品を一度に受け止められる容量が、廃棄を商品に変える運用を支えています。機種の一覧は3Dフリーザーの製品ラインナップで確認できます。

3Dフリーザー ラックインタイプにラックを搬入する作業者の様子|業務用急速冷凍機 KOGASUN製

お客様の声:株式会社ONE GO様より

「普通の冷凍はただ凍らせるだけで包丁も通りませんが、3Dフリーザーは瞬間冷凍なので包丁が入りますし、何より『氷臭さ』がありません。ネット販売のレビューでもすごく良い反応をいただき、それが次の販売に繋がっています。傷があっても冷凍なら関係なく加工できるので、ロスが減り、本当に満足しています。」

ご協力いただいた企業様

骨組みのアーチが連なる、ONE GOの苺栽培ハウスの外観

株式会社ONE GO様

規格外品を商品に変える:無料の凍結テスト

いちごやブドウ、桃のような繊細なフルーツほど、凍らせ方の差が売り物になるかどうかを分けます。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。育てた果実を持ち込めば、次の項目を確かめられます。

確認項目見るポイント
香り解凍後にいちご本来の香りが残るか、氷臭さがないかを確かめる
刃の通り凍ったまま包丁を入れ、削れるかどうかを見る
粒のほぐれ一粒ずつ取り出せるか、くっついていないかを確かめる
果肉の状態解凍後にしぼんでいないか、色が変わっていないかを見る
保管後の変化一定期間置いたあと、香りと刃の通りをもう一度確かめる

氷臭さのなさと、サクッとした食感を、ご自身の畑の果実でお確かめください。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

いちご・フルーツの冷凍でよくある質問

冷凍いちごの氷臭さは、なぜ出るのですか?

二つの理由が重なります。凍結が遅いと大きな氷の粒が細胞を壊し、そこから果実自身の香りが抜けます。加えて、凍るまでの時間が長いほど庫内のにおいを吸い込みます。高湿度の3D冷気で急速に凍らせれば、香りを保ったまま、においを吸う前に固められます。

包丁が通る冷凍いちごと通らないいちごは、何が違うのですか?

ゆっくり凍ると水分が一か所に集まって果実全体がひと塊の氷になり、刃が入る隙間がなくなります。細胞を壊さない3Dフリーザー®の瞬間冷凍なら、微細な氷の粒の間に果肉が残るため、刃が通って削りいちごのような加工もできます。凍り方の違いは、加工の自由度の違いです。

規格外の果物は、冷凍でどんな商品になりますか?

本事例では削りいちごやスムージー用の素材として商品化され、ふるさと納税の返礼品にもなりました。傷や変形は加工品では問題にならないため、味の良い規格外品ほど冷凍商品化の価値があります。

農福連携の現場に、冷凍加工はどう役立ちますか?

廃棄ロスが減って収益性が上がれば、スタッフの賃金と雇用を安定させる原資が生まれます。本事例では冷凍商品の製造・販売が新たな仕事にもなり、農業と福祉の持続性を同時に高めています。

農家の6次産業化に使える補助金はありますか?

あります。生産から加工・販売へ踏み出す設備投資は、ものづくり補助金などの対象になり得るほか、農業者向けの支援制度の公募も随時行われています。制度ごとに要件が異なるため、計画に合う最新の公募はKOGASUNの導入相談でご確認ください。

まとめ:規格外あまおうを冷凍で商品化したことが、農園の収益と雇用の安定につながった

ONE GO様の事例は、急速冷凍機が農業の6次産業化を支える実践的な道具であることを示しています。氷臭さも、刃が入らない硬さも、粗大に成長した氷結晶が招いた結果でした。粒を小さいまま留めれば、香りは残り、包丁も通ります。廃棄されていた規格外のあまおうが人気商品になり、その収益が働く人の賃金と雇用を支えます。規格外品の活用や加工品の品質に悩む生産者は、無料の凍結テストで自慢の果実の仕上がりをお確かめください。機種選定や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
導入・更新をご検討中の方へ
食品・生産量・設置環境に合わせて、最適な3Dフリーザーをご提案します。
機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
お問い合わせ・ご相談

関連記事

お問い合わせ