G7広島サミット採用の冷凍松茸を生んだ株式会社世羅の大地様の導入事例

広島県世羅町に、全国から選び抜かれた国産松茸が集まる専門店があります。その専門店が、株式会社世羅の大地様です。秋のわずか数か月しか出回らない松茸を、採れたての香りと食感のまま一年中届けたいという挑戦を支えたのが3Dフリーザー®でした。同社の冷凍松茸は2023年のG7広島サミットで各国要人に振る舞われ、雇用は季節から通年へと変わりました。本記事では、その経営の変化に加えて、松茸の香りが飛ぶ仕組みと、きのこが冷凍で食感を失う理由まで解説します。

結論:松茸は香りと繊維を保って冷凍でき、通年供給と通年雇用が実現した

株式会社世羅の大地様は、3Dフリーザー®の導入で、松茸の価値を支える繊維を壊さずに凍結する体制を作りました。解凍後もシャキッとした食感と芳醇な香りが残り、寿司職人からは生と変わらないという評価を受けています。この品質が2023年のG7広島サミットでの採用につながり、世界に通用することの証明になりました。オフシーズンにも製造・販売の仕事が生まれ、季節雇用から通年雇用への転換と、冬のギフト商戦への参入も実現しています。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業株式会社世羅の大地様(広島県世羅郡世羅町)
事業国産松茸の卸売・小売、加工品の販売
対象食材国産松茸(焼き松茸用、松茸ごはんなどの加工品を含む)
導入目的旬の通年化、進物用の冷凍品質確保、雇用の安定
導入機種3Dフリーザー® トレーインタイプ(2枚扉モデル)
導入の決め手繊維を壊さない凍結で、職人が生と変わらないと認める品質を確認できた

導入企業:全国の松茸が集まる、世羅の専門店

株式会社世羅の大地様は、国産松茸の専門店として全国の産地から良質な松茸を買い付け、市場や一般消費者へ販売しています。「国産まつたけフェス」などのイベントも主催する松茸一筋の会社です。近年は冷凍松茸の開発に力を入れ、お中元やお歳暮のギフト需要、企業の福利厚生といった新たな販路を開拓しています。

導入前の課題:旬の短さと、応えられなかった進物需要

松茸ビジネスには、自然相手ならではの構造的な悩みがありました。

  • 提供期間の限界。松茸のシーズンは9月〜11月と短く、需要が高まる12月以降のお歳暮やお正月には生鮮品を提供できなかった。
  • 冷凍品質の限界。大手企業から進物用に冷凍松茸を使いたいという要望があったが、家庭用レベルの冷凍では繊細な繊維と香りが失われ、商品化できなかった。
  • 雇用の不安定さ。シーズンが終わると仕事がなくなり、スタッフを手放さざるを得ない季節雇用の構造が、人材確保の足かせになっていた。

旬が短いことは変えられません。変えられるのは、旬を保存する技術の側でした。

なぜ松茸の香りは、冷凍すると飛んでしまうのか

松茸を手に取ると、まだ切ってもいないのに香りが立ちます。それでも、芳醇な香りの大部分は、まだ細胞の中に収まった状態にあります。焼いたり刻んだりした瞬間に香りが広がるのは、蓄えられていた成分が一気に放出されるからです。

香りの成分は軽く、外へ出れば留まりません。そのため凍結の工程で細胞が壊れると、そこが香りの出口になります。ゆっくり凍らせれば、松茸の中の水分は大きな氷の粒に育ち、細胞を包む細胞壁を押し破ります。

急速冷凍で重要な最大氷結晶生成帯の-1〜-5℃付近を示す温度変化のイメージ

壊れた場所からは、解凍のときに水分と一緒に香りの成分も抜けていきます。家庭用レベルの冷凍で松茸の香りが失われるのは、この経路が開いてしまうためです。

温度も香りを減らす要因です。成分は温度が高いほど活発に飛んでいきます。そのため、採取から凍結まで常温に置く時間が長いほど、凍らせる前から香りは目減りしていきます。

なぜ、きのこは冷凍すると歯ごたえを失うのか

食感の側にも、きのこならではの事情があります。

きのこは、その大部分が水分でできています。松茸の形を支えているのは、細い糸のような菌糸が編み目のように組み合わさった構造です。松茸を裂いたときに繊維が縦に走って見えるのは、この編み目のためです。噛んだときのシャキッとした歯ごたえは、水を含んだ編み目が張りつめている状態から生まれます。

ここに大きな氷の粒ができると、編み目は内側から押し広げられて切れてしまいます。氷が溶けたあと、切れた編み目はもう水を支えられません。抱えていた水は流れ出し、身は張りを失って水っぽくなります。松茸の値打ちである歯ごたえと香りは、どちらも大きく育った氷の粒という同じ原因で失われます。

3D凍結®が、松茸の香りと歯ごたえをそのまま残せる理由

3Dフリーザー®(ACVCS®高湿度冷気)でムラなく冷却・冷凍するイメージ

守るべき点は一つです。細胞を壊さないことです。細胞を壊さないためには速さが要ります。ただし、速さを強い風で得る一般的な急速冷凍機は、松茸の繊細なかさを乾かしてしまいます。速さと湿度を切り離せないのが、きのこの冷凍です。

3Dフリーザー®は、この両方を一度に満たします。高湿度の3D冷気がかさの表にも裏にも回り込み、松茸を包み込みます。松茸は上からも横からも同時に冷やされ、氷が育つ温度帯を短時間で通り抜けます。水分は一か所へ集まる前に、その場で微細な粒になります。細胞壁も菌糸の編み目も破れないため、香りの出口は開かず、歯ごたえを支える編み目も残ります。解凍したときにシャキッとした食感と芳醇な香りが残るのは、細胞と菌糸を壊さないまま低温で変化を止めたからです。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

一本ごとに香りの残り方が変わらないことも、ギフト商材には欠かせません。かさと軸、トレーの手前と奥とでは熱の抜けやすさが違い、凍る速さもそこで分かれます。凍るのが後になる部分ほど、氷は粗く角張り、菌糸の編み目を切ります。一本の中で部位によって歯ごたえが違ってくるのは、この分かれ目のためです。3Dフリーザー®では冷気がかさの裏側まで入り込むので、かさも軸も同時に凍りきります。

水分の多いきのこでは、冷気が乾いていないことも重要になります。湿った冷気は熱だけを奪うため、採れたての姿のまま凍ります。入荷の集中する時期に連続で凍らせても湿度が落ちないのは、冷却器への着霜を抑えるKOGASUN独自のACVCS®によるものです。

寿司職人が握って「生と変わらない」と評したのは、香りと歯ごたえの両方が同時に残っていたためです。

導入の決め手:繊維を壊さず、香りを残す凍結

同社は、テレビや他社からの紹介で3Dフリーザー®を知りました。決め手になったのは、松茸の繊維を守れる点でした。多方向から包み込む3D冷気が一気に凍らせることで細胞の破壊を防ぎ、解凍後もシャキッとした食感と香りを保てます。試しに冷凍松茸を寿司職人に握ってもらうと、生と変わらない、味が落ちていないという評価を得ました。この職人の言葉が導入の後押しになりました。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

トレーの敷き紙の上に、太い軸の国産松茸が向きをそろえて並ぶクローズアップ
比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

効果1:G7広島サミットでの採用という証明

2023年のG7広島サミットで、各国の要人に振る舞う食材として同社の冷凍松茸が約3kg採用されました。生の松茸がない時期に、「どこにもない松茸がある」として選ばれたことは、世界に通用する品質が評価された結果といえます。この採用は大きな宣伝効果も生みました。

3Dフリーザーの棚で、敷き紙に載せた松茸が凍結されていく庫内の様子

効果2:オフシーズンの製造業務が生まれ、季節雇用から通年雇用へ移行した

オフシーズンにも冷凍松茸の製造・販売業務が生まれたことで、12月以降もスタッフを雇用し続けられるようになりました。数か月で契約が終わる働き方ではなく、年間を通じて働ける環境が整い、優秀な人材の確保と定着につながっています。冷凍技術への投資が、そのまま雇用を守る投資になりました。

黄色い法被のスタッフたちが、世羅の大地の箱を梱包して出荷する作業場

効果3:冬のギフト商戦への参入

お歳暮やおせち料理など、これまで松茸が使えなかった冬のギフト商戦に参入できるようになりました。いつでもおいしい松茸が手に入るという強みを生かし、インターネット通販や企業向けの販売が伸びています。導入前後の変化をまとめます。

「松茸ごはん」の手書き札と、焼き松茸用の真空パックが並ぶ直売所の売場
観点導入前導入後
提供期間9月〜11月の旬に限定冷凍松茸で一年中供給
品質家庭用冷凍では繊維と香りが劣化職人が生と変わらないと評価
雇用シーズン終了で契約も終了通年雇用で人材が定着
販路生鮮の時期のみ冬のギフト商戦と通販へ拡大

旬の食材の通年化はブルーベリー農園様の導入事例でも紹介しています。野菜・果物のほかの実例は野菜・果物類の導入事例一覧にまとまっています。

導入機種:入荷量に合わせて使えるトレーインタイプ(2枚扉モデル)

導入機種は、3Dフリーザー®のトレーインタイプ(2枚扉モデル)です。松茸をかさが潰れないようトレーに並べ、棚へ差し込むだけで凍結できます。入荷量が日ごとに変わる松茸でも、トレー単位で少量から凍らせられるため、旬の集中入荷にも季節外れの少量加工にも同じ1台で対応できます。機種の一覧は3Dフリーザーの製品ラインナップで確認できます。

2枚扉のトレーインタイプを正面から写す。上下の扉が開き、庫内の棚とタッチパネルが見える

お客様の声:株式会社世羅の大地様より

「冷凍松茸を使ったお寿司屋さんから『これは生と変わらない』と言われました。G7サミットでも『どこにもない松茸がある』ということで見つけていただき、非常に効果がありました。何より、冷凍に取り組むことでオフシーズンも雇用を継続でき、良い人材を確保できるようになったのが嬉しいですね。」

ご協力いただいた企業様

「国産松茸販売センター 直売所」の大看板と松茸ごはんの幟を掲げた、世羅の大地の店舗外観

株式会社世羅の大地様

松茸など香りの強い食材で試す:無料の凍結テスト

松茸のような香りの強い食材、繊維質なきのこや山菜は、凍らせ方の差が最も出る領域です。KOGASUNの凍結テストは、テスト費用も出張費も無料です。旬の食材を持ち込めば、次の項目を確かめられます。

確認項目見るポイント
香りの立ち方解凍して加熱したときの香りを、生と比べる
歯ごたえ裂いたとき、噛んだときの張りが残るかを実食で確かめる
水っぽさ解凍後に容器へ水が出ていないかを見る
見た目かさや軸がしなびていないか、色が変わっていないかを確かめる
保管後の変化一定期間置いたあと、香りと食感をもう一度確かめる

旬の食材の通年商品化を見据えた持ち込みも歓迎です。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

松茸・きのこ類の冷凍でよくある質問

松茸は冷凍すると香りが飛ぶと言われますが、なぜですか?

香りの成分は細胞の中に収まっており、凍結が遅いと育った氷が細胞を壊して出口を作ってしまうためです。解凍時に水分と一緒に香りも抜けていきます。3D冷気で細胞を壊さずに一気に凍らせれば、解凍後も芳醇な香りを残せます。凍らせ方が、香りを残せるかどうかを決めます。

きのこは冷凍すると、なぜへたってしまうのですか?

きのこの形は、細い菌糸が編み目のように組んだ構造で支えられています。大きな氷の粒がこの編み目を切ってしまうと、抱えていた水が流れ出し、水っぽくへたった身になります。微細な氷のまま凍らせれば編み目は保たれ、シャキッとした歯ごたえが残ります。

冷凍した松茸の食感は、生とどれほど違うのですか?

食感の劣化は冷凍そのものではなく、凍結速度の問題です。繊維の細胞破壊を防げば、シャキッとした歯ごたえは保てます。本事例では、3Dフリーザー®で凍らせた松茸を握った寿司職人が生と変わらないと評価しました。

旬が短い商材の会社は、オフシーズンの仕事をどう作ればよいですか?

旬のうちに高品質な冷凍在庫を作り、オフシーズンを製造・販売の期間に変える方法があります。本事例ではこの転換により12月以降も業務が続き、季節雇用から通年雇用へ移行できました。

季節商品の通年化に向けた設備投資で、補助金の相談はできますか?

できます。旬の食材の通年商品化は販路開拓を伴う投資として、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金の検討対象になり得ます。申請要件は公募回で異なるため、KOGASUNの導入相談の際に最新の公募状況も合わせてお尋ねください。

まとめ:冷凍技術が、旬と地域の雇用を守った

世羅の大地様の事例は、凍結技術が商品の品質だけでなく、季節雇用に頼らざるを得ないという地域の課題の解決にもつながることを示しています。香りが飛ぶのも歯ごたえが失われるのも、大きく育った氷の粒が細胞を壊すという同じ原因からでした。その原因を取り除けば、旬はそのまま保存できます。細胞を壊さない凍結が、G7広島サミットに選ばれた品質、冬のギフト商戦への参入、そして人材が定着する会社への転換につながりました。旬の食材を扱いながらオフシーズンの売上と雇用に悩む経営者の方は、まず無料の凍結テストをお試しください。機種選定や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
導入・更新をご検討中の方へ
食品・生産量・設置環境に合わせて、最適な3Dフリーザーをご提案します。
機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
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