
ブルーベリーは収穫期が短く、出荷が一時期に集中します。採れたての果実を普通の業務用冷凍庫で凍らせると、解凍時のドリップと乾燥で商品価値が落ちてしまいます。ブルーベリー農家様も、この課題を抱えていました。各社のテストでも答えが出ず、現状維持に傾きかけたとき、知人から届いたのが3Dフリーザー®の情報です。本記事では、比較試験を経て導入を決めた事例に加えて、果実が冷凍でしぼむ理由と、1週間置いてから解凍する検証に意味がある理由まで解説します。
結論:ブルーベリーはドリップを抑えて冷凍でき、比較試験で選んだ品質が差別化になった
ブルーベリー農家様は、3Dフリーザー®トレーインタイプの導入で、収穫したブルーベリーの冷凍品質を大きく高めました。実機テストのサンプルを1週間保管してから解凍する検証では、これまでの急速冷凍テストの中でも一番の品質という評価になりました。同業者の冷凍ブルーベリーを購入した比較試験でも、3Dフリーザー®の仕上がりが最も良い結果でした。高湿度の冷気が全方向から包む凍結で、解凍後のドリップは非常に抑えられ、同業他社品との差別化を実現しました。冷凍時間の短縮で、出荷までの時間も大きく縮まっています。導入の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入企業 | ブルーベリー農家様 |
| 対象食材 | ブルーベリー |
| 導入目的 | 出荷改善、計画生産、販路拡大 |
| 導入機種 | 3Dフリーザー® トレーインタイプ |
| 導入の決め手 | 1週間保管後の解凍検証と同業他社品との比較試験で、一番の品質を確認 |
課題:普通の冷凍では、果実の商品価値が守れない
導入前は、普通の業務用冷凍庫で冷凍品を製造していました。凍らせるたびに商品価値が落ちていくのが悩みでした。急速冷凍への切り替えを目指して各社のテストも行いましたが、真空パックに入れる方式だったり、ドリップや乾燥で解凍後の再現度が低かったりと、解決には至りませんでした。

現状維持もやむを得ないと考えていたところ、知人から3Dフリーザー®の存在を教えられました。農家にとって設備投資は大きな決断です。そのぶん、次の検証は徹底しました。
なぜ冷凍した果実は、しぼんで水っぽくなるのか
摘みたてのブルーベリーは、指で軽くつまんでも弾力があります。この張りは、果肉の細胞ひとつひとつが水をいっぱいに蓄え、内側から皮を押し上げていることで生まれています。果実の食感は、細胞がどれだけ水を抱えているかで決まります。
ゆっくり凍らせると、この水は細胞の中から少しずつ抜け出して集まり、大きな氷の粒に育ちます。育った氷は、果肉の細胞を包む細胞壁を押し破ってしまいます。壊れた細胞壁は解凍しても水を抱え直せず、果汁は外へ流れ出します。残された果肉はしぼみ、皮にはしわが寄り、口に入れれば水っぽく味の薄い実になっています。冷凍のベリーは水っぽいと言われてきた理由がこれです。
ブルーベリーには、もう一つ弱点があります。実が小さく、皮が薄いことです。同じ重さの果物と比べて空気に触れる面が大きいため、乾いた冷気に当てれば表面から水分を奪われやすくなります。表面に薄くまとった白い粉、ブルームと呼ばれる鮮度の証も、乾燥や強い風で失われていきます。小さく繊細な果実ほど、凍らせ方の差がそのまま見た目に表れます。
なぜ凍結したサンプルを、1週間保管してから解凍したのか
同農家様の検証で目を引くのは、凍結したサンプルをすぐ評価しなかったことです。1週間保管してから解凍し、そこで品質を確かめました。この設計には、はっきりした理由があります。
凍結直後の品質と、保管を経た後の品質は同じではありません。凍った食品の中では、温度がわずかに上下するたびに小さな氷が溶け、より大きな氷へ吸い寄せられていきます。保管している間に、氷結晶は少しずつ成長していきます。育った氷は細胞壁を壊すため、凍らせた直後は良かったものが、数日後には水っぽくなることがあります。
実際の販売では、収穫した果実は保管を経てから顧客へ届きます。つまり、顧客が口にするのは「保管後の品質」です。凍結直後の見た目だけで判断すれば、実務では通用しない設備を選びかねません。1週間置いてから確かめるという検証は、売り物としての条件をそのまま再現した設計でした。加えて同業者の冷凍ブルーベリーを買って並べたことで、基準は自社の感覚から市場の水準へ引き上げられています。
3D凍結®が、ブルーベリーの皮の張りとブルームを守れる理由
守るべきものは、果肉の水分と表面の状態です。凍結を速める装置として、強い風を使う急速冷凍機が普及していますが、乾いた強風は小さな果実から水分を奪い、鮮度の証であるブルームまで損ないます。3Dフリーザー®は、実へ負担をかけずにその両方に応えます。
皮の張りを守るのは、凍結の速さです。高湿度の3D冷気が全方向から果実を包み込み、氷が育つ温度帯を短時間で通り抜けさせます。水分は細胞から抜け出す間もなく、その場で微細な粒として固まります。細胞壁が破れなければ、解凍しても果汁は果肉の中にとどまり、皮の張りも残ります。解凍後のドリップがごく少ないという検証結果は、この凍らせ方によるものです。
粒ごとの差を小さくできるかどうかも、同じくらい重要です。トレーの奥に入った実は風が届きにくく、手前の実より凍るのが遅れます。遅れた実の中では結晶が粗く歪に育ち、その角が細胞壁を破ります。同じトレーに広げたのに、しぼむ粒と張った粒が混ざる原因はここにあります。3D冷気はトレー全体へ同じように届くため、手前も奥もほぼ同じ速さで凍り、粗い結晶の育つ実が出ません。

そして最初に微細な氷を作っておくことが、保管中の温度変化に耐える余力になります。もともと小さな粒であれば、多少の温度変化があっても果肉の細胞へのダメージは小さく収まります。1週間後の解凍でも品質が保てたのは、凍らせ方が保管に耐える状態を作っていたからです。
ブルームと表面を守るのは、冷気の湿度と風の弱さです。包み込む湿った冷気は熱だけを奪い、穏やかな風は表面の粉を吹き飛ばしません。収穫期に何度も扉を開け閉めしても冷気が乾かないのは、冷却器への着霜を抑えるKOGASUN独自のACVCS®があるからです。凍らせ方による品質差は急速冷凍と通常冷凍の違いで解説しています。
検証:1週間保管の解凍テストと、同業他社品との比較試験
機能説明を一通り聞いたうえで、実機でのテストを実施しました。冷凍したサンプルを1週間保管した後に解凍して品質を確かめた結果は、これまでの急速冷凍テストの中でも一番の品質でした。さらに、同業者の冷凍ブルーベリーを購入して比較試験まで行い、3Dフリーザー®が最も良いという結論に至りました。冷凍品質に加えてイニシャルコストの低減も見込めたことで、導入が決まりました。

品質:ドリップを抑えた仕上がりが、同業他社品との差別化になった
3Dフリーザー®で凍らせたブルーベリーは、解凍後のドリップが少なく、皮の張りが残ります。1週間保管後の解凍でも仕上がりが崩れないことは導入前の検証で確かめたとおりで、購入して比べた同業他社品との品質差が、そのまま商品の差別化になっています。

経営:出荷までの時間が縮まり、設備は通年で稼働している
冷凍時間の短縮により、出荷までの時間は大きく縮まりました。急な注文にも迅速に対応できる体制です。設備の使い方にも広がりが生まれ、ブルーベリーの季節外れには別の果物も冷凍加工して販売しています。旬の時期しか動かなかった凍結設備が、通年で稼働する生産設備に変わりました。導入前後の変化をまとめます。

| 観点 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 冷凍品質 | 普通の冷凍庫で商品価値が低下 | ドリップを抑え同業他社品と差別化 |
| 出荷 | 冷凍に時間がかかり対応が遅れる | 出荷までの時間が縮まり迅速に対応 |
| 設備 | 旬の時期しか活躍しない | 季節外れは別の果物を加工し通年稼働 |
規格外のいちごを商品化した冷凍あまおうの導入事例や、野菜・果物類の導入事例一覧もあわせてご覧ください。
導入機種:収穫した実をトレーに広げてバラ凍結できるトレーインタイプ
導入機種は、3Dフリーザー®のトレーインタイプです。収穫した果実をトレーに広げ、棚へ差し込むだけで凍結できます。バラのまま凍らせれば、実どうしが付かず使う分だけ取り出せる商品になります。キャスター付きで設置の自由度が高く、急速冷却と急速凍結を1台でこなします。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴にまとまっています。

収穫したブルーベリーの張りとブルームを、生果と比べる:無料の凍結テスト
農産物の冷凍は、品種や熟度で結果が変わります。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。本事例のように、凍結後に保管期間を置いてから解凍する検証にも対応できます。収穫したての果実を持ち込めば、次の項目を確かめられます。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 実の張り | 解凍後にしぼんでいないか、生の実と見比べる |
| ドリップ | 容器にたまる果汁の量を、いつもの冷凍品と比べる |
| ブルーム | 表面の白い粉が残っているかを確かめる |
| バラのほぐれ | 実どうしがくっつかず、使う分だけ取り出せるかを見る |
| 保管後の変化 | 一定期間置いてから、同じ項目をもう一度確かめる |
皮の張り、色、ドリップの量をご自身の目で確かめてください。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。
ブルーベリー・果物の冷凍でよくある質問
果肉の細胞は水をいっぱいに蓄えており、ゆっくり凍らせると育った氷が細胞壁を破ります。壊れた細胞壁は水を抱え直せないため、解凍時に果汁が流れ出て水っぽくなります。急速冷凍で微細な氷のまま固めれば、解凍後も皮の張りと果汁を保てます。本事例でも3Dフリーザー®の検証でドリップの少なさを確認しています。
保管後に確かめるのが確実です。凍った食品の中では温度がわずかに上下するたびに氷が育つため、凍結直後は良くても保管後に品質が落ちることがあります。本事例の農家様は3Dフリーザー®で凍らせたサンプルを1週間保管してから解凍し、売り物としての条件を再現して評価しました。
解凍後のドリップの量、実のしぼみ、皮の破れが分かりやすい基準です。本事例の農家様は、1週間保管後の解凍検証と同業他社品の購入比較で品質を見極めました。買う側にも作る側にも通用する確かめ方です。
収穫期に縛られた出荷を、通年の販売に変えられることです。豊作時や規格外の果実も冷凍で商品にでき、廃棄を減らせます。本事例では季節外れに別の果物を加工するまで活用が広がりました。
6次産業化や生産性向上の投資として、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金が候補になります。自治体の農業振興施策が使える場合もあるため、KOGASUNの導入相談で計画段階からご確認ください。
まとめ:徹底した検証が、同業他社品と差別化できる冷凍品質を確立した
同農家様の決断は、1週間保管の解凍検証と他社品との比較試験という、徹底した確かめの上に立っています。果実がしぼむ理由も、保管中に品質が落ちる理由も、たどれば氷の粒の大きさです。最初に微細な氷を作れるかどうかが、売り場に並ぶ日の品質まで決めています。品質面に加えて、出荷までの時間短縮と設備の通年稼働という経営面の効果も生まれました。旬の短い果物を扱う農家にとって、道筋の見える事例です。収穫物の仕上がりは、保管検証まで含めた無料の凍結テストでお確かめください。機種選定や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。



