揚げ物・蒲鉾の冷凍で年2,000万円超のコスト削減を実現した練り物メーカー様の導入事例

生協との取引が多い練り物の工場には、毎月の定期衛生検査があります。そこで繰り返し問われるのが菌数管理です。冷凍設備の選定も、品質やコストの前にまず衛生で評価されます。本記事では、約20種の揚げ物と蒲鉾を製造する練り物メーカー様が、衛生構造を決め手に3Dフリーザー®を導入した事例を紹介します。あわせて、蒲鉾に「す(鬆)」が入る仕組みと、冷却工程で製品が軽くなる理由まで解説します。

結論:揚げ物と蒲鉾を3Dフリーザー®で凍結し、目減り1.5%以下と年2,000万円超の削減を実現できた

練り物メーカー様は、非循環方式の衛生構造を評価して3Dフリーザー®のトンネル型フリーザーを導入しました。冷凍時の目減りは1.5%以下に収まり、原料費の削減は年1,800万円に達しています。これに電気代30%削減分を加えると、年2,000万円を超えるコスト削減になります。従来は「す(鬆)」が入って冷凍できなかった蒲鉾も、問題なく商品化できるようになりました。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業練り物メーカー様
対象食材約20種の揚げ物と蒲鉾
導入目的菌数管理の改善、歩留まり改善、品質改善
導入機種3Dフリーザー® トンネル型フリーザー(連続コンベア式)
導入の決め手衛生的な冷却・冷凍の構造を評価し、訪問から2週間で契約
木の板に載った紅白のかまぼこ2本のクローズアップ

導入の決め手:毎月の衛生検査で問われる菌数管理

同社は生協との取引が多く、毎月定期的に衛生検査を受けています。検査で指摘が多かったのは菌数管理でした。冷凍設備の更新にあたっても、凍結スピードや価格より先に、菌を増やさない構造かどうかが判断軸になります。

白背景に縦に並べた、平たい揚げかまぼこ5枚

3Dフリーザー®の衛生的な冷却・冷凍の仕組みは、この判断軸に正面から応えるものでした。訪問から2週間での契約は、衛生要件がそれだけ優先されたことを示しています。

衛生を保てる理由:菌の温床となる循環ダクトがない非循環方式ACVCS®

ACVCS®とは、KOGASUNが3Dフリーザー®に搭載している独自の非循環(非貫流)熱交換方式のことです。一般的な急速冷凍機は庫内の空気をダクトで循環させるため、ダクト内部が菌や汚れの温床になりやすく、洗浄でも手が届きにくい構造です。3Dフリーザー®には循環ダクトそのものがなく、洗浄のデッドスペースがありません。

天井一面の銅色の冷却コイルとファン、下部の金網ベルトが見えるトンネル型フリーザーの庫内

効果は日々の現場に表れています。以前の設備は庫内全体が油汚れで覆われていましたが、3Dフリーザー®で汚れるのはネットとその下部のみです。冷却器はほとんど汚れず、洗浄時間の大幅な短縮につながりました。同社は蒸気殺菌装置も設置していますが、実際には湯洗いだけで庫内の汚れが落ちる状態です。加熱直後の85℃の製品をそのまま投入できるため、菌の少ない状態から一気に冷却・冷凍へ移れる点も、菌数管理に有利に働きます。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

なぜ蒲鉾には、「す(鬆)」が入ってしまうのか

蒲鉾は、冷凍の難しい食品の代表格です。凍らせて解凍すると、切り口に細かな穴がぽつぽつと現れ、水がにじみます。この穴を、業界では「す(鬆)」と呼びます。

蒲鉾の弾力は、独特の構造から生まれています。魚のすり身を加熱すると、たんぱく質どうしがつながり合って細かな網目を作り、その隙間に大量の水を抱え込みます。プリッとした歯ごたえは、水を抱えた網目が生む弾力です。

ここに時間をかけた凍結が加わると、網目の中の水は少しずつ一か所へ集まりながら大きな氷の粒に育ちます。育った氷は網目を押し広げ、たんぱく質のつながりを断ち切ります。氷が溶けたあとには、氷が占めていた空間が穴として残ります。これが「す(鬆)」です。網目を失った場所は水を抱え直せず、外へにじみ出ます。これが離水です。同社が従来の冷凍設備では蒲鉾を凍結できず、コストの高い窒素凍結に頼らざるを得なかった理由がここにありました。

なぜ揚げたての練り物は、冷却の工程で軽くなってしまうのか

もう一つ、練り物の工場を悩ませてきたのが目減りです。揚げたての製品を冷却すると、その間に重量が減っていきます。これも原因ははっきりしています。

揚げ上がり直後の製品は、中心に熱を抱えた状態です。熱いものは表面から水分を水蒸気として放出し続けます。揚げ場に立ち上る湯気の分だけ、製品は軽くなっていきます。冷却に時間がかかるほど、この放出は長く続きます。冷めるまでの時間が、そのまま失われる重さになるのです。

失われるのは水分だけではありません。放冷している間は製品の温度が菌の増えやすい帯にとどまり続けるため、衛生の面でも待ち時間がそのままリスクになります。目減りと菌数、この二つは、同じ「冷めるまでの時間」の長さで決まっていました。

3D凍結®が、す(鬆)も目減りも抑えられる理由

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

原因が「氷の育ち方」と「冷めるまでの時間」なら、対策も二つ必要です。3Dフリーザー®は、この二つを同時に満たします。

す(鬆)への答えは、凍る速さです。高湿度の3D冷気を多方向から当てて包み込み、氷が育つ温度帯を一気に通り抜けさせます。水分は網目の中で微細な粒のまま固まるため、たんぱく質のつながりは断ち切られません。網目が無事なら、解凍しても水は抱えられたままです。穴も離水も生まれず、しなやかな弾力と断面のきめが残ります。

凍り方がそろうことも欠かせません。ネットの中央と端とで冷気の当たりに差があると、凍る速さもその分だけ開きます。遅れて凍った側の氷は粗大で角が立っており、それがたんぱく質の網目を断ち切ります。同じラインを流したのに、す(鬆)の出る製品と出ない製品が混ざるのはこのばらつきの結果です。3Dフリーザー®では冷気がネットの中央にも端にも同じように届くので、どの位置の製品も同じ速さで凍り、結晶の大きさがそろいます。

目減りへの答えは、冷却の速さと湿度です。3Dフリーザー®は冷却器への着霜を抑えるACVCS®により、85℃の熱い製品をそのまま投入できます。放冷の待ち時間がないため、水分が蒸発し続ける時間そのものが消えます。さらに冷気が湿り気を保っているので、冷やす過程で表面から水分を奪うこともありません。目減りが1.5%以下という数字は、この二重の抑制から生まれています。

電気代やデフロスト削減効果などランニングコストに関する説明資料

そして高温のまま一気に冷やせることは、菌が増える温度帯をすばやく通過することでもあります。衛生を理由に選んだ設備が、品質とコストの改善にもつながったのは偶然ではありません。

蒲鉾が冷凍できるようになった:す(鬆)と離水を抑える凍結

3Dフリーザー®では、蒲鉾はす(鬆)も離水も起こさず問題なく冷凍できるようになりました。従来は冷凍できず、凍らせる場合はコストの高い窒素凍結に頼るしかなかった製品です。窒素凍結をやめられたことは、品質と同時にランニングコストの改善でもありました。

白い皿に重ねて並べた、断面のなめらかな紅白かまぼこのスライス

目減り1.5%以下:原料費で年1,800万円の削減

3Dフリーザー®では、凍結工程での目減りが1.5%以下に収まっています。この数字が示すのは凍結中のロスだけで、ここに放冷中の乾燥ロスの削減が加わりました。原料の仕込み量は1個あたり68gから63gへ下がり、5g少ない原料で同じ60gの製品を生産できています。

笹の葉を敷いた竹ざるに盛られた丸天4枚と箸

1個あたり5gの差は、量産ラインでは大きな金額になります。以下は同社の主力1アイテムでの試算です。

項目内容
1日の生産量1アイテムあたり5万個
原料の削減量1個あたり5g(68gから63gへ)
1日の削減量250kg
1日の削減額75,000円(原料単価300円/kgで換算)
年間の削減額1,800万円(月20日・年240日稼働)
電気代30%削減
合計年間2,000万円を超えるコスト削減

歩留まりの改善は、そのまま原材料費の削減です。品質向上とコストダウンが同じ設備投資から生まれています。

導入機種:多品種を流せるトンネル型フリーザー

導入機種は、コンベアで連続凍結するライン型の3Dフリーザー®、トンネル型フリーザーです。投入口のコンベアに載せた製品が、庫内を通過する間に凍結されて出てきます。約20種の揚げ物と蒲鉾という多品種の生産にも、ラインを止めずに対応できる構造です。

手前に投入口のコンベア、側面に扉と制御盤が並ぶステンレス筐体のトンネル型フリーザー全景

トンネル型フリーザーは処理量・製品サイズ・ライン速度に合わせたオーダーメイド設計で製作します。連続式の詳細はトンネルフリーザーの解説にまとまっています。魚介類のほかの実例は魚介類の導入事例一覧で確認できます。

比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

蒲鉾のす(鬆)と揚げ物の目減りを確かめる:無料の凍結テスト

蒲鉾のす(鬆)のように、製品固有の弱点は実物でしか確かめられません。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。主力製品と、冷凍が難しい製品を持ち込めば、次の項目を確かめられます。

確認項目見るポイント
断面のきめ解凍後に切り、す(鬆)の穴が出ていないかを見る
離水皿の上に水がにじんでいないかを確かめる
弾力指で押したときの戻りと、噛んだ歯ごたえを比べる
凍結前後の重量同じ製品を量り、目減りの差を確かめる
高温投入加熱直後の温度のまま投入し、仕上がりを確かめる

すり身の配合や形状が違えば凍り方も変わるため、複数の品目を同時に試す使い方が有効です。申し込みは食品を持ち込める凍結テストからご相談ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

練り物の冷凍でよくある質問

かまぼこは冷凍すると「す(鬆)」が入りませんか?

凍らせ方しだいです。す(鬆)は、凍結中に育った氷の粒がすり身のたんぱく質の網目を断ち切り、氷が溶けたあとに穴として残る現象です。氷の粒を微細なまま凍らせる3D凍結®なら網目が保たれ、断面のきめと弾力を残せます。本事例でも、従来は冷凍できなかった蒲鉾が離水も起こさず商品化できました。

揚げ物は揚げたての熱いまま急速冷凍機に入れられますか?

高温の製品から出る湯気は庫内の霜(着霜)の原因になりますが、3Dフリーザー®は着霜を抑える方式のため、揚げたての高温の製品をそのまま投入できます。粗熱取りの待ち時間と置き場が不要になり、加熱直後の菌の少ない状態のまま冷却・冷凍まで進められます。本事例でも、加熱直後85℃の製品をそのまま投入する運用が菌数管理を支えています。

液体窒素の凍結と比べて、ランニングコストはどうですか?

液体窒素は凍結のたびにガス代がかかる従量型のコスト構造です。電気式の急速冷凍機は設備投資後の運転コストが電気代中心のため、生産量が多いほど差が開きます。本事例でも窒素凍結を置き換えており、上記の削減額とは別に運転コストの負担が下がっています。

約20種類の製品を1つの冷凍ラインで処理できますか?

できます。トンネル型フリーザーはライン速度と載せ方の調整で多品種に対応します。製品ごとのサイズ・厚み・凍結条件を整理したうえで、処理量に合うライン設計を導入相談で詰めていきます。

練り物工場が急速冷凍機を導入するとき、補助金の対象になりますか?

ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金が代表的な候補です。歩留まり改善や電気代削減のような効果は申請の訴求点になります。公募回ごとの要件と締切は、KOGASUNの導入相談で最新情報をご確認ください。

まとめ:衛生で選んだ設備が、品質とコストでも成果を出した

同社の導入は、菌数管理という衛生要件から始まりました。結果として得られたのは、洗浄時間の短縮だけではありません。す(鬆)の原因が氷の育ち方に、目減りの原因が冷めるまでの時間にあると分かれば、どちらも一台の設備で解決できます。冷凍できなかった蒲鉾の商品化に加えて、目減り1.5%以下の歩留まりと年間2,000万円を超えるコスト削減が実現しました。衛生・品質・コストが同時に改善した事例です。冷凍の難しい製品を抱える練り物・水産加工の現場は、まず無料の凍結テストで実物の仕上がりをお確かめください。ライン設計や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
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機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
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