引用元:みなと新聞 2018年3月6日 掲載
天然物も豊漁に沸く
養殖トラフグは在池過剰で空前の安値に陥っている。天然トラフグも2月に入って例年にない豊漁が続き、相場は軟化している。
今期の養殖トラフグ市況は前期の超高値形成への反動もあって、かつてないほど低迷している。山口県下関市の南風泊市場の相対相場は現在、キロ1400~1300円で、はしり相場のほぼ半値に暴落した。
白子持ちは300~400円高だが、ここにきて越年を避けての投げ物も散見され、3Dフリーザーなど高性能冷凍機での凍結が進んでいるとみられる。
一方、天然トラフグも今年は山口萩市沖から対馬にかけて好漁に沸いている。2月の南風泊市場への水揚げは前年同月比2・5倍の30トン。2キロ級の良サイズが中心だが、連日の好搬入で相場も緩みキロ5000~3000円まで下げている。
こうした中、関西筋では安値が好感され関門海グループなどが売れ行きを伸ばしている。特に、インバウンド需要が増え、富裕層を中心に客単価が上がる傾向があるようだ。
また、本場下関でも名物のトラフグの商況悪化に危機感を募らせる若手業者が新グループを立ち上げ、戦略的なPR活動に乗り出した。
(佐々木満)
フグ さかなの動き 山口
2018年03月05日 19時00分