軽いゼリーも飛ばさない生産ラインを築いた農水フーヅ株式会社様の導入事例

山口県下関市の農水フーヅ株式会社様は、餃子や中華まん、スティックゼリーを製造する食品メーカーです。大量生産の工場では、スピードと品質の両立が課題になります。強い風で冷やせば軽い製品が吹き飛び、生地は乾燥してパサつきます。同社でも、製品ごとに異なる難しさを抱えていました。本記事では、生産ラインごと課題を解決した導入事例に加えて、小麦生地が冷凍で乾く仕組みと、連続ラインで風の問題が厳しくなる理由まで解説します。

結論:スティックゼリーはネットから落ちずに連続凍結でき、餃子と中華まんは冷凍前とほぼ同等のモチモチ感を維持した

農水フーヅ株式会社様は、3Dフリーザー®の導入で、製造ラインごとの課題をまとめて解決しました。懸案だったスティックゼリーは、スパイラルタイプの連続凍結でもネットから落ちずに流れ、ラインの安定稼働が実現しました。乾燥に弱い中華まんと餃子は、湿度を保つ高湿度な3D冷気で皮の水分が守られ、テストでは冷凍前とほぼ同等のモチモチ感と肉汁が確認されています。カートインタイプでは発酵から蒸し、冷却までをカートごと移動するワンストップ運用が整っています。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業農水フーヅ株式会社様(山口県下関市・1985年設立)
事業餃子・焼売・中華まん・スティックゼリーなどの製造販売
対象食材スティックゼリー、中華まん、餃子などの大量生産品
導入目的生産ラインの安定稼働、皮の乾燥防止、工程の一気通貫化
導入機種3Dフリーザー® スパイラルフリーザー、カートインタイプ、3Dドュコンディショナー、スチーマー、トンネル型フリーザー
導入の決め手軽い製品を飛ばさない冷気の質と、ライン構築まで任せられる提案力

導入企業:餃子・中華まん・スティックゼリーを量産する下関の食品メーカー

農水フーヅ株式会社様は1985年に設立され、餃子、焼売、中華まん、スティックゼリーなどを製造・販売する食品メーカーです。食品を通じて人々の幸せを考えるという理念のもと、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯すべての製品に対応しています。本社工場に加えて直売所や通販サイトも運営し、全国へ商品を届けています。

薄緑の社屋に白い社名ロゴを掲げた、農水フーヅ株式会社の本社外観

導入前の課題:大量生産ライン特有の、風と乾燥

多様な製品を扱う工場では、ラインごとに異なる課題を抱えていました。

  • ゼリーが吹き飛ぶ:軽量のスティックゼリーを連続式のスパイラルフリーザーで凍結しようとすると、従来機では風が強すぎて製品がネットから落ち、ラインが安定しなかった。
  • 皮のパサつき:生地の状態が商品価値を決める中華まんや餃子は、強い風で表面が乾燥し、解凍・加熱後にパサつきや肉汁の喪失が起きていた。
  • 工程の分断:発酵から蒸し、冷却までを一気通貫で流せる効率的なライン構築が必要だった。

速く冷やすには強い風が要ります。しかし強い風は製品を飛ばし、生地を乾かします。この矛盾が、ライン設計の出発点でした。

なぜ小麦の生地は、冷凍で乾いてモチモチを失うのか

蒸したての中華まんの皮は、指で押すと弾みが返ってきます。この弾力は、小麦の生地が水分を抱え込んでいる状態そのものです。蒸す工程で生地はたっぷりの水を含み、やわらかく膨らみます。

ところが冷やす段階で乾いた風に当たり続けると、この水分は表面から抜けていきます。皮の外側から少しずつ乾き、ひどい場合には細かなひび割れも生じます。深刻なのは、一度抜けた水分が加熱しても戻らないことです。蒸し直しても、乾いた層は乾いたままです。表面はパサつき、噛んだときの弾みも返ってきません。

乾燥の影響は中身にも及びます。餃子の皮が乾けば、加熱中に生まれた肉汁は皮の弱った部分から漏れ出ます。ジューシーさが失われるのは、皮が汁を抱えきれなくなるからです。生地製品の品質は、皮がどれだけ水を持ったまま凍れるかで決まります。

連続ラインでは、なぜ風の問題がより厳しくなるのか

生地の乾燥に加えて、大量生産のラインにはもう一段の難しさがあります。

スパイラルフリーザーやトンネルフリーザーは、ネットの上を製品が流れ続ける仕組みです。庫内に入ってから出るまでの時間が、そのまま凍結にかけられる時間になります。ライン速度を落とせば凍結時間は稼げますが、生産量は落ちます。そのため連続式では、限られた通過時間の中で凍らせきる必要があります。

従来の方式で凍結を速める手段は、風を強めることでした。しかしネットの上に置かれただけの製品は、固定されていません。スティックゼリーのように軽く、重さのわりに風を受ける面が大きい製品は、簡単に舞い上がって落ちてしまいます。製品が落ちればラインは止まり、生産ロスになります。同社が他社のスパイラルフリーザーで経験した失敗が、まさにこれでした。

速さのために風を強めれば製品が飛び、生地は乾きます。風を弱めれば凍りきりません。連続ラインでは、この板挟みがより鋭い形で現れます。

3D凍結®が、軽いゼリーを飛ばさず生地も乾かさない理由

3Dフリーザー®(ACVCS®高湿度冷気)でムラなく冷却・冷凍するイメージ

3Dフリーザー®が採る方法は、風の強さで押し切るのとは別の考え方です。

3D冷気は、一方向から吹き付ける強風ではなく、庫内を立体的に巡る乱流として製品を包み込みます。上からも横からも下からも同時に冷気が触れるため、一点にかかる風圧は小さいまま、熱を奪う面だけが大きくなります。この結果、軽いスティックゼリーもネットの上で動かず、限られた通過時間の中で凍りきります。

包み込むことは、凍り方の均一さにも直結します。一方向から吹き付ける従来の方式では、風上と風下、ネットの中央と端で凍る速さが変わります。後に凍る側では氷が粗大になって角が立ち、皮の弾力をつくる小麦たんぱく質、グルテンの網目を壊します。同じラインを流したのに製品ごとに出来が違う、という事態はここから生まれます。冷気がベルトの幅いっぱいに同じように届くので、どの位置の製品も同じ速さで凍り、結晶の大きさにばらつきが出ません。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

生地への答えは湿度です。乾いた冷気は熱と一緒に水分も持ち去りますが、湿り気を保った3D冷気は熱だけを奪います。皮の水分が残るため、蒸し直したときの弾みも肉汁も戻ります。テストで確かめられた「冷凍前とほぼ同等」という結果は、この性質から生まれています。コンベアが止まらずに流れ続けても冷気が乾いてこないのは、庫内の水分が霜として冷却器へ奪われるのを抑えるKOGASUN独自のACVCS®によるものです。

電気代やデフロスト削減効果などランニングコストに関する説明資料

風を強めずに速く、湿ったまま冷やします。連続ラインが抱えていた板挟みは、冷気の当て方そのものを変えることで解けました。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

導入の決め手:包み込む乱流と、ライン構築の提案力

他社製品での失敗経験もある中で決め手になったのは、冷気の質とエンジニアリング能力でした。3D冷気は一方向からの強風ではなく乱流で包み込むように冷やすため、軽いゼリーも飛ばさず生地の乾燥も防げると同社は判断しました。さらに、急速冷凍機の納品にとどまらず、前後の搬送ラインや発酵から冷却までのタイムスケジュールを含めた生産ライン全体の設計を任せられる技術力が信頼につながりました。

ステンレスの急速冷凍設備が通路の両側に並ぶ、緑の床の食品工場の全景
比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

効果1:ゼリーが飛ばず、スパイラルラインが安定稼働

懸案だったスティックゼリーのラインでは、スパイラルタイプの導入により、製品がネットから落ちることなくスムーズに搬送・凍結できるようになりました。生産ロスがなくなり、効率的な大量生産体制が確立されています。

スパイラルフリーザーの内部で、らせん状の多段コンベアをスティックゼリーのパックが流れる様子

効果2:餃子と中華まんの皮が、冷凍前とほぼ同等のモチモチ感を保った

乾燥に弱い中華まんや餃子も、湿度を保った冷気で冷やせるため、皮の水分が奪われません。テストでは冷凍前とほぼ同等の皮のモチモチ感とジューシーな肉汁が確認され、解凍後の焼き上がり・蒸し上がりの品質が大きく向上することを確かめました。導入後も、表面の乾燥を抑えた状態で計画どおり運用できています。中華まん系の品質づくりは株式会社ダイキョープラザ様の導入事例も参考になります。

効果3:カートインタイプで、発酵から冷却までを一括で行えるようになった

カートインタイプの導入により、中華まんの発酵、蒸し、冷却までをカートごと移動させるだけで完了する運用が実現しました。積み替えの手間が消え、製造現場の負担軽減に貢献しています。導入前後の変化をまとめます。

「中華まんの冷却」のテロップが入った、カートインタイプの3Dフリーザーが並ぶ製造ライン
観点導入前導入後
ゼリーのライン風で飛んで安定しないネットから落ちず連続凍結
皮の品質乾燥してパサつき肉汁が抜ける冷凍前とほぼ同等のモチモチ感
工程発酵・蒸し・冷却が分断カートごと移動のワンストップ

惣菜のほかの実例は惣菜の導入事例一覧にまとまっています。

導入機種:発酵・蒸し・冷却・凍結までそろえた5機種

導入機種は、3Dフリーザー®のスパイラルフリーザー、トンネル型フリーザー、カートインタイプの3機種に、発酵工程を担う3Dドゥコンディショナー、蒸し工程のスチーマーを加えた計5機種です。軽いスティックゼリーの量産は、ネットで流しながら凍結する連続式のスパイラルフリーザーが受け持ちます。中華まんは、3Dドゥコンディショナーでの発酵、スチーマーでの蒸し、カートインタイプでの冷却・凍結までを、カートごと移動するだけで進められます。餃子は、スチーマーとトンネル型フリーザーを組み合わせた別ラインで製造されています。発酵・蒸し・冷却・凍結までの機器がそろっていることが、生産ライン全体の設計を任せられた土台です。

機種の一覧は3Dフリーザーの製品ラインナップで確認できます。

担当者様の声:農水フーヅ株式会社様より

「以前、他社のスパイラルフリーザーで失敗していたので慎重でしたが、3Dフリーザーは冷風が従来と違い、軽いゼリーでも飛びません。冷却スピードも早く、中華まんの表面乾燥も抑制できており、計画通り運用できています。KOGASUNさんの技術力を信頼してライン構築まで任せて正解でした。」

ご協力いただいた企業様

搬入口の上に社名看板が見える、農水フーヅ株式会社の社屋を見上げた外観カット

農水フーヅ株式会社様

スティックゼリーの搬送と生地の乾燥を、ライン条件で検証する:無料の凍結テスト

工場の凍結課題は、機械単体ではなくライン全体で解くものです。KOGASUNでは、スパイラルタイプやトンネルタイプなど大量生産向け機種の導入相談と、実機での凍結テストを無料で行っています。実際の製品を持ち込めば、次の項目を確かめられます。

確認項目見るポイント
製品の安定軽い製品がネットの上で動かず流れるかを見る
皮の水分凍結後の表面が乾いていないか、ひび割れがないかを確かめる
加熱後の食感蒸し直し・焼き直しでモチモチ感が戻るかを実食で比べる
肉汁餃子を割ったとき、汁が残っているかを確かめる
通過時間想定するライン速度で凍結が間に合うかを見る

軽い製品や乾燥しやすい生地の仕上がりが、冷気の質でどう変わるかをお確かめください。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

食品工場の凍結ラインでよくある質問

軽い製品が急速冷凍機の風で飛ばされる問題は、どう防げますか?

一方向からの強風ではなく、乱流で包み込む3D冷気のような方式なら、風圧が一点に集中しません。本事例では軽量のスティックゼリーがネットから落ちず、連続凍結ラインが安定稼働しています。

他社のスパイラルフリーザーで失敗した工場でも、入れ替えで改善できますか?

できます。本事例の農水フーヅ様は、他社機で軽量ゼリーが飛ぶ失敗を経験した後、3Dフリーザー®のスパイラルタイプへ切り替えてラインを安定稼働させました。凍結機の入れ替えでは風の質の見直しが重要で、既存ラインの搬送や前後工程に合わせた設計から相談できます。

中華まんや餃子の皮は、なぜ冷凍で乾燥するのですか?

乾いた風に当たり続けると、蒸す工程で抱えた水分が皮の表面から抜けていくためです。一度抜けた水分は加熱しても戻らず、パサつきとして残ります。湿度を保つ3D冷気で冷やせば、皮の水分とモチモチ感を守れます。

急速冷凍機の単体導入とライン全体の設計は、どちらを相談すべきですか?

工程が分断されているなら、ライン全体での相談が近道です。本事例では前後の搬送や発酵から冷却までの時間設計を含めて構築し、カートごと移動するワンストップ運用にたどり着きました。

工場の生産ライン更新のような大きな投資でも、補助金は使えますか?

申請できる可能性があります。生産ラインの省力化・自動化を伴う更新は、中小企業省力化投資補助金やものづくり補助金の対象になり得ます。投資規模に応じた制度の選び方も含め、KOGASUNの導入相談でご確認ください。

まとめ:工場の凍結課題は、風の当て方で結果が変わる

農水フーヅ様の事例は、風が強ければ良いわけではないという急速冷凍の本質を示しています。連続ラインは通過時間が凍結時間を決めるため、速さと穏やかさを両立する難しさが、とりわけ際立ちます。それを解いたのが、風圧を上げずに包み込む乱流と、水分を奪わない湿った冷気でした。製品が飛ぶ、乾燥で歩留まりが落ちるといった悩みを抱える食品工場は、無料の凍結テストとライン相談からお始めください。機種選定や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
導入・更新をご検討中の方へ
食品・生産量・設置環境に合わせて、最適な3Dフリーザーをご提案します。
機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
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