カスタードの離水ゼロで通販を広げた坂本洋菓子店様の導入事例

福岡県太宰府市の坂本洋菓子店様は、平日でもスイーツが買えるケーキの自動販売機で話題を集める人気店です。熊本産の球磨栗や青森産の紅玉など素材にこだわった商品は、ふるさと納税の返礼品としても全国から注文が集まります。しかし通販の拡大には、洋菓子ならではの弱点が大きな障害になりました。冷凍するとカスタードから水が出て、パイが湿気ります。本記事では、離水ゼロの凍結で作りたての味を全国へ届けられるようになった導入事例に加えて、一つの菓子の中で水分が動く仕組みまで解説します。

結論:カスタードは離水せずに冷凍でき、パイのサクサク感ごと全国へ届く

坂本洋菓子店様は、3Dフリーザー®の導入で、洋菓子の通販化を阻んでいた品質の課題を解決しました。最大の懸念だったカスタードクリームは、解凍後もなめらかな状態のままで、離水はゼロでした。パイ生地は湿気を含まず、サクサクの食感を保ちます。焼きたての熱い状態から一気に-35℃まで冷やせるため、粗熱を取る待ち時間も大幅に短縮されました。通販やふるさと納税のお客様へ、店頭と同じ味を自信を持って届けられる体制です。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業坂本洋菓子店様(福岡県太宰府市)
事業洋菓子とパンの製造・販売、スイーツ自動販売機の運営
対象食材カスタード系スイーツ、パイ、タルト、ケーキ、焼き菓子
導入目的通販・ふるさと納税向けの品質確保、予冷時間の短縮
導入機種3Dフリーザー® トレーインタイプ(1枚扉モデル)
導入の決め手カスタードが離水しないことを実際の品質で確認できた

導入企業:スイーツ自販機で知られる、太宰府の洋菓子店

坂本洋菓子店様は、厳選した素材と確かな技術で、できたてのスイーツを提供する洋菓子店です。土日祝は店舗窓口で対面販売を行い、平日は店内のスイーツ自動販売機で、24時間いつでも本格的な焼き菓子やケーキが買えるユニークな販売スタイルを展開しています。ふるさと納税の返礼品としても人気が高く、全国から注文が集まっています。

導入前の課題:クリームの離水と、予冷の待ち時間

モンブランやバスクチーズケーキ、ロールケーキが並ぶ店内のショーケース

通販事業を広げるうえで、従来の冷凍方法には品質と効率の両面の課題がありました。

  • カスタードの離水。冷凍・解凍で水分が分離しやすく、食感と風味が大きく損なわれるため、商品化のネックになっていた。
  • パイ生地の劣化。パイやタルトは湿気を吸いやすく、解凍後にサクサク感が失われる懸念があった。
  • 冷却の待ち時間。焼きたての商品を冷ます工程に時間がかかり、次の作業へ移るまでのロスが生まれていた。

洋菓子は、水分のバランスがそのまま品質になります。凍結に時間がかかると、その繊細なバランスから崩れていきます。

なぜ一つの菓子の中で、水分は移動してしまうのか

タルトやパイは、二つの層でできています。器の役目を果たす生地は、焼き上げて水分を飛ばした乾いた層です。その上に載るクリームやフィリングは、水分をたっぷり抱えた湿った層です。まったく性質の違う二つが、一つの菓子の中で隣り合っています。

水分には、多いところから少ないところへ移る性質があります。つまり、菓子を組み立てた瞬間から、クリームの水分は乾いた生地へ向かって少しずつ移動を始めているのです。時間が経つほど生地は湿り、砕けるようなサクサク感は失われます。一方のクリーム側も水分を取られ、口当たりが締まっていきます。どちらか一方の劣化ではなく、両方が同時に傷んでいくのが、この水分移動の難しさです。

移動を止める方法は、一つしかありません。水分が動けない状態にしてしまうこと、つまり凍らせることです。そのため、凍結までの時間が短いほど生地もクリームも作りたての姿を保てます。

なぜ冷ます時間が、品質を落としていくのか

ところが従来の工程には、その時間を長くする作業が組み込まれていました。粗熱を取る、いわゆる予冷です。

一般的な冷凍庫は、熱いものを入れると庫内の温度が上がり、ほかの商品まで傷めてしまいます。そのため、一度冷ますしかありませんでした。しかし焼き上がりから常温近くまで下がるあいだ、菓子の中では水分の移動が進み続けます。しかも温度が高い状態では、水分は活発に動きます。粗熱を取る工程とは、品質にとって最も動きの激しい時間帯を、そのまま放置する工程でもありました。

冷却中の結露も見逃せません。温度が中途半端に下がる過程で表面に水滴が付けば、そこから生地は湿ります。予冷の待ち時間は作業のロスであると同時に、品質のロスでもあったのです。

3D凍結®が、クリームと生地の水分を動かさずに凍結できる理由

3Dフリーザー®(ACVCS®高湿度冷気)でムラなく冷却・冷凍するイメージ

凍結を速める機械は、3Dフリーザー®だけではありません。しかし多くの急速冷凍機は、熱いものを入れると冷却器が霜に覆われて能力が落ちるため、予冷を挟む前提で設計されています。3Dフリーザー®は、この二つの問題に一つの工程で応えます。焼きたての熱い状態から、一気に-35℃まで冷やしてしまうことです。

高温の商品を直接受け入れられるのは、冷却器への着霜を抑えるKOGASUN独自のACVCS®があるからです。湯気が霜になって冷却の能力を奪うことがないため、予冷を挟まずに凍結温度帯まで一気に下げられます。水分が最も活発に動く高温の時間帯が消えるので、生地は湿らず、クリームも締まりません。

電気代やデフロスト削減効果などランニングコストに関する説明資料

凍結の速さは、クリームそのものも守ります。高湿度の3D冷気が多方向から包み込み、氷が育つ温度帯を短時間で通り抜けさせます。氷の粒が微細なままなら、カスタードのたんぱく質の網目は壊れません。解凍しても水が分離しない、離水ゼロという結果につながります。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

同じ天板から出した商品の仕上がりがそろうかどうかも、凍り方で決まります。天板の位置や商品の面ごとに冷気の当たりが違えば、凍結の速さもばらつきます。遅れた場所では氷が角張った大きな粒に育ち、クリームの網目や生地の層を壊します。同じロットに当たり外れが出る背景には、このばらつきがあります。3D凍結®では冷気が立体的に回り込むので、天板のどの位置でも凍結の進みが変わりません。

冷気が湿っていることも、焼き菓子の仕上がりを左右します。乾いた強風なら生地の表面から水分を奪ってしまいますが、湿り気を保った冷気は熱だけを奪います。サクサクの層としっとりの層が、境目を保ったまま固定されます。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

導入の決め手:離水しないことの実証と、隣県メーカーの安心感

展示会で3Dフリーザー®を知り、決め手になったのは課題への明確な答えでした。カスタードを急速冷凍しても解凍時に離水しないという説明を受け、実際の品質で確認できたことが最大の後押しになりました。メーカーのKOGASUNが隣県の山口県にあり、メンテナンスやトラブル時の対応が速いという安心感も導入を支えました。

比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

効果1:カスタードは離水ゼロ、パイはサクサクのまま通販できる

最も心配だったカスタードクリームは、解凍後もなめらかで離水はゼロでした。パイ生地は湿気を含まずサクサクを維持し、人気のチーズタルトも風味を逃さず冷凍できます。チーズケーキの冷凍は菓子メーカー様の導入事例でも紹介しています。通販の箱を開けた瞬間に、店頭のショーケースと同じ姿が現れます。その再現度が、遠方のお客様からの信頼につながっています。

金色の台紙にのせた、断面のなめらかなバスクチーズケーキのカット

効果2:焼きたてのまま-35℃まで冷やせて、予冷の時間が縮まった

焼きたての熱い状態から、一気に-35℃まで冷却・冷凍できるようになりました。粗熱を取る時間が大幅に縮まり、次の工程へすぐ移れるため、全体の作業効率が上がっています。導入前後の変化をまとめます。

帽子とマスクの職人が、焼型入りの天板を3Dフリーザーの庫内へ入れる場面
観点導入前導入後
カスタード解凍時に水分が分離なめらかなまま離水ゼロ
パイ・タルト湿気てサクサク感が消える食感を保って通販可能に
工程冷ます待ち時間がロスに熱々から-35℃へ直行

パン・菓子のほかの実例はパン・菓子類の導入事例一覧にまとまっています。

導入機種:焼きたてを直接入れられるトレーインタイプ(1枚扉モデル)

導入機種は、3Dフリーザー®のトレーインタイプ(1枚扉モデル)です。オーブンから出した商品をトレーごと棚へ差し込み、熱いまま冷却・凍結へ移れます。店舗の厨房に収まる大きさで、洋菓子店の多品種少量の仕込みをそのまま受け止めます。機種の一覧は3Dフリーザーの製品ラインナップで確認できます。

扉を開けたトレーインタイプの正面。庫内のトレー棚とKOGASUNロゴ、タッチパネルが見える

お客様の声:坂本洋菓子店様より

「一番のメリットは、熱々の状態から一気に冷凍できるので、作業効率がすごく良くなったことです。通販やふるさと納税で配送する際も、カスタードが離水せず、パイ生地がサクサクの状態を維持できるので、品質保持の面でとても助かっています。担当の方も親身になって対応してくれ、使い方も丁寧に教えていただけたので安心でした。」

ご協力いただいた企業様

「坂本洋菓子店」の金色ロゴを掲げた白い店舗と、お菓子の自販機を知らせる幟

坂本洋菓子店様

紙袋入りの長い手作りパンと、カップ入りのプリン、個包装のフィナンシェ

カスタードの離水とパイ生地の湿りを、解凍後に点検する:無料の凍結テスト

シュークリームやケーキ、パイも同じ構造です。水分設計が繊細な洋菓子ほど、凍らせ方の検証が必要です。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。看板商品を持ち込めば、次の項目を確かめられます。

確認項目見るポイント
クリームの離水解凍後に容器へ水が出ていないかを見る
生地の食感パイやタルトの層が砕けるか、湿っていないかを実食で確かめる
層の境目クリームが接している面だけ湿っていないかを確かめる
焼きたて投入オーブンから出した温度のまま凍結し、仕上がりを比べる
解凍の条件冷蔵解凍の時間を変えて、結露の出方を確かめる

解凍後のクリームのなめらかさと生地の食感を、職人の目と舌でお確かめください。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

洋菓子の冷凍でよくある質問

カスタードクリームの離水は、なぜ起きるのですか?

凍結と解凍の過程でクリームの構造が崩れ、抱え込んでいた水分が分離してしまうためです。凍結に時間がかかるほど崩れは大きくなります。3D凍結®のように急速に凍らせて網目を保つことが、離水を防ぐ近道です。

パイやタルトのサクサク感は、冷凍しても残せますか?

残せます。サクサク感が失われる主な原因は、隣り合うクリームから生地へ水分が移動することです。移動は温度が高いほど活発なので、焼きたてから素早く凍らせて水分を動けなくすれば食感が守れます。本事例でも、3Dフリーザー®で凍らせたパイ生地は湿気を含まずサクサクを保ちました。

スイーツの自動販売機の商品づくりにも、急速冷凍は役立ちますか?

役立ちます。品質を保った冷凍在庫を作れれば、無人販売でも店頭と同じ味を提供できます。自販機販売の在庫体制は焼鳥店 天喜様の導入事例も参考になります。

ふるさと納税の返礼品には、どんな品質が求められますか?

冷凍配送を経て家庭で解凍された瞬間に、店の味が再現されていることです。返礼品は店を知らないお客様との最初の接点になるため、解凍後の品質がそのまま店の評価になります。本事例では、離水ゼロを確かめた3Dフリーザー®の凍結品質が、その第一印象を支えています。

洋菓子店の小規模な設備投資でも、補助金の対象になりますか?

規模にかかわらず検討できます。生産性向上や販路開拓につながる設備投資は、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金の対象になり得ます。店の計画に合う制度と直近の公募は、KOGASUNの導入相談でご確認ください。

まとめ:凍らせ方の転換が、繊細な洋菓子の通販を支えた

坂本洋菓子店様の事例は、水分調整が難しいカスタードやパイ生地でも、凍らせ方しだいで品質を落とさず全国へ届けられることを示しています。乾いた層と湿った層が隣り合う菓子では、水分は放っておけば動き続けます。それを止める最短の方法が、焼きたてから一気に凍らせることでした。離水しないクリームとサクサクのパイを保ったまま、予冷なしで凍結まで進められます。クリームの劣化が心配で通販へ踏み切れずにいるパティスリーは、無料の凍結テストで看板商品をお確かめください。機種選定や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
導入・更新をご検討中の方へ
食品・生産量・設置環境に合わせて、最適な3Dフリーザーをご提案します。
機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
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