焼きたての厚焼き玉子を即冷却し目減りを年16,800kg減らした食品加工メーカー様の導入事例

焼きたての厚焼き玉子から湯気が立ちのぼる間、製品の重量は減り続けています。スーパーなどで売られる商品には内容量(表示重量)の表示義務があるため、目減りする分をあらかじめ原材料に上乗せして製造しなければなりません。厚焼き玉子・だし巻き・伊達巻を量産する食品加工メーカー様にとって、この上乗せは年間数十トン規模のロスでした。本記事では、焼成直後の高温から直接冷却する導入事例に加えて、放冷という工程が衛生と歩留まりの両方を損なう仕組みと、卵の湯気が冷却器を傷める理由まで解説します。

結論:厚焼き玉子は焼きたて高温のまま急速冷却でき、目減りロスは年16,800kg減った

食品加工メーカー様は、80〜90℃の焼成直後から直接冷却できる3Dフリーザー®のトンネル型フリーザーを導入しました。自然冷却で常に課題だった落下菌の問題は皆無になり、冷却用のラックスペースも不要になっています。湿度の高い冷気で冷却するため目減りが非常に少なく、従来7〜10%あったロスは5%になりました。年間の目減りロスは58,800kgから42,000kgへ、16,800kg減った計算です。500g商品に換算して33,600個分の原材料費削減です。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業食品加工メーカー様(卵加工)
対象食材厚焼き玉子、だし巻き、伊達巻
導入目的生産効率改善、歩留まり改善、菌数管理の改善
導入機種3Dフリーザー® トンネル型フリーザー(連続コンベア式)
導入の決め手80〜90℃の焼成直後から直接冷却でき、安全とスペース効率を両立できる

課題:自然冷却が抱えていたスペースと落下菌

導入前の冷却は自然放冷でした。焼き上げた玉子をラックに並べ、粗熱が抜けるのを待ちます。この方式には二つの問題がありました。ひとつは、冷めるまでの間ラックが場所を占有し続けることです。もうひとつが落下菌です。落下菌とは、空気中を漂い食品の上に落ちてくる微生物のことで、放冷時間が長いほど付着の機会が増えます。

気泡の入ったふっくらとした断面を見せる、カットされた卵焼き3切れ

安全性とスペース効率の二つを目的に、高温から直接急速冷却できる設備への転換が決まりました。

なぜ放冷は、衛生と歩留まりの両方を損なうのか

白背景に置かれた、焼き色の付いた厚焼き玉子の一本

粗熱を取るという当たり前の工程が、実は二つの損失を生み続けています。どちらの原因も、冷めるまでの時間の長さにあります。

一つ目は衛生です。焼き上がった直後の玉子は、加熱によって菌がほとんどいない状態にあります。ところが冷めていく途中で、菌が最も増えやすい温度帯を通過する時間が生まれます。一般に、微生物は常温付近で活発になるとされ、放冷はこの帯をゆっくり抜けていく工程です。そのうえ、工場の空気中を漂う菌は時間とともに製品の上へ落ちてきます。ラックに並べて置いておく時間が長いほど、菌が付く機会も、付いた菌が増える機会も積み重なります。落下菌の問題が消えなかった理由がこれでした。

二つ目は重量です。熱を持った製品は、表面から水蒸気として水分を放出し続けます。焼き場に立ちのぼる湯気は、製品から抜けていく水分そのものです。冷めるまでの時間が長いほど、失われる重さは増えていきます。スーパーなどで売られる商品には内容量の表示義務があるため、この目減り分は最初から原材料に上乗せして作るしかありません。従来の7〜10%という上乗せは、放冷の時間がそのまま原材料費に置き換わっていた分でした。

衛生も歩留まりも、同じ「冷めるまでの時間」の長さで決まっています。冷めるまでの時間を短くできれば、両方を同時に改善できます。

3Dフリーザー®が、焼きたて80〜90℃の厚焼き玉子を直接冷却できる理由

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

放冷の時間をなくすには、焼きたてを熱いまま急速冷凍機へ投入できる必要があります。しかし一般的な急速冷凍機に高温の製品を入れれば、湯気は冷却器で霜になり、冷却の能力を奪ってしまいます。

3Dフリーザー®は、庫内の空気をダクトで循環させない非循環(非貫流)方式のACVCS®を備えています。湯気を含んだ空気が冷却器を巡り続けることがありません。この構造により着霜に強く、80〜90℃の焼きたてをそのまま受け入れられます。放冷がなくなれば、菌が増える温度帯の滞留も、湯気として失われる水分も、まとめて消えます。

電気代やデフロスト削減効果などランニングコストに関する説明資料

高湿度であることも歩留まりを左右します。乾いた強風で冷やせば、製品の表面からさらに水分が奪われますが、湿り気を保った冷気は熱だけを奪います。目減りが7〜10%から5%へ下がったのは、放冷をなくしたことと、冷やし方そのものが乾かさないこと、その二つが重なった結果です。

冷え方がそろうことも、量産ラインでは欠かせません。ベルトの中央を流れる製品と端を流れる製品とでは、当たる冷気の量に差が出ることがあります。凍結まで行う場合は、遅い位置ほど氷結晶が大きく歪な形に育ち、その角が卵のたんぱく質の網目を壊すため、断面のきめにばらつきが生じます。3Dフリーザー®の3D冷気はベルトの幅方向にも上下にも回り込むので、どの位置の製品も同じ速さで冷え、仕上がりがそろいます。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

転換:焼成直後80〜90℃から直接冷却するラインへ切り替え、落下菌の問題が皆無になった

3Dフリーザー®のトンネル型フリーザーは、焼成直後の80〜90℃の玉子をそのままコンベアで受け入れます。焼成後すぐに庫内へ入るため、ラックに開放したまま置く時間がなくなり、落下菌の問題は皆無になりました。加熱直後の菌が少ない状態から一気に冷却するため、菌が増えやすい温度帯の滞留も短く抑えられます。

冷却コイルとファンが天井に並び、下を金網のベルトが通るトンネル型フリーザーの内部

効果は衛生面にとどまりません。放冷ラックが消えて工場スペースを有効活用でき、冷却時間の短縮で出荷までの待ち時間が大きく減りました。急な注文にも迅速に対応できるようになりました。放冷待ちのアイドルタイムが減ったことは、人件費の削減にもつながっています。

歩留まり:目減り7〜10%が5%へ、年16,800kgの差

従来7〜10%あった目減りロスは5%になりました。同社の生産条件で年間に換算すると、次のようになります。なお、以下は下限の7%で保守的に試算した数値です。

項目内容
生産条件500g/個 × 700個/時 × 8時間/日 × 25日/月 × 12か月
従来の目減り7%(1個あたり35gを上乗せ)で年間ロス58,800kg
導入後の目減り5%(1個あたり25gを上乗せ)で年間ロス42,000kg
削減効果年16,800kg。500g商品に換算して33,600個分
工場内のトンネル型フリーザーの排出コンベアから黄色い卵焼きが流れ出てくる設置風景

内容量を守るための上乗せが減った分は、そのまま原材料費の削減です。33,600個分の材料が、毎年手元に残る計算になります。

導入機種:量産ラインに組み込むトンネル型フリーザー

導入機種は、コンベアで連続処理するライン型の3Dフリーザー®、トンネル型フリーザーです。焼成ラインの流れを受けてそのまま冷却へつなげられます。厚焼き玉子、だし巻き、伊達巻はいずれも同じラインで扱っており、品目が変わっても運用は変わりません。処理量・製品サイズ・ライン速度に合わせたオーダーメイド設計で製作します。連続式の詳細はトンネルフリーザーの解説にまとまっています。惣菜のほかの実例は惣菜の導入事例一覧で確認できます。

長い筐体の側面に扉が並ぶ、コンベア付きトンネル型フリーザーの外観
比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

焼きたて80〜90℃の厚焼き玉子をそのまま投入できるか検証する:無料の凍結テスト

焼きたてを本当に高温のまま入れられるのかという疑問は、実物で解消するのが確実です。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。焼成直後の厚焼き玉子を使った実測は厚焼き玉子の冷凍テストでも公開しています。自社の配合・サイズの製品を持ち込めば、次の項目を確かめられます。

確認項目見るポイント
冷却前後の重量焼き上がりと冷却後を量り、目減りの差を確かめる
中心温度の下がり方何分で目標の温度帯を抜けるかを実測で見る
断面のきめ冷却後に切り、水が出ていないか、すが立っていないかを見る
食感ふっくら感が焼きたてとどこまで近いかを実食で確かめる
品目ごとの差厚焼き玉子、だし巻き、伊達巻で条件の違いを比べる

結果を確かめたうえでライン設計に進めます。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

卵加工の冷却・冷凍でよくある質問

卵焼きのラインで、粗熱取りの工程は本当に省けますか?

省けます。本事例では80〜90℃の焼成直後から3Dフリーザー®で直接冷却へ移り、放冷ラックそのものをなくしました。粗熱取りの待ち時間と置き場が消えると、出荷までの時間短縮と省スペースが同時に実現します。

内容量の表示と目減りは、どう関係しますか?

表示した重量を下回る商品は出荷できないため、加工中に目減りする分をあらかじめ原材料へ上乗せして作るのが実務です。目減りは熱いものが水蒸気を放出し続けることで起きるため、冷やす時間が短いほど上乗せは減ります。本事例では7〜10%から5%へ下がり、年16,800kg分の差が生まれました。

伊達巻やだし巻きも、同じラインで冷却できますか?

できます。本事例では厚焼き玉子、だし巻き、伊達巻を同じラインで扱っています。おせち需要で年末に集中する伊達巻も、ラインの連続処理で計画的に生産できます。品目ごとの条件はテストで確認するのが確実です。

卵加工・惣菜工場の設備更新に、補助金は活用できますか?

歩留まり改善や生産効率化の投資は、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金の対象になり得ます。公募回ごとの要件と締切は、KOGASUNの導入相談で最新情報をご確認ください。

まとめ:焼きたての高温から直接冷やす工程が、衛生と歩留まりを同時に変えた

同社の導入は、落下菌とスペースという衛生・効率の課題から始まり、目減りロス年16,800kg削減という経営成果につながりました。菌が増えるのも重さが減るのも、冷めるまでの時間が長いからです。その時間を消せる設備が、焼きたての高温を受け入れ生産を低下させる着霜に耐えます。卵加工の現場に必要な条件を満たす設備が、衛生管理と原材料費の両方を改善しています。粗熱取りに悩む惣菜・卵加工の現場は、まず無料の凍結テストで高温投入の実力をお確かめください。ライン設計や機種選定のご相談は、以下からお問い合わせください。

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