厚焼き玉子は焼きたて75℃のまま冷凍できるか|放冷ゼロ・90分の実測記録

白背景に6通りに盛り付けた厚焼き玉子と、中央の「3D凍結デモテスト 厚焼き卵」の文字

放冷用のラック台車がふさがり、焼き上がった厚焼き玉子の置き場がない。夏場の製造現場でよくある光景です。本記事では、焼きたて75℃の厚焼き玉子を放冷なしでそのまま急速冷凍した、実機テストの結果を報告します。冷凍で「す(鬆)」が入る原因、放冷をなくすと工程がどう変わるか、自社の配合での確かめ方まで、この1本で分かります。

結論:厚焼き玉子は焼きたて75℃から90分の急速冷却・急速冷凍で、形と焼き色を保てた

「3D 凍結前」の札の下、アルミトレーに並ぶ黄色い一本焼き2本と、右の玉子へ差し込まれた白い温度センサー
「3D 凍結後」の札の下、アルミトレーに並ぶ厚焼き玉子2本と、右の玉子へ差し込まれた白い温度センサー

焼成直後・75℃の厚焼き玉子2本を、放冷せずそのまま3Dフリーザー®へ投入したところ、90分で中心温度-18℃に到達しました。外形と焼き色は焼き上がりのまま。解凍後も断面はきめ細かく、だしがじゅわっと染み出す焼きたてのようなふんわり感が再現されています。

本来、熱い食品をそのまま冷凍庫へ入れることはできません。立ちのぼる蒸気が冷却器に霜となって付き、冷却能力を落として電気代の増加や故障の原因になるからです。3Dフリーザー®はこの着霜を独自方式で抑えるため、湯気の立つ熱々を受け入れられます(仕組みは後述します)。今回のテストは、放冷という前提そのものを省けるかの検証でした。2本での単発検証のため、太さや配合が変われば所要時間は変わります。条件は次のとおりです。

項目内容
対象厚焼き玉子(切り分ける前の丸ごと)× 2本
計測方法片方の中心に温度センサーを挿し、アルミトレーごと投入
温度と時間投入75℃ → 90分で中心-18℃(急速冷却〜急速冷凍を1台で連続処理)
品質結果外形・焼き色を保持。解凍後の断面はきめ細かく、ふんわり感を再現
使用設備KOGASUNの急速冷凍機「3Dフリーザー®」

この結果が自社の配合・太さでも出るかは、実物を持ち込める無料テスト(記事後半)で確かめられます。

なぜ厚焼き玉子は冷凍すると「す(鬆)」が入るのか

3D凍結®と通常冷凍の温度曲線を左に、氷結晶と細胞膜のイメージを右に示した比較図

す(鬆)とは、解凍した厚焼き玉子の断面に粗い穴が空き、層がスカスカになる状態のことです。犯人は、だしの水分です。

厚焼き玉子は、加熱で固まった卵たんぱく質の網目に、だしや調味液の水分を抱え込んだ食品です。凍結に時間がかかると、この水分は移動しながら大きな氷の粒に育ち、網目を内側から押し広げます。解凍時に水分を抱え直せなければ「離水」となって流れ出し、押し広げられた穴だけが残る。これがす(鬆)入りの正体です。

分かれ目は、-1〜-5℃付近の「最大氷結晶生成温度帯」です。食品の水分が最も氷になりやすいこの帯を、ゆっくり通れば氷は大きく育ち、素早く通り抜ければ微細なまま凍ります。凍結方式による差は急速冷凍と通常冷凍の違いで整理しています。

なぜ焼きたてを熱いまま入れられるのか、着霜を抑えるACVCS®

一般的な冷凍機で放冷が必須になる直接の理由は、霜です。熱い食品の蒸気は冷却器に霜として付着し、付くほど冷却能力が落ち、霜取りのたびに運転も止まります。だから、粗熱を取ってからでないと入れられません。

ACVCS®は、KOGASUNが3Dフリーザー®に搭載している独自の非貫流熱交換方式で、この冷却器への着霜を抑えます。着霜を抑えられれば、庫内の湿度を高く保ったまま連続運転できます。湯気の立つ高温の食品を受け入れられるのは、このためです。さらに、湿度の高い冷気が食品を多方向から包む「高湿度3D冷気」のため、厚みのある丸ごと1本でも端と中心の差が出にくく、表面の乾燥も抑えます。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴にまとまっています。

放冷をなくすと工程はどう変わるか

高温域からの急速冷却と緩慢冷却の曲線、赤い温度帯を示す温度イメージ図

放冷のコストは、待ち時間だけではありません。粗熱が抜けるまでの数時間、ラック台車と床を占有し続け、その間も表面から水分が湯気になって逃げていきます。売れるはずの重さが、置いておくだけで目減りしていく。夏場は室温が下がらず、放冷待ちで次の焼成便が詰まることもあります。

次の表は、焼きたてのまま急速冷凍する場合と、放冷してから通常冷凍する場合の違いです。

観点焼きたてのまま急速冷凍放冷してから通常冷凍
待機焼成後すぐ投入でき、台車と置き場が不要粗熱取りに数時間かかり、台車と床を占有
歩留まり蒸発する前に水分を凍結で閉じ込める放冷中の蒸発で重量が目減り
氷結晶最大氷結晶生成温度帯を短時間で通過温度帯に長くとどまり、粒が育ちやすい
衛生菌が増えやすい温度帯を素早く通過同じ温度帯をゆっくり下りる
生産回転凍結後そのまま包装へ回せる放冷ラックの回収・移動が挟まる

衛生面を補足すると、焼成後の放冷は、菌が増えやすい20〜50℃の温度帯をゆっくり下りていく工程です。75℃から急速冷却で一気に通過させれば滞在時間を短くでき、消費期限の設定やHACCPの温度管理でも有利に働きます。前述の実測では凍結後そのまま包装へ回せる状態になっており、1日の製造回転数を上げる余地も生まれます。

商品展開と設備選定、一本の在庫が販路を広げる

扉を開いたステンレス製3Dフリーザー二室と、青いトレーを積んだ2台のカートインモデルのカート

一本の状態で冷凍在庫にできると、焼成日と使用日を切り離せます。展開先ごとの品質と確認点は次のとおりです。

展開先重視する品質運用の確認点
惣菜・弁当切り口の穴、形の揃いカット幅、盛り付け時の崩れ
寿司・外食断面の色、層の見え方ネタ幅、提供までの時間
給食個食の規格、温め直し後の弾力包装単位、配膳の動線
おせち・ギフト伊達巻・厚焼の彩りと切り口前倒し製造、化粧箱詰め、配送温度

とくに見逃せないのがおせちです。伊達巻や厚焼は定番でありながら、製造は12月に集中します。秋から前倒しで焼いて在庫化できれば、繁忙期の焼成ラインを平準化しながら、EC・ギフト・ふるさと納税の冷凍おせち市場へ販路を広げられます。食品別の実例は3Dフリーザーの導入事例が参考になります。

設備選定では、焼成直後の熱負荷をいちばん重く見ます。一本の太さ、1回に入れる最大本数、焼成便の間隔から、最大ロットでも芯まで凍らせ切り、次の便を待たせない能力を逆算します。カートごと庫内へ入れられるカートインモデルなら、トレーを1枚ずつ移し替える手間もありません。考え方の全体像は業務用急速冷凍機の選び方で確認できます。補助金や税制優遇は年度・公募回で条件が変わるため、機種検討と並行して導入相談で最新情報を確認するのが確実です。

比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

無料テストで自社の配合を確かめる

カタログの数字だけでは、自社の厚焼き玉子がどう仕上がるかまでは分かりません。KOGASUNの凍結テストは費用・出張費とも無料。凍結させたい主力商品を、いつも作っているそのままの状態で持ち込めば、次の項目を実物で確かめられます。

確認項目見るポイント
中心温度と時間センサー位置を固定し、凍結完了までの温度曲線を記録する
凍結前後の外観焼き色、ひび、変形を同じ角度で撮って比べる
解凍後の断面す(鬆)の有無、層のきめ、時間を置いた後の離水を見る
食感と風味弾力とだしの感じ方を、社内基準で評価する
量産再現性トレーの段、中央と端、最大投入量での品質差を見る

結果はそのまま、商品規格や取引先への品質説明の根拠に使えます。持ち込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

厚焼き玉子の冷凍でよくある質問

冷凍した厚焼き玉子の解凍は、どうするのがよいですか?

冷蔵庫でゆっくり戻すのが基本です。低温でじっくり解凍するほど離水が少なく、だしを含んだしっとり感が戻りやすくなります。カットは半解凍のうちに行うと、切り口がきれいに出ます。

冷凍した厚焼き玉子はどのくらい保存できますか?

期限は、採用する包装と保管温度で保存試験を行い、商品ごとに設定します。急速冷凍は劣化を遅らせる方向に働きますが、配合や包装で差が出るためです。設定の進め方は、導入相談で一緒に組み立てられます。

一本のままとカット済み、どちらで凍結すべきですか?

販売形態から逆算して選びます。一本のままなら解凍後に弁当用・寿司用など必要な幅で切り分けられ、規格の自由度が高くなります。カット済みなら必要数だけ解凍でき、盛り付けの時短に向きます。

だしが多い京風や、甘い配合、でんぷん入りでも結果は同じですか?

配合で凍り方は変わります。だしが多いほど抱える水分が増え、砂糖は凍り始める温度と保水性に、でんぷんのつなぎは解凍後の食感に影響します。だからこそ、自社の配合そのものを持ち込んで比べるのが確実です。

凍結後すぐに包装すると、結露しませんか?

凍った製品を暖かい場所に置くと、表面が結露しやすくなります。包装までの動線は低温側に寄せ、庫外での滞留を短くするのが基本です。包装エリアの室温と動線は、設備レイアウトと合わせて設計します。

90分という凍結時間は長くないですか?

むしろ厚物としては速い部類です。放冷に数時間、その後の凍結にさらに数時間という従来の2段階が、合計90分・1工程に収まります。薄いカット品なら、さらに短くなります。

まとめ:放冷ゼロで、焼きたての品質をそのまま在庫にする

今回の実測では、焼きたて75℃の厚焼き玉子2本を放冷なしで凍結し、90分で中心-18℃に到達しました。形と焼き色は焼き上がりのまま、解凍後もふんわり感が残っています。放冷の待ち時間と目減りを工程から外し、焼きたての品質のまま冷凍在庫へつなぐ道筋を示す結果です。次の一歩は、主力商品での検証です。費用も出張費もかからない無料テストなら、主力商品を持ち込むだけで、購入前に仕上がりと所要時間を自分の目で確かめられます。カタログ請求やテストのご相談は、以下からお問い合わせください。

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