
ジビエ加工センター様は、自治体が開設した食肉加工処理施設として、畑を荒らす猪や鹿を地域の特産品に変える取り組みを続けています。開設当初から3Dフリーザー®トレーインタイプを採用し、道の駅や首都圏レストランへ鹿・猪の精肉を届けてきました。本記事では、この施設の導入事例を紹介します。あわせて、赤身のジビエが冷凍で味と色を落とす原因、それを防ぐ凍らせ方、衛生管理と両立させる設備の考え方まで解説します。
結論:ジビエの急速冷凍で品質と衛生を両立し、捕獲獣が道の駅や首都圏レストランへ届く特産品になった
ジビエ加工センター様では、食肉加工資格者が処理した猪・鹿の肉を3Dフリーザー®で急速冷凍しています。包み込む冷気が生む均一な氷結晶により、解凍後もドリップがほとんど出ません。風の通り道となるダクトを持たないダクトレス構造の庫内は、洗浄の死角がほとんどなく、肉片や血液が残らない衛生環境を保てます。処理加工された高品質なジビエは、道の駅で特産品として販売され、産地直送で首都圏のレストランにも納品されています。導入の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入施設 | ジビエ加工センター様(自治体開設の食肉加工処理施設) |
| 対象食材 | ジビエ(猪・鹿) |
| 導入目的 | 野生鳥獣による作物被害の対策、販路拡大 |
| 導入機種 | 3Dフリーザー® トレーインタイプ |
| 導入の特徴 | 施設の開設当初から、衛生構造と凍結品質を評価して採用 |
背景:捕獲獣を資源に変える、自治体の施設
野生鳥獣による作物被害への対策として、自治体が食肉加工処理施設を開設しました。捕獲しても処理に困っていた猪や鹿を施設へ持ち込み、食肉加工資格者が処理・加工して売買する仕組みです。駆除の対象でしかなかった捕獲獣が、地域の資源として活用され始めました。

有害鳥獣対策と地域振興を両立させるこの仕組みの土台には、肉の品質を守る冷凍設備が欠かせません。
衛生:洗浄の死角を作らないダクトレス構造
施設の冷凍装置に開設当初から選ばれたのが、3Dフリーザー®です。決め手のひとつは衛生構造でした。3Dフリーザー®はダクトレスの冷気循環方式のため、洗浄における庫内の死角がほとんどありません。

野生鳥獣の処理施設では、肉片や血液、油分を庫内に残さないことが品質管理の絶対条件です。洗浄が容易な構造は、日々の清掃負担を抑えながら衛生的な庫内環境を保ち、衛生的で品質の安定した冷凍食品の製造を支えています。
なぜ赤身のジビエは、冷凍で味と色が抜けやすいのか

ジビエの商品価値は、赤身の鮮やかな色と繊細な味に集まっています。ところが凍らせ方を誤ると、その二つが順に失われていきます。
野山を駆ける鹿や猪の肉は、よく動く筋肉ゆえに色素と水分を豊富に含んだ赤身です。ゆっくり凍らせると、肉の中の水分は粗い氷の結晶へ育ち、細い筋繊維を裂いてしまいます。解凍のとき、その裂け目から肉汁が流れ出します。これがドリップです。ジビエのドリップには赤身の色素まで溶け出しているため、失われるのはうま味だけではありません。切り口の鮮やかな赤が淡くなり、見た目の価値も一緒に流れてしまいます。
氷の結晶が最も育つのは、肉の温度が-1〜-5℃あたりにとどまっている間です。この帯にとどまる時間が長いほど結晶は粗くなり、繊維の傷は深くなります。

乾燥への弱さもあります。鹿肉には脂の覆いがほとんどないため、乾いた冷気に触れた面から水分が抜けていきます。表面が乾けば、パサつきや冷凍焼けとなって食感まで損なわれます。凍結方式による品質差は急速冷凍と通常冷凍の違いで解説しています。
3D凍結®が、ジビエのしっとり感と赤みを残せる理由
速さは、強い風を当てる一般的な急速冷凍機でも得られます。しかし乾いた強風で凍らせれば、ジビエの赤身は表面から水分を失い、持ち味の色も曇ります。3Dフリーザー®による3D凍結®は、この弱点に速さと湿度の両面から応えます。

3Dフリーザー®の3次元の冷気は、肉を全方向から包み込み、氷が育つ温度帯を一気に通過させます。結晶が粗く育つ前に凍結が終わり、筋繊維は裂けません。裂け目がなければ、肉汁も色素も赤身の中にとどまります。解凍後もドリップがほとんど出ない理由が、ここにあります。

部位によって仕上がりがばらつかないのは、凍る速さがそろっているからです。トレーの手前と奥とで冷気の届き方が違えば、凍結の進みにも先後が付きます。凍る順番が後になるほど氷の粒は大きく歪み、角の立った部分が筋繊維を裂きます。同じ日に処理した肉なのに部位で仕上がりが違う、という悩みの出どころはここです。乾いた風を一方向から当てる従来型の急速冷凍機とは違い、3Dフリーザー®の3D冷気は棚の手前と奥に差を作らないため、どの部位もほぼ同じ速さで凍ります。ジビエ加工センター様にも、氷結晶が均一に生成される点を評価いただいています。
高湿度の冷気は、脂の覆いがない赤身の表面からも水分を奪いません。表面が乾かなければ、パサつきや冷凍焼けも起きにくくなります。解体から凍結までを続けて回しても冷気が乾いてこないのは、冷却器への着霜を抑えるKOGASUN独自のACVCS®があるからです。

冷気が庫内の隅々まで立体的に回ることは、日々の運用にも役立ちます。捕獲数に応じてトレーの数が変わっても、どの棚の肉も同じ速さで凍るため、仕上がりが日によってぶれません。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴にまとまっています。
販路:ロースやモモ肉が道の駅の特産品となり、首都圏のレストランへも納品されている
この施設で処理加工されたジビエは、ロースやモモ肉をパックして道の駅などで特産品として販売されています。さらに、産地直送で首都圏のレストランにも納品され、地域の外へ販路が広がりました。施設がもたらした変化をまとめます。

| 観点 | 施設開設前 | 開設後 |
|---|---|---|
| 捕獲獣の扱い | 捕獲しても処理に困る | 資格者が処理し食肉として活用 |
| 地域 | 作物被害と処分の負担 | 被害対策と地域振興が両立 |
| 肉の価値 | 流通に乗らない | 特産品・レストラン納品へ |
肉類のほかの実例は肉類の導入事例一覧で確認できます。
導入機種:少量から凍結できるトレーインタイプ
導入機種は、3Dフリーザー®のトレーインタイプです。トレーを棚へ差し込む方式で、捕獲数が日によって変わるジビエでも、少量から柔軟に凍結できます。キャスター付きの筐体は地域の加工施設の規模に収まりやすく、急速冷却と急速凍結を1台でこなします。

鹿と猪の部位ごとに凍結品質を比べる:無料の凍結テストと設備相談
ジビエ加工施設の計画では、処理量の変動、衛生設計、凍結品質を同時に考える必要があります。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。実際の部位を持ち込めば、次の項目を導入前に確かめられます。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 解凍後のドリップ | 同じ部位を条件を変えて凍らせ、流出量を比べる |
| 赤身の色 | 解凍後の切り口の赤みが保たれているかを見る |
| 食感 | ローストなど実際の調理で、しっとり感を確かめる |
| 部位ごとの差 | ロースとモモ、鹿と猪で仕上がりを比較する |
| 少量凍結の柔軟さ | トレー単位の少量で、日々の捕獲量に合うかを見る |
鹿・猪の部位ごとに凍結と解凍の仕上がりを確かめられるため、施設の設備選定にも、既存施設の品質改善にも使えます。自治体・事業者を問わずご相談いただけます。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。
ジビエの冷凍でよくある質問
硬さの主因は、解凍時にうま味と水分が流れ出るドリップです。均一な氷結晶で凍らせる3Dフリーザー®の急速冷凍なら細胞の傷みが少なく、赤身のしっとりとした食感を保ちやすくなります。低温でゆっくり解凍すると、さらに仕上がりが安定します。
ジビエは生食できません。E型肝炎ウイルスなどのリスクがあるため、一般に中心部75℃・1分以上の加熱が必要とされています。販売時には加熱用であることを明確に表示し、調理方法の案内を添えるのが基本です。
衛生構造と品質の両立です。血液や肉片が残りにくく洗浄しやすい庫内であること、そして赤身の価値を落とさない凍結品質であることが軸になります。捕獲数の変動に対応できる柔軟な処理単位も実務では重要です。本事例のダクトレス構造とトレー単位の凍結は、この条件を1台で満たしています。
本事例のように、有害鳥獣対策の一環として自治体が施設を整備する例があります。民間の設備投資では、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金が候補です。計画段階からKOGASUNの導入相談で情報を確認できます。
確かめられます。3Dフリーザー®の凍結テストは部位単位・少量から実施でき、鹿と猪、ロースとモモのように条件を分けた比較も可能です。実際の処理量を想定した機種選定の材料として活用してください。
まとめ:冷凍品質が、有害鳥獣を地域の資源に変えた
ジビエ加工センター様の取り組みは、捕獲獣の処理という課題を、特産品という価値に変えました。それを支えているのが、洗浄の死角を作らない衛生構造と、赤身の肉汁と色を逃さない凍結品質です。ジビエの弱点による劣化は、凍らせ方の設計で防げます。部位ごとの仕上がりは、無料の凍結テストで導入前に確認できます。施設計画や機種選定のご相談は、以下からお問い合わせください。







