
食品工場の生産マネージャーや品質管理担当者の皆様は、日々の業務で多くの課題に直面していることでしょう。生産ラインの効率化、品質維持、HACCP基準への厳格な対応、そして高騰するエネルギーコストへの対応など、その悩みは尽きません。特に冷凍工程は、製品の品質を左右し、生産性にも大きく影響する重要なプロセスです。
これらの課題に対し、トンネル型フリーザーは強力な解決策となりえます。トンネル型フリーザーは、食品を連続的かつ急速に凍結させることで、生産能力を飛躍的に向上させ、製品の品質を損なうことなく、HACCPに則した衛生的な生産環境を実現します。さらに、最新の省エネ技術を搭載したモデルを選べば、ランニングコストの削減にも貢献し、企業の収益性向上にも繋がります。
この記事では、トンネル型フリーザーの基本的な仕組みから、自社の生産ラインに最適な機種を選ぶための具体的なポイント、実際に導入して成功を収めた企業の事例、さらには導入時に活用できる補助金制度まで、導入検討に必要な情報を網羅的に解説します。この記事を通じて、皆様の工場が新たな可能性を見出し、競争力を高めるための一助となれば幸いです。トンネル型フリーザーの仕組み・価格・導入から運用までを体系的に知りたい方は「トンネル型フリーザーとは?選び方からコスト削減までを徹底解説」もあわせてご覧ください。
Contents
トンネルフリーザーとは?食品工場の生産性を革新する連続式急速冷凍装置

トンネル型フリーザーとは、食品工場の生産性を根本から革新する連続式の急速冷凍装置です。その名の通り、製品がトンネル状の庫内をベルトコンベアで連続的に搬送され、その間に強力な冷風を吹き付けることで、瞬時に凍結または冷却を行う仕組みとなっています。この連続処理によって、バッチ式フリーザーでは実現できない圧倒的な処理能力と効率性を誇ります。
この装置の最大の特長は「急速凍結」にあります。食品をゆっくり凍らせると、食品内部の水分が大きな氷結晶となり、細胞組織を破壊してしまいます。その結果、解凍時に「ドリップ」と呼ばれる旨味成分を含んだ液体が大量に流出し、食品本来の風味や食感が損なわれてしまうのです。これに対し、トンネル型フリーザーによる急速凍結は、食品が最も品質劣化しやすい温度帯である「最大氷結晶生成帯」(約-1℃~-5℃)を極めて短時間で通過させます。これにより、氷結晶が微細な状態で形成されるため、細胞組織の破壊を最小限に抑え、解凍後も作りたてに近い品質を保つことが可能になるのです。

現在では、肉類、水産加工品、惣菜、製パンなど、多種多様な食品工場で導入されており、その汎用性と信頼性は広く認められています。
なぜトンネルフリーザーが必要?導入による3つの主要メリット
多くの食品工場では、従来の冷凍設備が引き起こす共通の課題に直面しています。具体的には、生産ラインにおけるボトルネックの発生、製品品質のばらつき、そしてHACCP対応を含む衛生管理の負担増加といった悩みが挙げられます。これらの課題は、生産効率の低下や食品安全リスクの増大に直結し、企業の競争力を低下させる要因となりかねません。しかし、トンネル型フリーザーを導入することは、これらの問題を根本から解決し、工場全体の生産体制を戦略的に強化するための強力な投資となります。
本セクションでは、トンネル型フリーザー導入によって得られる主要なメリットを3つの観点から解説していきます。それは、
「1. 生産性の飛躍的向上と省人化」
「2. HACCP対応の強化と食品安全性の確保」
「3. 食品品質の維持・向上とフードロス削減」
です。これらのメリットを読み進めることで、トンネル型フリーザーがもたらす変革の可能性を具体的にイメージできるようになることを目指します。
1. 生産性の飛躍的向上と省人化の実現

トンネル型フリーザー導入がもたらす最大のメリットの一つは、生産性の劇的な向上です。従来のバッチ式フリーザーが、製品を一度に投入し、凍結が完了するまで次の製品の処理を開始できないのに対し、トンネル型フリーザーはコンベアで食品を連続的に搬送しながら凍結を行います。この「連続処理」という特性により、製品の投入から取り出しまでを自動化できるため、時間あたりの処理能力は飛躍的に向上します。例えば、これまで1トンの製品を凍結するのに3時間かかっていた工程が、トンネル型フリーザーの導入により1時間で完了するといった具体的な効率化が実現可能です。
この生産性向上は、特に生産量が変動しやすい食品工場において、ピーク時の対応能力を大幅に高め、機会損失を防ぐことにも繋がります。さらに、製品の搬入・搬出や庫内での並べ替えなど、人手による作業が不要になるため、省人化も実現します。これにより、限られた人材を製品の加工や検査、品質管理といった、より付加価値の高い業務に再配置することが可能になります。労働力不足が深刻化する現代において、トンネル型フリーザーは単なる設備投資に留まらず、現場の働き方そのものを改善し、持続可能な生産体制を構築するための重要な解決策となるでしょう。
2. HACCP対応の強化と食品安全性の確保
食品の安全管理において国際的な標準となっているHACCP(危害分析重要管理点)の観点から見ても、トンネル型フリーザーの導入は極めて重要です。加熱調理後の食品が細菌の増殖しやすい危険温度帯(10℃~60℃)に留まる時間を最小限に抑えることは、HACCPの重要管理点(CCP)における温度管理の基本です。トンネル型フリーザーの急速冷却・凍結技術は、この危険温度帯を迅速に通過させることで、微生物の増殖リスクを最小限に抑え、食品の安全性を高いレベルで確保することを可能にします。

また、最新のトンネル型フリーザーは、HACCP対応を強力にサポートする衛生的な設計が施されています。例えば、洗浄性を高めるために内部構造は極力シンプルに設計されています。コンベアベルトや庫内に洗浄しにくい死角をなくし、床面には水が滞留しないよう適切な水勾配が設けられています。さらに、近年ではボタン一つで庫内を自動洗浄・殺菌できる「CIP(定置洗浄)システム」を搭載したモデルも普及しています。これらの機能は、日々の衛生管理業務の負担を大幅に軽減するだけでなく、常に高い衛生レベルを維持することを可能にします。これにより、HACCP監査への対応も自信を持って行えるようになり、食品工場として揺るぎない信頼を築き上げる基盤となります。
3. 食品品質の維持・向上とフードロス削減
トンネル型フリーザーによる急速凍結は、食品の品質維持・向上において科学的な裏付けのある効果を発揮します。食品を緩慢に凍結させると、内部で大きな氷の結晶が生成され、これが細胞組織を破壊してしまいます。その結果、解凍時に旨味成分を含むドリップ(液汁)が大量に流出し、食品本来の食感、風味、色合いが損なわれる原因となります。しかし、トンネル型フリーザーの急速凍結では、食品内部の氷結晶が非常に微細に生成されるため、細胞破壊が抑制されます。
この細胞破壊の抑制により、解凍時のドリップ流出を大幅に減少させることができ、食品は作りたてに近い状態を維持することが可能になります。パンであれば焼きたてのふっくらとした食感を、肉や魚であればジューシーさを保つことができます。

ただし、歩留まりを悪化させる要因はドリップだけではありません。見落とされがちなのが、凍結中に発生する「目減り」(重量ロス)です。一般的なエアブラスト式フリーザーでは、冷気がフィンコイル(冷却器)を循環する過程で水分が奪われ、庫内の冷気が乾燥します。この「乾いた冷気」が食品に当たり続けることで、食品表面から水分が蒸発し、重量が減少するのが目減りです。目減り率がたとえ1〜2%であっても、年間の生産量に換算すると数百万円規模の原材料ロスになるケースは珍しくありません。
この課題に対しては、庫内を高湿度に保つ技術を搭載したフリーザーを選ぶことで、目減りを大幅に低減できます。KOGASUN社が開発した独自特許技術ACVCS®(非貫流熱交換方式)を搭載した3Dフリーザー®は、フィンコイルに風を戻さない独自構造により庫内を高湿度に維持するため、食品の水分を奪わずに急速凍結が可能です。ドリップの抑制と目減りの低減を同時に実現することで、歩留まりを最大化し、フードロスの削減と原材料費の節約という経済的メリットをもたらします。品質の安定と向上は、取引先からの信頼獲得にも繋がり、工場が「胸を張れる製品」を提供し続けるための重要な要素となるでしょう。

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トンネル型フリーザーの種類と特徴
トンネル型フリーザーの導入を検討する際、カタログに並んだ多くの製品の中からどれを選べば良いのか迷う方もいらっしゃるでしょう。一口にトンネル型フリーザーと言っても、処理する食品の種類、生産量、そして工場の設置スペースといった個別の要件に応じて、最適なタイプは大きく異なります。このセクションでは、代表的なタイプであるストレートコンベア式、スパイラルコンベア式、IQF対応式、3Dフリーザー®(高湿度凍結型)、そして連続式との比較対象となるバッチ式フリーザーの概要を解説します。それぞれの特徴を理解することで、皆様が自社の状況に最も適した選択肢を見つけるための具体的なガイドとなることを目指します。
ストレートコンベア式(汎用タイプ)

ストレートコンベア式トンネル型フリーザーは、その名の通りコンベアが一直線に伸びている最も基本的なタイプの連続式フリーザーです。このシンプルな構造は、多くのメリットをもたらします。例えば、機器内部へのアクセスが容易であるため、日々の清掃や定期的なメンテナンス作業が非常にしやすい点が挙げられます。また、構造がシンプルであることから、比較的安価な導入コストで済む傾向にあり、初期投資を抑えたい場合に有力な選択肢となります。
しかし、デメリットも存在します。製品を凍結させるために必要な時間を確保するには、コンベアの長さ、つまり設置面積が相応に必要になります。また、冷気がフィンコイルを循環する構造上、庫内の冷気は乾燥しやすいため、水分量の多い食品やデリケートな食材では目減りや冷凍焼けが発生する可能性がある点も留意が必要です。このタイプは、トレーに乗った製品や形状が安定している食品の凍結に適しており、前後の工程と直線的に接続する生産ラインで特にその効果を発揮します。KOGASUN社のトンネル型フリーザー製品情報もあわせてご覧ください。
スパイラルコンベア式(省スペース・大量処理タイプ)

限られた工場スペースで大量の製品を効率的に凍結したい場合にその真価を発揮するのが、スパイラルコンベア式トンネル型フリーザーです。このタイプの最大の特徴は、コンベアが螺旋(らせん)状に上下に巻かれている構造にあります。これにより、少ない設置面積でありながら、非常に長いコンベア長(=製品が冷却・凍結ゾーンに滞留する時間)を確保できるため、大量生産や、比較的長い冷却・凍結時間を要する製品の処理に優れています。
例えば、惣菜、パン生地、調理済み食品など、一度に多くの量を処理する必要がある食品の凍結に広く採用されています。従来のスパイラルフリーザーでは、螺旋状の複雑な構造ゆえに洗浄やメンテナンスに手間がかかることが課題とされてきましたが、ACVCS®を搭載した3Dフリーザー®(スパイラルモデル)では、フィンコイルに風を戻さない原理上ダクト(風道)が不要なため、庫内を丸洗いでき、洗浄性が大幅に向上しています。スパイラル型3Dフリーザー®の詳細は「スパイラル型3Dフリーザー®とは?ACVCS®技術で目減りを大幅低減」を、トンネル型との比較は「トンネル型 vs スパイラルフリーザー|どちらを選ぶべきか徹底比較」をご覧ください。
IQF(バラ凍結)対応式

IQFとは「Individual Quick Freezing」の略で、日本語では「個別急速凍結」と訳されます。これは、果物、野菜、エビ、貝類といった比較的小さな食品を、一つひとつがくっつくことなくバラバラの状態で急速凍結する技術を指します。IQFに対応したトンネル型フリーザーは、このバラ凍結を実現するために特殊な機構を備えています。
具体的な仕組みとしては、コンベアに微細な振動を与えて製品同士の固着を防いだり、強力な気流で製品をわずかに浮かせながら凍結する「フローティング方式」などが採用されています。IQFによるバラ凍結は、製品の利便性を飛躍的に向上させ、商品価値を高めます。ただし、製品が直接冷風に触れる時間が長いため、乾燥しやすい製品の場合には冷凍焼けや目減りが発生するリスクがある点も留意が必要です。この課題に対しては、次に紹介する高湿度冷気で凍結する方式が有効な解決策の一つとなります。バラ凍結された食品は、調理時の手間を省き、廃棄ロスの削減にも貢献するため、近年ますます需要が高まっています。
3Dフリーザー®(目減り・冷凍焼けを防ぐ高湿度凍結)
食品の品質劣化、特に乾燥による目減りや冷凍焼けを根本から解決することを目的として開発されたのが、KOGASUN社(株式会社コガサン)の3Dフリーザー®です。
従来のエアブラスト式フリーザーでは、冷気がフィンコイル(冷却器)を通過して循環する過程で水分を失い、庫内の空気が乾燥します。この「乾いた冷気」が食品の乾燥・冷凍焼け・目減りの根本原因でした。3Dフリーザー®に搭載された独自特許技術ACVCS®(非貫流熱交換方式)は、フィンコイルに風を戻さない独自構造により庫内を高湿度に保ちながら、上下左右から立体的に冷気を循環させます。この「高湿度の3D冷気」が食品を包み込むように冷却するため、食品の水分を奪うことなく急速凍結を実現します。
この技術の最大のメリットは、食品表面の乾燥を大幅に抑え、目減り(重量ロス)と冷凍焼けを最小限にできる点です。ドリップを嫌う刺身用の魚や高級肉、食感を重視する惣菜、デリケートな菓子類など、特に品質保持が求められる製品に最適です。さらに、ACVCS®はフィンコイルに風を戻さない原理上、冷気循環用のダクト(風道)が不要です。このACVCS®由来のダクトレス構造により、庫内全体を丸洗いできる高い洗浄性を実現しています。
3Dフリーザー®は、トレーイン型からスパイラル型、トンネル型まで幅広いラインナップを備えており、多様な生産規模や食品に対応可能です。各モデルの仕様・処理量については「3Dフリーザー®製品ラインナップ」をご覧ください。ACVCS®技術は世界各国で特許を取得し、グッドデザイン賞やものづくり日本大賞を受賞。その凍結精度は食品分野にとどまらず、山口大学との共同研究を通じて医療分野における細胞・組織の凍結保存にも採用されるほどです。
価格以上の価値を生み出す「3Dフリーザー®」の秘密
初期費用だけでなく、導入後の「目減り防止による原料コスト削減」や「連続運転による生産性向上」で高い投資対効果(ROI)を実現します。具体的なスペックや、歩留まり改善に成功した企業の導入事例をご紹介しています。
バッチ式(多品種少量生産タイプ)

トンネル型フリーザーが連続式の冷凍装置であるのに対し、バッチ式フリーザー(ブラストチラーやカートインフリーザーなど)は、台車に乗せた製品やトレイに入れた製品を一度に庫内へ入れ、一定時間冷却・凍結を行う方式です。このタイプのメリットは、多品種少量生産への柔軟な対応力にあります。製品の種類を頻繁に切り替える必要がある場合や、限定的な生産量の製品を扱う場合に適しており、比較的低い初期投資で導入できる点も魅力です。
しかし、バッチ式にはデメリットも存在します。製品の投入から取り出しまでが一連の連続工程ではないため、時間あたりの生産性が低く、特に大量生産には不向きです。また、製品の出し入れや台車の移動など、人手に頼る作業が多く発生するため、省人化の観点からは課題があります。凍結品質も、庫内での製品配置や熱の伝わり方によってムラが出やすい傾向にあります。
もし、特定の商品の生産量が拡大し、生産性向上や省人化が急務となっているのであれば、連続式のトンネル型フリーザーへの移行を検討するタイミングかもしれません。工場の生産規模や将来的な計画を考慮し、バッチ式と連続式のどちらが自社のニーズに合致するかを慎重に判断することが重要です。
失敗しないトンネル型フリーザー選びの5つの重要ポイント
トンネル型フリーザーは、生産性向上や品質維持に大きく貢献する重要な設備ですが、その導入には大きな投資が伴います。そのため、カタログスペックの数字だけを見て安易に判断してしまうと、「こんなはずではなかった」と後悔する事態にもつながりかねません。大切なのは、自社の生産現場の実態に即し、長期的な視点を持って総合的に評価することです。このセクションでは、導入後に信頼を得るために不可欠な、5つの重要なチェックポイントをご紹介します。これらのポイントを押さえることで、最適な一台を選び、工場の未来を確かなものにできるでしょう。選定ポイントの詳細は「トンネルフリーザーの選び方|失敗しないための比較ポイント6選」でも解説しています。
ポイント1:処理能力と連続運転時間の実態を確認する
トンネル型フリーザーの選定でまず注目されるのが、「時間あたり処理能力(kg/h)」というカタログスペックです。しかし、この数値がどのような条件下で算出されたものなのかを深く理解することが非常に重要になります。理想的な条件下での最大値が記載されていることも多いため、実際に自社製品を投入した際に、本当にその能力を発揮できるのかを見極める必要があります。
特に注意すべきは、長時間の連続運転を妨げる「デフロスト(霜取り)」の頻度と、それに要する時間です。デフロスト中は生産ラインが停止するため、この間が実質的な生産能力に大きく影響します。たとえば、カタログ上は高処理能力を謳っていても、頻繁なデフロストが必要であれば、実際の稼働率は低下してしまいます。

そこで最も確実な選定方法は、導入を検討しているメーカーのテスト施設で、自社の製品を用いた実証テストを行うことです。テストでは、「狙い通りの時間で、求める品質に凍結できるか」「凍結ムラが発生しないか」「デフロストのタイミングや所要時間はどれくらいか」といった点を、ご自身の目で確認してください。現場のパフォーマンスを重視する生産マネージャーにとって、この実証テストは、カタログでは見えない真の性能を把握するための不可欠なステップとなります。
ポイント2:冷気の質(庫内湿度)目減り・冷凍焼けの「隠れコスト」に着目する
多くの設備担当者が見落としがちなのが「冷気の質」、特に「庫内湿度」がTCOと凍結品質に与える影響です。
一般的なエアブラスト式フリーザーでは、冷気がフィンコイル(冷却器)を通過して循環する過程で空気中の水分が奪われ、庫内の冷気が乾燥しています。この「乾いた冷気」が食品に当たり続けることで、食品表面から水分が蒸発し、目減り(重量ロス)や冷凍焼けが発生します。目減りのコストインパクトは見積書には現れませんが、年間で数百万円に達するケースもあります。つまり、装置本体の価格差よりも、目減りによる年間損失のほうが大きい場合すらあるのです。

ACVCS®技術の庫内を高湿度に保つ独自技術を搭載した3Dフリーザーを選ぶことで、目減りを大幅に低減でき、TCOの観点から大きな優位性を得られます。
ポイント3:HACCPに対応できる衛生管理のしやすさ(洗浄性)

食品工場において、HACCP対応はもはや必須であり、日々の衛生管理がその根幹をなします。トンネル型フリーザーの選定においても、導入後の洗浄性やメンテナンスのしやすさが極めて重要なチェックポイントとなります。
確認すべき具体的な項目としては、コンベアベルトや庫内に洗浄しにくい死角がないか、庫内に洗浄が困難なダクト(風道)がないか、CIP(定置洗浄)システムが搭載されているかまたその洗浄効果は十分か、床や側壁の材質が衛生的で水が滞留しないような構造になっているかなどが挙げられます。
優れた洗浄性は、日々の清掃作業を効率化し、人件費と生産停止時間を削減するだけでなく、HACCPなどの衛生基準をクリアし、食品安全のリスクを最小限に抑える上で不可欠です。
ポイント4:省エネ性能とTCO(総所有コスト)で比較検討する
設備投資の判断では、初期費用(イニシャルコスト)だけでなく、導入後の運用にかかるコストを含めた「TCO(Total Cost of Ownership:総所有コスト)」で比較検討することが不可欠です。トンネル型フリーザーは長期間稼働する設備であるため、ランニングコストが経営に与える影響は非常に大きいからです。
TCOを構成する主な要素としては、電力費(冷凍機、ファン、コンベアの動力)、水道費(洗浄、冷却水など)、メンテナンス費(定期点検、部品交換)、人件費(運転管理、洗浄作業)、そして目減り(歩留まりロス)コスト(冷気の乾燥による凍結中の食品重量減少)が挙げられます。目減りコストは見積書に一切記載されない「隠れコスト」ですが、年間で数百万円に達するケースもあり、電気代やメンテナンス費用と同等、あるいはそれ以上のインパクトを持つ場合があります。
TCOの試算は、経営層への投資対効果を具体的に説明する際の強力な説得材料にもなります。価格とTCOの詳細については「トンネルフリーザーの価格|本当に見るべきは品質と生産性を守る力」で詳しく解説しています。
ポイント5:メーカーの導入実績とサポート体制
トンネル型フリーザーのような基幹設備の選定は、単に機械の性能や価格だけで決まるものではありません。「誰から買うか」という、メーカーの信頼性やサポート体制が極めて重要になります。これは、導入後の工場の安定稼働に直結するからです。
まず、自社と同じ食品業界、あるいは類似した製品を扱う工場での導入実績が豊富なメーカーを選ぶことをお勧めします。実績が豊富であれば、製品特性を深く理解し、自社の生産ラインに最適な提案をしてくれる可能性が高まります。
次に、導入後のサポート体制を具体的に評価しましょう。故障時の対応体制と対応速度、サービス拠点の全国展開状況、消耗品や交換部品の安定供給体制、定期メンテナンスのメニューとその費用、設備導入後の操作トレーニングや安全教育の実施体制、製品の改善や新たなニーズに対応するための技術サポート——これらの点を具体的に確認しましょう。
設備を納入するだけの関係ではなく、長期にわたって工場の安定稼働を共に支え、現場の課題解決に積極的に取り組んでくれる「パートナー」としての資質を見極めることこそが、最も重要な選定ポイントと言えるでしょう。
失敗しない選び方の条件をすべて満たすトンネルフリーザー
処理能力、衛生管理(ダクトレス構造)、省スペース設計、そして圧倒的な品質保持。KOGASUNの3Dフリーザー®は、食品工場が抱えるあらゆる課題を解決するために開発されました。貴社に最適なモデルを製品ページでご確認ください。
【導入事例】トンネル型フリーザーで課題を解決した企業の成功例
これまでの理論的な解説を踏まえ、実際にトンネル型フリーザーを導入した企業がどのように課題を解決し、成功を収めたのかを具体的な事例を通してご紹介します。水産加工業、惣菜・弁当製造業、製菓・製パン業という異なる業種における導入事例を通じて、皆様がご自身の状況と照らし合わせ、トンネル型フリーザー導入後の具体的なイメージを描けるようになることを目的としています。その他の導入事例は「3Dフリーザー®導入事例」でもご覧いただけます。
事例1:【水産加工業】生産性2倍と高品質化を両立
ある水産加工業の企業では、これまで漁獲が集中する繁忙期に生産が追い付かず、せっかくの新鮮な魚介類を処理しきれないことで、大きな機会損失が発生していました。また、従来の緩慢凍結では、解凍時に大量のドリップが発生し、製品の歩留まりが悪化するだけでなく、品質の低下も課題でした。
そこで同社が導入したのは、連続処理が可能なトンネル型フリーザーでした。結果として、時間あたりの処理能力は従来の2倍に向上し、繁忙期でも滞りなく生産ラインを稼働できるようになりました。さらに、急速凍結によって食品内部の氷結晶が微細化され、解凍時のドリップ流出が劇的に減少。特に水産加工品は水分含有量が多く乾燥に弱いため、ACVCS®技術を搭載した3Dフリーザー®のように庫内を高湿度に保ちながら凍結できる方式であれば、ドリップ抑制に加えて目減り(重量ロス)も大幅に低減でき、歩留まり改善効果がTCOに大きく貢献します。
事例2:【惣菜・弁当製造業】歩留まり改善と衛生レベルの向上
惣菜・弁当製造業の現場では、加熱調理後の粗熱取りが大きな課題となることが少なくありません。ある企業でも、調理後の食品が菌の増殖しやすい危険温度帯(10℃~60℃)を通過するのに時間がかかり、これが品質管理上のリスクとなるだけでなく、後工程のボトルネックにもなっていました。また、旧式のフリーザーは内部構造が複雑で洗浄に手間がかかり、HACCP監査時に衛生管理体制の不備を指摘されるのではないかという懸念を常に抱えていたといいます。
こうした課題を解決するため導入されたのが、均一な急速冷却が可能なトンネル型フリーザーでした。このフリーザーは、強力な冷風により食品を瞬時に冷却するため、菌が繁殖しやすい危険温度帯を極めて短時間で通過させることが可能になりました。さらに、CIP(定置洗浄)システムの搭載により、ボタン一つで庫内を自動洗浄・殺菌できるようになり、洗浄負担が大幅に軽減。KOGASUN社の3Dフリーザー®は全国3,000台以上の導入実績があり、惣菜工場からセントラルキッチンまで幅広い現場で採用されています。ACVCS®技術による高湿度凍結は、品質安定による歩留まり改善と、衛生的に安心して働ける環境整備という、生産性と安全性の両面で大きなメリットをもたらしています。
事例3:【製菓・製パン業】省エネと生産ラインの自動化を実現
製菓・製パン業界の多くの企業が抱える課題の一つに、冷凍工程における電気代の高さがあります。ある製菓企業では、特に夏場の電気代が経営を圧迫しており、コスト削減が急務でした。また、焼成後のパンや菓子の冷却工程が依然として人手に頼っており、生産量が安定しないことや、人件費の増加も課題となっていました。
この企業が着目したのは、省エネ性の高い3Dフリーザートンネル型でした。導入後、冷凍工程における電気代は年間で約30%削減され、ランニングコストの大幅な低減が実現しました。さらに、同社はオーブンの後工程にトンネル型フリーザーを直接接続することで、生産ライン全体の自動化を推進。これまで人手に頼っていた作業を大幅に削減し、生産効率が劇的に向上しました。
なお、洋菓子やパン生地は水分を多く含み乾燥に弱いため、凍結中の冷凍焼けや目減りが品質劣化の大きな要因となります。KOGASUN社の3Dフリーザー®は、ACVCS®技術により庫内を高湿度に保ちながら凍結できるため、デリケートな生菓子やパン生地の水分と風味を維持した状態で冷凍保存が可能です。省エネだけでなく、生産ラインの最適化とTCO削減を通じて工場の競争力を高めた経営視点での成功事例と言えるでしょう。
トンネル型フリーザー導入までの流れと活用できる補助金
トンネル型フリーザーの導入を具体的に検討し始めた食品工場の生産マネージャーや品質管理担当者の皆様に向けて、このセクションでは、実際の導入プロセスと、投資負担を軽減するための公的支援制度について詳しく解説します。具体的なステップと資金計画のヒントを提供することで、導入へのハードルを下げ、皆様が次の行動を自信を持って起こせるよう、有益な情報をお届けします。
導入検討から稼働までの5ステップ
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トンネル型フリーザーの導入は、工場の生産性や品質を大きく左右する重要なプロジェクトです。ここでは、導入をスムーズに進めるための具体的な5つのステップをご紹介します。
最初のステップは「1. 課題整理と要件定義」です。現在の冷凍工程で抱えている問題点(例:凍結ムラ、HACCP対応の課題、目減りによるコスト高)を明確にし、トンネル型フリーザーに何を求めるのか(例:処理能力、凍結品質、庫内湿度、省エネ性能、洗浄性)を具体的に洗い出します。この要件定義が、その後のメーカー選定や機種選びの基礎となります。
次に「2. メーカー選定と比較検討」を行います。洗い出した要件に基づき、複数のメーカーから情報を収集し、カタログスペックだけでなく、自社の製品での凍結実績やアフターサポート体制などを総合的に比較検討します。この段階で、メーカーとの綿密なコミュニケーションが重要です。
続く「3. 実機テストと仕様確定」は、選定の要となる重要なステップです。メーカーのテスト施設で、実際に自社の製品を持ち込んで凍結テストを実施し、目標とする凍結時間、温度、品質が達成できるかを確認します。特にTCOの観点で重要なのは、凍結前後の重量を計測し、目減り率を数字で比較することです。同じ食材を複数メーカーのフリーザーで凍結し目減り率を比較すれば、冷気の質の違いが明確に数字で表れます。この実証結果に基づいて、機種の選定やカスタマイズの必要性を検討し、最終的な仕様を確定します。
4つ目のステップは「4. 契約・設計・設置工事」です。仕様確定後、メーカーと契約を締結し、工場のレイアウトに合わせて設備の詳細設計を進めます。設置計画の具体的な検討ポイントについては「トンネル型フリーザーの設置スペースと工場レイアウトの注意点」も参考にしてください。
最後のステップは「5. 試運転と本格稼働」です。設置工事が完了したら、実際に製品を流して試運転を行い、設定通りの性能が発揮されるかを確認します。問題がなければ、従業員への操作指導や安全教育を実施し、いよいよ本格的な稼働を開始します。導入後も、定期的なメンテナンスや運用改善を通じて、設備の性能を最大限に引き出す努力を継続していくことが大切です。
【2026年最新情報】トンネル型フリーザー導入に使える補助金とは?

トンネル型フリーザーのような大型設備投資は、高額な初期費用がかかるため、導入をためらう要因となることも少なくありません。しかし、国や自治体では、企業の設備投資を支援するための様々な補助金制度が用意されており、これらを活用することで投資負担を大幅に軽減できる可能性があります。
特に注目すべきは、「省エネルギー投資促進支援事業補助金」です。この補助金は、工場・事業場におけるエネルギー使用量の削減に資する設備投資を支援するもので、高性能な省エネ型トンネル型フリーザーの導入が対象となる場合があります。申請には、導入前後のエネルギー削減効果を定量的に示す必要があるため、メーカーと協力して計画を策定することが重要です。
次に「事業再構築補助金」も有力な選択肢です。新たな事業展開のためにトンネル型フリーザーを導入する場合に活用できる可能性があります。
また、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(通称:ものづくり補助金)も、幅広い業種の中小企業を対象とした設備投資補助金です。トンネル型フリーザーの導入が、製品の品質向上、生産性の向上、新たなサービス開発などに資すると認められれば、採択される可能性があります。
なお、ACVCS®のような独自特許技術を搭載したフリーザーは、補助金申請において「技術の革新性」「省エネ効果」「投資対効果(目減り低減による原材料コスト削減)」を具体的に示しやすく、審査で有利に働くケースがあります。
これらの補助金は、それぞれ目的や対象要件、補助率、上限額などが異なります。また、公募期間や申請要件は頻繁に更新されるため、必ず各補助金の最新の公募要領を確認することが不可欠です。多くのメーカーは、補助金申請に関する情報提供や、申請書類作成のサポートを行っていますので、積極的に相談してみるのも有効な手段と言えるでしょう。こうした公的支援制度を賢く活用し、投資負担を抑えながら、工場の競争力強化を図りましょう。
トンネル型フリーザーに関するよくある質問(FAQ)
トンネル型フリーザーの導入を検討されている生産マネージャーや品質管理担当者の皆様が抱きがちな細かな疑問や懸念を解消するため、このセクションではよくある質問とその回答をまとめました。
トンネル型フリーザーとバッチ式フリーザーの根本的な違いは、「処理方式」「生産性」「適した用途」の3つの観点で明確に区別できます。
まず、処理方式において、トンネル型フリーザーは製品をコンベアで連続的に庫内に搬送し、凍結・冷却を行います。これにより、製品の投入から取り出しまでが自動化され、大量生産ラインへの組み込みが容易です。一方、バッチ式フリーザー(ブラストチラーやカートインフリーザーなど)は、台車に乗せた製品を一度に庫内に入れ、一定時間かけて凍結させる方式です。
次に生産性ですが、トンネル型フリーザーは連続処理が可能なため、時間あたりの処理能力が非常に高く、大量の製品を効率よく凍結できます。対してバッチ式は、製品の出し入れに人手がかかり、一度に処理できる量も限られるため、生産性はトンネル型フリーザーに劣ります。
そして、適した用途について、トンネル型フリーザーは生産量が安定しており、ライン化された食品の大量生産に最適です。一方、バッチ式フリーザーは、多品種少量生産や、頻繁に品種切り替えが必要な現場に適しています。これらの違いを理解し、自社の生産体制や製品特性に合わせて最適なフリーザーを選ぶことが重要です。
トンネル型フリーザーの設置スペースは、処理能力、製品の種類、コンベアの形式(ストレート式かスパイラル式か)、そして前後の工程との接続方法によって大きく異なるため、一概に断言することはできません。
ストレート式は、処理能力を高く設定したり凍結時間を長く確保したりするほど、相応の設置長が必要になります。一方、スパイラル式はコンベアが螺旋状に巻かれているため、限られた床面積で長いコンベア長を確保できますが、天井高がある程度必要になります。
また、本体の寸法だけでなく、メンテナンスのための作業スペース、冷却ユニットや配管・制御盤の設置場所も考慮する必要があります。最終的な設置レイアウトを確定するためには、メーカーによる現場調査が不可欠です。詳しくは「トンネル型フリーザーの設置スペースと工場レイアウトの注意点」をご覧ください。
トンネル型フリーザーの価格に関するご質問は非常に多くいただきますが、「相場は〇〇円」といった画一的な価格を提示することはできません。トンネル型フリーザーは、お客様の工場環境や生産計画、処理する製品特性に合わせて、一つひとつオーダーメイドで設計・製造される大型設備だからです。
価格が大きく変動する主な要素としては、処理能力、製品の種類と特性、コンベアの形式(ストレート式、スパイラル式、IQF対応式など)、サイズと設置スペース、材質と衛生仕様(CIPシステム搭載など)、冷凍機の種類、付帯機能とオプションなどが挙げられます。
正確な価格を知るためには、まず自社の具体的な要件を整理した上で、複数のメーカーに相談し、詳細な仕様に基づいた見積もりを依頼することが唯一の方法となります。初期投資だけでなく、目減りコストを含めた運用コストやメンテナンス費用、省エネ性能を含めたTCO(総所有コスト)も合わせて比較検討されることをお勧めします。価格とTCOの詳細については「トンネルフリーザーの価格|本当に見るべきは品質と生産性を守る力」をご覧ください。
まとめ:自社に最適なトンネル型フリーザーを選び、競争力を高めよう
この記事では、食品工場の生産性向上、HACCP対応、食品品質の維持といった多岐にわたる課題を解決する強力なソリューションとして、トンネル型フリーザーをご紹介しました。単なる老朽設備の更新に留まらず、未来を見据えた戦略的投資として、工場の競争力を飛躍的に高める可能性を秘めていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
トンネル型フリーザーは、生産性の飛躍的向上と省人化を実現し、HACCPに則した衛生管理を容易にすることで、食品安全性を確固たるものにします。さらに、急速凍結によって食品の品質を維持・向上させ、フードロス削減にも貢献するなど、経済的、品質的なメリットは計り知れません。
特に「冷気の質」は、見積書に現れない隠れコストである目減りを左右する最重要ポイントです。ACVCS®技術を搭載した3Dフリーザー®は、フィンコイルに風を戻さない独自構造で庫内を高湿度に保ち、食品の目減り・冷凍焼けを根本から解決します。装置本体の価格差を超える年間コスト削減効果が見込めるため、TCOの観点から極めて高い投資対効果を実現します。
トンネルフリーザーに関する詳しい情報
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