
スーパーマーケットで急速冷凍を使う目的は、売れ残った商品をあとから救うことではありません。売場に出す前の商品を計画的に作り、品質がよい状態で凍結し、惣菜、水産、精肉、ベーカリーの廃棄ロス、欠品、ピーク時間の作業集中、PB冷凍商品の展開を改善することです。
唐揚げ、コロッケ、刺身用の柵、寿司ネタ、鮮魚切身、味付け肉、焼肉用スライス、ひき肉、パン、菓子類のように、乾燥、ドリップ、目減り、色変わり、冷却ムラが売場品質に出やすい商品では、KOGASUNの3Dフリーザーがおすすめです。高湿度冷気で包み込むように凍結するため、エアブラスト式で課題になりやすい乾燥や軽い食材の飛散を抑えやすく、リキッドフリーザーのように液に触れさせるための密封包装を前提にしなくても、自社商品で凍結テストを進められます。
この記事では、スーパーマーケットの惣菜部門、水産部門、精肉部門、ベーカリー部門、食品スーパー本部、プロセスセンターの担当者に向けて、急速冷凍の使い方、向いている商品、PB冷凍商品化、避けたい運用、3Dフリーザーをおすすめする場面、導入前に確認することを整理します。
Contents
この記事について
この記事は、KOGASUN PRESS編集部が作成しています。運営は株式会社コガサンです。スーパーマーケットの惣菜部門、水産部門、精肉部門、ベーカリー部門、食品スーパー本部、プロセスセンター、セントラルキッチンで、急速冷凍機の導入やPB冷凍商品の立ち上げを検討している方に向けて、実務で使う前提の考え方をまとめています。最終更新日は2026年4月24日です。
惣菜や調理済み食品の冷凍品質を先に確認したい方は、惣菜・調理済み食品の急速冷凍活用法もあわせてご覧ください。水産部門で使う場合は魚介類を美味しく保つ急速冷凍のコツ、精肉部門で使う場合は肉類の急速冷凍テクニック完全版も参考になります。
まず結論|スーパーの急速冷凍は惣菜だけでなく水産・精肉にも使う
スーパーで急速冷凍を活かすなら、考え方はシンプルです。売場に出す前の商品を、あらかじめ冷凍前提で作ります。必要な分だけ解凍、再加熱、品出しできる状態にしておけば、作りすぎによる廃棄と、作り足りないことによる欠品を同時に減らしやすくなります。
惣菜だけでなく、水産部門では刺身用の柵、寿司ネタ、鮮魚切身、焼魚用原料、精肉部門では味付け肉、焼肉用スライス、ひき肉、業務用パック、ベーカリー部門ではパンや菓子類も対象になります。スーパー全体で見ると、急速冷凍は「惣菜部門の設備」ではなく、廃棄ロス、品質劣化、欠品、仕込み集中を減らし、PB冷凍商品を作るための店舗・センター共通の設備です。
一方で、閉店後に売れ残った惣菜、鮮魚、精肉をそのまま凍結し、翌日以降に再販売する考え方はおすすめしません。売場に出た商品は、製造直後や加工直後の商品と比べて温度履歴、陳列時間、取り扱い条件が複雑になります。再販売を前提にする場合は、衛生管理、温度管理、表示、賞味期限設定、社内基準、自治体や保健所への確認が必要です。
急速冷凍は、余ったものを雑に延命する設備ではありません。惣菜、水産、精肉、ベーカリーの製造・加工計画に組み込み、売れる状態の商品をよい状態で止めておくための設備です。
スーパーで急速冷凍が必要になる理由
スーパーでは、惣菜、水産、精肉、ベーカリーの各部門で、品質と販売時間のズレが起こります。作りたて、切りたて、加工したての商品を売場に出したい一方で、来店ピーク、作業人員、仕入れ量、天候、曜日によって売れ行きが変わるためです。特に問題になりやすいのは、廃棄ロス、欠品、人手不足、ピーク時間への作業集中です。
農林水産省の食品ロスに関する資料では、令和5年度推計値として日本全体の食品ロス量は464万トン、事業系食品ロスは231万トン、食品小売業は48万トンとされています。これは食品小売業全体の数字であり、スーパーの惣菜部門だけを示すものではありません。それでも、小売現場で売れ残りや廃棄を減らす取り組みが求められていることは確かです。
廃棄ロスが利益を削る
惣菜、鮮魚、精肉、ベーカリー商品は、閉店時間が近づくほど値引きか廃棄になりやすい商品です。値引きで売り切ろうとすると粗利が下がり、売れ残れば原材料費、加工人件費、包装資材、光熱費が無駄になります。
急速冷凍を使う場合は、売場に出した後の商品ではなく、売場に出す前の計画生産分を冷凍します。定番の唐揚げ、コロッケ、とんかつ、煮物、焼き魚に加え、刺身用の柵、鮮魚切身、味付け肉、焼肉用スライス、パン類を冷凍前提で仕込んでおけば、売れ行きに合わせて必要量だけ使いやすくなります。
フードロス対策の全体像は、急速冷凍がフードロスを削減する5つの理由でも整理しています。
欠品が売上機会を逃す
スーパーでは、夕方の買い物時間帯に欠品すると売上機会を逃します。人気惣菜、刺身盛り合わせ、寿司ネタ、焼肉用商品、ベーカリー商品を切らしたくないから多めに作ると廃棄が増え、廃棄を恐れて少なめに作ると欠品します。この揺れが現場を苦しめます。
急速冷凍を組み込むと、前日や午前中に仕込んだ商品を冷凍ストックとして持ち、ピーク前に必要量だけ補充する運用を作りやすくなります。特に、売れ筋が読みやすい定番惣菜、水産加工品、味付け肉、パン類ほど効果を出しやすいです。
人手不足で品数を維持しにくい
惣菜部門では仕込み、加熱、冷却、包装、品出し、値引き、清掃が重なります。水産部門では下処理、切り付け、盛り付け、アニサキス確認、精肉部門ではスライス、味付け、パック、品出しが重なります。人手不足の店舗では、品数を増やしたくても現場が回らないことがあります。
急速冷凍を使うと、作業の一部を人がいる時間帯へ前倒しできます。すべての商品を冷凍化する必要はありません。まずは、仕込み負担が重い商品、欠品しやすい商品、売場で品質差が出やすい商品から始める方が現実的です。
人時生産性を上げたい場合も、各部門の作業を分解して見る必要があります。閉店前の値引き、急な作り足し、欠品対応、廃棄処理のように粗利を生みにくい作業を減らし、売れる商品を安定して出せる時間に人を使うことが大切です。急速冷凍は、そのための在庫と作業時間の逃げ道になります。
冷凍商品という売場を作れる
冷凍惣菜、冷凍刺身、冷凍寿司ネタ、冷凍味付け肉、冷凍ベーカリー商品は、まとめ買い、ストック需要、宅配、EC、地域名物の販売につなげやすい商品です。チルド惣菜や生鮮売場だけでは取り切れない需要を拾えるため、スーパーの差別化にも使えます。
冷凍商品を通販や宅配へ広げる場合は、冷凍食品のEC・通販を成功させる5つのポイントも参考になります。
PB冷凍商品で価格競争から抜け出しやすい
急速冷凍をスーパーで使うなら、プライベートブランド(PB)冷凍商品まで考えた方が商売として強くなります。単に廃棄を減らすだけでは守りの改善ですが、自社の惣菜、水産、精肉、ベーカリー商品をPB化できれば、価格だけで比べられにくい売場を作れます。
PB化しやすいのは、地域性のある惣菜、店内調理の人気商品、地元水産物、味付け肉、焼肉用セット、冷凍寿司ネタ、冷凍ベーカリー商品などです。店舗で売れている商品を冷凍化し、複数店舗、EC、ギフト、宅配へ広げられると、急速冷凍機は単なる保存設備ではなく、商品開発の設備になります。
ただし、PB商品にする場合は、味だけでは足りません。商品名、規格、内容量、包装、表示、アレルゲン、保存温度、賞味期限、解凍・調理方法、JAN、ロット管理、売場展開まで決める必要があります。凍結テストでは、品質だけでなく「商品として並べられるか」まで確認してください。
スーパーで急速冷凍に向いている部門と商品

スーパーマーケットの記事として見るなら、惣菜だけで終わらせるのは不十分です。急速冷凍は、売場で品質劣化や廃棄が起こりやすい部門ほど使い道があります。
| 部門 | 商品例 | 急速冷凍で見る点 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 惣菜 | 唐揚げ、コロッケ、とんかつ、焼き魚、煮物、弁当用おかず | 衣の食感、離水、再加熱後の見た目 | 粗熱、油切れ、包装、再加熱方法 |
| 水産 | 刺身用の柵、寿司ネタ、鮮魚切身、干物、焼魚用原料 | ドリップ、色変わり、臭み、アニサキス対策 | 中心温度、解凍方法、表示、目視確認 |
| 精肉 | 味付け肉、焼肉用スライス、ひき肉、ステーキ肉、業務用パック | ドリップ、歩留まり、変色、肉汁 | 厚み、包装、重なり、解凍後の売り方 |
| ベーカリー | 食パン、菓子パン、惣菜パン、焼成前生地、焼成後パン | 乾燥、老化、香り、焼き戻し後の食感 | 結露、包装、解凍・リベイク条件 |
| 青果加工 | カット野菜、カットフルーツ、加工用野菜 | 離水、食感、変色、歩留まり | 生食向けか加熱向けかを分ける |
この中でも、スーパーで最初に優先しやすいのは、惣菜、水産、精肉です。廃棄金額が大きく、売場品質の差も出やすく、冷凍後の商品化や仕込み前倒しにつなげやすいためです。
プライベートブランド(PB)冷凍商品にしやすいテーマ
プライベートブランド(PB)冷凍商品は、ナショナルブランドと同じ土俵で価格勝負をするためのものではありません。店舗や地域の強みを冷凍で持ち帰れる形にするためのものです。急速冷凍を使うなら、最初からPB化できる商品かどうかを見ておくと、投資回収の道筋が作りやすくなります。
| PB化しやすいテーマ | 商品例 | 見るべき点 |
|---|---|---|
| 店内調理の人気商品 | 唐揚げ、コロッケ、ハンバーグ、煮物、焼き魚 | 再加熱後の食感、味、見た目、包装 |
| 地域商品 | 地元魚の冷凍刺身、郷土惣菜、地元精肉の味付け商品 | 地域性、ストーリー、解凍後の品質 |
| 水産PB | 刺身用の柵、寿司ネタ、干物、焼魚用切身 | ドリップ、色、アニサキス対策、表示 |
| 精肉PB | 味付け肉、焼肉セット、ステーキ、ハンバーグ原料 | ドリップ、変色、歩留まり、トレー内の見た目 |
| ベーカリーPB | 食パン、菓子パン、惣菜パン、冷凍生地 | 乾燥、香り、解凍・焼き戻し後の食感 |
PB化で大切なのは、冷凍前の商品がおいしいことだけではありません。家庭で解凍・調理したときに再現しやすいこと、表示や包装を整えやすいこと、店舗スタッフが説明しやすいことも重要です。特に水産や精肉は、品質差が価格差に直結しやすいため、3Dフリーザーでドリップ、色変わり、目減りを確認する意味があります。
惣菜部門で急速冷凍に向いている商品
最初から全商品を冷凍化する必要はありません。売場への影響が見えやすく、冷凍後の品質を判断しやすい商品から始めます。
| 商品例 | 急速冷凍で見る点 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 唐揚げ、コロッケ、とんかつ | 衣の食感、油っぽさ、再加熱後の食べやすさ | 粗熱の取り方、油切れ、再加熱方法 |
| 焼き魚、煮魚 | 身のふっくら感、ドリップ、臭み | タレ、骨、包装、中心温度 |
| 煮物、惣菜小鉢 | 味しみ、離水、具材の崩れ | じゃがいも、豆腐、こんにゃくなどの食感変化 |
| 弁当用おかず | 盛り付け後の見た目、解凍後の水分 | ご飯や生野菜との組み合わせ |
| 季節商品、催事商品 | 繁忙期前の仕込み、販売期間の延長 | 表示、包装、保管温度 |
| 地域商品、店内調理品 | 冷凍惣菜化、EC展開、ギフト化 | 賞味期限設定、配送温度、解凍方法 |
揚げ物の品質を深く見たい場合は、揚げ物の急速冷凍方法と3Dフリーザー活用術もあわせて確認してください。
水産部門|刺身・寿司ネタ・アニサキス対策を見る
水産部門では、急速冷凍の目的が惣菜とは少し変わります。刺身用の柵、寿司ネタ、鮮魚切身、干物、焼魚用原料では、ドリップ、色変わり、臭み、解凍後の食感、アニサキス対策を分けて見ます。
特に刺身や寿司ネタを扱う場合は、品質と食品安全を同時に考える必要があります。厚生労働省は、アニサキスによる食中毒の予防として、70℃以上または60℃なら1分の加熱、もしくは-20℃で24時間以上の冷凍が効果的としています。また、食酢、塩漬け、しょうゆ、わさびではアニサキス幼虫は死なないと示しています。
つまり、急速冷凍機を使えば一瞬でアニサキス対策が完了する、という話ではありません。水産部門では、中心温度、保管時間、目視確認、内臓除去、表示、解凍方法まで含めて設計します。急速冷凍機は、中心温度を早く下げ、刺身品質を落としにくくしながら、必要な冷凍条件へ持っていくための設備として使います。
刺身用の柵や寿司ネタ
刺身用の柵や寿司ネタは、解凍後のドリップ、色、角の立ち方、身の弾力で評価が分かれます。緩慢冷凍で大きな氷結晶ができると、解凍時に水分と旨味が流れやすくなります。
3Dフリーザーは、刺身用の柵、寿司ネタ、ホタテ、白身魚、青魚のように、ドリップと色変わりを抑えたい水産商品におすすめです。水産商品の実例を見たい場合は、刺身の急速冷凍テストや魚介類を美味しく保つ急速冷凍のコツも参考になります。
アニサキス対策が必要な魚種
サバ、アジ、サンマ、イワシ、カツオ、イカなど、アニサキスが問題になりやすい魚種を扱う場合は、冷凍条件を曖昧にしないことが大切です。目視確認だけに頼らず、冷凍条件と記録を持つことで、店舗やプロセスセンターの安心感が上がります。
アニサキス対策を詳しく確認する場合は、急速冷凍機でアニサキス対策も確認してください。
切身・干物・焼魚用原料
鮮魚切身、干物、焼魚用原料は、刺身よりも販売形態の幅があります。店内で焼いて惣菜化する、冷凍切身として販売する、ミールキットに入れる、ECで販売するなど、出口を先に決めると冷凍条件を設計しやすくなります。
この商品群でも、乾燥、ドリップ、臭み、身割れを抑えたい場合は3Dフリーザーがおすすめです。水産部門は単価が高い商品も多いため、ドリップによる目減りはそのまま粗利に響きます。
精肉部門|ドリップ・変色・歩留まりを見る
精肉部門では、ドリップ、変色、肉汁、歩留まり、解凍後の売場品質を見ます。焼肉用スライス、味付け肉、ステーキ肉、ひき肉、業務用パックは、冷凍方法によって見た目と利益が変わります。
味付け肉や焼肉用スライス
味付け肉や焼肉用スライスは、解凍後にドリップが多いと、トレー内に水分が出て見た目が悪くなります。肉の色もくすみやすく、売場での印象が落ちます。
3Dフリーザーは、肉の乾燥、ドリップ、目減りを抑えたい精肉商品におすすめです。特に、焼肉用スライスや薄切り肉のように表面積が大きい商品では、乾燥と変色を見て判断してください。精肉全体の考え方は、肉類の急速冷凍テクニック完全版や精肉事業者が急速冷凍機を導入するメリットでも整理しています。
ひき肉・ミンチ・業務用パック
ひき肉やミンチは傷みやすく、変色も目立ちやすい商品です。業務用パックや厚みのある肉塊は、中心まで冷えるのに時間がかかるため、投入量、厚み、包装形態を見てテストする必要があります。
スーパーの精肉部門では、売場用の商品だけでなく、惣菜部門へ回す唐揚げ用もも肉、ハンバーグ原料、味付け肉原料にも急速冷凍を使えます。部門をまたいで使うと、精肉と惣菜の両方でロスを減らしやすくなります。
ベーカリー・青果加工にも使える
スーパーにインストアベーカリーがある場合は、パンや菓子類の冷凍も検討できます。焼成後のパン、焼成前生地、惣菜パン、菓子パンでは、乾燥、老化、香り、解凍後の食感を見ます。
パンは水分が抜けるとパサつきやすく、解凍時の結露でも品質が落ちます。焼き戻しやリベイクを前提にするのか、自然解凍で販売するのかを先に決めてください。ベーカリー向けの考え方は、ベーカリー・パン屋の急速冷凍も参考になります。
青果加工では、カット野菜やカットフルーツを扱う場合があります。ただし、生食向けと加熱向けでは判断が変わります。離水や食感変化が出やすいため、スーパーの記事内では入口だけ触れ、詳しくは商品ごとのテストで確認する方が安全です。
3Dフリーザーがおすすめなスーパー商品

スーパーで見るべき点は、凍結時間だけではありません。売場に並んだときの見た目、解凍後の食感、ドリップ、目減り、作業性まで含めて判断します。特に次の商品では、3Dフリーザーがおすすめです。
刺身・寿司ネタのドリップを抑えたい商品
刺身用の柵、寿司ネタ、ホタテ、白身魚、青魚は、解凍後のドリップと色変わりで売場品質が大きく変わります。高湿度冷気で包み込む3Dフリーザーは、ドリップや乾燥を抑えながら水産商品を凍結したい場合におすすめです。
アニサキス対策が必要な商品では、凍結スピードだけでなく、中心温度と保管時間の管理が必要です。品質を守る冷凍と、食品安全のための冷凍条件を分けて考えてください。
精肉のドリップと変色を抑えたい商品
味付け肉、焼肉用スライス、ひき肉、ステーキ肉、業務用パックは、解凍後のドリップ、変色、トレー内の見た目で売れ方が変わります。肉は重量がそのまま粗利に関わるため、目減りと歩留まりの確認も重要です。
3Dフリーザーは、乾燥、ドリップ、色変わりを抑えたい精肉商品にもおすすめです。特にスライス肉や焼肉用商品は表面積が大きく乾燥しやすいため、実際の商品で凍結テストを行ってください。
パンや菓子類の乾燥を抑えたい商品
食パン、菓子パン、惣菜パン、焼成後パンは、冷凍後にパサつきや香りの低下が出やすい商品です。解凍時の結露やリベイク条件でも品質が変わります。
3Dフリーザーは、パンや菓子類の乾燥を抑えたい場合にもおすすめです。ベーカリー商品は、自然解凍で売るのか、焼き戻して売るのかを先に決めてからテストしてください。
揚げ物の衣を守りたい商品
唐揚げ、コロッケ、とんかつ、かき揚げのような揚げ物は、冷凍後の衣の状態で評価が分かれます。凍結時や保管中に水分が移動すると、再加熱後に衣がしんなりしやすくなります。強い気流で軽い衣やパン粉が動くと、見た目にも影響が出ます。
3Dフリーザーは高湿度冷気で包み込むように凍結するため、乾燥、目減り、衣の飛散を抑えたい揚げ物に向いています。冷凍惣菜として販売する場合も、店内で再加熱して売場に出す場合も、衣の状態を自社商品で見てから判断してください。
焼き魚や煮魚のパサつきを抑えたい商品
焼き魚や煮魚は、冷凍後に身がパサついたり、解凍時にドリップが出たりすると、売場品質が落ちます。魚の種類、加熱条件、タレの量、包装方法で仕上がりが変わるため、カタログスペックだけでは判断しにくい商品です。
3Dフリーザーは乾燥とドリップを抑えたい魚惣菜におすすめです。身のふっくら感、タレの状態、解凍後の臭み、再加熱後の食べやすさを、実際の商品で見て判断してください。
煮物や惣菜小鉢の離水を抑えたい商品
煮物、和惣菜、小鉢商品は、具材ごとに水分量と食感が違います。にんじん、かぼちゃ、れんこん、豆類、里芋、じゃがいもなどは、冷凍後の食感変化や離水を見ておく必要があります。
3Dフリーザーは、煮物や惣菜小鉢をトレーごと、または包装形態を変えてテストしやすい点が強みです。少量多品種の商品を扱うスーパーでは、1品ずつ仕上がりを比べながら冷凍惣菜化を進められます。
弁当用おかずを前倒ししたい商品
弁当用のおかずを一部冷凍しておくと、朝や昼前の作業集中を減らしやすくなります。すべてを冷凍にする必要はありません。唐揚げ、焼き魚、煮物、ハンバーグ、厚焼き玉子など、品質が合うものから始めます。
弁当・惣菜の品質安定を見たい場合は、惣菜・弁当の急速冷凍も参考になります。
エアブラスト式やリキッドフリーザーと何が違うか
急速冷凍機は方式ごとに向き不向きがあります。スーパーの商品では、凍結スピードだけでなく、商品へのダメージ、包装条件、作業性、少量多品種への対応を見ます。
| 方式 | スーパー商品で見たい点 | 注意する点 |
|---|---|---|
| エアブラスト式 | 汎用性、処理量、既存ラインとの合わせやすさ | 乾燥、軽い食材の飛散、霜付き、冷却ムラが出る場合がある |
| リキッドフリーザー | 短時間凍結、密封包装品との相性 | 液管理、包装前提、商品切替、未包装品への使いにくさ |
| 3Dフリーザー | 乾燥、ドリップ、目減り、冷却ムラを抑えたい惣菜 | 商品ごとの凍結テストと運用設計が必要 |
エアブラスト式が悪い、リキッドフリーザーが悪いという話ではありません。大量生産や特定商品では合う場面があります。ただし、スーパーのように惣菜、水産、精肉、ベーカリーを少量多品種で扱い、見た目、食感、歩留まり、包装の自由度まで見たい場合は、3Dフリーザーから検討するのがおすすめです。
3Dフリーザーの仕組みは、3Dフリーザーとは?仕組みとメリットで詳しく整理しています。
店舗バックヤードとプロセスセンターで考え方は変わる

スーパーで急速冷凍を使う場合、どこで凍結するかによって機種選定と運用が変わります。
店舗バックヤードで使う場合
店舗ごとに少量多品種の商品を扱う場合は、トレーイン式やカートイン式のように、商品を分けて入れやすい機種が候補になります。店舗バックヤードでは、処理量だけでなく、出し入れのしやすさ、洗浄、設置スペース、作業動線、電源容量も見ます。
店舗で使う場合に向いているのは、廃棄が多い定番惣菜、欠品しやすい売れ筋商品、地域限定商品、催事商品などです。現場の人数が限られるため、複雑な作業を増やさない設計が必要です。
プロセスセンターで使う場合
複数店舗へ供給する場合は、プロセスセンターやセントラルキッチンでまとめて凍結する方が合うことがあります。処理量、包装工程、冷凍保管、店舗配送、解凍・再加熱方法まで一体で設計します。
センター運用では、1店舗だけでなく複数店舗の需要をまとめて見られるため、定番商品の品質統一、作業の平準化、在庫管理に使いやすくなります。セントラルキッチンでの考え方は、セントラルキッチンに急速冷凍機を導入するメリットも参考になります。
導入前に確認すること
急速冷凍機は、機械だけで判断すると失敗します。売場、厨房、人員、包装、保管、表示、販売方法までつながって初めて効果が出ます。
どの商品から始めるか
最初に、廃棄が多い商品、欠品しやすい商品、人手がかかる商品、冷凍商品として売りやすい商品を分けます。惣菜、水産、精肉、ベーカリーを全部一度に変えようとすると、現場に負担がかかります。
最初のテストでは、唐揚げ、コロッケ、刺身用の柵、鮮魚切身、味付け肉、焼肉用スライス、パン類のように、品質差が目で分かりやすい商品を選ぶと判断しやすいです。
冷凍前の工程を決める
急速冷凍は、加熱後すぐに入れればよいわけではありません。粗熱の取り方、トレーへの並べ方、包装の有無、投入量、中心温度、凍結後の保管方法を決めます。
温度と時間の考え方は、急速冷凍の温度と時間の目安で整理しています。
冷凍後の売り方を決める
冷凍した商品を、店内調理の素材として使うのか、冷凍惣菜、冷凍刺身、冷凍味付け肉、冷凍ベーカリー商品として販売するのか、ECや宅配に回すのかで、必要な表示、包装、賞味期限設定、保管温度、解凍・再加熱方法が変わります。
凍結できることと、売れる商品になることは別です。導入前に出口を決めておくと、現場で迷いにくくなります。
PB商品化するなら仕様を先に決める
PB冷凍商品を作る場合は、凍結テストの前に最低限の仕様を決めます。商品名、内容量、包装形態、販売単位、販売価格帯、保存温度、解凍・調理方法、売場、EC対応の有無を先に置いておくと、テスト結果を判断しやすくなります。
たとえば、同じ唐揚げでも、店内で再加熱して惣菜売場へ出す商品と、家庭で温めるPB冷凍惣菜では、包装、味付け、衣の設計、再加熱方法が変わります。刺身用の柵、味付け肉、パン類も同じです。PB化を狙う商品ほど、品質テストと同時に「販売できる仕様」まで確認してください。
電気代と停止時間を見る
急速冷凍機は、電気代だけでなく、霜付き、デフロスト、投入温度、投入量、扉の開閉、前後工程で実際のランニングコストが変わります。特にスーパーでは、ピーク時間に合わせて稼働させるため、運用に合った容量を選ぶ必要があります。
電気代の考え方は、急速冷凍機の電気代はいくら?も確認してください。
自社商品で凍結テストをする
惣菜は、レシピ、加熱状態、油切れ、タレ、包装、粗熱の取り方で結果が変わります。似た商品でも、店舗や工場の作り方が違えば仕上がりも変わります。
導入前は、カタログだけで判断せず、自社商品で凍結テストを行ってください。KOGASUNでは、実際の商品を使ったデモテスト・凍結テストをご相談いただけます。
失敗しやすい運用
急速冷凍機を入れても、使い方を間違えると現場の負担だけが増えます。特に次の運用は避けてください。
売れ残り救済だけで考える
売れ残りをあとから冷凍すればよい、という考え方は危険です。売場に出た商品の温度履歴や衛生状態は、製造直後の商品とは違います。再販売を前提にするなら、衛生管理、表示、社内基準、自治体や保健所への確認が先です。
急速冷凍は、売場に出す前の商品を計画的に凍結する使い方が基本です。
冷凍後の売場を決めていない
冷凍惣菜、冷凍刺身、冷凍味付け肉、冷凍ベーカリー商品として販売するのか、店内で再加熱して売場へ出すのか、バックヤードで仕込み素材として使うのかを決めずに凍結すると、商品化の段階で止まります。
凍らせる前に、販売形態、包装、表示、保管、解凍方法を決めます。
商品ごとのテストを省く
同じ「惣菜」でも、唐揚げ、焼き魚、煮物、米飯、和菓子では冷凍後の見え方が違います。特に、じゃがいも、豆腐、こんにゃく、生野菜、ご飯は食感変化が出やすいため、商品ごとの確認が必要です。
文章やカタログだけで判断せず、実際の商品で見た目、食感、ドリップ、目減り、再加熱後の状態を確認してください。
PB化を最後に考える
急速冷凍を入れてからPB商品を考えると、商品設計が後手になります。どの商品をPB化したいのか、どの部門の商品を伸ばしたいのか、店舗販売なのかECなのかを先に決めないと、凍結できても売場で使いにくい商品になります。
PB化を狙うなら、凍結テストの段階で、パッケージ、内容量、解凍方法、売価、売場、説明POPまで一緒に確認してください。
関連して確認したいページ
- 惣菜全体の冷凍活用を見たい方:惣菜・調理済み食品の急速冷凍活用法
- 弁当・惣菜の品質安定を見たい方:惣菜・弁当の急速冷凍
- 複数店舗向けの製造を見たい方:セントラルキッチンに急速冷凍機を導入するメリット
- 水産商品の品質維持を見たい方:魚介類を美味しく保つ急速冷凍のコツ
- アニサキス対策を見たい方:急速冷凍機でアニサキス対策
- 精肉商品の品質維持を見たい方:肉類の急速冷凍テクニック完全版
- ベーカリー商品の冷凍を見たい方:ベーカリー・パン屋の急速冷凍
- フードロス削減を見たい方:急速冷凍がフードロスを削減する5つの理由
- 冷凍惣菜を通販へ広げたい方:冷凍食品のEC・通販を成功させる5つのポイント
- 3Dフリーザーの仕組みを見たい方:3Dフリーザーとは?仕組みとメリット
スーパーマーケットの急速冷凍に関するよくある質問
A. 売場に出す前の商品を計画的に作り、品質がよい状態で凍結することです。惣菜、水産、精肉、ベーカリーの廃棄ロス、欠品、ピーク時間の作業集中を減らし、冷凍商品の展開にもつなげやすくなります。
A. 安易にはおすすめしません。売場に出た惣菜、鮮魚、精肉は、温度履歴や衛生状態が製造直後・加工直後の商品とは異なります。再販売を前提にする場合は、衛生管理、表示、賞味期限設定、社内基準、自治体や保健所への確認が必要です。基本は、売場に出す前の商品を冷凍前提で管理する考え方です。
A. 惣菜では唐揚げ、コロッケ、焼き魚、煮物、弁当用おかず、水産では刺身用の柵、寿司ネタ、鮮魚切身、精肉では味付け肉、焼肉用スライス、ひき肉、ベーカリーではパンや菓子類が候補です。ただし、米飯、生野菜、水分の多い具材、豆腐、こんにゃく、じゃがいもは食感変化が出やすいため、商品ごとのテストが必要です。
A. 乾燥、ドリップ、目減り、色変わり、衣の食感、魚のパサつき、肉の変色、冷却ムラを抑えたい商品には、3Dフリーザーがおすすめです。高湿度冷気で包み込むように凍結するため、惣菜、水産、精肉、ベーカリーの少量多品種商品を実際の商品でテストしながら進められます。
A. 使えます。店内調理の人気惣菜、地元水産物、味付け肉、焼肉セット、ベーカリー商品などをPB冷凍商品にする場合、急速冷凍は品質を保ったまま販売期間と販売チャネルを広げるために使えます。ただし、商品名、内容量、包装、表示、保存温度、賞味期限、解凍・調理方法まで決めてからテストする必要があります。
A. 使えます。ただし、急速冷凍した瞬間にアニサキス対策が完了するわけではありません。厚生労働省は、アニサキスによる食中毒の予防として、70℃以上または60℃なら1分の加熱、もしくは-20℃で24時間以上の冷凍が効果的としています。水産部門では、中心温度、保管時間、目視確認、内臓除去、解凍方法、表示まで含めて管理してください。
A. 味付け肉、焼肉用スライス、ひき肉、ステーキ肉、惣菜部門へ回す唐揚げ用もも肉などから試すと判断しやすいです。解凍後のドリップ、色、トレー内の見た目、歩留まりを確認してください。
A. エアブラスト式は汎用性が高い一方、商品によっては乾燥、軽い食材の飛散、霜付き、冷却ムラが課題になる場合があります。3Dフリーザーは高湿度冷気で包み込むように凍結するため、乾燥や目減りを抑えたいスーパー商品でおすすめです。
A. 密封包装できる単品を短時間で凍結したい場合は、リキッドフリーザーが合うことがあります。一方、スーパーのように未包装、トレー、袋、容器など複数の状態で少量多品種をテストしたい場合は、3Dフリーザーの方が進めやすい場合があります。
A. 少量多品種で店舗ごとの欠品や作業負担を減らしたい場合は、店舗バックヤードでの活用が合うことがあります。複数店舗へ同じ商品を供給する場合は、プロセスセンターやセントラルキッチンでまとめて凍結する方が効率的です。
A. 包装、表示、賞味期限設定、保管温度、解凍・再加熱方法、売場展開、在庫管理を決める必要があります。凍結できることと、販売できる商品になることは別です。
A. できます。惣菜はレシピや加熱状態、水産は下処理や中心温度、精肉は厚みや包装、ベーカリーは解凍・焼き戻し条件で仕上がりが変わります。導入前に実際の商品で凍結テストを行うことをおすすめします。ご希望の場合は、デモテスト・凍結テストからご相談ください。
まとめ
スーパーマーケットで急速冷凍を活かすなら、売れ残りをあとから救うのではなく、売場に出す前の商品を計画的に冷凍する考え方が必要です。惣菜、水産、精肉、ベーカリーの製造・加工計画の中に急速冷凍を組み込めば、廃棄ロス、欠品、ピーク時間の作業集中、人手不足を減らしながら、冷凍惣菜、冷凍刺身、冷凍味付け肉、冷凍ベーカリー商品という新しい売場も作りやすくなります。
さらに、PB冷凍商品まで設計できれば、急速冷凍はロス削減だけでなく、粗利改善と差別化のための設備になります。店舗で売れている商品、地域性のある商品、品質差が出やすい水産・精肉商品をPB化できれば、価格だけで比べられにくい売場を作れます。
ただし、機械を入れるだけでは改善しません。どの商品から始めるか、どこで凍結するか、冷凍後にどう売るか、表示や包装をどうするか、自社商品でどうテストするかを先に決める必要があります。
唐揚げ、コロッケ、刺身用の柵、寿司ネタ、鮮魚切身、味付け肉、焼肉用スライス、ひき肉、パン類のように、乾燥、ドリップ、目減り、色変わり、冷却ムラが売場品質に出やすい商品では、3Dフリーザーがおすすめです。エアブラスト式で起きやすい乾燥や飛散、リキッドフリーザーで問題になりやすい包装条件に悩んでいる場合も、実際の商品で3Dフリーザーの凍結テストを行うと判断しやすくなります。
