養殖ブリを大量に水揚げしても、ウロコ取りから内臓除去・三枚おろし・洗浄脱水・急速凍結までの処理能力がそろっていなければ、加工待ちの間に鮮度が落ち、解凍後にドリップが出て、歩留まりと魚価をそのまま落とします。和歌山県新宮市の食縁様は、2015年12月20日に竣工した養殖魚加工場を2016年1月12日に本格稼働させ、ブリを主力に商品ベースで年間3,000トンを処理する国内最大級のラインを整えました。この記事では、水産経済新聞が報じた事例をもとに解説します。
引用元:水産経済新聞 2016年4月18日 掲載(社名は掲載当時のものです)
※本記事は、紙面で報じられた当時の内容をもとに、背景や現在の情報を補って読みやすく再構成しています。

結論:養殖ブリは連続加工とマイナス35℃の急速凍結で、鮮度を保って供給できる
要点は、下処理・急速凍結・保管の三つの能力をそろえ、魚を待たせない一本のラインとして設計したことです。紙面の内容を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掲載紙 | 水産経済新聞(2016年4月18日付) |
| 紙面の見出し | 食縁―国内最大級の養殖加工場、本格稼働へ ブリ主力に年間3000トン(商品ベース)生産 |
| 報じられた企業(当時) | 株式会社食縁様(和歌山県新宮市佐野2122-3) |
| 稼働 | 2015年3月着工、2015年12月20日竣工、2016年1月12日本格稼働 |
| 規模(当時) | 総事業費 約25億円、敷地面積 8,925.75平方メートル、総床面積 2,997.96平方メートル(排水処理施設を除く) |
| 生産品目 | ブリやマダイなどのフィレー・ロイン(冷凍および冷蔵)。ブリを主力に商品ベースで年間3,000トン |
| 下処理設備 | 立体式水圧ウロコ取り機、プレス式ヘッドカッター・テールカッター、三次元おろし機、ブリ専用自動内臓除去機、フィレー洗浄脱水機、スキンナーなど |
| 凍結・保管設備 | 古賀産業(現・株式会社コガサン)のマイナス35℃の3Dフリーザー®と、最大保管量120トンの大型冷凍庫 |
| 今後(当時) | 2016年夏の海外輸出に向け、衛生面・品質面を整備 |
独自の高湿度3D冷気で食品全体を均一に凍らせる3Dフリーザー®が、下処理の速さに見合う凍結能力を担い、養殖ブリの鮮度と歩留まりを守る土台になりました。
養殖魚加工場とは|和歌山県新宮市で2016年に本格稼働した国内最大級の拠点
食縁様は、和歌山県新宮市佐野に養殖魚加工場を建設し、2016年1月12日から本格稼働させました。ブリやマダイなどのフィレー・ロイン(冷凍および冷蔵)を生産する、当時の国内最大級の養殖魚加工場です。1階は加工ラインと大型の冷凍・冷蔵設備、配送用スペースなどで構成され、いずれも将来の規模拡大に備えて十分なスペースがとられていました。2016年夏の海外輸出も見据え、設備と衛生管理を合わせて整えていました。
養殖ブリは、天然魚と違って計画的に水揚げできる強みがある一方、まとまった量の魚を一気に加工・凍結する必要があります。ラインでは、下処理の速度、衛生管理、凍結品質、保管容量のどれか一つでも足りないと、そこで魚が滞留し、商品価値の低下に直結します。
年間3,000トンを支える加工ライン設計|下処理工程の並べ方
国内最大級の処理能力を支えているのは、下処理を「魚を待たせない連続工程」として並べたライン設計です。養殖ブリの下処理は一般に、ウロコ取り・頭と尾の切断・内臓除去・三枚おろし・洗浄脱水・皮むきの各工程で構成され、それぞれが歩留まりと衛生を担います。紙面は各機器の特長も記しています。立体式水圧ウロコ取り機は高速処理能力をもち、三次元おろし機とプレス式ヘッドカッター・テールカッターは高い歩留まりで処理し、フィレー洗浄脱水機は衛生的でドリップも防止し、スキンナーは素早くきれいに皮を剥ぎます。これらにブリ専用自動内臓除去機を加えて工程を連続させると、鮮度低下や臭みの原因になる内臓を早い段階で取り除き、下処理の入口から皮むきまで魚を滞留させない流れを作れます。
これらの機器は、ツネザワ商事の各種最新加工機器、ニッコーのブリ専用自動内臓除去機、日本コンテックの各種加工機器など、専門メーカーの製品で構成されていました。食縁様はこれらを組み合わせ、ブリを主力にしながら多様な養殖魚を効率よく加工できるラインにしていました。
下処理の速さに凍結能力と保管容量をそろえる|3D急速凍結と120トン保管
下処理でフィレやロインにした魚は、加工が終わった順に急速凍結へ流さなければ、待っている間に鮮度が落ちて品質低下の原因になります。3Dフリーザー®と、最大保管量120トンの大型冷凍庫を組み合わせ、下処理から凍結・保管までの処理能力をそろえました。下処理の速さに凍結能力と保管容量を合わせることで、この規模でも魚を滞留させずに処理できます。
3Dフリーザー®は、独自の非貫流熱交換方式(ACVCS®)で熱交換器への着霜を抑え、独自の高湿度3D冷気で食品全体を多方向から包み込んで均一に凍らせる設備です。乾いた冷風で表面から水分を奪いやすい一般的なエアブラスト式と違い、湿度を高く保ったまま強い冷気を当てるため、乾燥や目減りを抑えながら凍らせます。凍結の要点は、水分が氷になる最大氷結晶生成温度帯を短時間で通過させ、微細で均一な氷結晶を作ることです。氷結晶が大きく育ちにくいほど、養殖ブリの組織へのダメージ、解凍時のドリップ、食感の低下、歩留まりの低下を抑えやすくなります。この凍結方式は、身がやわらかい養殖魚にも向いています。
同社は、この急速凍結と保管の設計で高鮮度を維持した安定供給体制づくりを狙い、ブリを中心とした多様な養殖魚の加工の効率化と、海外輸出の強化を見据えた衛生面・品質面の整備を進めました。設備の仕組みと機種の幅は3Dフリーザーの製品ラインナップで紹介しています。
自社の水産加工の規模で急速冷凍機を選び、実際の魚で凍結テストする進め方
急速冷凍機を選ぶときに重要なのは、本体価格そのものよりも、目減り(歩留まりの低下)・電気代・稼働停止の損失を合わせた数年単位のトータルコストです。養殖ブリのように脂の乗りや鮮度で凍り方が変わる魚では、カタログの能力値だけで機種を決めず、実際の魚で仕上がりと処理量を確かめると失敗を避けられます。凍結テストでは、投入時の魚の状態、フィレ・ロインの厚み、トレー配置、包装、解凍条件をそろえ、解凍後のドリップ量・血合いの色・食感と、1回あたりの処理量・中心温度の到達時間を見ます。
自社の養殖魚で凍結テストを行えば、商品に合った機種クラスと凍結条件を、導入前に実機で確認できます。まとまった設備投資だからこそ、実物で品質を確かめてから決められる安心があります。実際の魚での確認は冷凍・冷却テスト・デモ相談からの申し込みが可能です。
養殖魚加工場のライン設計に関するよくある質問
食縁様の養殖魚加工場は和歌山県新宮市佐野にあり、2015年12月20日に竣工して2016年1月12日から本格稼働しました。2016年の報道当時は、ブリやマダイなどのフィレー・ロイン(冷凍および冷蔵)を生産する国内最大級の養殖魚加工場として報じられました。下処理から急速凍結・保管までを一体で設計した点が、この規模を支えた要素です。
年間3,000トンは、年間250日稼働なら1日あたり約12トンの商品を出し続ける規模です。歩留まりを考えれば原魚ベースではさらに大きくなり、下処理・急速凍結・保管のどれか一つでも能力が足りなければ、この量は流れません。自社で目標処理量を置くときも、最盛期の1日あたりの水揚げ量から逆算します。
試せます。実際の養殖ブリなどを、独自の高湿度3D冷気で多方向から包んで凍らせる3Dフリーザー®で凍結し、仕上がりは解凍後のドリップ量や血合いの色、食感で、処理能力は1回あたりの投入量と中心温度の到達時間で確認できます。魚種・脂の乗り・鮮度で凍り方が変わるため、冷凍・冷却テスト・デモ相談から自社の魚で確かめると、合う機種と凍結条件を選べます。
まとめ:年3,000トン規模の養殖魚加工は、下処理の速さに凍結能力と保管容量をそろえて品質と輸出の基盤を固める
水産経済新聞が2016年に報じた食縁様の養殖魚加工場は、ウロコ取りから皮むきまでの下処理を連続工程として並べたライン設計に、マイナス35℃で急速凍結する3Dフリーザー®と最大保管量120トンの大型冷凍庫を組み合わせた事例です。凍結能力と保管容量を下処理の速さにそろえたことが、高鮮度の安定供給と、輸出拡大に向けた品質・衛生の基盤づくりを支える設計でした。乾いた冷風で表面から水分を奪わず、独自の高湿度3D冷気で養殖ブリを多方向から包んで均一に凍らせられることが、この設計で3Dフリーザー®を選ぶ決め手です。魚種・処理量・商品形態が分かれば、合う機種と凍結条件を具体的に絞り込めます。カタログ請求やテストのご相談は、以下からお問い合わせください。
