急速冷凍で品質を安定させたいのに、大型機の設置場所が厨房や作業場になく、初期投資コストも重い。この設置スペースと投資のハードルで、飲食店や小規模の食品加工業者が急速冷凍の導入をあきらめてしまうことは少なくありません。山口県下関市のベンチャー企業エアオペレーションテクノロジーズ(AOT・古賀靖社長。2011年に古賀産業へ吸収合併、現・株式会社コガサン)は、非貫流方式の3Dフリーザー®の開発元です。高さ1.77m・幅84cm・奥行1.15mの小型モデルを開発し、飲食店や中小食品メーカー向けに全国発売すると、2008年4月3日のみなと新聞で報じられました。独自の高湿度3D冷気で食材を包み込んで均一に凍らせるこの方式は、解凍後のドリップ(液だれ)を抑え、刺身や肉の品質を保ちやすいのが特長です。この記事では、この小型化の事例をもとに、限られたスペースと予算で急速冷凍を導入したい小規模事業者が、機種選定・設置・凍結テストをどう進めればよいかを解説します。
引用元:みなと新聞 2008年4月3日 掲載(社名は掲載当時のものです)
※本記事は、紙面で報じられた当時の内容をもとに、背景や現在の情報を補って読みやすく再構成しています。

結論:小型3Dフリーザーでも刺身・精肉・惣菜のドリップと食感の低下は抑えられる
要点は、「設置場所」と「初期投資コスト」という二つのハードルを、小型化と低価格化で同時に下げたことです。紙面の内容を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掲載紙 | みなと新聞(2008年4月3日付) |
| 紙面の見出し | 急速冷凍装置 エア社、小型化し拡販 飲食店・中小食品会社に |
| 報じられた企業 | エアオペレーションテクノロジーズ(AOT・山口県下関市、古賀靖社長。現・株式会社コガサン) |
| 報じられた内容 | 非貫流方式の急速冷凍機「3Dフリーザー」の小型機種を開発し、飲食店・中小食品メーカー向けに全国発売 |
| 小型機の仕様(2008年当時) | 高さ1.77m・幅84cm・奥行1.15m、 |
| 従来の販売実績 | 1台800万円以上の中型機や2,000万円以上の大型機・特注品が中心で、販売先は約220事業所 |
| 資金・支援 | やまぐちドリームファンドが新株予約権付社債で2,000万円を出資、やまぎん地域企業助成基金の助成先にも選定 |
小型フリーザーになっても、独自の高湿度3D冷気で食材を多方向から包み込み、均一に凍らせる原理は変わりません。解凍後のドリップと食感の低下を抑え、刺身や精肉、作り置きの惣菜の品質を保てるため、大型機を設置できない飲食店や小規模の食品加工業者でも急速冷凍を導入しやすくなりました。導入前に、自社の食材で凍結テストを行えば、解凍後の品質と1回あたりの処理量を確認できます。この小型化の系譜は、現在のKOGASUNのテーブル型から大型機までのラインナップに引き継がれています。
事例の背景:3Dフリーザーが小型化し、飲食店・中小食品会社の設備になった
同社が開発した3Dフリーザー®の非貫流方式は、従来の吹き付け式(エアブラスト式)のように乾いた冷風を食材に当てるのではなく、独自の高湿度3D冷気を装置内でゆっくりと循環させ、食材全体を多方向から包み込みます。均一に凍らせながら、食材の水分をほとんど蒸発させません。同社はこの冷却方式について、1998年に日本で特許を取得し、2007年までに米国・韓国・中国・EUでも取得しています。
エアオペレーションテクノロジーズ(AOT)は2011年10月に古賀産業へ吸収合併されました。古賀産業は2022年10月に株式会社コガサン(KOGASUN)へ社名を変更しました。
2008年4月3日のみなと新聞は、この3Dフリーザーの小型モデルが開発され、飲食店や中小食品メーカー向けに全国発売されると報じました。従来の販売実績は高額な中型機や大型機・特注品が中心で、販売先は約220事業所でした。新型は高さ1.77m・幅84cm・奥行1.15mとコンパクトにし、価格を従来の中型機の数分の一に抑えたことで、大型機の設置場所を確保できない事業者にも導入しやすくしました。解凍後も水っぽくなりにくく、焼き上がったギョーザやピザを熱いまま凍結できる使い勝手も紙面は伝えています。資金面では、同年2月にやまぎん地域企業助成基金の助成先に選ばれ、山口県と山口銀行などが設立した「やまぐちドリームファンド」からも新株予約権付社債の引き受けによる出資を受けています。
現在、この3DフリーザーはKOGASUNが提供しており、小型のテーブル型から食品工場での量産に対応する機種まで揃います。装置の仕組みと特長は3Dフリーザーとはで確認できます。
小規模事業者が急速冷凍の導入で抱える課題と、小型機で変わること
飲食店や小規模な食品加工事業者が急速冷凍の導入をためらう理由は、品質への不安よりも、設置場所の確保の難しさと初期投資コストの重さにあります。大型の急速冷凍機は、厨房や作業場に設置する床面積の確保が難しく、搬入経路・三相電源・排水・放熱の条件も重くなります。そのため家庭用冷凍庫や冷凍ストッカーで代用すると、食材の温度がゆっくり下がるため氷結晶が大きく育ち、解凍時にドリップが出て刺身や肉の色と食感が落ち、作り置きの惣菜も水っぽくなりがちです。仕込みを冷蔵だけで回すと日持ちが短く、売れ残りが食材ロスになります。
小型モデルが選べると、この前提が変わります。冷蔵庫1台分ほどのスペースに収まる小型の急速冷凍機なら、厨房や作業場のわずかな空きスペースに設置でき、営業前に仕込んだ刺身・精肉・惣菜をその場で急速凍結できます。解凍後のドリップを抑えて鮮度の良い状態を保てるため、繁忙期でもメニュー提供の品質を安定させ、仕込みの平準化と食材ロスの削減につなげられます。急速冷凍と通常冷凍で品質にどんな差が出るかは急速冷凍と通常冷凍の違いで詳しく解説しています。
小型3Dフリーザー®が省スペース導入の有力な選択肢になる理由
小型でも品質を守れるかどうかは、凍らせ方の仕組みで決まります。3Dフリーザー®は、独自の非貫流方式(ACVCS®)で熱交換器への着霜を抑え、庫内の湿度を高く保ちながら、高湿度3D冷気で食材全体を多方向から包み込んで均一に凍らせます。一般的なエアブラスト式が乾いた冷風で表面から水分を奪いやすいのに対し、庫内の湿度そのものを高く保つため、強い冷気でも食材を乾かさずに凍らせられます。
このとき、水分が氷の結晶に育つ最大氷結晶生成温度帯(-1〜-5℃)を短時間で通過させることで、氷結晶を微細で均一に保ちます。氷結晶が微細なまま保たれるほど、組織へのダメージ、解凍時のドリップ、食感の低下、目減り(歩留まりの低下)を抑えられます。この仕組みは機体の大きさが変わっても同じで、小型モデルを選んでも品質を守る条件は損なわれません。
小型機導入の判断軸と凍結テスト
小型化の事例を自社に当てはめるときの判断軸は、設置スペースと搬入経路、1日の処理量と商品形態、守りたい品質、費用の4点です。検討している小型機が空きスペースに収まるか、営業前の仕込み量に処理が追いつくか、刺身のドリップや惣菜の食感など守りたい品質は何かを整理すると、必要な機種クラスと設置場所が絞れます。機種は3Dフリーザーの製品ラインナップで確認でき、初期費用を抑えたい場合は急速冷凍機のリースとレンタルの違いも確認できます。
導入判断の決め手は、自社の食材での凍結テストです。刺身・精肉・惣菜は脂の量や厚み、下処理の有無で凍り方が変わるため、実際の商品で解凍後のドリップ・食感・色と、1回あたりの処理量を導入前に確認しておくことが重要です。冷凍・冷却テスト・デモ相談をご利用ください。
小型急速冷凍機の導入に関するよくある質問
凍らせる原理は機体の大きさが変わっても同じです。独自の高湿度3D冷気で食材を乾かさず均一に凍らせ、最大氷結晶生成温度帯を短時間で通過させて氷結晶を微細に保つため、小型モデルでもドリップや食感低下を抑えられます。守れる品質は、機体サイズよりも、1回あたりの処理量と、食材に合った運用で決まります。
凍るまでの時間が違います。家庭用冷凍庫やストッカーでは食材の温度がゆっくり下がるため氷結晶が大きく育ち、解凍時にドリップが出て刺身や肉の色と食感が落ちます。小型でも急速冷凍機であれば、氷結晶が育つ温度帯を短時間で通過させて品質を保てるため、仕込みの作り置きや冷凍販売など、商品として品質が求められる用途では代用が利きません。
2008年の報道当時の小型モデルそのものは、現行のラインナップにはありません。現在はKOGASUNが、小型のテーブル型から食品工場向けの大型機まで、3Dフリーザー®のラインナップとして提供しています。現行の機種構成と仕様は3Dフリーザーの製品ラインナップで確認できます。
試せます。実際の刺身・精肉・惣菜で凍結テストを行い、解凍後のドリップ・食感・色や、1回あたりの処理量、中心温度が下がりきるまでの時間を確認できます。食材の脂・厚み・下処理で凍り方が変わるため、実際の商品で確かめると、合う機種と凍結条件を選びやすくなります。冷凍・冷却テストやデモ相談もご利用いただけます。
まとめ:省スペースの小型3Dフリーザー®で、小さな厨房でも品質を安定させる
小規模事業者の急速冷凍の導入を妨げてきたのは、設置場所の確保と初期投資コストでした。エアオペレーションテクノロジーズ(AOT)が幅84cmの小型3Dフリーザーを開発し、価格を抑えて飲食店や中小食品メーカー向けに全国発売した事例は、この設置スペースと投資のハードルを下げる選択肢が2008年の時点で既にあったことを示しています。
小型フリーザーでも、高湿度3D冷気で包み込む凍らせ方は中型機や大型機と変わりません。だからこそ、限られたスペースで刺身や肉、作り置きの品質を守りたい飲食店や小規模の加工場には、小型の3Dフリーザーが有力な選択肢です。機種を先に確定させる必要はありません。厨房や作業場の空きスペースと搬入経路、1日の仕込み量、守りたい品質、費用の条件が分かれば、ご相談の中で合う機種と設置の進め方を絞り込めます。カタログ請求やテストのご相談は、以下からお問い合わせください。
