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はじめにお伝えしたい結論|3音源と2法規、4ステップの対策手順
トンネル型フリーザーの騒音対策で最初に押さえるべきは、音源の切り分け と 法規制が二系統あること の 2 点です。少なくとも次の 4 ステップで整理することが必要です。
- 音源を 3 か所で切り分ける:庫内送風ファン/冷凍機(コンプレッサー・室外機)/コンベア駆動部
- 法規制を 2 系統に分ける:敷地境界は 騒音規制法と自治体基準(昼間 45〜70 dB)、工場内は 厚生労働省の騒音障害防止のためのガイドライン(等価騒音レベル 85 dB 以上で措置)
- 測定で現状を把握する:気になる場所・時間帯・運転条件を揃えて測る
- 音源・音の伝わり方・運用の 3 対策を組み合わせる:先に効きやすい対策から順に打つ
設備側の代表的な選択肢として、3Dフリーザー® は、独自特許技術 ACVCS® で霜の付着を抑える設計、ダクトレス構造で風の通り道を点検しやすい構造、保守性の高さで異音の切り分けが早い点の 3 つで、騒音問題の切り分けと対策を進めやすい設備です。
本記事では、トンネル型フリーザーの騒音対策を、3 音源の切り分け方、敷地境界と工場内の法規制マッピング、測定の進め方、音源・音の伝わり方・運用の具体対策、異音と故障の鑑別までを 2026 年版で整理します。
この記事で分かること
- トンネル型フリーザー騒音の 3 音源(ファン・冷凍機・コンベア)の切り分け方
- 敷地境界(騒音規制法)と工場内(厚労省ガイドライン 85 dB)の二系統法規制
- 騒音測定の進め方(場所・時間帯・運転条件)
- 音源の対策・音の伝わり方の対策・運用の対策の 3 つの切り口
- 騒音と異音(故障兆候)の鑑別ポイント
- 3Dフリーザー® で騒音面を比較検討する際の 3 視点
騒音の発生源は 3 か所に分けて考える
トンネル型フリーザーの騒音は、設備全体から一様に出ているわけではありません。主に次の 3 か所 から発生しやすく、対策の効き方も発生源ごとに変わります。
庫内送風ファン
トンネル型フリーザーでは、庫内送風ファンの回転音と風切り音が大きな要因になりやすくなります。風量が大きい設備や、フィン間隔が狭く高静圧が必要な設備ほど、ファン側が主音源になりやすい傾向があります。
ファンが主音源の場合、インバーターでの回転数制御 や 羽根形状の見直し が対策候補になりますが、冷却能力との両立が必要です。
冷凍機(コンプレッサー・室外機)
コンプレッサーや室外機の音は、屋外設置の場合に 敷地境界や近隣住宅側で問題になりやすい ポイントです。工場内より外側で苦情が出る場合は、まず冷凍機側の影響を疑います。
冷凍機の運転音は、低音域を含むことが多く、夜間に「うなり音」として近隣に届きやすい 特性があります。住宅地に隣接した工場では、冷凍機の設置位置と防音囲いの検討が早期から必要です。
コンベア駆動部
チェーン、ローラー、モーター、減速機まわりの機械音も無視できません。ガタつき・部品摩耗・潤滑不足・ベアリング劣化 があると、新品時の数倍の音量になることがあります。
コンベア駆動音は、設備劣化のシグナルでもあるため、騒音対策と保守を切り離さずに見直すことが重要です。
法規制は二系統に分けて整理する
騒音対策で読者が最も混乱するのが、「近隣対応の話」と「従業員保護の話」が同じ “騒音” という言葉でひとくくりにされている 点です。法令上は完全に別の系統で運用されているため、最初に分けて整理する必要があります。
敷地境界の規制(環境省・近隣対応)
敷地境界での騒音は、騒音規制法(昭和 43 年法律第 98 号) と、各自治体が定める区域・時間帯ごとの基準値で運用されます。全国一律の単一基準ではなく、都道府県知事が指定する地域の中で、市町村長が区域区分と時間帯ごとに基準を定める 仕組みです。
環境省告示の特定工場等の騒音基準では、区域と時間帯によって以下の幅で運用されます。
| 区域区分 | 朝 (6〜8時) | 昼間 (8〜18時) | 夕 (18〜22時) | 夜間 (22〜6時) |
|---|---|---|---|---|
| 第1種 (住宅専用) | 40〜45 dB | 45〜50 dB | 40〜45 dB | 40〜45 dB |
| 第2種 (住宅中心) | 45〜50 dB | 50〜60 dB | 45〜50 dB | 40〜50 dB |
| 第3種 (住商工混在) | 55〜65 dB | 60〜65 dB | 55〜65 dB | 50〜55 dB |
| 第4種 (工業地域) | 60〜70 dB | 65〜70 dB | 60〜70 dB | 55〜65 dB |
実際の確認は所在地の自治体基準が優先です。検討前に 管轄の市町村環境課または保健所 に問い合わせ、適用区分と基準値を確認します。
工場内の規制(厚生労働省・労働者保護)
工場内の騒音は、厚生労働省 騒音障害防止のためのガイドライン(令和 5 年 4 月 20 日 基発 0420 第 2 号) を軸に確認します。
対象作業場で 等価騒音レベル(LAeq)が 85 dB 以上となる可能性がある場合、以下の措置が必要になります。
- 作業環境測定(6 か月以内ごと)
- 騒音作業の表示
- 聴覚保護具(耳栓・耳覆い)の備え付けと使用
- 労働者への健康診断(雇入時・配置替時・6 か月以内ごと)
つまり、近隣対応の話(敷地境界・dB 値の上限) と 従業員保護の話(工場内・85 dB の管理基準) は、同じ「騒音」でも適用法令・所管官庁・基準値の意味が違うため、最初に分けて整理する必要があります。
騒音測定の進め方
対策の検討は、必ず 現状測定 から始めます。測定なしの対策は、効果検証ができず、過剰投資につながります。
1. 気になる場所を決める
「どこで」騒音が問題になっているかを最初に明確にします。
- 作業者の耳元(労働環境)
- 工場内の通路や事務所側(労働環境)
- 敷地境界(近隣対応)
- 近隣住宅の壁面(近隣対応)
場所によって参照する基準も対策の優先度も変わります。
2. 時間帯と運転条件を揃える
騒音は 時間帯と運転条件で大きく変動 します。比較する場合は条件を揃えて測ることが重要です。
- 立ち上げ時
- 通常運転時
- デフロスト時
- 高負荷運転時
- 夜間・早朝(近隣対応の場合は特に重要)
3. 主音源を切り分ける
一台の設備でも、複数の音源が重なって聞こえます。順番に停止して測定 することで、各音源の寄与度が把握できます。
- ファンのみ停止して測定
- 冷凍機のみ停止して測定
- コンベアのみ停止して測定
4. 測定機器と測定者の要件
労働安全衛生法上の作業環境測定は、作業環境測定士(または作業環境測定機関) による測定が必要な場合があります。社内測定で現状把握を行った上で、正式な測定が必要な範囲は専門業者に依頼するのが実務的です。
騒音対策は 3 つの切り口で組み合わせる
対策は、音源・音の伝わり方・運用 の 3 つの切り口に分けて、効果が大きく投資の小さいものから順に打つのが基本です。
音源対策|音そのものを小さくする
最も効きやすいのは、音源そのものを小さくする対策です。
- ベアリング・駆動部の点検と劣化部品の交換
- ファン・モーター・減速機の状態確認
- 防振材・防振ゴムの見直し
- 風の通り道の汚れ・霜の付着による異常音の解消
異音が出ている状態を放置すると、騒音だけでなく 設備故障・突発停止 につながることがあります。
音の伝わり方の対策|音の伝わり方を見直す
音源をゼロにできない場合は、音の伝わり方 を見直します。
- 冷凍機の設置位置の見直し(敷地境界から離す・建屋内に収納する)
- 防音パネル・防音囲いの設置
- 壁・架台への振動の伝わりを抑える(防振架台・配管の防振継手)
- 近隣側を向く開口部の遮音
運用対策|運転条件と時間帯を見直す
設備改造だけでなく、運用 で改善することもあります。
- 夜間運転条件の見直し(ファン回転数の制御・運転台数の調整)
- 点検周期の短縮(劣化による音量増加の防止)
- 定期測定の実施(基準値との差を継続把握)
- 苦情が出やすい時間帯の運転計画の見直し
騒音と異音は分けて考える|故障兆候の鑑別
「騒音対策」と思っていたら、実は 故障の前兆 だったというケースが少なくありません。次の症状がある場合は、防音対策ではなく トラブル対応 として見るべきです。
| 症状 | 想定される原因 |
|---|---|
| 金属音 (カチカチ・カラカラ) | ベアリング摩耗/部品接触/異物混入 |
| 急な振動増加 | 軸受劣化/取付ボルト緩み/配管共振 |
| うなり音 (低い音域が続く音) | コンプレッサー異常/冷媒不足/インバーター不調 |
| 周期的な打音 (ドンドン・ガッガッ) | 部品干渉/コンベアチェーン異常/ファン羽根接触 |
異音を防音パネルで覆うと、故障の発見が遅れて被害が拡大 することがあります。異音は必ず原因特定を先行させ、対策はトンネル型フリーザーのトラブルシューティングやメンテナンス完全ガイドを参照してください。
3Dフリーザー® で騒音面を比較検討する 3 視点
騒音対策は、運用が始まってから慌てて考えるより、設備比較の段階で見ておく方が選択肢が広がります。3Dフリーザー® では、次の 3 点が騒音文脈での比較材料になります。
1. ACVCS® で霜の付着を抑え、ファン側の異常音が出る条件を減らす
ファン側の異常音は、霜が付いてファンに負荷がかかること・風の通り道が霜でふさがること で起きるケースが多いです。3Dフリーザー® は独自特許技術 ACVCS® で霜の付着を抑える設計のため、ファン側の異常音が出る条件そのものを減らせます。
2. ダクトレス構造で風の通り道の汚れを点検しやすい
ダクトレス構造は、洗浄しやすさだけでなく 風の通り道や付いた霜の状態を直接見ながら点検 できる点が騒音対策でも有効です。ファン側の異常音は風の通り道の汚れ・付いた霜・部品接触で起きることが多いため、点検しやすさが原因の切り分けの早さに直結します。
3. 保守性が高く異音発生時の切り分けが早い
異音は、保守性の差がそのまま切り分けのしやすさ に出ます。3Dフリーザー® では、日常点検と定期点検のしやすさで、騒音増加の原因を早く特定でき、突発停止のリスクを下げられます。
詳細な機種仕様と設置条件は、3Dフリーザー® 製品ラインナップをご確認ください。
騒音対策を整理したい方へ
現状の騒音源・敷地条件・労働環境を整理すると、対策の優先順位を決めやすくなります。KOGASUN の資料確認や個別相談をご希望の際は、以下からご利用ください。
関連して確認したいページ
- 異音の切り分けを進めたい方:
- 点検全体を見直したい方:
- 設置条件から整理したい方:
- 電気容量や冷凍機条件も見たい方:
トンネル型フリーザーの騒音対策に関するよくあるご質問
A. 主には 庫内送風ファン・冷凍機・コンベア駆動部 の 3 か所です。風量が大きい設備はファン、屋外設置で近隣苦情が出るのは冷凍機、設備劣化が進んだ場合はコンベア駆動部が主音源になりやすい傾向があります。どこが主音源かで対策が変わるため、順番に停止しての測定で切り分けが必要です。
A. 一律ではありません。騒音規制法の枠組みはありますが、区域区分と時間帯で基準が変わり、最終的には自治体ごとの確認が必要 です。住宅地は昼間 45〜50 dB、工業地域は昼間 65〜70 dB のような幅で運用されます。検討前に管轄の市町村環境課に問い合わせ、適用区分と基準値を確認してください。
A. 厚生労働省 騒音障害防止のためのガイドライン(令和 5 年改定) では、等価騒音レベル 85 dB 以上となる可能性がある作業場で、作業環境測定・聴覚保護具の備え付け・健康診断などの措置が必要になります。実際には作業内容と対象作業場の条件もあわせて確認が必要です。
A. 適用範囲・所管官庁・基準値の意味が違います。騒音規制法は 環境省所管・敷地境界での近隣対応 を目的とし、自治体ごとに区域・時間帯で基準が決まります。労働安全衛生法と関連ガイドラインは 厚生労働省所管・工場内での労働者の聴覚保護 を目的とし、85 dB を管理基準とします。同じ「騒音」でも別系統で対応が必要です。
A. 社内での現状把握はサウンドレベルメーターで可能ですが、労働安全衛生法上の作業環境測定は、作業環境測定士または作業環境測定機関による測定が必要 な場合があります。敷地境界の正式測定も、自治体への報告用には専門業者への依頼が安全です。社内測定で現状を把握し、正式測定が必要な範囲を専門業者に依頼するのが実務的です。
A. 音源対策・運用対策を先に検討してから が基本です。音源そのものの劣化(ベアリング摩耗・部品接触)を放置して防音パネルだけ被せると、故障の発見が遅れる リスクがあります。点検と部品交換で異常音を解消した上で、それでも基準値を超える場合に防音パネルや音の伝わり方の対策を検討するのが順序です。
A. 苦情の事実確認と現状測定の同時着手 が最初の対応です。具体的には、苦情の時間帯・場所・音の特徴を聞き取り、同条件で敷地境界の dB を測定します。並行して、自治体の適用基準を確認します。安易な防音工事の前に、夜間運転条件の見直し・冷凍機運転台数の調整 で改善するケースも多いため、運用対策から着手するのが投資効率の面でも有利です。
A. 冷凍機は 低音域を含む運転音 を出すため、敷地境界や近隣住宅側に近いほど苦情が出やすくなります。設置位置の見直し・建屋内収納・防音囲いで改善できますが、設備導入時のレイアウトで詰めておく方が後付け対策より費用対効果が高い ため、設置検討の早い段階で配置を決めることが重要です。
A. 必ず修理(原因特定)を優先 します。金属音・急な振動増加・うなり音・周期的な打音は、ベアリング摩耗・部品干渉・冷媒不足・コンプレッサー異常などの 故障の前兆 であることが多いためです。原因を特定せず防音対策を被せると、被害が拡大します。詳細はトンネル型フリーザーのトラブルシューティングを参照してください。
A. ACVCS® で霜の付着を抑える設計(ファン側の異常音が出る条件を減らせる)、ダクトレス構造で風の通り道を点検しやすい構造、保守性の高さで異音の切り分けが早い点 の 3 つを比較材料として見てください。dB の絶対値での優劣ではなく、騒音問題が起きた時の 対策の取りやすさ で比較するのが実務的です。詳細は3Dフリーザー® 製品ラインナップを確認してください。
A. はい、お問い合わせフォームから現場条件(設備機種・設置環境・苦情の有無・敷地条件)をお知らせいただければ、KOGASUN の技術営業が騒音対策の進め方を個別にご案内します。
まとめ
トンネル型フリーザーの騒音対策は、ファン・冷凍機・コンベア駆動部の 3 音源切り分け、敷地境界(騒音規制法)と工場内(厚労省ガイドライン 85 dB)の二系統法規制、測定・音源・音の伝わり方・運用の対策手順 の 3 軸で整理すると、対策の優先順位と投資の順序が見えます。
いきなり防音パネルなどの大きな設備対策に入るより、まずは測定、主音源の切り分け、点検と保守の見直し から進める方が、費用対効果の高い対策につながりやすくなります。異音は故障の前兆であることが多いため、安易な防音は避け、必ず原因特定を先行させてください。
設備側の選択肢として、3Dフリーザー® は、ACVCS® で霜の付着を抑える設計、ダクトレス構造で点検しやすい構造、保守性の高さで、騒音問題の切り分けと対策を進めやすい設備です。設備比較の段階から騒音面を含めて検討することで、後付け対策の費用と労力を抑えられます。
