トンネル型フリーザーは、食品業界で利用される“トンネル状”の冷却空間を通過させることで、大量の食品を一度に急速冷凍するための装置です。冷却時間を大幅に短縮できるだけでなく、食品の品質維持や省エネルギーにもつながる優れた特徴があります。以下では、トンネル型フリーザーの基本的な仕組みやメリット、導入のポイントなどを分かりやすく解説します。
Contents
トンネル型フリーザーの基本構造と仕組み
1. トンネル構造
トンネル型フリーザーは、その名の通りトンネル状の長い空間を持ちます。食品を搬送ベルトなどで一方向に移動させながら、冷気を食品全体に行き渡らせる構造になっています。これにより、食品を連続的にかつ均一に冷却することが可能です。
2. 急速冷凍による品質保持
食品を急速に凍結すると、内部の水分が細かい氷結晶となり、品質が劣化しにくくなります。特に、冷凍野菜や冷凍魚介類などの鮮度保持において、トンネル型フリーザーが活躍します。
- 細胞破壊が起こりにくい
- 解凍後のドリップ(旨味や栄養素の流出)を抑えられる
3. 省エネルギーとコスト削減
トンネル型フリーザーは連続稼働や循環冷却などのシステムにより、消費エネルギーの最適化を図ることが可能です。効率よく冷却できるため、運転コストの削減につながるケースが多いのも大きなメリットです。
トンネル型フリーザーが選ばれる理由
1. 大量生産ラインへの対応
食品工場などでは、大量の食品を短時間で処理する必要があります。トンネル型フリーザーは、ベルトコンベヤーなどによって食品を連続的に流し込むため、大量生産ラインとの相性が良いです。生産能力の向上を目指す現場では欠かせない設備となっています。
2. 多彩な食品への対応
凍結が必要な食品といっても、その種類や形状はさまざまです。トンネル型フリーザーは、冷却温度や通過速度を調整することで、野菜・肉・魚介類・惣菜など幅広い食品に対応できる柔軟性を持ちます。
3. 衛生面の強化
食品衛生が厳しく求められる現場では、トンネル内部の洗浄や消毒がしやすい構造が重視されます。トンネル型フリーザーは、分解や洗浄がしやすい設計が可能で、衛生レベルの維持に大いに貢献します。
トンネル型フリーザー導入時の注意点
1. 設置スペースの確保
トンネル型フリーザーは長いベルトコンベヤーを備えることが多いため、設置場所やレイアウトの事前確認が必須です。生産ライン全体の動線を考慮しながら、配置を最適化することがポイントです。
2. メンテナンスコスト
高性能な設備である分、定期的なメンテナンスや部品交換が発生します。導入前にメンテナンス体制とコストを把握しておくことで、長期的な運用をスムーズに進めることができます。
3. 運用パラメータの最適化
急速冷凍のために極低温で稼働させると、コストやエネルギー使用量が増大する可能性があります。
- 冷却温度
- 通過速度
- 送風量
これらの運用パラメータを適切に管理することで、品質とコストをバランス良く両立させることが可能です。
トンネル型フリーザーの今後の展望
食品の高品質化やロス削減が叫ばれる中、トンネル型フリーザーはますます需要が高まると予想されます。また、省エネルギー性能の向上や自動化技術の進歩に伴い、生産効率のさらなるアップが期待されます。更なる生産効率アップを目指す方にお勧めなのが、3Dフリーザー®です。
3Dフリーザー®は、従来の冷凍技術をさらに進化させた新たな冷凍技術を備えているからです。その鍵となる技術は、ACVCS® (Anti Cycle Vibration Cold System)という特許取得済みの高湿度冷気システムです。このシステムは、冷却・冷凍の機能を兼ね備えているだけではなく、三次元的に風を当てることでムラなく冷却・冷凍することができ、乾燥からも守ることができます。
また、温かい食品をそのまま冷凍することが可能で、食品の品質を最大限に保つと同時に、さまざまな課題を解決します。
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まとめ
トンネル型フリーザーは、大量の食品を効率的かつ急速に凍結できる画期的な装置です。急速冷凍による品質保持や大量生産ラインへの対応、さらに省エネルギー効果など、多くのメリットが魅力となっています。一方で、設置スペースの確保やメンテナンスコストなどの注意点もあり、導入には事前の検討が欠かせません。食品の品質向上とコスト削減が求められる現場において、トンネル型フリーザーは今後も重要な役割を担う存在であり続けるでしょう。
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