
Contents
サワラの基本情報
サワラは、春から初夏にかけてが旬の青魚で、淡白でありながら上品な脂が乗った美味しい白身魚です。良質なタンパク質を豊富に含み、DHAやEPAといったオメガ3脂肪酸も含まれているため、生活習慣病予防や脳機能の向上に効果的です。また、ビタミンDやビタミンB群も含まれており、骨の健康維持や代謝促進にも役立ちます。
国内では主に瀬戸内海沿岸、特に岡山県や香川県、山口県などが主な水揚げ地として知られています。新鮮で美味しいサワラを選ぶポイントは、身が引き締まっていて弾力があり、目が澄んでいて突出していないもの、鰓が鮮やかな赤色をしているものが良質です。また、全体に透明感があり、表面に光沢があるものを選ぶと良いでしょう。
サワラを冷凍保存する理由は、旬の時期に購入した新鮮なサワラを長期間楽しむためです。また、まとめ買いした際に鮮度を保ちながら日持ちさせることができるのも大きなメリットです。冷凍することで、うま味成分を逃さず、いつでも美味しく食べられるようになります。
サワラの冷凍保存方法
まず、サワラを冷凍する際の準備として、新鮮なサワラを購入したらなるべく早く処理することが大切です。サワラは一匹丸ごと購入した場合、三枚におろして皮を引き、中骨を取り除いておくと後の調理が楽になります。身が大きい場合は、一食分ずつの大きさに切り分けておくと使いやすくなります。
切り身やブロックにしたサワラは、一食分ずつに小分けにし、ラップで一切れずつ包み、空気に触れないようにしっかりと包むことがポイントです。この時、水分を拭き取ってから包むと、冷凍焼けを防ぐことができます。その後、フリーザーバッグに入れて脱気し、密封します。保存に適した袋は、冷凍用のジップロックなどの密封性が高いものが望ましいです。
また、サワラの塩焼き用に一夜干しにして冷凍保存する方法もあります。サワラの切り身に塩をまぶし、冷蔵庫で2〜3時間ほど置いた後、水気を拭き取ってからラップとフリーザーバッグで密封保存します。これにより、解凍後すぐに焼くだけで美味しい塩焼きが楽しめます。
冷凍庫の温度は-18℃以下に設定し、できるだけ奥の方に置くことで、温度変化の影響を受けにくくなります。また、冷凍日や内容物を記入したラベルを貼っておくと、後で管理しやすくなります。適切に保存された冷凍サワラは、約1〜2ヶ月程度は品質を保ったまま保存可能です。
サワラの解凍方法と美味しく食べるコツ
冷凍サワラの解凍方法はいくつかあります。最も良い方法は、冷蔵庫でゆっくりと時間をかけて解凍する方法です。前日の夜に冷蔵庫に移し、翌日使用するというのが理想的です。この方法だと、サワラの繊細な食感や風味を損なうことなく解凍できます。
急いでいる場合は、フリーザーバッグのまま流水で解凍する方法があります。ただし、水温は常温か冷水を使い、サワラが直接水に触れないようにして解凍してください。解凍時間は切り身の厚さによりますが、一般的には30分から1時間程度で解凍されます。
解凍後のサワラは、塩焼きや西京焼き、ムニエル、照り焼きなど様々な調理法で美味しく食べられます。特に、シンプルな塩焼きはサワラ本来の旨味を最大限に引き出す調理法です。また、サワラの刺身や炙り刺身も絶品ですが、冷凍した場合は完全に生で食べるよりも、軽く炙るか火を通す料理の方が安全で美味しく食べられます。
解凍したサワラは、表面の水気をしっかりとキッチンペーパーで拭き取ってから調理することで、身が崩れにくくなります。また、焼く際は強火で短時間で焼き上げると、身が柔らかく仕上がります。香り付けにレモンや大葉、生姜などを添えると、サワラの風味がより引き立ちます。
解凍方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
解凍の仕方ひとつで、味・食感・ジューシーさは大きく変わります。とくに急速冷凍した食材は、正しい解凍でこそ本来の旨みを取り戻せます。とはいえ手法は複数あり、スピード・おいしさ・安全性のバランスはまちまちです。まず結論を示し、そのうえで6つの手法を比較しながら最適解を分かりやすく解説します...
より高度な冷凍品質を保持する方法

サワラをはじめとした魚介類は家庭でも冷凍保存が可能ですが、業務用急速冷凍機を使用することで、さらに高度な品質を保持した冷凍保存が可能になります。魚の繊細な風味や食感を保つためには、プロの冷凍技術が欠かせません。
一般的な冷凍と急速冷凍の違いは、冷凍速度にあります。家庭用冷凍庫ではゆっくりと凍結するため、細胞壁が破壊されやすく、解凍時にドリップ(うま味成分を含む水分)が出やすくなります。一方、急速冷凍では短時間で凍結するため、細胞破壊が最小限に抑えられ、解凍後も鮮度や風味を保つことができます。
一般的な冷凍と急速冷凍の違いは、こちらの記事で詳しく解説しています。
「急速冷凍」という言葉をよく見かけるけれど、通常冷凍(緩慢冷凍)と何がどう違うのか。つまり、その違いは氷結晶の大きさと通過時間に集約され、解凍時の食感・ドリップ・保存期間を大きく左右します。本記事は、最大氷結晶生成温度帯(-1℃〜-5℃)の考え方から、メリット/デメリット、家庭で品質を上げ...
食品の鮮度や美味しさを保つ冷凍方法としてお勧めしたいのが、3Dフリーザー®です。3Dフリーザー®は、世界各国で特許取得の3D凍結技術を搭載し、食品業界での導入事例も多く、その効果が実証されています。通常の業務用急速冷凍機では冷凍不可能な食材にも対応しており、サワラなどの魚介類も鮮度や旨味を損なうことなく高品質な冷凍が可能です。
実際に3Dフリーザーをお使いいただいている水産加工様の導入事例
広島県江田島市。瀬戸内海の豊かな漁場を持つこの地で、漁業から水産加工、そして居酒屋やカフェまでを手掛ける「株式会社七宝丸」様。 「とれたての魚を、一番美味しい状態で食べてほしい」という漁師ならではの熱い想いを持つ同社ですが、相手は自然。 特に人気の「生しらす」は旬が短く、鮮度劣化も早いため...
広島県内で「すし亭」をはじめとする人気飲食店を複数展開する「株式会社ひのき」様。 新鮮な魚を市場で直接買い付け、各店舗へ配送する「セントラルキッチン」機能を持つ同社ですが、自然相手の漁業ゆえに「仕入れの不安定さ」や「価格高騰」といったリスクと常に隣り合わせでした。 さらに、近年の飲食業界で...
「博多の台所」と呼ばれる福岡市中央卸売市場鮮魚市場。 ここに、創業50年を超えるふぐ専門の仲卸・加工会社「株式会社ふくます水産」様があります。 冬の味覚の王様「とらふぐ」を専門に扱う同社ですが、養殖業者との共存共栄のためには、需要の少ない夏場も含めた「通年仕入れ」が不可欠でした。 「一年中...
山口県萩市須佐。ここに、全国からイカ好きがこぞって押し寄せる名店があります。 活イカ専門の「口福の馳走屋 梅乃葉(うめのは)」様。 地元ブランド「須佐男命いか(すさみこといか)」を、注文が入ってから生簀(いけす)ですくい上げる“超高鮮度”で提供することにこだわり抜いた同店。 そんな鮮度のプ...
福岡県北九州市。ここに、実店舗を持たないにもかかわらず、「日本一おいしい鰻の蒲焼」を作るという高い目標を掲げる会社があります。 創業40年の歴史を持つ「株式会社福岡養鰻(ブランド名:まんてんや)」様。 職人が炭火で手焼きする独自の「豊前小倉流」は、外はパリッと、中はふっくらとした食感が命。...
広島県広島市に拠点を置く「株式会社カネウ」様は、生産量日本一を誇る「広島牡蠣」を全国の量販店や市場へ届ける水産卸のプロフェッショナルです。 「海のミルク」と呼ばれる濃厚な旨味を持つ牡蠣ですが、生鮮食品ゆえに旬が限られ、品質保持が難しいという課題がありました。 「旬の美味しさを、一年中変わら...
