引用元:水産新聞 2023年2月20日 掲載
札幌市の水産物卸、株式会社フジウロコ大橋水産は、自社製造の加工品を拡充し、商品の供給力を強化しました。まず、特殊冷風乾燥機と急速冷却冷凍装置を導入。さらに、加熱調理機を併用し、刺身商材や焼成済み品のラインアップを広げています。
導入の背景
従来は他社への製造委託が中心でした。今回、自社製造へ切り替えることで、コストと品質を一体管理。結果として、商品力の底上げと安定供給を実現しています。
導入した主な設備
- 特殊冷風乾燥機(GSK「テイストモディフィア」):低温でじっくり乾燥し、うま味を凝縮。「皮はパリッと、身はふっくらジューシー」に仕上がります。
- 急速冷却冷凍装置(コガサン「3Dフリーザー®」):冷・解凍で生と遜色のない品質をめざします。相場や身質が良い時期に仕入れて、品質を保ったまま保管できます。
- スチームコンベクションオーブン(ラショナル):予備冷却なしで投入でき、焼成済み商品の量産と品質安定に寄与します。
製造・商品ラインアップの拡充
干物は、従来自社規格での委託製造からすべて自社製造へ。主な魚種は、ホッケ、サバ、ニシン、銀ガレイです。特に、450g特大サイズの開きホッケは、FOOD PROFESSIONAL AWARD(一般社団法人フードプロフェッショナル協会主催)2022年度食品部門で最高ランクの三つ星を獲得しました。
さらに、3Dフリーザー®の特性を生かし、トラウトサーモン、しめさば、マダラの昆布じめなどの刺身商材を展開。加えて、スチコン活用でザンギ(ホッケ・サケ)やスティック(ホッケ・サバ)などの焼成済み即食商品を開発しています。
販路と提供シーン
主力の業務用卸では、自衛隊、福祉施設、ビジネスホテルの朝食向けなどに供給を拡大。近年は、調理人材の不足から湯せん等で温めるだけで提供できる調理済み食材のニーズが高まっており、同社はこの需要に的確に応えています。
一方で、小売も強化。社屋前に設置した冷凍自動販売機で焼成済み商品を販売。さらに、札幌中心部の商業施設「大通BISSE」では、月3~4回のワゴンショップを出店し、マーケティングを兼ねた販売を行っています。
今後の展開
自社設備の活用により、安定供給と商品力の両立を推進。刺身商材と即食商品の両輪で、業務筋から小売まで販路を広げていきます。
引用元:水産新聞(2023年2月20日 掲載)/ 製品・設備名:GSK「テイストモディフィア」、コガサン「3Dフリーザー®」、ラショナル製スチームコンベクションオーブン

