山口県 ベトナムに水産インフラ輸出へ

引用元:みなと新聞 2017年5月18日 掲載

ODAで鮮度管理システム

山口県とベトナム・キエンザン省は山口県庁で16日、県内企業の水産インフラ輸出を目指し、水産物の鮮度管理システム輸出を推進する覚書に調印した。政府開発援助(ODA)案件でベトナムでの展開を目指す。

山口県は県内の水産関連企業が持つ鮮度保持技術インフラをパッケージ化し、鮮度管理や衛生面で課題を持つベトナムに輸出する構想を進める。昨年10月に藤田雅史フジミツ社長を発起人に「水産インフラ輸出構想研究会」が発足。昨年12月にベトナムのキエンザン省とビンディン省を視察し、輸出先を同国で最大の年間45万トンを漁獲するキエンザン省に決めた。

来年度以降にODA事業に採択を目指して今夏までに調査事業に着手、現地の具体的なニーズを調べる。県によると「ODA案件に採択されれば、コールドチェーンシステムをパッケージ化し輸出する事例は国内初」という。

調印式は県から村岡嗣政山口県知事はじめ6人、キエンザン省はファム・ヴー・ホンキエンザン省人民委員会委員長ら政府関係者ら12人が出席。ファム委員長は「実際に山口県の企業を視察し、魚の鮮度管理や物流の高い技術に驚いた。キエンザンは鮮度管理で大きな問題を抱えている。山口県に技術指導を仰ぐことで水産物の品質が向上すると信じている」と意欲を示した。

村岡知事は「山口県には水産物の漁獲から流通まで鮮度管理に高い技術を持つ企業が集積する。国内成長が見込めない中、キエンザン省にパッケージで技術輸出を進め、ウイン・ウインの関係を構築したい」と述べた。

一行はFRP漁船製造のニシエフ(下関市)やフジミツ(長門市)、製氷業のユタカ冷蔵(同)、古賀産業(下関市)、下関漁港市場(同)などを視察し、18日に離県する。

 

覚書を交わす村岡知事(右)とファム委員長
ベトナム 山口
2017年05月17日 19時00分 配信

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