引用元:食肉通信社(2009年7月25日掲載)
※本記事は掲載内容をもとに、可読性に配慮して再構成しています。
3次元冷凍(3Dフリーザー)とは
従来の冷凍は「一方向」から冷気を当てる2次元冷凍が主流でした。
一方、KOGASUNが開発した3次元冷凍(3Dフリーザー)は、立体的(3D)に冷気が循環し、食材を包み込むように冷却・凍結します。
この方式を支えるのが、独自のACVCS方式(Anti Cycle Vibration Cold System)。
庫内全体を高湿度環境に保ち、食材の乾燥・霜付き・冷凍焼けを防止します。
結果として、目減りを抑えつつ高い歩留まりを実現し、解凍後も新鮮な食感と色味を維持できます。
Q1. なぜ霜がつかないの?
3D冷凍は、食材に直接冷気を当てず、庫内の空気を立体的に流動させることで湿度を高く保ちます。
これにより、表面が乾燥して霜が付く現象を抑え、見た目・風味・食感の劣化を防ぐのです。
高湿度+立体冷気 → 霜を抑え、色と質感をキープ
Q2. なぜドリップが出ないの?
鮮度を落とさずに冷凍するには、食品が氷結する温度帯(0℃〜-7℃)を素早く通過させる必要があります。
時間をかけすぎると氷結晶が大きくなり、細胞膜を破壊してドリップ(アミノ酸、栄養などが流出した汁)が発生します。
3Dフリーザーは、約-35℃の振動冷気でこの温度帯を瞬時に通過。
氷結晶を微細化し、解凍後も水分や栄養の流出を抑制します。
顕微鏡による比較では、氷結晶の大きさが一般冷凍の約1/100。
これが、3D冷凍が「ドリップ知らず」と言われる理由です。
振動冷気が“細胞を守る”——これが3D冷凍のコア技術です。
導入事例:東洋食肉販売株式会社(埼玉県川口市)
焼肉店向け食材を中心に約400品目を扱う老舗食肉業者、東洋食肉販売株式会社。
冷蔵・冷凍倉庫だけで約500㎥を運用し、日々大量の食材を取り扱っています。
「冷凍がとにかく速く、レバーやタンなどの黒ずみが解消できました」
同社では、液体凍結など他方式も検討しましたが、設備が大きすぎて工場に導入できない課題がありました。
そこで、既存冷凍庫の冷却ファンを3Dユニットに置き換えるだけで導入可能な点を評価し採用。
結果、
- 冷凍スピードの大幅向上
- ドリップの発生抑制
- レバー・タンの黒ずみ防止
- 倉庫内の霜付き抑制
など、多くのメリットを実感されています。
「年末の繁忙期でも品質を落とさず一定量を確保できる」との声も。
- 会社概要(東洋食肉販売株式会社)
創業:昭和39年(1964年) 丸忠畜産として創業 - 法人設立:昭和43年 東洋食肉販売株式会社
- 関連会社:オリエンタルフーズ(惣菜製造)
- 事業内容:焼肉店向け食肉・加工品販売
- 取扱品目:400品目以上



