
急速冷凍は、食品の水分を素早く凍らせて氷晶を微細化することで、解凍後も食感・風味・歩留まりを高く維持できる保存技術です。HACCP制度化の時代、温度・時間の管理を軸に、品質と安全、収益性を同時に高めます。まずは基礎から、装置の種類、法的基準、導入手順、活用事例までを総合的に解説します。
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Contents
急速冷凍とは?基礎知識
急速冷凍は、食品の温度が最大氷結晶生成帯(概ね−1〜−5℃)を短時間で通過するように冷却し、細胞損傷の原因となる大きな氷晶の生成を防ぐ考え方です。科学的には、凍結速度が速いほど氷晶は小さく均一になり、解凍時のドリップや食感劣化を抑制します(参考:氷結晶形態と品質、凍結速度とドリップ損失)。
通常冷凍との違い
- 氷晶サイズ:急速冷凍は氷晶が微細で細胞破壊が少ない。通常冷凍は氷晶が大きくなりやすい。
- 解凍品質:急速冷凍はドリップ・色・香りを抑制。歩留まりと満足度に直結。
- 衛生管理:短時間でコア温度を下げるため、微生物増殖リスク管理にも有利(HACCP)。
急速冷凍の主なメリット
- 味・食感の保持:微細氷晶で細胞壁の破壊を抑制し、解凍後の食感・ジューシーさを維持。
- ロス削減・平準化:仕込みの平準化、品切れ・廃棄の縮小、在庫の計画化。
- 販路拡大:「お店の味」を遠方・ECにも。導入事例を参照。
- 衛生・安全:生食用途では寄生虫(例:アニサキス)対策として、−35℃で15時間または−20℃で7日などの凍結条件が推奨されます(参考:CDCガイダンス)。※魚種・用途により要件が異なります。必ず所管の最新指針を確認ください。
温度管理と法規(日本・国際)
- HACCP制度化(日本):2021年より原則すべての食品等事業者にHACCPが制度化(厚生労働省)。
- 凍結・保存基準(日本):「冷凍食品」の保存は−15℃以下等の基準(厚労省 資料)。
- 国際的指針:CodexのQuick Frozen Foods実施規範(CXC 8-1976)。EU域内では流通時の温度監視などを詳細化(例:Reg. (EC) 37/2005)。
急速冷凍機の種類と選び方
処理量・品目・設置環境・ライン化の要否で選定します。KOGASUNの3Dフリーザーは、高湿度・三次元気流による均一凍結で品質保持に強みがあります(3Dフリーザーとは)。
①バッチ機(トレーイン/テーブル・1ドア・2ドア)
②ライン機(スパイラル/トンネル)
- 連続大量処理。省人化・品質平準化・トレーサビリティに強い。
- 製品例:スパイラルフリーザー/トンネル型フリーザー
③プレート/液体窒素(LN₂)・CO₂
- プレート:均一な板接触。薄物・フラット製品に。
- LN₂/CO₂:超高速凍結。ランニングコストと安全対策の設計が鍵。
選び方のチェックポイント
- 1回当たり処理量・サイクル回数(日産量の逆算)
- 対象品目と形状(液状/固形、サイズ、トレー規格)
- 設置制約(電源、給排気、床荷重、動線)
- 衛生設計(清掃性、洗浄・乾燥機能)
- 将来のライン化(前後工程とのインターフェース)
導入手順と運用(HACCP準拠)
- 現状分析:対象品目・日産量・品質課題を整理。
- デモテスト:実機で凍結→解凍評価(味・歩留まり・作業性)。デモ案内
- 装置選定・レイアウト設計:前後工程と人・物の動線最適化。
- HACCP文書化:CCP(温度・時間等)の設定、温度ロガー校正、記録様式の運用(厚労省HACCP解説)。
- 教育・検証:手順教育→バリデーション→モニタリング。
導入〜稼働までの詳細は導入の流れ・FAQをご確認ください。
活用事例と検証レポート
- 3Dフリーザー導入事例(肉・魚介・米飯・菓子ほか)
- ライチの瞬間冷凍・品質検証
- 鮮魚(ブリ)の品質検証
コスト・補助制度・税制
- 補助金:補助金について、関連記事:急速冷凍機×補助金活用術
- 税制優遇:中小企業経営強化税制
よくある質問(抜粋)
日本の基準では「冷凍食品」の保存は−15℃以下等が示されています(厚労省)。品質保持の観点では温度変動(再結晶化)の抑制が重要です。
寄生虫対策のため、−35℃で15時間または−20℃で7日などの条件が用いられます(CDC)。用途・規格に合わせて所管の最新指針をご確認ください。
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参考:HACCP制度化(厚労省)/冷凍食品の規格基準(厚労省)/Codex Quick Frozen Foods(CXC 8-1976)
