ジビエの臭みは冷凍スピードで決まる|鹿肉・猪肉を40分で凍結した実測記録

白背景に肉料理の盛り付けを6皿配し、中央に「3D凍結デモテスト ジビエ」と紺色で記した記事のアイキャッチ

「ジビエは臭いから苦手」。せっかくの鹿肉・猪肉が、その一言で敬遠されてしまう。臭みの最大の原因は肉そのものではなく、処理の悪さと、冷凍・解凍時に流れ出るドリップにあります。本記事で報告するのは、適切に処理された冷蔵8℃の鹿肉・猪肉を3Dフリーザー®で急速冷凍した実機テストの結果です。獣臭が生まれる仕組み、凍結スピードが商品価値をどう変えるか、自社のジビエでの確かめ方まで、この記事で分かります。

結論:鹿肉・猪肉は8℃から40分の急速冷凍で、臭みなし・ドリップなしに仕上がった

灰色のトレーに形状と大きさの異なる赤身や白い脂の肉8点を間隔を空けて並べた凍結前の鹿肉・猪肉サンプル

冷蔵8℃の鹿肉・猪肉を3Dフリーザー®で急速冷凍したところ、40分で中心温度-18℃に到達しました。解凍してもドリップが出ないため嫌な臭みがなく、鮮やかな赤身の色と本来の旨味を保てることが実証されています。

熱の通り方が違う肉を同時に扱えたことも、この結果の価値です。単発の検証のため、大きなブロックや骨付きなど条件が変われば所要時間は変わります。テストの条件は次のとおりです。

項目内容
対象ジビエ(鹿肉・猪肉)。形も厚みも違う8点を一つのトレーに混載
計測方法厚い赤身と脂の大きな部位の2点に中心温度計を挿して確認
温度と時間投入8℃(冷蔵)→ 40分で中心温度-18℃
品質結果解凍後もドリップなし。臭みのないクリアな味わいと赤身の色を維持
使用設備KOGASUNの急速冷凍機「3Dフリーザー®」

赤身の塊、白い脂の乗った部位、細長い部位まで、形も厚みも違う8点。規格がそろわないのはジビエの宿命ですが、仕分けも置き直しも挟まず、一つのトレーのまま凍らせ切りました。自社の個体・部位で同じ結果が出るかは、記事後半で紹介する無料の凍結テストに実物を持ち込んで確認できます。

なぜ冷凍が遅いとジビエは獣臭くなるのか

3D凍結®と通常冷凍の温度曲線を最大氷結晶生成温度帯とともに示し、小さい氷結晶と大きい氷結晶の細胞膜への影響を比較した図

獣臭の正体は、血を含んだ肉汁「ドリップ」です。凍結中にできた氷の結晶が肉の細胞を突き破ると、解凍時に肉汁を抱えきれず流れ出します。鹿肉はとりわけ鉄分の多い肉。流れ出た肉汁の鉄分が空気に触れて酸化すると、レバーのような鉄臭さ、いわゆる獣臭へと変わります。緩慢な冷凍のジビエが敬遠されてきた原因は、まさにここにあります。

猪肉で狙われるのは脂です。とろけるような脂の甘みは猪肉の看板ですが、酸化が進むと古い油の匂いに変わります。ルビーにたとえられる鹿肉の赤身の色も、酸化で黒ずみやすい性質です。ジビエの売りは、どれも酸化との時間勝負にさらされています。

氷の結晶の大きさを決めるのは、-1〜-5℃付近の通過時間です。肉の水分が最も氷に変わりやすいこの「最大氷結晶生成温度帯」に長くとどまるほど、結晶は大きく成長して細胞を傷つけます。前述の実測の40分は、この温度帯を短時間で駆け抜けた結果です。ドリップが生まれる仕組みはドリップの原因と対策で詳しく解説しています。

なぜ3Dフリーザー®は乾かさずに40分で凍らせられるのか

灰色のトレーに白い霜の付いた肉8点を並べ、左下の赤身と上段右の白い脂の部位へ中心温度計のプローブを挿した凍結後の鹿肉・猪肉

急速冷凍の壁は、スピードと乾燥の両立です。強い冷風を一方向から当てれば早く凍りますが、風の当たる面から水分が奪われ、赤身のくすみや冷凍焼けを招きます。速さを取れば表面が傷み、表面を守れば速度が出ない。この二律背反を崩すのが3Dフリーザー®です。

鍵は、KOGASUNが3Dフリーザー®に搭載する独自の非貫流熱交換方式「ACVCS®」にあります。冷却器への霜の付着を抑える方式のため、庫内の湿度を落とさずに運転を続けられます。この湿度の高い冷気が食品を多方向から包む「高湿度3D冷気」となり、表面を乾かさずに、厚い部位の中心まで素早く熱を奪います。

均一さは、中心温度の実測にも表れました。中心温度計を挿したのは、厚い赤身の塊と、白い脂の大きな部位。熱の通り方がまるで違うこの2点が、前述の実測ではそろって中心-18℃に達しました。性質の違う部位をまとめて任せられる懐の深さは、個体差に悩むジビエの現場でこそ効いてきます。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

凍結スピードでジビエの商品価値はどう変わるか

同じ鹿肉・猪肉でも、凍結スピードひとつで売り物としての評価は変わります。前述の実測40分と通常冷凍の違いを表で比べます。

観点40分の急速冷凍通常冷凍
臭みドリップを止め、獣臭の発生源を断つドリップとともに鉄分が酸化し獣臭に
赤身の色鹿肉の鮮やかな赤を保つ酸化で黒ずみやすい
脂の風味猪肉の脂の甘い香りを守る古い油の匂いに近づきやすい
氷結晶最大氷結晶生成温度帯を短時間で通過し微細なまま温度帯に長くとどまり大粒になりやすい
在庫高品質のまま長期ストックできる品質低下で在庫化しにくい

商売をいちばん左右するのは臭みの行です。前述の実測では解凍後もドリップが出ず、ジビエ初心者でも「食べやすい」と驚くクリアな味わいに仕上がりました。臭みを封じた猪肉は、ぼたん鍋やローストにしたとき脂の甘い香りが際立ちます。凍結方式ごとの原理は急速冷凍と通常冷凍の違いで整理しています。

商品展開と設備選定:狩猟期の一番いい肉を通年の商材にする

ジビエには狩猟期間があり、獲れる時期が冬場などに偏ります。年間を通じた安定供給が難しいことが、飲食店との取引を広げるうえでの壁でした。一番脂の乗った時期の個体を品質そのままに在庫へ変えられれば、夏場のBBQシーズンや端境期にも「冬の美味しいジビエ」を提供できます。在庫が持てることは、飲食店への卸売りで最強の武器になります。展開先ごとの品質と確認点は次のとおりです。

展開先重視する品質運用の確認点
飲食店・ホテル卸赤身の色、ドリップの少なさ部位別の規格、納品ロット
ぼたん鍋・煮込み用脂の香りと甘みカット規格、鍋需要期に向けた在庫計画
小売・EC冷凍商品見た目、扱いやすさ包装・表示、解凍手順の案内
ミンチ・加工原料原料温度、脂の状態ロット管理、加工先との規格合わせ

設備選定の基準は、最も凍りにくい商品です。最厚のブロックが芯まで凍る時間と、搬入が集中する日の量から、必要な能力を逆算します。処理量の多い施設なら、カートごと庫内へ入れられるカートインモデルという選択肢も。食肉分野の選定手順は食肉加工工場の急速冷凍機の選び方、食品別の実例は3Dフリーザーの導入事例が参考になります。補助金や税制優遇の使える枠は年度ごとに入れ替わるため、導入相談の際に最新の公募状況まで尋ねるのが早道です。

機種の当たりが付けば、卸先との商談も「いつから、どの規格で出せるか」まで具体的に進められます。

比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

無料テストで自社のジビエを確かめる

ジビエは家畜と違い、規格がそろいません。若い個体か老成個体か、背ロースかモモか、ブロックかスライスか。条件の幅が大きいからこそ、自社原料での実測がそのまま強い判断材料になります。

KOGASUNの凍結テストは無料で、ふだん扱っているジビエをそのままの状態で持ち込めます。実物で確かめられる項目は次のとおりです。

確認項目見るポイント
中心温度と時間最厚部にセンサーを挿し、凍結完了までの時間を記録する
解凍後のドリップ液量と重量の変化(歩留まり)を同じ手順で比較する
赤身と脂の外観赤身のくすみ、脂の色、表面の乾きを凍結前と見比べる
加熱後の香りと食感焼いたときの臭気の有無を、自分の鼻と舌で厳しく確かめる
量産再現性トレーの段や位置、最大投入量での品質差を本番条件で試す

持ち込みの流れは食品を持ち込める凍結テストで確認できます。テストを終えるころには、自社のジビエの凍結時間と仕上がり、そして卸先へ品質を裏づける記録が手元に残っています。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

ジビエの冷凍でよくある質問

冷凍した鹿肉・猪肉の解凍はどうするのがよいですか?

冷蔵庫での低温解凍が基本です。ゆっくり戻すほど組織が水分を抱え直しやすく、ドリップを少なく抑えられます。

冷凍したジビエはどのくらい保存できますか?

賞味期限は、部位や脂の量、包装、保管温度に合わせて商品ごとに保存試験で設定するのが基本です。脂の多い猪肉は酸化の影響を受けやすいぶん、空気を通しにくい包装ほど風味を保ちやすくなります。保存試験の組み方は、凍結テストとあわせて相談できます。

真空パックと脱気包装、どちらで凍結すべきですか?

凍結テストで両方を実際に比べるのが確実です。空気に触れる面が少ない包装ほど、脂の酸化や霜を抑えやすくなります。袋の密着性や作業スピードは現場ごとに違うため、自社の部位と作業動線で試して選べます。

スライスやミンチでも凍結時間は40分かかりますか?

薄い形状ほど短い時間で凍ります。前述の40分は、厚みの違う8点を混載した今回の条件での実測です。スライスやミンチが主体なら、同じ時間でより多くの量をさばく方向で条件を組み立てられます。

処理の段階で臭みが付いた個体でも、冷凍で臭みは消えますか?

急速冷凍は、凍結した時点の状態をそのまま閉じ込める技術です。捕獲後の放血や処理の段階で生じた臭みを、後から取り除くものではありません。だからこそ、良い処理の肉を速やかに凍らせる体制づくりが、ジビエの評価を安定させる近道になります。

冷凍したジビエを販売するには許可が必要ですか?

処理・加工・販売のどこまでを自社で担うかで、必要な許可と衛生管理の要件が変わります。計画の段階で管轄の保健所に確認するのが確実です。販売の枠組みが固まれば、凍結テストの結果はそのまま商品規格づくりに生かせます。

まとめ:臭みのないジビエを、狩猟期を越えて売り続ける

今回の実測では、冷蔵8℃の鹿肉・猪肉8点を混載のまま急速冷凍し、40分で中心温度-18℃に到達しました。解凍後もドリップは出ず、臭みのないクリアな味わいと鮮やかな赤身が保たれています。獣臭の発生源を凍結スピードで断てば、狩猟期に獲れた一番いい肉を、一年を通して売れる商材に変えられます。まず確かめたいのは、自社の個体と部位でも同じ結果が出るかどうか。無料の凍結テストに主力のジビエを持ち込めば、導入を決める前に仕上がりと凍結時間をその場で見届けられます。カタログの確認やテストのお申し込みは、以下からお気軽にご相談ください。

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