馬刺しはスライスしてから冷凍できるか|桜色を保った25分の実測記録

中央に「3D凍結デモテスト 馬刺し」と記し、赤身や霜降りの馬刺しを黒いトレー・黒皿・白皿に盛り付けて周囲に配置したアイキャッチ

切りたては鮮やかな桜色なのに、冷凍して届くころには黒ずんでいる、馬刺しの商品化でいちばん高い壁が、この変色です。本記事では、スライスした直後の馬刺しを、そのまま急速冷凍した実機テストの結果を報告します。馬肉が冷凍で黒くなる理由、スライスのまま凍らせ切る仕組み、包丁いらずのスライスパックへ広げる道筋まで、この1本で分かります。

結論:馬刺しはスライスした後でも、10℃から25分の急速冷凍で桜色と形を保てた

「3D凍結前」の札がある灰色のトレーに3つの容器を置き、赤身・白い脂身・霜降り状の馬刺しスライスを部位ごとに並べたサンプル

スライス済みの馬刺し(赤身・ロース等)を、加工室温10℃のまま3Dフリーザー®へ投入したところ、25分で中心温度-18℃に到達しました。スライスの形はそのまま、解凍後は切りたてのような桜色が戻り、ドリップもほとんど出ません。

スライスは、馬肉にとっていちばんデリケートな状態です。断面が広く空気に触れるため、凍結を待つ時間も、凍り切るまでの時間も、そのまま変色の時間になります。今回のテストは、この不利な商品形態からでも、色と形を保って凍らせ切れるかの検証でした。3容器での単発検証のため、部位の構成や厚みが変われば所要時間は変わります。条件は次のとおりです。

項目内容
対象馬刺しスライス(赤身・ロース等)を3つの容器に分け、トレーごと投入
記録方法凍結前後の外観をトレー上で撮影し、取り出し時に中心温度を確認
温度と時間投入10℃(加工室温)→ 25分で中心温度-18℃
品質結果スライスの形を保持(めくれ・反りなし)。解凍後は切りたてのような桜色
使用設備KOGASUNの急速冷凍機「3Dフリーザー®」

この結果が自社の部位・厚みでも出るかは、実物を持ち込める無料テスト(記事後半)で確かめられます。

なぜ馬刺しは冷凍すると黒くなり、ドリップが出るのか

3D凍結と通常冷凍の温度曲線を最大氷結晶生成温度帯とともに示し、右側で小さい氷結晶と大きく歪な氷結晶を比較した図

赤身を黒ずませる犯人は、馬肉自身の鉄分です。馬肉は牛肉や豚肉に比べて鉄分やグリコーゲンが豊富で、空気に触れるとすぐ酸化して黒褐色に変わります。スライスした馬刺しは断面がほぼ全面空気にさらされるため、凍結が遅いほど、解凍したときの色は悪くなります。

もう一つの敵がドリップです。凍結に時間がかかると、肉の水分は大きな氷の粒に育ち、細胞を内側から傷つけます。解凍時にその傷から旨味が肉汁ごと流れ出すのがドリップで、水っぽさや臭みに直結します。切断面の多いスライスは、あふれ出す口がそれだけ多い形状です。

色もドリップも、行き着く先は-1〜-5℃付近の「最大氷結晶生成温度帯」をどれだけ速く通過できるかです。肉の水分が最も凍りやすいこの温度帯に長くとどまるほど氷の粒は大きく育ち、短時間で抜ければ微細な氷のまま凍り切ります。方式ごとの差は急速冷凍と通常冷凍の違いで整理しています。

なぜスライスのまま凍らせ切れるのか、乾燥を抑える高湿度3D冷気

「3D凍結後」の札がある灰色のトレーに3つの容器を置き、表面に白い霜が見える赤身・脂身・霜降り状の馬刺しスライスを並べた状態

薄いスライスは、冷気の乾燥にも弱い商品です。乾いた強い冷気を一方向から当てると表面の水分が奪われ、端が乾いてめくれや反りが出ます。重ねた内側と外側で冷え方も変わり、パックごとに色や食感の差が生まれます。

ACVCS®は、KOGASUNが3Dフリーザー®に搭載している独自の非貫流熱交換方式で、冷却器への着霜を抑え、庫内の湿度を高く保ったまま連続運転できます。湿度の高い冷気が食品を多方向から包む「高湿度3D冷気」のため、スライスの表面から水分を奪いにくく、重なりの内側までムラなく冷やせます。乾燥を抑えながら前述の25分で凍らせ切れるのは、この方式によるものです。

赤身・白い脂身・霜降りは、水分と脂の量が違うため本来は凍り方に差が出ます。それでも高湿度3D冷気なら、性質の違う部位を同じトレーで一緒に凍らせても、スライスの形を保ったまま、めくれも反りも出さずに凍らせ切れます。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴にまとまっています。

スライスしてすぐ凍らせると、工程はどう変わるか

これまで多くの現場は、変色をきらってブロックのまま凍らせ、スライスを届け先に任せてきました。しかし飲食店にとって、ブロック肉のトリミングやスライスは技術と時間のいる作業です。開封後に使い切れないロスも出ます。前述の実測のようにスライス後すぐ凍らせ切れるなら、「スライス加工→即冷凍→個食パック」というラインを自社で組めます。届いた店は、解凍して皿に盛るだけ。包丁を使わずに専門店の盛り付けを出せるため、人手不足の店ほど喜ばれる商品です。

次の表は、スライス後すぐ急速冷凍する場合と、通常の冷凍庫でゆっくり凍らせる場合の違いです。

観点スライス後すぐ急速冷凍通常冷凍でゆっくり凍結
酸化が進む前に凍結が終わる凍り切るまで空気に触れ続け、黒ずみやすい
氷結晶最大氷結晶生成温度帯を短時間で通過温度帯に長くとどまり、粒が育ちやすい
ドリップ細胞の傷が少なく、解凍時の流出を抑える切断面から旨味が肉汁ごと流れ出やすい
形状乾く前に凍り、めくれや反りを抑える庫内で端から乾き、反りが出やすい
生産回転加工の流れを止めず、その日のうちに凍結在庫にできる凍結完了を待つ時間が工程に挟まる

商品展開と設備選定、スライスパックが販路を広げる

一人前のスライスパックを冷凍在庫にできると、加工日と提供日を切り離せます。展開先ごとの品質と確認点は次のとおりです。

展開先重視する品質運用の確認点
居酒屋・馬肉専門店桜色、厚みと枚数の揃い一人前の量、解凍後の液だまり
専門店・飲食店卸部位ごとの色の対比、盛り合わせの見栄え納品単位、提供までの解凍手順
通販・店頭販売配送後の外観、包装の密着解凍説明の分かりやすさ、配送温度
精肉卸・外食チェーンパック重量とロット差の小ささ荷姿、必要数の扱いやすさ

設備選定でまず重く見るのは、繁忙時間の処理量です。1回に並べるパック数、トレーの段数、加工から投入までの時間から、ピークでも凍らせ切れる能力を逆算します。食品別の実例は3Dフリーザーの導入事例が、選定の考え方は食肉加工工場の急速冷凍機選定ガイドが参考になります。補助金や税制優遇は年度・公募回で条件が変わるため、機種検討と並行して導入相談で最新情報を確認するのが確実です。一日のパック数と部位構成が決まっていれば、自社の工程に合う機種の候補まで具体的に絞り込めます。

比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

無料テストで自社の部位とパックを確かめる

カタログの数字だけでは、自社の馬刺しがどんな色で仕上がるかまでは分かりません。KOGASUNの凍結テストは費用・出張費とも無料。いつも販売している部位・厚み・パックのまま持ち込めば、次の項目を実物で確かめられます。

確認項目見るポイント
中心温度と時間パックの中央と外側で、凍結完了までの時間差を測る
凍結前後の外観桜色のくすみや黒ずみを、同じ照明・角度で撮って比べる
解凍後のドリップパック内の液量と、盛り付け前の拭き取りの手間を見る
食感と風味もちっとした口当たりと甘みを、社内基準で評価する
量産再現性部位の組み合わせ、トレーの段、最大投入量での品質差を見る

結果はそのまま、商品規格や卸先への品質説明の根拠に使えます。持ち込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

馬刺しの冷凍でよくある質問

冷凍した馬刺しの解凍は、どうするのがよいですか?

冷蔵庫でゆっくり戻すのが基本です。低温で解凍するほどドリップが少なく、桜色ともちっとした口当たりが戻りやすくなります。半解凍のうちに盛り付けると、スライスがはがしやすく形もきれいに出ます。

冷凍した馬刺しはどのくらい保存できますか?

期限は、採用する包装と保管温度で保存試験を行い、商品ごとに設定します。急速冷凍は劣化を遅らせる方向に働きますが、部位や包装で差が出るためです。設定に使うデータは、無料テストの結果とあわせて組み立てられます。

馬刺しの冷凍販売に許可は必要ですか?

必要です。馬刺しは生食用食肉として販売・提供の衛生基準が定められており、営業形態によって必要な許可が変わります。商品化の際は、所管の保健所へ確認してください。凍結・包装の工程設計は、許可の確認と並行して進められます。

霜降りやタテガミでも、赤身と同じように凍結できますか?

部位で凍り方は変わります。赤身(モモ・ロース)は水分が多く、ドリップが出やすい傾向があります。霜降りは脂の融点が低く温度管理がシビアで、タテガミは脂の塊のため酸化や食感の変化が特殊です。だからこそ、実際に扱う部位を持ち込んで比べるのが確実です。

真空パックや盛り付け容器のまま凍結できますか?

前述の実測では、容器に盛ったままトレーに載せて凍結しています。包装の材質や密着のさせ方で冷え方は変わるため、販売時と同じパックで試せば、そのまま包装仕様まで決められます。

ブロックとスライス済み、どちらで凍結すべきですか?

届け先の作業量から逆算して選びます。スライス済みなら、店は解凍して盛るだけ。厚みも枚数も規格どおりに揃います。ブロックなら、店側で厚みを変えられる自由度が残ります。迷う場合は、両方を同じテストで凍らせて比べられます。

まとめ:切りたての桜色のまま、25分で冷凍在庫にする

今回の実測では、スライス済みの馬刺しを加工室温10℃から凍結し、25分で中心温度-18℃に到達しました。酸化が進む前に凍結が完了し、桜色とスライスの形は切りたてのまま。ドリップの少ない、もちっとした食感の馬刺しを冷凍在庫として持てる結果です。次の一歩は、主力の部位での検証です。費用も出張費もかからない無料テストなら、いつものパックを持ち込むだけで、購入前に仕上がりを自分の目で確かめられます。カタログ請求やテストのご相談は、以下からお問い合わせください。

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