
Contents
はじめにお伝えしたい結論|水産加工の急速冷凍で失敗しないための4条件
水産加工で商品価値を最大化するには、次の4つの条件を同時に満たしておく必要があります。
- 最大氷結晶生成帯(−1℃〜−5℃)を 30分以内 で通過させる(日本冷凍食品協会 急速凍結の定義)
- アニサキス対策として −20℃で24時間以上 冷凍する、または 70℃以上(60℃なら1分以上)で加熱 する(厚生労働省 アニサキスに関するQ&A)
- 魚種・用途別に IQF(個別急速凍結)・グレーズ処理・真空包装 を使い分ける
- 輸出向けは 対米 21 CFR Part 123/対EU Regulation (EC) 852・853 準拠の認定施設で加工する(厚生労働省 対米・対EU 輸出食品認定制度)
3Dフリーザー® は 4 系統 10 機種のラインナップで、処理量は小型バッチ型テーブル 8 kg/h から大型スパイラル型 500 kg/h 超までをカバーします。水産加工工場の処理規模・設置条件・魚種や加工品目に合わせて選定でき、標準機種で条件が合わない場合はオーダーメイドにも対応できます。
本記事で使う主な用語の整理(急速冷凍・IQF・グレーズ処理)
- 急速冷凍:食材の最大氷結晶生成帯(−1℃〜−5℃)を30分以内(業務用急速冷凍機では数分〜十数分)で通過させ、氷結晶の粗大化を抑える凍結方式のこと。
- IQF(個別急速凍結):エビ・ホタテ貝柱・小魚などを1個体ずつバラの状態で凍結する方式。家庭や外食での小分け使用、歩留まり管理、在庫回転のしやすさに利点があります。
- グレーズ処理:凍結後の魚体表面に重量比2〜10%程度の氷膜をまとわせ、冷凍焼け(表面乾燥)・脂質酸化・他臭移行を抑える保護処理のこと。
水産加工の急速冷凍とは

定義と工程上の位置づけ
水産加工の急速冷凍とは、水揚げ・一次加工後の魚介類、または加工品(刺身柵・切り身・味付け品・調理済み品など)を、最大氷結晶生成帯(−1℃〜−5℃)を短時間で通過させる凍結工程を指します。
保存温度は食品衛生法で −15℃以下(厚生省告示第370号 冷凍食品規格)。JFFA は自主基準として −18℃以下 を推奨しています。マグロ類の長期保存では −50℃〜−60℃ が業界標準です(日本冷蔵倉庫協会 マグロ超低温保管)。
緩慢凍結と急速冷凍の本質的な差
家庭用冷凍庫(約−18℃、冷却速度が遅い)で凍結すると、最大氷結晶生成帯の通過に数時間〜十数時間かかります。氷結晶が粗大化し、細胞組織を物理的に破壊します。解凍時のドリップ(流出液量)、血合の変色、身のパサつき、他臭移行の主因はこの組織破壊です。
急速冷凍の本質は、低温そのもの ではなく、氷結晶生成帯の通過時間を短くする設計 です。業務用急速冷凍機では、最大氷結晶生成帯を数分〜十数分で通過させるのが一般的です。
なぜ水産加工では特に重要か

水産品は、原料状態の差がそのまま商品差に直結します。鮮度劣化による K値上昇、血合の変色、ATP分解、脂質酸化の進行速度は、温度履歴にほぼ比例します。凍結速度が遅いと、たとえ −18℃ に到達していても、商品価値(鮮度・色・食感・歩留まり)は回復しません。「獲ったときの価値をどこまで保存に持ち込めるか」が、水産加工の急速冷凍の勝負どころです。
最大氷結晶生成帯と温度基準の整理

最大氷結晶生成帯とは
食材中の水分は、−1℃〜−5℃ の温度帯で急激に氷結晶へ変わります。この帯域を「最大氷結晶生成帯」と呼びます。JFFA「急速凍結がよい理由」 によれば、急速凍結はこの帯域を 30分以内 で通過させる凍結方式と定義されます。
業務用急速冷凍機では、数分〜十数分で通過する設計が一般的で、魚介類ではドリップ率に数倍の差が出ます。
法令・基準の階層
| 温度基準 | 根拠 | 対象 |
|---|---|---|
| −15℃以下 | 食品衛生法 冷凍食品成分規格 (厚生省告示第370号) | 冷凍食品の保存最低基準 |
| −18℃以下 | 日本冷凍食品協会 自主基準 | 品質維持のための推奨値 |
| −20℃で 24時間以上 | 厚生労働省 アニサキスQ&A | 生食用水産物の寄生虫対策 |
| −30℃以下 | 業界慣行 (長期保管・輸出水産物) | 脂質酸化・品質劣化の抑制 |
| −50℃〜−60℃ | 日本冷蔵倉庫協会 超低温保管基準 | マグロ類の長期保管・色調維持 |
どの基準を適用するかは、商品(生食/加熱用/マグロ類)、保管期間、輸出要件によって変わります。
アニサキス等の寄生虫対策(厚労省Q&A準拠)
水産加工で最重要の食品安全論点がアニサキス食中毒予防です。厚生労働省 アニサキスに関するQ&A(最終改正 2019年11月1日)では、以下が明記されています。
- 冷凍処理:−20℃で24時間以上 冷凍すれば、アニサキス幼虫は確実に死滅
- 加熱処理:70℃以上、または 60℃で1分以上 で死滅
- 無効な処理:酢・塩・醤油・わさびでは死滅しない(生食提供でのリスクあり)
- 目視除去:有効だが完全ではない
業務用急速冷凍機で −20℃到達は数十分〜1時間程度で可能ですが、Q&A の条件は 「−20℃ を 24時間以上維持」 であるため、凍結完了後の保管温度帯と時間管理で判定結果が決まります。
生食向け商品(刺身・寿司ネタ・カルパッチョ素材)を輸出する場合、米国 FDA の「Fish and Fisheries Products Hazards and Controls Guidance」では寄生虫管理計画が必須です。後述の対米 HACCP 認定制度で確認します。
魚種別・形状別の凍結条件と商品適性
水産品は「魚種 × 形状 × 用途」で条件が変わる
同じ「水産品の急速冷凍」と言っても、マグロ赤身柵とむきエビとでは、凍結方式・保管温度・IQF 適性が大きく異なります。下表は一般技術資料と業界慣行に基づく 条件目安 です。自社商品での最適値は、品種・原料状態・投入量・装置能力により変動するため、デモテストでの実測が前提です。
| 魚種・形状 | 推奨凍結方式 | 目標凍結時間 | 保管温度 | IQF / グレーズ適性 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| マグロ (赤身・柵) | 超低温冷凍(特殊フリーザーまたは−50℃級倉庫搬入) | 30分以内で 中心−20℃ | −50℃以下 | IQF × グレーズ ◎ | 変色(褐変)、脂質酸化、超低温物流前提 |
| ブリ・カツオ (フィレ・柵) | 急速冷凍 (ラックイン/トンネル) | 30分以内 | −30℃以下 | IQF × グレーズ ○ | 血合の変色、脂質酸化、色保持 |
| サーモン (フィレ・切り身) | 急速冷凍 | 30分以内 | −25℃以下 | IQF ○ グレーズ ○ | ドリップ、色抜け、寄生虫処理 |
| 鯛・スズキ (切り身・開き) | 急速冷凍 | 30分以内 | −25℃以下 | IQF ○ グレーズ ○ | 解凍後の食感、身割れ |
| エビ (むき身・有頭) | IQF (トンネル/スパイラル) | 数分〜十数分 | −18℃以下 | IQF ◎ グレーズ ○ | バラ性、黒変(メラノシス)、歩留まり |
| ホタテ (貝柱) | IQF | 数分〜十数分 | −18℃以下 | IQF ◎ グレーズ △ | 色変、食感(硬化) |
| イカ (切り身・姿) | 急速冷凍 | 30分以内 | −25℃以下 | IQF ○ グレーズ △ | 食感(ゴム化)、色変 |
| 二枚貝 (殻付き牡蠣・アサリ) | 急速冷凍 | 30分以内 | −25℃以下 | IQF ○ グレーズ × | 殻割れ、品質変化、衛生 |
| 干物 (半生・本干) | 急速冷凍 | 30分以内 | −25℃以下 | IQF △ グレーズ × | 表面乾燥加速、しまり、油焼け |
| うなぎ蒲焼 (調理済み) | 急速冷凍 | 30分以内 | −25℃以下 | IQF △ グレーズ × | 食感、たれの結晶化 |
生食提供を前提とする場合の追加要件
刺身・寿司ネタ・カルパッチョ素材として生食提供する場合、アニサキスリスクのある魚種(サバ、アジ、サーモン、カツオ、イカなど)は、前述の厚労省Q&A 基準(−20℃で24時間以上)を満たす必要があります。急速冷凍機単体ではなく、凍結 → 超低温倉庫保管 を組み合わせた運用設計が現実的です。
IQF・グレーズ処理・真空包装の使い分け
水産加工では、IQF/グレーズ/真空包装は「どれが上」ではなく、狙う商品価値で使い分けます。
| 手法 | 向く商品 | 得られる価値 | 限界 |
|---|---|---|---|
| IQF (個別急速凍結) | エビ、ホタテ貝柱、小魚、むき身、粒もの | 必要量だけ使える、外食・家庭での使いやすさ、歩留まり管理 | 大きい個体、厚物、形状不定の商品は成立しにくい |
| グレーズ処理 | マグロ柵、ブリ柵、切り身、長期保管前提商品 | 表面乾燥・脂質酸化・他臭移行の抑制、見た目の維持 | 歩留まり計算(氷膜分)、輸出時の重量表示規制注意 |
| 真空包装+ 急速冷凍 | 切り身、加工品、調理済み品、輸出向け | 酸化抑制、衛生、流通耐性、長期保管適性 | フィルム資材コスト、解凍時の食感変化 |
実務では、2〜3手法を組み合わせて商品設計するのが主流です(例:マグロ柵の真空包装+−60℃超低温保管)。
業種・出荷先別の要求品質と設備要件
水産加工で設備選定を失敗しやすいのは、出荷先の業種差を考慮せず、処理量だけで設備を決めてしまうことです。主要5業種の要求を整理しました。
| 業種・出荷先 | 代表用途 | 重視される品質 | 設備側で重要な点 |
|---|---|---|---|
| 量販向け鮮魚・冷凍コーナー | スーパー、生協、コンビニ | バラ凍結完成度、見た目、小分け | バラ凍結の仕上がり、パッケージング前後工程 |
| 業務用加工 (外食・給食) | チェーン店仕込み、ホテル | 解凍後の食感、歩留まり、品種切替時の清掃性 | 処理量、洗浄性、前後工程バランス |
| ふるさと納税・EC | D2C、定期便 | 見栄え、解凍の容易さ、小ロット多品種 | 小ロット対応、品種切替のしやすさ、温度ログ |
| 輸出 (対米・対EU・アジア) | 海外量販・業務用 | 相手国基準、温度記録、トレーサビリティ | 認定施設要件、温度モニタリング、記録管理 |
| 高級料理店・寿司店 | ミシュラン店、高級鮨 | 生食品質、鮮度感、色・艶 | 生食対応の凍結条件、超低温物流適合 |
商品開発段階で「どの業種をメインにするか」を先に決めてから設備選定に入ってください。業種が定まらないまま設備を選ぶと、処理量・ベルト方式・衛生区分のいずれかが合わず、導入後に機種変更や再設計が必要になる場合があります。
水産加工の急速冷凍でよくある7つの失敗と対策
| 症状 | 主因 | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 解凍後のドリップ多発 | 最大氷結晶生成帯の通過時間が長い、投入時品温高 | 冷気温度・風速の見直し、前冷却強化 |
| 血合の変色 (赤身魚) | 脂質酸化、保管温度不足、前処理時間長 | 保管温度の引き下げ、真空包装、前処理時間短縮 |
| 表面乾燥・冷凍焼け | 冷気の湿度不足、長期保管、グレーズ不足 | 3Dフリーザー®の採用(高湿度の冷気で食品を包み込む独自方式)、グレーズ厚の確保 |
| IQF不成立 (塊化・付着) | 水切り不足、投入量過多、ベルト重なり | 水切り工程強化、ベルト上で食品が重ならないよう整列、投入機均一化 |
| 解凍後のパサつき | 粗大氷結晶による細胞破壊、再凍結履歴 | 凍結時間短縮、コールドチェーン見直し |
| エビの黒変 (メラノシス) | 前処理時間長、温度履歴、亜硫酸処理不足 | 水揚げ後即時処理、冷却体制、前処理工程の速度 |
| 輸出基準での温度逸脱 | 保管・輸送中の温度管理不備 | 温度ロガー、トレーサビリティシステム、認定倉庫・認定物流網の利用 |
設備タイプ別の選定フロー
水産加工で検討対象になる主要な設備タイプを、特徴・向き・3Dフリーザー® 該当機種とあわせて整理しました。
| 筐体タイプ | 特徴 | 水産加工での向き | 3Dフリーザー® 該当機種・処理量の目安 |
|---|---|---|---|
| エアブラスト (庫内バッチ型) | 小ロット多品種に柔軟、品種切替と清掃がしやすい | 高級鮨店向け少量、EC・ふるさと納税、試作 | 2ドアトレーイン/モービルラック/カートイン(10〜25 kg/h) |
| ラックイン・ パススルー型 | HACCP汚染区分離、バッチ連続運用 | 中規模水産加工工場、前処理区と清潔区分離 | ラックイン/ラックインパススルー(50〜150 kg/h) |
| トンネル型フリーザー | 連続処理、ベルト1段で流すIQF量産に強い | エビ・ホタテ・小魚のIQF量産、量販向け | TUZシリーズ(100〜500 kg/h、以上カスタム設計可) |
| スパイラル型フリーザー | 長い凍結時間、少ない床面積で設置可能、多段化できる | 厚物切り身、長時間凍結が必要な大型個体 | SPFシリーズ(150〜500 kg/h、以上カスタム設計可) |
| リキッド (液体)フリーザー | 液体浸漬で熱交換速度が極めて速い | マグロ柵、超低温品質要件の高級魚 | 3Dフリーザー®では非提供(他社製と併用検討) |
3Dフリーザー® は、乾いた冷気を強く吹き付ける従来の急速冷凍とは異なり、高湿度の冷気で食品を包み込みながら凍らせる独自方式を採用しています。量産機でこの方式を商品化しているのは国内外3Dフリーザー® のみで、テーブル型 8 kg/h クラスから大型スパイラル 500 kg/h 超クラスまで、4 系統 10 機種を揃えています。水産加工では、商品特性(切り身・エビ・ホタテ・干物・柵 など)と処理量・設置条件の組み合わせから機種を選べます。詳細は 3Dフリーザー® 製品情報 をご覧ください。
選定の基本フロー(5ステップ)
- 処理量で絞る:時間あたりの目標処理量と稼働時間から、連続型(トンネル・スパイラル)かバッチ型(エアブラスト)かを一次判定
- 商品特性で絞る:個体サイズ・形状・付着性・生食要否から、ベルト方式と凍結時間を選定
- 課題で絞る:表面乾燥・色変色・洗浄性・衛生管理に懸念があれば、高湿度冷気方式の 3Dフリーザー® を候補に加える
- 設置条件で絞る:床面積・天井高・汚染区配置・冷凍機スペースから、実装可能性を確認
- 投資判断4指標で最終判断:次章参照
投資判断の4指標
1. 実効処理量(kg/h)
公称処理量ではなく、自社商品の投入条件で出せる実効値を使います。デモテストで、品目・厚み・投入量・冷気条件を固定し、中心温度が規定値(−20℃ または −30℃)に到達するまでの時間を計測して逆算します。
2. 消費電力と月額電気代
本体・冷凍機・ファン・搬送機器の合計 kW で試算します。
月額電気代 ≒ 消費電力(kW) × 稼働時間(h/月) × 電気料金単価(円/kWh)
計算式と業種別の実例は 業務用急速冷凍機の電気代 を流用できます。
3. 歩留まり改善幅・付加価値向上幅
緩慢凍結や既存設備と比較した、ドリップ減・変色防止・形状維持・グレーズ最適化による歩留まり改善です。水産加工は1%の歩留まり改善が年間利益に直結しやすい商材です。加えて、「安いときに仕入れ、高いときに売る」在庫戦略、IQF による小分け付加価値、輸出市場参入などの 付加価値向上幅 も同時に測定します。
4. 投資回収の目安
投資回収年数 ≒ 設備投資額 ÷ 年間キャッシュフロー改善額
キャッシュフロー改善は、歩留まり改善・電気代差・人件費差・廃棄ロス削減・単価アップ・新市場売上 の合計です。水産加工では、在庫回転と単価アップの貢献度が他業種より高くなる例が多くあります。
3Dフリーザー® の核心技術|特許 ACVCS® と医療応用実績
3Dフリーザー® は、特許技術 ACVCS®(非貫流熱交換方式) により、フィンコイルに風を戻さず庫内全方向から高湿度冷気を立体循環させる独自方式です。食材を全方向から包み込みながら、表面と中心の温度差を抑えて均一に凍結するため、氷結晶が微細・均等に生成され、細胞破壊が極限まで抑えられます。
この原理は 山口大学との共同開発による再生医療向け細胞シート凍結装置(日本経済新聞 2021年8月13日付)にも応用され、解凍24時間後の細胞生存率が従来型54%に対し85% を実証しました。グッドデザイン賞2023受賞、世界各国で特許登録済。
水産加工で3Dフリーザー® をご検討いただきたい3つの場面
1. マグロ・ブリ・カツオ等の赤身魚で変色・脂質酸化を抑えたい場合

乾いた冷気を強く当てる従来方式では、表面水分が飛び、色調・艶が落ちます。3Dフリーザー® は高湿度の冷気で包み込むように凍結する設計のため、脂質酸化や血合の変色が課題の赤身魚でデモテスト比較時に差が出やすくなります。
2. エビ・ホタテでバラ凍結の仕上がりと歩留まりを高めたい場合
ドリップ抑制・水切り後の表面乾燥抑制・バラ凍結の完成度で、歩留まり改善幅が大きくなる領域です。実際の改善幅は商品ごとに異なるため、デモテストでの実測が前提になります。
3. 干物・調理済み加工品で表面乾燥と品質差を減らしたい場合
水産加工場では、干物やうなぎ蒲焼など、表面状態が商品価値を決める加工品が多数存在します。3Dフリーザー® のダクトレス構造は洗浄性にも優れ、アレルゲン切替や日替わり品目にも対応しやすくなります。
詳細スペックは 3Dフリーザー® 製品情報 および 製品カタログ(無料ダウンロード) をご参照ください。
デモテストで必ず確認すべき7項目
自社に実績データが揃っていなくても、デモテストで以下の7項目を押さえれば、投資判断に必要な材料はそろいます。これは KOGASUN のデモテスト・凍結テストで測定できる項目です。
- ドリップ率:解凍後の流出液量 ÷ 凍結前重量(水産では最重要指標)
- 色差(ΔE):凍結前後の色変化を数値化(赤身魚・生食商品で特に重要)
- 中心温度到達時間:最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)の通過時間
- 歩留まり:前処理ロス+凍結ロス+グレーズ+廃棄ロスの合計
- 乾燥減量:凍結前後の重量差 ÷ 凍結前重量(グレーズなしの状態で)
- 食感評価:官能評価(食感・弾力)または機器計測
- 実効処理量(kg/h):自社商品条件下での能力
これらを事前に社内で比較軸として合意しておくと、テスト後の意思決定が速くなります。
輸出対応:対米・対EU HACCP 認定制度
対米・対EU 輸出向け水産食品加工施設は、国内 HACCP 義務化(食品衛生法改正 2021年6月1日完全施行)に加えて、厚生労働省 対米・対EU 輸出食品認定制度 に基づく認定施設である必要があります。
対米輸出の要件
- 21 CFR Part 123(Fish and Fishery Products)準拠
- 21 CFR Part 110 GMP 準拠
- ハザード分析(寄生虫・ヒスタミン・重金属・残留農薬等)
- 監視項目・是正措置・記録保管
対EU輸出の要件
- Regulation (EC) No 852/2004(食品衛生一般原則)
- Regulation (EC) No 853/2004(動物性食品特別規則)
- 認定施設一覧は農林水産省 HP に掲載
認定対象の工程
最終加工・冷凍・保管の全工程が認定対象です。水産加工では、前処理(フィレ・ドレス)、凍結、包装、冷蔵・冷凍保管、出荷の各工程で温度ログ・トレーサビリティが要求されます。
輸出を検討する場合、認定取得のスケジュール(通常 6〜18 か月)と、施設改修費用を含めた投資計画が必要です。
関連して確認したいページ
- 設備タイプの知識:業務用急速冷凍機の選び方
- IQFの基礎:IQF(個別急速冷凍)とは?
- トンネル型フリーザーの比較:トンネル型フリーザーの選び方
- 処理量・サイズ設計:トンネル型フリーザーのサイズ・容量の決め方
- 衛生管理:急速冷凍とHACCP
- 法規制:急速冷凍と食品衛生法
- 他業種比較:カット野菜工場と急速冷凍
- 電気代試算:業務用急速冷凍機の電気代
- 3Dフリーザー® 製品情報:3Dフリーザー® 製品ラインナップ
FAQ(水産加工の急速冷凍によくあるご質問)
A. エビ(むき身・有頭)、ホタテ貝柱、小魚、しらす、ちりめん、切り身小片のように、もともとバラで流通する個別単位の商品はIQFが成立しやすいです。形状が大きい切り身や味付け加工品は、投入量・ベルト並び・水切りの条件で成否が分かれるため、デモテスト確認を推奨します。
A. 厚生労働省の Q&A では 「−20℃で24時間以上冷凍」 と明記されています。加熱の場合は 70℃以上、または 60℃で1分以上 で死滅します。酢・塩・醤油・わさびでは死滅しないため、生食提供ではこの冷凍または加熱処理が前提です。
A. マグロの長期保管は、脂質酸化と色調維持の観点から −50℃〜−60℃ の超低温保管が業界標準です。短期保管なら −30℃以下でも対応可能ですが、色調・艶の維持を重視する高級品では超低温物流と組み合わせた運用が現実的です。
A. 最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)の通過時間の差です。急速冷凍では30分以内(業務用では数分〜十数分)で通過するため氷結晶が小さく、細胞破壊が少なく、解凍後のドリップ・色変・食感低下が抑えられます。緩慢凍結では数時間〜十数時間かかり、品質が回復しません。設備タイプ別の原理と選定条件は 急速冷凍機ガイド をご覧ください。
A. 長期保管(3ヶ月超)、輸出、脂質酸化しやすい魚種(マグロ・ブリ・サバ等)、表面乾燥が課題の切り身・柵で必要になります。氷膜は重量比 2〜10% が一般的で、表示規制(内容量表示)に注意が必要です。
A. 投資回収年数 ≒ 設備投資額 ÷ 年間キャッシュフロー改善額 が基本式です。改善要素は「歩留まり改善・電気代差・人件費差・廃棄ロス削減・単価アップ・新市場売上」の合計です。水産加工では、在庫回転(安値仕入れ→高値販売)と輸出市場参入による単価アップの貢献が大きくなる例が多くあります。電気代の試算方法は 業務用急速冷凍機の電気代 をあわせてご参照ください。
A. 赤身魚の変色・脂質酸化が課題の場合、エビ・ホタテのバラ凍結の仕上がりと歩留まりを高めたい場合、干物や加工品の表面乾燥が課題の場合の3つが目安です。3Dフリーザー® は 4 系統 10 機種のラインナップで、処理量が多ければトンネル型(TUZ 100〜500 kg/h)またはスパイラル型(SPF 150〜500 kg/h)、小規模加工ならカートイン(25 kg/h)や 2 ドアトレーイン(15〜25 kg/h)から選べます。どの機種も同じ高湿度冷気方式のまま、処理量に合わせてスケール調整できます。機種別の詳細スペックは 3Dフリーザー® 製品ラインナップ をご参照ください。
A. 国内 HACCP 義務(2021年6月完全施行)に加えて、対米輸出は 21 CFR Part 123+Part 110(GMP)準拠、対EU輸出は Regulation (EC) 852/2004+853/2004 準拠の認定施設である必要があります。認定は厚労省・農水省が所管し、最終加工・冷凍・保管の全工程が対象です。取得には通常 6〜18 か月かかります。
A. ドリップ率、色差(ΔE)、中心温度到達時間、歩留まり、乾燥減量、食感(官能または機器計測)、実効処理量(kg/h)の7項目が基本です。生食向け商品ではアニサキス処理条件の温度ログも必ず記録します。事前に社内で比較軸を合意しておくと、テスト後に迷わず判断できます。
A. できます。KOGASUN のデモテストで Q9 の7項目を実測することで、投資判断に必要な数字を揃えられます。テスト費用・出張費・返送費はすべて当社負担で、食材 500g〜2kg 程度をご用意いただければ、お申込みから 1〜2 週間で実施できます。お申し込みは デモテスト から受け付けています。
A. できます。処理量・設置スペース・搬送ライン・衛生区分・既存ライン組み込みなど、工場ごとの条件に合わせて仕様を設計します。標準機種の組み合わせでカバーできる範囲も広いため、まずはデモテストの段階で要件を整理し、最適な構成をご提案します。カスタム仕様のご相談は お問い合わせフォーム からお寄せください。
この記事の要点
- 水産加工の急速冷凍で商品価値を決めるのは、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を30分以内で通過させる設計 である点
- アニサキス対策の基準は −20℃で24時間以上の冷凍維持、または70℃以上の加熱 (厚労省アニサキスQ&A)
- 保管温度は商品に応じて −18℃(JFFA自主基準)/−30℃(長期保管)/−50℃(マグロ超低温) を使い分けること
- 魚種・形状・用途に合わせて IQF/グレーズ処理/真空包装 を組み合わせるのが実務の基本
- 対米・対EU輸出には 21 CFR Part 123、またはEC 852・853に準拠した認定施設 が欠かせないこと
- 投資判断は 実効処理量・消費電力・歩留まりと付加価値・投資回収 の4指標で見ること
- 3Dフリーザー® は 4 系統 10 機種 のラインナップで、小型バッチ型テーブル 8 kg/h から大型スパイラル型 500 kg/h 超までをカバーし、処理規模・設置条件・魚種に合わせて選定できること(標準機種で合わない場合はオーダーメイドにも対応)
- 自社に実績データがなくても、無料デモテストで7項目を実測 すれば投資判断が可能だという点
まずは無料の実機デモテストで、自社の水産品を凍らせてみませんか
「自社のマグロ柵・エビ・ホタテ・切り身・加工品が、実際にどのような品質で凍るのか」は、カタログだけでは判断しきれません。KOGASUN では、テスト費用・出張費・返送費のすべてを当社で負担する 無料の実機デモテストをご用意しております。食材500g〜2kg 程度をご準備いただければ、お申し込みから1〜2週間で実施可能です(ご訪問での出張デモ/ショールームでの実演/食材をお送りいただく郵送テストの3つからお選びいただけます)。
「他社ではどのように活用されているか」「この魚種で成功事例はあるか」「輸出認定取得前の段階でもテストできるか」といった初期検討段階のご質問にも、担当者が丁寧にお答えします。まずはお気軽にお声がけください。
