
「新鮮なアジを、アニサキスの心配なく安全に提供したい」 「冷凍すると、アジの身がパサパサになり、風味が損なわれる」 「こだわりのアジフライや干物を、高品質な冷凍商品として販売したい」
刺身、たたき、アジフライ、干物など、大衆魚として日本の食卓に深く根付いているアジ。旬の時期の脂の乗ったアジは格別の美味しさですが、鮮度落ちが早く、アニサキスによる食中毒のリスクも伴います。
これらの課題を解決し、安全で美味しいアジを一年中提供可能にするのが「急速冷凍」技術です。
この記事では、業務用急速冷凍機の専門メーカーKOGASUNが、アジの価値を最大限に引き出すための急速冷凍技術を、以下の点から詳しく解説します。
Contents
なぜアジに急速冷凍が有効なのか?
アジに急速冷凍が推奨される理由は、大きく2つあります。
1. 安全性の確保(アニサキス対策)
アジには、アニサキスという寄生虫がいる可能性があります。アニサキスによる食中毒は激しい腹痛を引き起こし、飲食店や食品加工業者にとって大きなリスクとなります。
厚生労働省の指導により、-20℃で24時間以上冷凍することで、アニサキスは死滅することが確認されています。しかし、家庭用冷凍庫などでの緩慢冷凍では、凍結の過程で品質が著しく劣化してしまいます。
急速冷凍であれば、品質の劣化を最小限に抑えながら、アニサキス対策を確実に行うことができ、安全な刺身やたたきの提供が可能になります。
2. 品質の維持(味・食感)
アジの魅力である上品な脂と風味は、非常に酸化しやすいという弱点があります。緩慢冷凍では、凍結中に脂が酸化し、不快な臭いや風味の劣化を引き起こします。また、細胞破壊によるドリップの流出は、身がパサつく原因となります。
急速冷凍は、酸化と細胞破壊を抑制することで、アジ本来の繊細な旨味と、ふっくらとした食感を長期間維持します。
アジに最適な急速冷凍の方法
アジのように、繊細で酸化しやすい食材には、乾燥と酸化を防ぐ凍結方法が不可欠です。
3Dフリーザー®(特許技術 ACVCS®方式)
KOGASUNの**3Dフリーザー®**は、高湿度な3D冷気を多方向から食品を包み込むように均一に当てることで、乾燥を防ぎながら氷結晶を均一に生成して高品質冷凍を可能にします。これを3D凍結®といいます。アジの表面が乾燥して品質が劣化する「冷凍焼け」を防ぎ、脂の酸化を最小限に抑えます。

•メリット: 乾燥と酸化を極限まで抑制。解凍後のドリップが少なく、生に近い品質を維持。
•デメリット: 液体凍結に比べると凍結速度はやや緩やか。
KOGASUNの推奨
アジの繊細な品質と安全性を両立させるためには、品質維持能力に最も優れた3Dフリーザー®が最適です。多くの水産加工会社様で、高品質な冷凍アジフライや干物の製造に活用されています。
アジ急速冷凍の具体的な手順
アジフライ用(開き・三枚おろし)
1.下処理: アジの頭と内臓を取り除き、ぜいごを削ぎ落とします。背開きまたは三枚におろします。
2.洗浄・水分の拭き取り: 冷たい塩水で手早く洗い、キッチンペーパーで水分を徹底的に拭き取ります。
3.急速冷凍(IQF): トレイに並べ、3Dフリーザー®でIQF凍結します。この段階で衣をつけてから凍結することも可能です。
4.保管: 凍結後、バラバラの状態で袋にまとめて冷凍保管します。
干物
1.下処理・塩水漬け: 開いたアジを、立て塩(塩水)に20〜30分漬け込みます。
2.乾燥: 風通しの良い場所で、表面が乾くまで干します。
3.急速冷凍: 重ならないようにトレーに並べて、そのまま3Dフリーザー®で急速冷凍します。
刺身・たたき用
1.下処理: 三枚におろし、腹骨と皮を取り除きます。
2.急速冷凍: 3Dフリーザー®でそのままの状態で急速冷凍します。
3.包装: 空気が入らないように包装して保管します。アニサキス対策として、中心温度が-20℃以下で24時間以上経過するように管理します。
ポイント
通常のエアブラスト場合は、商品が裸のまま冷却すると乾燥して品質劣化や日持ちの低下に繋がるため包装して急速冷凍するようにしましょう。冷凍前の真空包装の強力な締め付けは、身の角を潰すだけでなく、細胞エアブラスト方式は『風による乾燥』、リキッド方式は『溶液の付着』を防ぐため、どちらも凍結前の真空包装が避けられません。 しかし、この包装による強力な締め付けは、身の角を潰すだけでなく細胞そのものを物理的に圧迫・変形させます。この負荷が解凍時の復元を妨げ、結果として大量のドリップ流出を助長してしまうのです。
この『圧力による劣化』を根本から解決するのが、3Dフリーザーです。 乾燥を起こさない特殊な高湿度3D冷気により、事前のパックを不要にしました。 ストレスフリーな状態で細胞を凍らせるため、解凍後も組織が復元しやすく、まるで生のままのような『角』と『食感』を再現できるのです。」
最高の状態で味わうための解凍テクニック
アジフライ:凍ったまま揚げる
•凍ったまま調理: 凍ったままのアジに衣をつけ、170℃程度の油でじっくり揚げます。解凍せずに揚げることで、身の水分が保たれ、ふっくらと仕上がります。
干物:冷蔵庫解凍
•冷蔵庫解凍: 冷蔵庫で3〜4時間かけてゆっくり解凍してから焼くと、均一に火が通り、美味しく焼き上がります。
刺身・たたき:氷水解凍
•氷水解凍: 真空パックのまま、氷水に15〜20分浸して解凍します。最も早く、ドリップを抑えられる方法です。
まとめ:急速冷凍で安全・高品質なアジを
急速冷凍技術は、アジを提供する上での「安全性」と「品質」という2つの大きな課題を解決します。
•安全性: アニサキスを死滅させ、安全な生食提供を実現。
•品質維持: 旬のアジの旨味と、ふっくらとした食感を長期間キープ。
•ビジネス拡大: 高品質な冷凍アジフライや干物、刺身用フィレを、飲食店、スーパー、ECサイトへ安定供給可能に。
「自社のアジフライで、急速冷凍の品質を確かめたい」 「アニサキス対策を徹底した安全な商品を開発したい」
ぜひKOGASUNの**無料冷凍テスト**をご利用ください。お客様のアジを最高の状態で凍結し、その品質の違いを実感していただけます。HACCPに基づいた安全な運用についても、専門のコンサルタントがご提案いたします。
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