失敗しないスパイラルフリーザーの選び方|処理量・スペース・予算別ガイド

スパイラルフリーザーは高価な設備投資であり、一度導入すると長期間使用することになります。そのため、導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、自社の生産計画や設置環境に最適な一台を慎重に選ぶことが極めて重要です。

本記事では、スパイラルフリーザー選びで失敗しないための3つの主要な軸「処理能力」「設置スペース」「対象食品」と、導入前に必ず確認すべきチェックリストを、専門メーカーの視点から分かりやすく解説します。

1. 選び方の軸①:処理能力(kg/h)で選ぶ

まず最初に明確にすべきなのは、「1時間あたりに何kgの製品を処理したいか」という処理能力です。必要な処理能力は、以下の式で算出できます。

必要な処理能力(kg/h) = 1日の生産目標量(kg) ÷ 1日の稼働時間(h)

例えば、1日8時間稼働で4,000kgの製品を生産したい場合、4,000kg ÷ 8h = 500kg/h となり、500kg/h以上の処理能力を持つモデルが候補となります。

注意点: 将来的な増産計画がある場合は、それを見越して余裕を持った処理能力のモデルを選定することも重要です。

2. 選び方の軸②:設置スペースで選ぶ

次に、工場のどこに設置するのか、そのスペースの寸法を正確に測定します。確認すべきは、幅、奥行きだけでなく、天井の高さも重要です。スパイラルフリーザーは縦方向にコンベアを配置するため、高さが必要になります。

また、本体の寸法だけでなく、メンテナンス作業を行うためのスペース(メンテナンススペース)も周囲に確保する必要があります。一般的に、装置の周囲に最低でも1メートル程度の空間が必要です。

3. 選び方の軸③:対象食品で選ぶ

何を冷凍・冷却するのかによって、最適なコンベアベルトの種類や冷却方式が異なります。

3-1. コンベアベルトの種類

ベルトの種類 特徴 適した食品
プラスチックメッシュ 軽量で洗浄しやすい。安価。 包装された冷凍食品、パン、菓子など
ステンレスネット 耐久性が高い。細かい製品も搬送可能。 裸の製品、パン粉付きのフライ、小さな水産物など

3-2. 冷却方式

多くのスパイラルフリーザーは冷風で冷却しますが、その当て方にも種類があります。例えば、KOGASUNの「3Dフリーザー®」は、食品を包み込むように多方向から高湿度な冷風を当てることで、乾燥を防ぎ高品質な冷凍を実現します。

4. 【チェックリスト】導入前に確認すべき10項目

最終的な機種決定の前に、以下の項目をメーカーの担当者と必ず確認しましょう。

  • 処理能力は将来の増産計画を含めて十分か?
  • 設置スペース(特に高さ)は確保できているか?
  • メンテナンススペースは確保できているか?
  • 対象食品に適したベルトの種類は何か?
  • 凍結テストで品質に満足できたか?
  • CIP(自動洗浄)機能は必要か?
  • 省エネ性能は十分か?(ランニングコストの試算)
  • メーカーのメンテナンスサポート体制は万全か?
  • 活用できる補助金制度はあるか?
  • 総所有コスト(TCO)で比較して納得できるか?

5. KOGASUNの提案プロセス

KOGASUNでは、お客様に最適な一台をご提案するため、以下のステップで丁寧に対応いたします。

1.ヒアリング: お客様の製品、生産量、課題を詳しくお伺いします。

2.凍結テスト: 実際の製品をお預かりし、最適な凍結条件を見つけ出します。

3.設計・提案: テスト結果とお客様のご要望に基づき、オーダーメイドで最適な一台を設計・ご提案します。

6. まとめ

失敗しないスパイラルフリーザー選びは、「処理能力」「設置スペース」「対象食品」という3つの軸で要件を固め、最終的にはメーカー担当者とチェックリストを一つずつ確認しながら、自社の課題を最も解決してくれる一台を見極めることが重要です。

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