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とり天の基本情報
とり天は、鶏肉に下味をつけて天ぷら粉で揚げた大分県の郷土料理です。唐揚げとは異なり、ふんわりとした衣とさっぱりとした味わいが特徴で、練りからしを添えた酢醤油やポン酢、大分特産のかぼすをかけていただくのが一般的です。
とり天の発祥は、1926年(大正15年)に別府市で創業した「レストラン東洋軒」とされています。創業者の宮本四郎氏は、帝国ホテルなど名だたるレストランで腕を振るい、天皇の料理番を務めたこともある敏腕シェフでした。当時、唐揚げは骨付きが一般的で女性が食べにくかったことから、骨のないもも肉を箸でつまみやすい大きさに切り、天ぷら風にアレンジしたのがとり天の始まりといわれています。
大分県は鶏肉の消費量が全国トップクラスで、とり天は県民のソウルフードとして広く親しまれています。レストランや居酒屋、食堂はもちろん、スーパーの惣菜コーナーやお弁当屋さんでも定番メニューとして提供されています。
とり天は常温で放置すると油が酸化してしまうため、正しい保存方法を知っておくことが大切です。冷蔵で1〜2日、冷凍で約2週間の保存が可能です。
美味しいとり天の作り方のコツ
冷凍保存しても美味しく食べられるとり天を作るために、調理のポイントを押さえておきましょう。
鶏肉の選び方と下処理
とり天には、もも肉またはむね肉を使います。もも肉はジューシーで食べ応えがあり、むね肉はさっぱりとヘルシーに仕上がります。冷凍保存する場合は、脂肪分が多くパサつきにくいもも肉がおすすめです。
鶏肉は一口大のそぎ切りにします。大きさを揃えることで火の通りが均一になり、揚げ上がりが美しくなります。むね肉を使う場合は、下味に砂糖を加えると肉が柔らかくジューシーに仕上がります。
下味のつけ方
とり天の特徴は、揚げる前に鶏肉に下味をつけること。醤油、おろしにんにく、おろししょうが、酒、ごま油を揉み込むのが基本です。下味をつけることで、何もつけなくても美味しく食べられます。
下味をつけた鶏肉は、30分〜1時間ほど冷蔵庫で寝かせると味がよく染み込みます。揚げる前にキッチンペーパーで余分な水分を拭き取ると、衣がきれいにつきます。
衣のつけ方と揚げ方
天ぷら粉を水で溶いて衣を作ります。衣に氷を1〜2個加えると、カリッとした食感に仕上がります。衣は硬めに作ると剥がれにくくなります。
発祥の店「東洋軒」では、衣に水を加えず卵だけを使うのがこだわりとのこと。そうすることで、ふんわりとした食感になるそうです。
170〜180℃に熱した油で、途中上下を返しながら3〜4分揚げます。揚げすぎると硬くなるので注意しましょう。こんがりときつね色になったら油をきり、熱いうちにいただきます。
とり天の冷凍保存方法
とり天を美味しく冷凍保存するためには、油の酸化を防ぐことが重要です。
調理済みとり天の冷凍
揚げたとり天は冷凍保存が可能です。油の酸化を抑えるため、正しい手順で保存しましょう。
まず、揚げたとり天の油をしっかりきり、粗熱を完全に取ります。熱いまま冷凍すると霜がつきやすく、品質が劣化してしまいます。
粗熱が取れたら、クッキングシートやキッチンペーパーでとり天を包みます。こうすることで余分な油を吸い取り、酸化を防ぐことができます。
包んだとり天をフリーザーバッグに入れ、空気をしっかり抜いて密封します。金属トレイの上に置くか、急速冷凍機能を使って素早く凍らせると、風味をより長くキープできます。
保存期間は約2週間が目安です。それ以上保存すると風味が損なわれ、パサパサした食感になってしまいます。保存袋に品名と日付を書いておくと管理しやすくなります。
下味冷凍でストック
調理前の状態で冷凍保存する「下味冷凍」もおすすめです。下味をつけた鶏肉を冷凍しておけば、食べたいときに解凍して揚げるだけで、あつあつのとり天が楽しめます。
鶏肉を一口大に切り、ジッパー付き保存袋に入れます。醤油(小さじ1)、酒(大さじ1)、おろしにんにく(小さじ1/2)、ごま油(小さじ1)、塩こしょう(適量)を加えて全体に揉み込みます。
平らにならして空気を抜き、密封して冷凍します。保存期間は約2〜3週間が目安です。使うときは前日に冷蔵庫に移すか、電子レンジの解凍機能で解凍し、キッチンペーパーで水分を拭き取ってから衣をつけて揚げてください。
しょうがベースの下味をつけておくと、パサつきやすい鶏むね肉もしっとり美味しくいただけます。
とり天の解凍方法と美味しく食べるコツ
冷凍したとり天をより美味しく味わうためには、適切な解凍方法が重要です。サクサクの衣とふわっとした鶏肉の食感がとり天の美味しさのカギです。
電子レンジで解凍
まず、冷凍したとり天を耐熱皿に並べ、ふんわりとラップをかけます。電子レンジ500Wで5〜6個につき約3分加熱し、中まで温めます。
電子レンジだけでは衣がしんなりしてしまうため、次のステップでオーブントースターを使うのがポイントです。
オーブントースターで仕上げる
電子レンジで解凍したとり天を、オーブントースターで表面をカリッと焼きます。アルミホイルをくしゃっとさせて広げ、その上にとり天を並べると、溝に余分な油が落ちて食感がよくなります。
1000Wのトースターで2〜3分、表面がカリッとするまで加熱します。焦げないよう様子を見ながら調整してください。揚げたてに近いサクサクの食感が復活します。
自然解凍
お弁当に入れる場合は、自然解凍も可能です。冷凍したとり天をそのままお弁当箱に入れておくと、お昼頃には自然に解凍されて食べ頃になります。保冷剤代わりにもなるので、夏場のお弁当にも便利です。
他の解凍方法についても詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
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とり天のアレンジと活用法
冷凍保存したとり天は、そのまま食べるだけでなく、さまざまなアレンジで楽しむことができます。
とり天丼
温め直したとり天をごはんの上にのせ、甘辛いタレをかければボリューム満点のとり天丼に。もやしを加えてシャキシャキとした食感をプラスするのもおすすめです。卵でとじれば、さらに満足感のある一品になります。
冷凍のまま煮汁に入れて煮込むこともできるので、忙しいときにも重宝します。
とり天うどん・そば
温かいうどんやそばにとり天をトッピングすれば、食べ応えのある一杯に。とり天の旨みが出汁に溶け出して、深い味わいが楽しめます。
とり天南蛮
温め直したとり天に甘酢だれを絡め、タルタルソースをかければ、とり天南蛮の完成です。チキン南蛮とはまた違った、ふんわりとした衣の食感が楽しめます。
薬味のバリエーション
とり天は、つけダレや薬味を変えるだけでさまざまな味わいが楽しめます。定番の酢醤油+練りからし以外にも、ポン酢、かぼす、おろし大根、大葉など、お好みの薬味を添えてみてください。
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とり天をはじめとした揚げ物は家庭でも冷凍保存が可能ですが、業務用急速冷凍機を使用することで、さらに高度な品質を保持した冷凍保存が可能になります。揚げ物のサクサクとした食感や鶏肉のジューシーさを保つためには、プロの冷凍技術が欠かせません。
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急速冷凍技術を活用することで、とり天などの惣菜・弁当の製造・販売における流通範囲を広げ、全国の消費者に本場大分の味を届けることが可能になります。
