「炊き込みご飯を冷凍すると、解凍した時にパラパラになりすぎる」 「お米の芯が硬くなって(白ロウ化)、炊きたてのモチモチ感が消えてしまう」
食品メーカー様や給食センター様から、このようなご相談をよくいただきます。 特に調味料が入ったご飯は、白米とは違う挙動をするため、適切な冷凍コントロールが必要です。今回は、製造現場でパック詰めされた直後を想定し、40℃からテストを行いました。
Contents
テスト条件と結果

今回は、パック詰めを行い、少し粗熱が取れた状態からのスタートです。
- サンプル名:炊き込みご飯(醤油・ダシベース、具材入り)
- 投入温度:40℃
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:90分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

「90分」という時間は、これまでの食材(魚や肉)に比べると長く感じるかもしれません。 しかし、密度の高い「ご飯」の塊、かつ凍りにくい「調味液」を含んだ状態では、この時間は「乾燥させずに芯まで凍らせる」ための最適なプロセスでもあります。
1. 長時間の冷却でも「カピカピ」に乾燥させない
一般的な冷凍庫(直風式)で、ご飯を90分間冷風にさらし続けるとどうなるでしょうか? 表面の水分が飛び、お米がカピカピに乾燥してしまいます(冷凍焼け)。これが解凍後の「硬い」「ボソボソする」最大の原因の一つです。
3Dフリーザーは「湿度を保った冷気」で包み込むため、90分かかっても表面の潤いを奪いません。 これにより、解凍後もお米一粒一粒がふっくらとしており、炊き込みご飯特有のツヤも維持されます。
2. 調味料を含んだ「凍りにくい中心部」もしっかり凍結
炊き込みご飯には、醤油、みりん、酒、塩などが含まれています。これらは水の凍る温度(0℃)を下げてしまうため、中心部がなかなか凍りません。 中途半端な冷凍能力だと、外側だけ凍って中心は半生…という事故が起きやすいのです。
今回のテストでは、40℃からスタートし、確実に中心温度を-18℃まで下げ切りました。 これは、味の濃いご飯や、油分を含んだチャーハンなどでも、ムラなく安全に凍結完了できるというパワーの証明です。
3. 「40℃投入」で雑菌繁殖のリスクを回避
40℃という温度は、実は細菌が最も活発に増殖する温度帯(約30℃〜40℃)のど真ん中です。 自然放冷でこの温度帯を長く漂わせることは、食中毒リスクを高める危険な行為です。
温かい状態から強制的に冷凍サイクルに入れることで、菌が好む温度帯を速やかに通過させることができます。 お弁当や惣菜として販売する際、この「温度管理の徹底」は、賞味期限の設定や安全性アピールにおいて非常に大きな武器になります。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
炊き込みご飯などの米飯類は、容器や量によって凍結時間が劇的に変わります。
- 容器の形状:深さのある容器か、平らなトレーか。
- 具材の大きさ:根菜(ゴボウ、人参)が多いか、鶏肉が多いか。
- 積載量:一度に何キロ処理したいか。
「今の容器のままで凍らせたい」「おにぎりの形状だとどうなるか?」 デモテストでは、実際の容器に入れた状態でセンサーを差し込み、「中心まで完全に凍る時間」と「解凍後の風味・食感」を正確に割り出します。
まとめ
今回の炊き込みご飯のテストでは、「乾燥を防ぎながら90分かけて芯まで凍結」することで、解凍後も炊きたてのようなふっくら感と風味を維持できることが実証されました。
「お米のおいしさをそのまま届けたい」「廃棄ロスを減らすために冷凍化を進めたい」とお考えの皆様。 お米の冷凍は難しいからこそ、3Dフリーザーの「湿度保持力」が違いを生みます。ぜひ一度、その舌でお確かめください。
