多くのベーカリーや製パン工場が抱える共通の悩み、それは「冷却工程」です。焼きたてのパンを次の工程(スライス、包装)に進めるには、中心までしっかりと熱を取る必要がありますが、自然放冷では時間がかかりすぎ、生産の大きなボトルネックとなります。
また、無理に次の工程に進めれば、パンが潰れたり、袋の中に水滴がついてカビの原因になったりと、品質問題に直結します。
スパイラルフリーザー(スパイラルクーラー)は、この冷却工程を劇的に改善し、ベーカリーの生産性と品質を飛躍的に向上させる切り札です。本記事では、ベーカリー業界に特化して、スパイラルフリーザーがもたらすメリットと、導入成功のポイントを解説します。
スパイラルフリーザーの全体像をまず理解したい方は、こちらの完全ガイドからご覧ください。 → スパイラルフリーザー完全ガイド|仕組み・選び方・価格まで徹底解説
Contents
1. ベーカリーが抱える3大課題とスパイラルフリーザーによる解決策
課題1:冷却スペースの圧迫と生産のボトルネック
焼きたてのパンを冷ますために、何段にもなるラックカートが作業場を埋め尽くしていませんか?この「冷却待ち」の時間が、生産全体のスピードを決定づけてしまいます。
•解決策: 焼成ラインの直後にスパイラルクーラーを連結することで、冷却工程をインライン化・自動化します。縦方向に搬送するため、わずかなスペースで数十分かかる冷却工程を完了でき、ラックカートが占めていた広大なスペースを有効活用できます。

課題2:季節や天候による品質のばらつき
自然放冷は、その日の気温や湿度に大きく影響されます。夏場はなかなか冷めず、冬場は乾燥しすぎるなど、品質が安定しません。
•解決策: スパイラルフリーザーは、密閉された空間で温度とベルト速度をコントロールしながら冷却します。特にKOGASUNの「3Dフリーザー®」は、湿度を保った冷気でやさしく冷却するため、製品の水分を奪わず、一年中しっとりとした最高の品質を維持できます。
課題3:冷凍生地(ドウコン)の品質劣化
冷凍生地を製造する場合、急速冷凍の質が解凍後のパンの出来栄えを大きく左右します。ゆっくり凍らせると、氷の結晶が大きくなり、パン生地のグルテン組織を破壊してしまうためです。
•解決策: スパイラルフリーザーで急速冷凍することで、氷の結晶が小さいまま凍結温度帯を通過するため、生地へのダメージを最小限に抑えます。これにより、焼成後も釜伸びが良く、風味豊かなパンを作ることが可能になります。
2. パンの種類別|スパイラルフリーザー活用法
| パンの種類 | 活用法 | もたらされる効果 |
|---|---|---|
| 食パン・菓子パン | 焼成後の冷却(クーリング) | 冷却時間の大幅短縮、品質の安定、生産性向上 |
| 冷凍パン生地 | 生地の急速冷凍 | グルテン組織のダメージ抑制、解凍後の品質向上 |
| 揚げパン・ドーナツ | 揚げた後の冷却・冷凍 | 油の酸化防止、サクッとした食感の維持 |
| シュークリーム・ケーキ | クリーム充填後の冷却 | クリームのダレ防止、形状の安定 |
3. ベーカリー向けメーカー選びのポイント
ベーカリー業界でスパイラルフリーザーを選ぶ際は、一般的な選定基準に加え、以下の2点が特に重要です。
Point 1:搬送技術は確かか?
パンやケーキは非常にデリケートです。コンベアの乗り継ぎ部分で製品が倒れたり、振動で形が崩れたりしないよう、スムーズな搬送技術を持つメーカーを選びましょう。コンベアベルトの種類や、乗り継ぎ部分の処理にノウハウがあるかを確認することが重要です。
Point 2:高湿度での冷却が可能か?
パンの命である「しっとり感」を保つためには、乾燥させない冷却技術が不可欠です。単に冷やすだけでなく、「いかに水分を奪わずに冷やすか」という点に独自の技術を持っているメーカーを選びましょう。食品の水分率が変わると品質に大きく影響します。
まとめ:冷却工程の革新が、パン屋の未来を変える
スパイラルフリーザーへの投資は、単なる機械の導入ではありません。それは、生産のボトルネックを解消し、品質を新たなレベルに引き上げ、そして従業員の働き方をも変える、未来への投資です。
特に、KOGASUNの「3Dスパイラルフリーザー®」は、その3D高湿度冷却技術により、多くのベーカリー様から「パンの味が変わった」と高い評価をいただいています。
「うちの工場でも導入できるだろうか?」「今の品質課題は解決できるだろうか?」
そのお悩み、ぜひ一度KOGASUNにご相談ください。実際のパンを使った冷却・冷凍テストを通じて、貴社のパンがもっと美味しくなる方法を一緒に見つけ出します。
