急速冷凍と食品衛生法|営業許可・施設基準・表示義務を徹底解説

急速冷凍機を導入して冷凍食品を製造・販売する場合、食品衛生法に基づく営業許可の取得や、施設基準の遵守、適切な表示が必要です。

本記事では、冷凍食品事業を始める際に知っておくべき食品衛生法の基礎知識と、営業許可の取得手順、HACCPに基づく衛生管理について詳しく解説します。

冷凍食品の製造・販売に必要な営業許可

1. 冷凍食品製造業の許可

冷凍食品を製造する場合、「冷凍食品製造業」の営業許可が必要です(食品衛生法第55条)。この許可は、都道府県知事(保健所を設置する市または特別区では市長・区長)から取得します。

2. 飲食店営業許可との違い

飲食店営業許可では、店内で調理した料理をその場で提供することはできますが、冷凍食品として販売することはできません。冷凍食品を製造・販売する場合は、別途「冷凍食品製造業」の許可が必要です。

3. 食品の冷凍又は冷蔵業の許可

冷凍食品を保管するだけの場合(製造は行わない)は、「食品の冷凍又は冷蔵業」の許可が必要です。

冷凍食品製造業の施設基準

営業許可を取得するには、以下のような施設基準を満たす必要があります(詳細は自治体によって異なります)。

主な施設基準

•作業場: 十分な広さがあり、清潔で衛生的な構造であること。

•手洗い設備: 作業場内に手洗い設備を設けること。

•冷凍設備: -15℃以下で保管できる冷凍設備を備えること。

•給水設備: 清潔な水を十分に供給できること。

•排水設備: 適切な排水設備を備えること。

•更衣室: 作業場と区画された更衣室を設けること。

営業許可の取得手順

1.事前相談: 管轄の保健所に相談し、施設基準や必要書類を確認。

2.施設の準備: 施設基準を満たすよう、設備を整備。

3.申請書類の提出: 営業許可申請書、施設の図面、食品衛生責任者の資格証明書などを提出。

4.施設検査: 保健所の担当者が施設を検査。

5.許可証の交付: 基準を満たしていれば、営業許可証が交付される。

HACCPに基づく衛生管理の義務化

2021年6月から、すべての食品事業者にHACCPに基づく衛生管理が義務化されました。

急速冷凍は、HACCPの重要管理点(CCP)の一つである「加熱・冷却」工程に該当します。適切な温度管理と記録が求められます。

詳しくは**急速冷凍とHACCP|安全な食品提供を実現する衛生管理のポイント**をご覧ください。

冷凍食品の表示義務

冷凍食品を販売する際には、食品表示法に基づき、以下の項目を表示する必要があります。

•名称

•原材料名

•内容量

•賞味期限または消費期限

•保存方法

•製造者または販売者の氏名・住所

•凍結前加熱の有無(加熱してあるか、加熱していないか)

•加熱調理の必要性(そのまま食べられるか、加熱が必要か)

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