「急速冷凍機を導入したいが、種類が多くてどれを選べばいいかわからない」 「自社の食材に最適な冷凍機はどのタイプ?」 「高価な買い物だから、絶対に失敗したくない」
業務用急速冷凍機の導入を検討する際、多くの方がこのような悩みに直面します。急速冷凍機は、冷却方式によって様々な種類があり、それぞれに得意なこと・不得意なことがあります。自社の目的や食材に合わない機種を選んでしまうと、「期待した品質が得られない」「作業効率が悪い」といった失敗に繋がりかねません。
この記事では、業務用急速冷凍機の専門メーカーであるKOGASUNが、主要な5つの方式を徹底比較し、自社に最適な一台を見つけるための「選び方」を分かりやすく解説します。
この記事を読めば、各方式のメリット・デメリットを正しく理解し、自信を持って最適な急速冷凍機を選べるようになります。まずは、なぜ「選び方」がそれほど重要なのか、その理由から見ていきましょう。
Contents
なぜ「選び方」が重要なのか?導入失敗のよくある原因
急速冷凍機の導入で失敗する最も一般的な原因は、「目的と手段のミスマッチ」です。
•価格だけで選んでしまった: 安価な機種を導入したが、凍結能力が低く、期待した品質が出なかった。
•オーバースペックな機種を選んでしまった: 高性能な機種を導入したが、自社の生産量には過剰で、投資を回収できない。
•食材との相性を確認しなかった: 導入後、主力食材がうまく凍結できないことが判明した。
このような失敗を避けるためには、導入前に「何を、どれくらい、どのように冷凍したいのか」という目的を明確にし、それに合った方式(手段)を選ぶことが不可欠です。まずは、急速冷凍機の代表的な5つの方式について、その仕組みと特徴を理解しましょう。
急速冷凍機の5大方式|それぞれの仕組みと特徴
業務用急速冷凍機は、主に以下の5つの方式に分類されます。それぞれの仕組みとメリット・デメリットを解説します。
1. エアブラスト方式
•仕組み: -30℃以下の強力な冷風を食材に吹き付けて凍結させる方式です。
•メリット: 構造がシンプルで導入コストが比較的安い。様々な形状・大きさの食材に対応できる汎用性の高さが魅力です。
•デメリット: 冷風が直接当たるため、食材の表面が乾燥しやすい(冷凍焼け)。凍結速度は他の方式に比べて緩やかです。
•適した食材: 包装済みの食品、根菜類、加工品など、乾燥の影響を受けにくいもの。
2. 液体(リキッド)凍結方式
•仕組み: –30℃前後に冷却したアルコールや塩化カルシウム水溶液などの液体(ブライン液)に、包装した食材を浸して凍結させます。
•メリット: 液体の熱伝導率は空気の約20倍と非常に高いため、凍結速度が速い。形状が複雑なものでもムラなく均一に凍結できます。
•デメリット: 食材を液体に直接浸すことはできないため、真空包装などの前処理が必要。また、液体の管理や交換に手間とコストがかかります。
•適した食材: 魚の切り身、肉のブロック、ソースやスープなどの液体製品。
3. 液体窒素凍結方式(ガス凍結)
•仕組み: -196℃の液体窒素を庫内に噴射し、気化させて食材を凍結させます。
•メリット: 非常に低い温度で一気に凍結させるため、凍結速度は最も速く、品質維持に優れています。
•デメリット: 液体窒素のコストが高く、ランニングコストが他の方式に比べて高額になります。また、超低温による凍結のため、食材によっては割れ(クラック)が発生することがあります。
•適した食材: 魚卵、ウニ、高級肉など、付加価値が高く、品質を最優先したい食材。
4. コンタクト方式
•仕組み: 冷却した金属板で食材を上下から挟み込み、接触熱で凍結させます。
•メリット: 熱伝導が良く、凍結速度が速い。同じ形状のものを大量に生産する場合、非常に効率的です。
•デメリット: 食材の形状が平たいものに限られます。厚みのあるものや形状が不揃いなものには不向きです。
•適した食材: ハンバーグパティ、魚のすり身、餃子など、平たく成形されたもの。
5. 3Dフリーザー®(高湿度冷気方式)
•仕組み: KOGASUNの特許技術。単に冷風を当てるのではなく、フィンコイル(熱交換器)を使わない独自の構造で、湿度を保った冷気を庫内で循環させ、食品を包み込むように立体的に冷却します。
•メリット: 食品の水分を奪わないため、乾燥や目減りを最小限に抑えられます。これにより、生ものや調理済み品でも、みずみずしさや風味を損なわずに高品質な冷凍が可能です。エアブラスト方式の汎用性と、液体凍結方式の品質を両立した方式と言えます。
•デメリット: 他の方式に比べて、導入事例がまだ少ない(KOGASUN独自の技術であるため)。
•適した食材: 寿司ネタ、ケーキ、パン、炊き立てのご飯など、乾燥を特に嫌う食材全般に最適です。
【比較表】自社に最適な急速冷凍機はどれ?
5つの方式の特徴を一覧表にまとめました。自社の優先順位と照らし合わせながら、最適な方式を見つけてください。
| 評価項目 | エアブラスト | 液体凍結 | 液体窒素 | コンタクト | 3Dフリーザー® |
|---|---|---|---|---|---|
| 凍結速度 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
| 品質保持 | △ | ○ | ◎ | △ | ◎ |
| 乾燥・目減り | × | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
| 導入コスト | ◎ | △ | ○ | ○ | ○ |
| ランニングコスト | ○ | △ | × | ○ | ○ |
| 汎用性 | ◎ | △ | ○ | × | ◎ |
| 衛生管理 | ○ | △ | ◎ | ○ | ◎ |
•コストを最優先するなら: エアブラスト方式
•凍結速度を最優先するなら: 液体凍結方式 or 液体窒素方式
•品質とコストのバランスを重視するなら: 3Dフリーザー®
•特定の形状のものを大量生産するなら: コンタクト方式
失敗しないための7つのチェックポイント
方式の候補が絞れたら、最終決定のために以下の7つのポイントをチェックしましょう。
1.【最重要】冷凍テストは実施したか? 主力食材を持ち込み、実際に凍結・解凍して品質を確認しましたか?カタログスペックだけでは分からない「本当の品質」を自分の目で確かめることが最も重要です。KOGASUNでは無料の冷凍テストを随時受け付けています。
2.処理能力(生産量)は適切か? 1時間あたり、または1日あたりに冷凍したい食材の重量(kg)はどれくらいですか?将来の事業拡大も見据え、少し余裕を持った処理能力の機種を選ぶのがおすすめです。
3.本体サイズと設置場所は確認したか? 厨房や作業場に、本体を設置する十分なスペースはありますか?搬入経路(入口の幅や高さ、通路)も忘れずに確認しましょう。
4.ランニングコストは試算したか? 電気代、メンテナンス費用、消耗品(液体窒素やブライン液など)を含めたトータルのランニングコストを試算しましたか?
5.補助金や税制優遇は活用できるか? 導入コストを大幅に削減できる可能性があります。急速冷凍機の補助金完全ガイドを参考に、利用できる制度がないか確認しましょう。
6.清掃のしやすさ・衛生管理はどうか? 毎日使うものだからこそ、清掃のしやすさは重要です。部品の取り外しが簡単か、庫内の隅々まで清掃できる構造か、といった点も確認しましょう。
7.メーカーのサポート体制は万全か? 導入後の運用相談や、万が一の故障時に迅速に対応してくれるメーカーですか?導入実績やサポート体制も、メーカー選びの重要な判断基準です。
まとめ
最適な業務用急速冷凍機を選ぶことは、単なる設備投資ではありません。自社の製品の価値を高め、生産性を向上させ、ビジネスの未来を切り拓くための戦略的な一手です。
今回の記事のポイントを振り返ります。
•急速冷凍機は5つの方式に大別される: それぞれに得意・不得意があり、自社の目的に合った方式を選ぶことが重要。
•品質とコストのバランスが鍵: 各方式のメリット・デメリットを比較検討し、最適なバランスを見つける。
•最終判断は「冷凍テスト」で: 必ず実機で主力食材をテストし、凍結品質を確認する。
•7つのチェックポイントで失敗を防ぐ: 生産量、設置場所、コスト、サポート体制などを多角的に検討する。
どの機種が自社に最適か迷ったら、ぜひ一度、急速冷凍のプロにご相談ください。
KOGASUNでは、お客様の課題やご要望を丁寧にヒアリングし、豊富な経験と専門知識に基づいて最適な一台をご提案します。特許技術「3Dフリーザー®」が、あなたのビジネスにどのような変革をもたらすか、ぜひ無料の冷凍テストでご体感ください。
