「急速冷凍機を導入したいが、一体いくらかかるのだろう?」 「高価な設備投資に見合うだけの効果(リターン)はあるのか?」 「導入コストを少しでも抑える方法はないだろうか?」
業務用急速冷凍機の導入を検討する上で、「価格」と「費用対効果」は最も気になるポイントではないでしょうか。急速冷凍機は、安価なものでも数百万円、大型の機種になれば1,000万円を超えることもあり、決して安い買い物ではありません。
しかし、価格だけで判断し、安易に導入を決めてしまうのは危険です。本体価格だけでなく、設置費用や電気代などのランニングコスト、そして導入によってどれだけの利益が生まれるのかという費用対効果(ROI)を総合的に見極めることが、失敗しない投資の鍵となります。
この記事では、業務用急速冷凍機の専門メーカーであるKOGASUNが、価格の相場から費用対効果のシミュレーション、そして導入コストを抑えるための補助金活用術まで、お金にまつわる全てを徹底解説します。
Contents
【サイズ別】業務用急速冷凍機の価格相場
業務用急速冷凍機の価格は、主に「処理能力(1回あたりに冷凍できる量)」によって大きく変動します。一般的に、以下の3つのサイズに分類されます。
| サイズ | 処理能力の目安 | 本体価格の相場 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 小型(バッチ式) | 5kg〜30kg/回 | 200万円〜700万円 | レストラン、パティスリー、小規模な食品加工所 |
| 中型(バッチ式) | 50kg〜100kg/回 | 1,000万円〜2,000万円 | 給食センター、セントラルキッチン、中規模の食品工場 |
| 大型(トンネル型フリーザー) | 100kg/h〜 | 2,000万円以上 | 大規模な食品工場、加工センター |

注意点: 上記はあくまで一般的な相場です。冷却方式(エアブラスト、液体窒素など)やメーカー、オプションの有無によって価格は大きく変わります。正確な価格を知るためには、必ずメーカーから見積もりを取りましょう。
価格を左右する5つの要因
本体価格は、具体的にどのような要因で決まるのでしょうか。主に以下の5つのポイントが挙げられます。
1.処理能力(コンプレッサーのサイズ): 最も価格に影響する要因です。処理能力が高いほど、大型のコンプレッサー(圧縮機)が必要となり、価格も上昇します。
2.冷却方式: 一般的に、シンプルな構造の「エアブラスト方式」は安価な傾向にあり、「液体凍結方式」や「液体窒素方式」は高価になる傾向があります。詳しくは**業務用急速冷凍機の種類と選び方**をご覧ください。
3.本体の材質・断熱性能: 錆びにくく衛生的なステンレスの材質や、断熱性能の高いウレタンパネルを使用している機種は、価格も高くなりますが、耐久性や省エネ性能に優れています。
4.メーカー・ブランド: 実績のある大手メーカーや、独自の特許技術を持つメーカーの製品は、価格が高くなる傾向があります。しかし、その分、性能の信頼性やサポート体制が充実しているというメリットもあります。
5.オプション機能: 自動霜取り機能、遠隔監視システム、特殊なサイズの台車など、オプションを追加すると価格は上がります。
見落としがちな「ランニングコスト」の内訳
急速冷凍機の導入で忘れてはならないのが、ランニングコストです。本体価格(イニシャルコスト)だけでなく、長期的な視点でトータルのコストを把握することが重要です。
•電気代: 最も大きな割合を占めるランニングコストです。コンプレッサーの出力や稼働時間によって変動します。省エネ性能の高いインバーター搭載機種を選ぶことで、大幅に削減できる可能性があります。
•メンテナンス費用: 安定した性能を維持し、故障を未然に防ぐためには、メーカーによる定期的なメンテナンスが不可欠です。年間保守契約を結ぶのが一般的です。
•消耗品費: 液体窒素方式の場合は液体窒素の購入費、液体凍結方式の場合はブライン液の交換費用などが定期的に発生します。
•水道代: 冷却装置(コンデンサー)が水冷式の場合や、庫内の清掃時に水道代がかかります。
【シミュレーション】急速冷凍機の費用対効果(ROI)
では、実際に急速冷凍機を導入すると、どれくらいの期間で投資を回収できるのでしょうか。ここでは、ある飲食店が500万円の急速冷凍機(中型)を導入したケースで、費用対効果(ROI: Return on Investment)をシミュレーションしてみましょう。
【前提条件】
•導入機種: 500万円(耐用年数10年、減価償却費50万円/年)
•ランニングコスト: 5万円/月(年間60万円)
【導入による効果(利益増)】
1.食品ロス削減: 廃棄していた食材(月10万円相当)を冷凍保存し、活用。
•効果: +10万円/月
2.人件費削減: 仕込み作業を平準化し、パート従業員のシフトを削減。
•効果: +15万円/月
3.売上増: 高品質な冷凍テイクアウト商品を開発し、新たな収益源を確保。
•効果: +20万円/月
【費用対効果の計算】
•月間利益: (10 + 15 + 20)万円 – 5万円(ランニングコスト) = 40万円
•年間利益: 40万円 × 12ヶ月 = 480万円
•投資回収期間: 500万円(導入コスト) ÷ 480万円(年間利益) ≒ 1.04年
このシミュレーションでは、約1年で初期投資を回収できる計算になります。もちろん、これは一例であり、業種や活用方法によって効果は大きく異なります。重要なのは、自社の状況に合わせて「導入によってどれだけの利益が生まれるか」を具体的に試算してみることです。
導入コストを抑える「補助金・税制優遇」の活用
急速冷凍機の導入には、国や地方自治体が実施する様々な補助金・助成金制度を活用できる場合があります。これらを活用することで、導入コストを大幅に削減することが可能です。
代表的な制度には以下のようなものがあります。
•事業再構築補助金: 新分野展開や業態転換など、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する制度。
•ものづくり補助金: 中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的な製品・サービスの開発、生産プロセスの改善等を支援する制度。
•中小企業経営強化税制: 特定の設備を取得した場合に、即時償却または取得価額の10%の税額控除が選択適用できる制度。
これらの制度は、公募期間や要件が頻繁に変更されます。最新の情報は、中小企業庁のウェブサイトや、各制度の公式サイトで必ず確認してください。
より詳しい情報は、**【2025年最新】急速冷凍機の補助金完全ガイド**で網羅的に解説しています。
まとめ
業務用急速冷凍機の価格は、決して安くはありません。しかし、それは単なる「コスト」ではなく、自社の未来を切り拓くための「戦略的投資」です。
今回の記事のポイントをまとめます。
•価格相場は200万円から: 価格は処理能力や方式によって大きく変動する。
•ランニングコストも忘れずに: 電気代やメンテナンス費用を含めたトータルコストで考える。
•費用対効果(ROI)の試算が重要: 「何年で元が取れるか」を具体的にシミュレーションする。
•補助金の活用で負担を軽減: 利用できる制度がないか、積極的に情報収集する。
価格だけで判断するのではなく、自社の課題を解決し、新たな利益を生み出すための最適な一台を見極めることが、導入成功の鍵です。
「自社の場合は、どれくらいの費用対効果が見込めるだろう?」 「どの補助金が使えるか相談したい」
このような具体的なご相談がありましたら、ぜひKOGASUNにお任せください。専門のスタッフが、お客様の状況に合わせた最適な投資計画の立案をサポートいたします。
