「ほっけ」のおいしさは、焼いた時にジュワッと溢れ出る脂と、身のふっくら感にあります。 しかし、一般的な冷凍庫で時間をかけて凍らせると、解凍時に旨味を含んだ水分(ドリップ)が抜けてしまい、焼くと身が締まって硬くなりがちです。また、豊富な脂が酸化して独特の臭みが出ることも、水産加工業者様の悩みの種です。
今回は、加工直後の15℃の状態から、わずか26分で凍結を完了させ、その品質を検証しました。
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テスト条件と結果

- サンプル名:ほっけ(開き)
- 投入温度:15℃
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:26分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

15℃から26分で完了。このスピードは、ほっけの商品価値を大きく引き上げます。
1. 焼いた時の「ふっくら感」が別格
ほっけの評価は、最終的に消費者が焼いて食べた瞬間に決まります。 緩慢冷凍(通常の冷凍)では、細胞が壊れてスポンジ状になり、焼くと水分が一気に蒸発して「パサパサ」な食感になってしまいます。
今回の「26分」という急速凍結なら、細胞を壊さずに水分をその場に留めます。 焼いた時、内部の水分が蒸気となって身をふっくらと持ち上げるため、まるで現地の干物屋で食べるような、厚みのあるホクホクとした食感が再現できます。
2. 脂の「酸化(油焼け)」を防ぎ、鮮度を保つ
ほっけのように脂が多い魚は、冷凍中の風当たりに非常に敏感です。 強い冷風を直接当て続けると、表面の脂が急速に酸化し、黄色く変色したり、古くなった油のような臭いが発生したりします(いわゆる油焼け)。
3Dフリーザーは、湿度を保った冷気で包み込むように熱を奪うため、脂を空気による酸化から守ります。 解凍後も皮目の色が美しく、焼いた時にも嫌な臭いがせず、本来の香ばしい魚の香りが立ち上ります。
3. 「15℃投入」で加工ラインの流れを止めない
通常、魚の体温や加工場の温度(15℃前後)から冷凍する場合、一度チルド庫などで予冷を行うことが多いですが、これはタイムロスになります。
今回のデータ通り、15℃からダイレクトに入れても20分台で凍るということは、「開く→洗う→即冷凍」という連続的なライン構築が可能だということです。 鮮度が落ちやすい常温帯に留める時間を最小限にすることで、ヒスタミン生成などのリスクも抑え、安全で高品質な製品作りが可能になります。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
ほっけは、サイズや加工方法によって凍結条件が変わります。
- 真ほっけ vs 縞ほっけ:縞ほっけの方が脂が多く厚みがある傾向があり、熱の抜け方が異なります。
- 干し加減:生の状態か、一夜干しかによって水分量が違います。
- 重ね方:トレイに並べるか、吊るすかなど。
「特大サイズでも芯まで凍るか?」「一番脂が乗った時期の魚でも大丈夫か?」 デモテストでは、実際に焼いて試食していただき、「箸を入れた時の身離れの良さ」までご確認いただけます。
まとめ
今回のほっけのテストでは、「15℃から26分」というスピード凍結により、焼いた時のふっくら感と、脂の鮮度を両立できることが実証されました。
「居酒屋チェーンに高品質なほっけを卸したい」「通販で『まるで生のような干物』を売り出したい」とお考えの水産加工業者の皆様。 その品質の違い、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。焼き上がりの違いに、きっと驚かれるはずです。
