ハムの急速冷凍｜しっとり食感と塩味を保つプロの技術

3Dフリーザーオーダーメイドモデルでハムをテンパリングする様子｜均一解凍で食感と風味を保持

「こだわりの自家製ハム。冷凍したらパサパサで、塩辛くなってしまう…」「解凍したら水分が出て、旨味が薄まってしまう」「専門店の味をそのまま家庭に届けられる、高品質な冷凍ハムを作りたい」

サンドイッチからオードブルまで、幅広く活躍するハム。その魅力は、しっとりとした食感と、程よい塩味、そして肉本来の旨味にあります。しかし、この繊細な品質は、冷凍によって最も損なわれやすいものでした。

この課題を解決し、作りたての感動をそのまま閉じ込める技術が「急速冷凍」です。

この記事では、業務用急速冷凍機の専門メーカーKOGASUNが、ハムの価値を最大化するための急速冷凍技術を、以下の点から詳しく解説します。

•なぜハムは冷凍すると品質が劣化するのか？

•しっとり食感と塩味を保つ具体的な手順

•最高の状態で味わうための解凍・調理テクニック

この技術を導入すれば、食肉加工品事業の新たな看板商品として、ビジネスを大きく飛躍させることができます。

Contents

なぜハムは冷凍すると品質が劣化するのか？

ハムの品質が冷凍によって劣化する主な理由は、ドリップの流出と食感の変化です。

1. ドリップによる旨味の損失

緩慢冷凍では、大きな氷の結晶が肉の繊維を破壊し、解凍時にドリップが流出します。これにより、旨味成分や水分が失われ、パサパサとした食感になります。

2. 塩分の影響

ハムに含まれる塩分は、冷凍プロセスに影響を与え、品質を劣化させる一因となることがあります。解凍時に水分だけが抜け、塩辛さが際立ってしまうこともあります。

3. 酸化による風味の劣化

脂肪分が、冷凍保管中に酸化し、「冷凍焼け」と呼ばれる不快な臭いの原因となります。

ポイント

急速冷凍は、これらの問題を一挙に解決します。素早く凍結させることで、細胞破壊を防いでドリップの流出を抑制し、酸化も最小限に抑えます。

ハムに最適な急速冷凍の方法

ハムのように、しっとりとした食感が重要な食材には、乾燥させずに凍結する技術が不可欠です。

3Dフリーザー®（特許技術 ACVCS®方式）

KOGASUNの3Dフリーザー®は、高湿度な3D冷気を多方向から食品を包み込むように均一に当てることで、乾燥を防ぎながら氷結晶を均一に生成して高品質冷凍を可能にします。これを3D凍結®といいます。酸化を抑制し、冷凍焼けのリスクを最小限に抑えることができます。

3Dフリーザーの仕組みを詳しく見る

•メリット: しっとりとした食感を維持。作りたての品質を長期間キープ。

•デメリット: 液体凍結に比べると凍結速度はやや緩やか。

KOGASUNの推奨

ハムの「しっとり感」を維持するためには、品質維持能力に最も優れた3Dフリーザー®が最適です。多くの食肉加工工場やハム工房で、その高い品質維持能力が実証されています。

ハム急速冷凍の具体的な手順

1.冷却: 調理後、ハムの中心部までしっかりと冷まします。

2.カット: ブロックのまま、あるいはスライスして冷凍します。

3.包装: 空気に触れないように、真空パックするのが最も理想的です。真空パックできない場合は、ラップで隙間なく包みます。

4.急速冷凍: 急速冷凍します。

※3Dフリーザーを利用する場合は、急速な粗熱取りのみでも使え、カット前のテンパリング加工としても活用できます。また冷凍前に乾燥を防ぐための包装も不要なので利便性の点からもおすすめできます。

ポイント

エアブラスト方式は『風による乾燥』、リキッド方式は『溶液の付着』を防ぐため、どちらも凍結前の真空包装が避けられません。 しかし、この包装による強力な締め付けは、身の角を潰すだけでなく細胞そのものを物理的に圧迫・変形させます。この負荷が解凍時の復元を妨げ、結果として大量のドリップ流出を助長してしまうのです。

この『圧力による劣化』を根本から解決するのが、3Dフリーザーです。 乾燥を起こさない特殊な高湿度3D冷気により、事前のパックを不要にしました。 ストレスフリーな状態で細胞を凍らせるため、解凍後も組織が復元しやすく、まるで生のままのような『角』と『食感』を再現できるのです。」