エビの急速冷凍|プリプリ食感を保つプロの技術と背わた処理

「獲れたてのエビのプリプリ感を、冷凍後も再現したい」 「冷凍エビは、解凍するとドリップが出てしまい、食感も味も落ちる」 「エビフライや天ぷら用の、まっすぐで高品質な冷凍エビを作りたい」

寿司、天ぷら、エビチリなど、和洋中あらゆる料理で主役となるエビ。その魅力は、なんといっても加熱した際の「プリプリ」とした独特の食感と、凝縮された甘みです。しかし、非常に傷みやすく、冷凍によってその食感が損なわれやすいという大きな課題がありました。

この課題を解決し、獲れたての品質を長期間維持する技術が「急速冷凍」です。

この記事では、業務用急速冷凍機の専門メーカーKOGASUNが、エビの価値を最大限に引き出すための急速冷凍技術を、以下の点から詳しく解説します。

なぜエビの冷凍は難しいのか?

エビの冷凍が難しい理由は、その高い水分含有率とタンパク質の性質にあります。

1. 食感の劣化(パサつき・硬化)

エビのプリプリとした食感は、加熱によってタンパク質が凝固することで生まれます。しかし、緩慢冷凍では、大きな氷結晶が細胞組織を破壊し、解凍時にドリップとして大量の水分と旨味成分が流出。これにより、タンパク質が変性し、加熱してもプリプリにならず、パサついたり、硬くなったりしてしまいます。

2. 風味の損失と黒変

ドリップの流出は、エビ本来の甘みや旨味も一緒に失うことを意味します。また、エビの頭部には酵素が多く含まれており、時間が経つと頭部や足が黒くなる「黒変」という現象が起こります。緩慢冷凍では、この黒変を止めることができません。

急速冷凍は、氷結晶を極めて微細に保つことで、細胞破壊を最小限に抑えます。これにより、ドリップの流出を防ぎ、解凍後も獲れたてのようなプリプリとした食感と、濃厚な甘みを再現することが可能です。また、酵素の働きを瞬時に止めるため、黒変を防ぐ効果もあります。

エビに最適な急速冷凍の方法

エビのように、個々の形状を保ちながら高品質に凍結したい食材には、IQF(個別急速冷凍)性能に優れた凍結方法が不可欠です。

3Dフリーザー®(特許技術 ACVCS®方式)

KOGASUNの**3Dフリーザー®**は、高湿度な3D冷気を多方向から食品を包み込むように均一に当てることで、乾燥を防ぎながら氷結晶を均一に生成して高品質冷凍を可能にします。これを3D凍結®といいます。これにより、一尾一尾を美しく、高品質にIQF凍結することが可能です。

3Dフリーザー®(ACVCS®高湿度冷気)でムラなく冷却・冷凍するイメージ

•メリット: IQF性能が非常に高い。乾燥を防ぎ、食感の劣化が極めて少ない。

•デメリット: 液体凍結に比べると凍結速度はやや緩やか。

KOGASUNの推奨

エビの「プリプリ感」と「甘み」を両立させるためには、高品質なIQF凍結を実現する3Dフリーザー®が最適です。多くの水産加工会社様や食品工場様で、その高い品質維持能力が実証されています。

エビ急速冷凍の具体的な手順

1.下処理: エビの頭を落とし、背わたを竹串などで取り除きます。用途に応じて、殻を剥いたり、尾を残したりします。

•伸ばしエビ(エビフライ用): 腹側に数カ所切り込みを入れ、筋を切ってまっすぐに伸ばします。

2.洗浄: 冷たい塩水で手早く洗い、汚れを落とします。

3.水分の拭き取り: キッチンペーパーで、一尾一尾の水分を丁寧に拭き取ります。これが品質を左右する重要なポイントです。

4.急速冷凍(IQF): トレイに水分を拭き取ったエビがくっつかないように並べ、3Dフリーザー®で急速冷凍します。

5.保管: 凍結後、パラパラの状態で袋にまとめて冷凍保管します。

ポイント

エアブラスト方式は『風による乾燥』、リキッド方式は『溶液の付着』を防ぐため、どちらも凍結前の真空包装が避けられません。 しかし、この包装による強力な締め付けは、身の角を潰すだけでなく細胞そのものを物理的に圧迫・変形させます。この負荷が解凍時の復元を妨げ、結果として大量のドリップ流出を助長してしまうのです。

この『圧力による劣化』を根本から解決するのが、3Dフリーザーです。 乾燥を起こさない特殊な高湿度3D冷気により、事前のパックを不要にしました。 ストレスフリーな状態で細胞を凍らせるため、解凍後も組織が復元しやすく、まるで生のままのような『角』と『食感』を再現できるのです。」

最高の状態で味わうための解凍テクニック

おすすめの解凍方法:流水解凍または塩水解凍

•流水解凍: 凍ったエビを袋に入れ、流水で短時間で解凍します。

•塩水解凍(推奨): ボウルに3%程度の塩水を作り、凍ったエビを浸して解凍します。浸透圧の効果で、ドリップが出にくく、プリプリ感がより保たれます。

ポイント: 加熱調理する場合は、完全に解凍せず、中心が少し凍っている半解凍の状態で調理を始めると、加熱しすぎを防ぎ、最高の食感に仕上がります。

まとめ:急速冷凍でエビの付加価値を最大化

急速冷凍技術は、鮮度が命であるエビを、いつでも手軽に使える高品質な食材へと進化させます。

•品質維持: 獲れたてのプリプリとした食感と甘みを長期間キープ。

•利便性向上: IQF凍結により、必要な分だけ使える便利な商品に。

•商品開発: 伸ばしエビ、むきエビ、殻付きエビなど、様々なニーズに対応した商品を開発可能。

「自社で扱っているエビで、急速冷凍の品質を確かめたい」 「エビフライ用の伸ばしエビのIQF凍結について相談したい」

ぜひKOGASUNの**無料冷凍テスト**をご利用ください。お客様のエビを最高の状態で凍結し、その驚くべき品質の違いをご自身の目でお確かめいただけます。専門のコンサルタントが、お客様のビジネスを成功に導くための最適なソリューションをご提案いたします。

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