食の高騰下に3Dフリーザー

引用元:みなと新聞  2008年10月29日 掲載

費用対効果抜群 乾燥、目減り、雑菌を排除

エアオペレーションテクノロジーズの3Dは、湯気が立つ加熱食品も難なくプラスからマイナス温度帯に連続的に冷却・冷凍できるチラー&フリーザー(C&F)。食材が含む湿気を逃がさず冷やしこむため、素材本来の細胞、鮮度、食感、風味を損ねずに冷却凍結でき、乾燥による歩留まり低下もない。最近のすり身や小麦、乳製品など食材の高騰を背景に低コスト、高品質の冷凍食品を具現する3Dの費用対効果の高さに目ざとい食品メーカーの関心が注がれている。

3Dは庫内の湿度を保ちながら乱流で冷気を充満させ、空気熱伝導率のよい水分(湿気)を介して冷熱を効率よく食材に伝える冷却冷凍システム。このため、氷結点も微細で解凍後のドリップがほとんどなく、食材の乾燥、飛散なども無縁。冷却目的での使用で、仮に一部凍結してもほぼ完ぺきに復元できる。

ダクトレス構造の採用で、雑細菌の温床となる隙間や死角をなくしたことで、無菌状態の清潔な庫内が保てる一方、従来のエアブラスト機につきまとう着霜(デフロスト)を排除し、冷凍機の負荷軽減で30%以上の節電を可能したのが際立つ特徴。既に、ねり製品(揚げ物、ちくわ、板かま)、蒸し製品(シューマイ、ギョーザ)、調理冷食(ライス、ピザ)、菓子類(プリン、せんべい)などの各食品分野で3DのC&F両機能兼用の効果が立証されている。

ねり製品の目減り軽減 5800万円のプラス

3D冷却・冷凍をするねり製品メーカーの例では、1枚60gの揚げかまぼこを凍結、販売するためにエアブラストによる乾燥分を考慮して8g増量していたが、3D導入後の目減りは1g以下にとどまった。

日食5万本を製造する同社の場合、1枚7gの減量を可能にしたことで、1日あたり350キロ約24万円(洋上FAすり身=キロ680円で試算)、20日稼働で年間5800万円のコストダウンを果たした。

出来立ての芯(しん)温約80℃の揚げかまぼこをHACCP認証基準の10℃までに冷却するのに要する時間は、1時間かかっていたものが、3D導入後は12分に短縮。また、ネットコンベヤーの一般生菌数は、生協などが定める10の3乗を超えていたものが、導入後は「検出不能」に。この多、使用後の庫内の清掃時間を従来の3時間から30分に短縮した。シンプルで衛生的な3Dのダクトレス構造が寄与している。

特に、ねり製品は冷凍すると「素」ができるのが定説となっていたが、3Dを導入した全国の有名メーカーがこの問題を解決、冷凍かまぼこを製造するようになった。

 

ダクトレス構造の3Dフリーザー

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