精肉店や食品工場、飲食店の皆様にとって、鶏肉の管理は「鮮度との戦い」です。 特に鶏もも肉は水分が多く、冷凍・解凍の過程で肉の組織が壊れやすい食材です。解凍した時にトレーが赤い汁(ドリップ)でびちゃびちゃになっていたり、焼いた時に硬くなってしまったりした経験はありませんか?
今回は、実際の現場でのオペレーションを想定し、冷蔵温度帯から一気に凍結させるテストを行いました。
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テスト条件と結果

今回は、下処理後の冷蔵保管状態をイメージした温度からのスタートです。
- サンプル名:鶏もも肉
- 投入温度:6.2℃
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:24分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

6.2℃という冷蔵状態から、わずか24分で完全凍結。 この「20分台」というスピードと、3Dフリーザーの技術は、鶏もも肉の品質にどのような革命をもたらすのでしょうか。
1. 「ドリップ」を封じ込め、唐揚げやソテーがジューシーに
鶏もも肉の一番の魅力は、噛んだ瞬間のジューシーな脂と肉汁です。 しかし、時間をかけて凍らせると、肉の中の水分が大きな氷の塊となり、細胞を突き破ってしまいます。これが解凍時の大量のドリップの原因であり、調理後の「パサつき」の正体です。
今回の「24分」というタイムは、細胞が壊れる暇を与えないスピードです。 肉汁を細胞内に留めたまま凍結できるため、解凍後もプリプリとした弾力が残ります。 唐揚げにしても肉汁が溢れ出し、煮込み料理でもふっくら仕上がります。
2. 厚みが不均一な「もも肉」もムラなく凍結
鶏もも肉は、分厚い部分と薄い部分が混在しており、さらに皮が付いているため、形状が非常に複雑です。 一方向から風を当てるだけの冷凍機では、「薄い部分は凍りすぎて冷凍焼け(乾燥)し、厚い部分は中心まで凍っていない」という「凍結ムラ」が起きがちです。
3Dフリーザーは、立体的で不規則な冷気を当てるため、形状が凸凹している鶏もも肉でも、包み込むように均一に冷却します。 皮目の乾燥も防げるため、焼いた時の皮のパリッと感や色味も損なわれません。
3. 「臭み」の原因となる菌の増殖をシャットアウト
鶏肉は他の食肉に比べて、鮮度劣化による「臭み」が出やすい食材です。 6.2℃という温度帯は、放置すればすぐに品質劣化が始まります。
24分で-18℃まで落とすということは、品質劣化が進む隙を与えず、鮮度を「瞬間凍結」するということです。 臭みのないクリーンな状態で保存できるため、味付けをしていないプレーンな状態での商品化や、薄味の料理にも自信を持って使っていただけます。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
鶏肉は「荷姿(パッキングの状態)」によって凍結時間が大きく変わります。
- IQF(バラ凍結):カットした肉を一つずつ凍らせる場合。
- ブロック凍結:2kgの袋詰めで凍らせる場合(厚みが出るため時間がかかります)。
- 真空パック:タレ漬けなどの場合。
「普段通りの荷姿で、芯まで凍るのに何分かかるのか?」 「解凍して調理した時、本当にドリップが出ないのか?」 デモテストでは、貴社の実際の製品スタイルで検証を行い、最適な凍結レシピ(風量や時間設定)を見つけ出します。
まとめ
今回の鶏もも肉のテストでは、「24分での急速凍結」により、ドリップと臭みを抑え、ジューシーな肉質を維持できることが実証されました。
「輸入鶏肉との差別化を図りたい」「ブランド地鶏の品質を落とさずに全国へ届けたい」とお考えの生産者様、メーカー様。 その自慢の鶏肉、3Dフリーザーで「一番おいしい状態」のまま止めてみませんか?
