牡蠣の急速冷凍|生食用・加熱用の品質を保つ方法と解凍のコツ

「旬の時期に大量に仕入れた牡蠣を、ロスなく販売したい」 「冷凍すると身が縮んでしまい、生のような食感が失われる」 「食中毒のリスクが怖くて、冷凍牡蠣の扱いに踏み切れない」

「海のミルク」と称される牡蠣は、その濃厚な旨味とクリーミーな食感で多くの人々を魅了します。しかし、旬が短く、非常に傷みやすいため、特に生食用の牡蠣の品質管理は事業者にとって大きな課題です。

この課題を解決し、安全で美味しい牡蠣を一年中提供可能にするのが「急速冷凍」技術です。

この記事では、業務用急速冷凍機の専門メーカーKOGASUNが、牡蠣の価値を最大限に高めるための急速冷凍技術を、以下の点から詳しく解説します。

•なぜ牡蠣に急速冷凍が有効なのか?

•生食用(殻付き・むき身)と加熱用の最適な冷凍方法

•ぷりぷりの食感を保ち、身痩せを防ぐ具体的な手順

•安全性を確保するための解凍テクニックと注意点

この技術を導入すれば、旬の牡蠣を新たな通年商品として、安全かつ高品質に提供できるようになります。

なぜ牡蠣の冷凍は難しいのか?

牡蠣の冷凍が難しいとされる理由は、その高い水分含有率と繊細な組織にあります。

1. 身痩せと食感の劣化

緩慢冷凍では、牡蠣の細胞内の水分が大きな氷の結晶となり、細胞膜を破壊します。これにより、解凍時にドリップとして水分と旨味が流出し、身が縮んで(身痩せ)、ぷりぷりとした食感が失われ、ゴムのような硬い食感になってしまいます。

2. 風味の損失

ドリップの流出は、牡蠣特有のクリーミーで濃厚な旨味成分も一緒に失うことを意味します。また、冷凍中の酸化により、磯の香りが生臭さに変わってしまうこともあります。

3. 衛生管理のリスク

牡蠣はノロウイルスなどの食中毒リスクが伴う食材です。不適切な温度管理や解凍方法は、菌の増殖を招き、重大な衛生問題につながる可能性があります。

急速冷凍は、氷結晶を微細化することで細胞破壊を防ぎ、これらの問題を解決します。ドリップを最小限に抑えることで、解凍後も生のようなぷりぷりとした食感と、濃厚な旨味を保つことができます。

牡蠣に最適な急速冷凍の方法

牡蠣のように水分が多く、形が崩れやすい食材には、包み込むように優しく凍結させる方法が適しています。

3Dフリーザー®(特許技術 ACVCS®方式)

KOGASUNの**3Dフリーザー®**は、高湿度な3D冷気を多方向から食品を包み込むように均一に当てることで、乾燥を防ぎながら氷結晶を均一に生成して高品質冷凍を可能にします。これを3D凍結®といいます。これにより、牡蠣の表面が乾燥するのを防ぎ、むき身の状態でも、まるでコーティングされたかのように瑞々しさを保ったまま凍結できます。

3Dフリーザー®(ACVCS®高湿度冷気)でムラなく冷却・冷凍するイメージ

•メリット: 乾燥を防ぎ、身痩せが少ない。IQF(個別急速冷凍)に適している。

•デメリット: 液体凍結に比べると凍結速度はやや緩やか。

牡蠣の繊細な食感とクリーミーな味わいを最大限に保つためには、乾燥ダメージを与えない3Dフリーザー®が最も効果的です。特に、むき身の牡蠣をバラバラの状態で凍結(IQF)させたい場合に、その真価を発揮します。

牡蠣の急速冷凍|具体的な手順

殻付き牡蠣(生食用)

1.洗浄: 殻の表面の汚れをタワシなどで徹底的に洗い流します。

2.急速冷凍: 洗浄した殻付き牡蠣を、平らな面を下にしてトレイに並べ、3Dフリーザー®で急速冷凍します。

3.グレーズ処理: 冷凍後、一度冷水にくぐらせて表面に氷の膜(グレーズ)を張ることで、乾燥と酸化をさらに防ぎます。

4.保管: グレーズ処理後、袋や容器に入れて冷凍保管します。

むき身牡蠣(生食用・加熱用)

1.洗浄: 殻から外した牡蠣を、塩水で優しく振り洗いし、汚れやぬめりを取ります。

2.水分の拭き取り: キッチンペーパーで、一つ一つの水分を丁寧に拭き取ります。

3.急速冷凍(IQF): 牡蠣用トレーに敷き、牡蠣同士がくっつかないように並べて、3Dフリーザー®で急速冷凍(3D凍結®)します。

4.保管: 凍結後、バラバラの状態で袋にまとめて冷凍保管します。これにより、必要な分だけ取り出して使えます。

安全性と美味しさを両立する解凍方法

生食用:冷蔵庫解凍

1.準備: 凍った牡蠣(殻付き・むき身)を皿に並べ、ラップをかけて冷蔵庫に入れます。

2.解凍: 5〜8時間かけてゆっくり解凍します。低温で解凍することで、ドリップの流出と菌の増殖を防ぎます。

加熱用:凍ったまま調理

カキフライや鍋物、アヒージョなどに使用する場合は、解凍せずに凍ったまま調理するのがおすすめです。これにより、旨味を逃さず、加熱による身縮みを最小限に抑えることができます。

注意点: 一度解凍した牡蠣の再冷凍は、品質の劣化と衛生上のリスクがあるため、絶対に避けてください。

まとめ:急速冷凍で牡蠣のビジネス価値を高める

急速冷凍技術を導入することで、旬の味覚である牡蠣を、年間を通して安定供給できる高付加価値な商品に変えることができます。

•品質維持: 生のような食感と濃厚な旨味を長期間キープ。

•安全性向上: 適切な冷凍・解凍により、食中毒リスクを低減。

•ビジネス拡大: 殻付き牡蠣やむき身牡蠣のIQF商品を、ECサイトや全国の飲食店に展開可能。

「自社の牡蠣が、急速冷凍でどれだけ品質を保てるか試したい」 「安全な運用方法を含めて、専門家のアドバイスが欲しい」

ぜひKOGASUNの**無料冷凍テスト**をご利用ください。お客様の牡蠣を最高の状態で凍結し、その品質の違いを実感していただけます。食中毒対策やHACCPに関するご相談も承りますので、お気軽にお問い合わせください。

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