「急速冷凍した食品は、どれくらい保存できるのか?」
急速冷凍機を導入する際、多くの方が気になるのが賞味期限です。せっかく高品質に冷凍しても、適切な期間内に使い切らなければ、品質が劣化してしまいます。
本記事では、急速冷凍食品の賞味期限を、食材別に詳しく解説します。
Contents
急速冷凍食品の賞味期限の基本
賞味期限と消費期限の違い
•賞味期限: 美味しく食べられる期限(品質保証期間)
•消費期限: 安全に食べられる期限
冷凍食品は、-18℃以下で保存すれば、微生物の繁殖がほぼ停止するため、安全性の面では長期間保存可能です。しかし、品質(味、食感、風味)は徐々に劣化します。
急速冷凍と通常冷凍の違い
急速冷凍は、通常冷凍よりも細胞破壊が少ないため、同じ保存期間でも品質の劣化が少ないです。
ただし、賞味期限の目安は、急速冷凍でも通常冷凍でも大きくは変わりません。重要なのは、-18℃以下で安定して保存することです。
食材別|急速冷凍食品の賞味期限
1. 肉類
| 食材 | 賞味期限(-18℃以下) | ポイント |
|---|---|---|
| 牛肉(ブロック・ステーキ) | 6〜12ヶ月 | 真空パックで長期保存可能 |
| 豚肉(ブロック・ステーキ) | 4〜6ヶ月 | 牛肉より脂が酸化しやすい |
| 鶏肉(もも・むね) | 6〜9ヶ月 | 皮付きは酸化しやすい |
| ひき肉 | 3〜4ヶ月 | 空気に触れる面積が大きく、酸化しやすい |
| 加工肉(ハム・ソーセージ) | 1〜2ヶ月 | 塩分や添加物の影響で短め |
詳しくは**肉類の急速冷凍テクニック完全版**をご覧ください。
2. 魚介類
| 食材 | 賞味期限(-18℃以下) | ポイント |
|---|---|---|
| 白身魚(鯛・ヒラメ等) | 6〜8ヶ月 | 脂が少なく、保存性が高い |
| 青魚(サバ・イワシ等) | 2〜3ヶ月 | 脂が多く、酸化しやすい |
| サーモン・マグロ | 3〜6ヶ月 | 脂の量により異なる |
| エビ・イカ・タコ | 6〜9ヶ月 | 比較的保存性が高い |
| 貝類(ホタテ・アサリ等) | 3〜6ヶ月 | 鮮度が重要 |
詳しくは**魚介類の急速冷凍|鮮度と旨味を閉じ込めるプロの技術**をご覧ください。
3. 野菜・果物
| 食材 | 賞味期限(-18℃以下) | ポイント |
|---|---|---|
| 葉物野菜(ほうれん草等) | 8〜12ヶ月 | ブランチング必須 |
| 根菜類(にんじん・大根等) | 10〜12ヶ月 | 長期保存可能 |
| 果物(ベリー類) | 8〜12ヶ月 | 糖度が高いと長持ち |
| カット野菜 | 6〜8ヶ月 | 早めに使い切る |
詳しくは**野菜・果物の急速冷凍|旬の美味しさを保つための下処理と冷凍のコツ**をご覧ください。
4. パン・お菓子
| 食材 | 賞味期限(-18℃以下) | ポイント |
|---|---|---|
| 食パン・ロールパン | 1〜2ヶ月 | 乾燥に注意 |
| 菓子パン | 1〜2ヶ月 | クリームは分離しやすい |
| クッキー・焼き菓子 | 3〜6ヶ月 | 比較的長持ち |
| デコレーションケーキ | 1ヶ月 | 生クリームは早めに |
詳しくは**パン・お菓子を急速冷凍する新常識**をご覧ください。
5. 惣菜・調理済み食品
| 食材 | 賞味期限(-18℃以下) | ポイント |
|---|---|---|
| 揚げ物(唐揚げ・コロッケ) | 1〜2ヶ月 | 油の酸化に注意 |
| 煮物 | 1〜2ヶ月 | 具材により異なる |
| 炊き込みご飯 | 1ヶ月 | 風味が飛びやすい |
| カレー・シチュー | 1〜2ヶ月 | じゃがいもは食感が変わる |
詳しくは**惣菜・調理済み食品の急速冷凍**をご覧ください。
賞味期限を延ばすための5つのポイント
1. 新鮮なうちに冷凍する
鮮度が落ちた食材を冷凍しても、品質は戻りません。収穫・調理後、できるだけ早く冷凍することが重要です。
2. 適切な包装をする
空気に触れると、酸化や冷凍焼けが進みます。真空パックや、ラップ+アルミホイルで、しっかり密閉しましょう。
詳しくは**急速冷凍食品の包装方法**をご覧ください。
3. -18℃以下で安定保存
温度変動は品質劣化の大敵です。業務用冷凍庫で、-18℃以下を安定して保ちましょう。
4. 先入れ先出しを徹底
古いものから使う「先入れ先出し」を徹底し、長期在庫を作らないようにします。
5. 解凍・再冷凍を避ける
一度解凍したものを再冷凍すると、品質が大きく劣化します。使う分だけ解凍しましょう。
業務用・EC販売の場合の賞味期限設定
業務用として製造・販売する場合、または、EC・通販で販売する場合は、安全係数を考慮した賞味期限設定が必要です。
賞味期限の設定方法
1.保存試験を実施: 実際に冷凍保存し、定期的に品質をチェック。
2.品質が保たれる期間を確認: 味、食感、風味、見た目が許容範囲内の期間を確認。
3.安全係数を掛ける: 通常、0.7〜0.8を掛けた期間を賞味期限とする。
例: 保存試験で6ヶ月品質が保たれた → 賞味期限は4〜5ヶ月に設定
詳しくは**急速冷凍と食品衛生法**をご覧ください。
KOGASUNは賞味期限設定もサポート
KOGASUNでは、**無料の冷凍テスト**で、お客様の食材の最適な冷凍方法を探るだけでなく、賞味期限設定のアドバイスも行っています。
保存試験の方法や、表示の仕方についても、豊富な経験からサポートいたします。
