寿司ビジネスの可能性を広げる上で、作り置きや遠隔地への配送は重要なテーマです。しかし、シャリの品質劣化、特に「白蝋化(はくろうか)」は長年の課題でした。本記事では、最新の急速冷凍技術「3Dフリーザー®」を用いて寿司の冷凍テストを実施した結果を、具体的なデータと写真付きで詳しくご紹介します。冷凍寿司の常識を覆す、その驚きの品質をご覧ください。
Contents
1. テスト結果の要約:白蝋化なく、握りたての食感と見た目を維持
まず初めに、今回の急速冷凍テストの結論からお伝えします。3Dフリーザー®を使用し、握り寿司を約40分で急速冷凍した結果、シャリの白蝋化は見られず、ネタの艶や食感も非常に良好な状態を保つことができました。
2. 寿司冷凍の最大の敵「白蝋化」とは?
そもそも「白蝋化」とは、お米(シャリ)を冷凍・解凍する際に、デンプンが劣化して白く硬くなり、パサパサとした食感になってしまう現象です。これは、食品の水分が凍る温度帯(0℃~-5℃)をゆっくり通過することで発生しやすく、冷凍寿司の品質を著しく損なう最大の原因とされてきました。
3Dフリーザー®は、この温度帯を極めて短時間で通過させることで、デンプンの劣化を最小限に抑え、白蝋化を防ぎます。
3. テストの具体的な手順と結
今回のテストは、以下の手順で実施しました。
1.準備: 握り寿司をトレーに並べ、3D冷気が全体に均一に行き渡るように配置します。
2.冷凍開始: 庫内を-35℃に設定し、運転を開始します。
3.完了: 芯温計で寿司の中心温度が-18℃に到達したことを確認し、冷凍を完了としました。
写真で見る冷凍前後の比較
写真をご覧いただければ、その差は一目瞭然です。
【冷凍前】

【冷凍後】

4. 寿司ビジネスにおける3Dフリーザー導入の3大メリット
今回の結果から、寿司業態で3Dフリーザー®を導入することには、主に3つの大きなメリットがあると考えられます。
メリット1:計画生産による業務効率化と品質の安定
ピークタイム前に寿司を仕込んで急速冷凍しておくことで、注文が集中する時間帯でも、作りたてと遜色ない品質の寿司を迅速に提供できます。これにより、職人の負担を軽減し、店舗運営の平準化を実現します。
メリット2:EC・ギフトなど新たな販路の開拓
解凍後もドリップや型崩れがほとんどないため、これまで難しかった遠隔地への配送や、お取り寄せグルメ、ギフト商品としての展開が可能になります。ビジネスの可能性が大きく広がります。
メリット3:フードロスの大幅な削減
需要予測のズレによる売れ残りは、寿司店にとって大きな悩みの一つです。売れ残りそうな商品を急速冷凍して保存することで、廃棄をなくし、フードロス問題の解決に貢献します。
5. まとめと次の一歩
3Dフリーザー®による急速冷凍は、寿司の「白蝋化」という長年の課題を克服し、品質を維持したまま長期保存や流通を可能にする画期的な技術です。これにより、業務効率の改善、新たな市場開拓、そしてフードロス削減といった、飲食業界が直面する多くの課題に対する有効な解決策となり得ます。
ご自身の店舗の食材で、この冷凍品質を試してみませんか?出張デモや郵送でのテストも随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
