省エネ運用(kWh/kg)の作り方|スパイラルフリーザーの着霜対策・除霜・入口対策

この記事のポイント

  • kWh/kg(電気の使い方の効率)を見れば、どの製品でも比べられます。
  • ムダの大半は ①入口の外気と湿気②霜(着霜)③回し方(風量・温度・ベルト) から生まれます。
  • 3Dフリーザーは「気流が均一・ダクトレス」で省エネ運用に向いています(詳しくは下記)。

1. kWh/kgってなに?(まずは“見える化”)

式:kWh/kg = 使った電力量(kWh) ÷ 凍結した重さ(kg)

取り方はシンプル。電力量は分電盤や子メーターで1分ごとの記録、同じ時間の出来高(kg)を足し算。
除霜で使った電力は別で足して、日や週で按分します。

基礎や用語の解説は 省スペース・大量急速冷凍のポイントスパイラルフリーザー(製品) をどうぞ。

2. まず効くのはこの3つ(今日からできる)

① 入口・出口の外気を入れない

  • 洗浄後のトレーやベルトはしっかり乾かしてから投入(濡れは霜の元)。
  • 仕込み室を低湿・低温側に寄せ、露(くもり)を持ち込まない。

② 霜(着霜)を増やさない/うまく除霜する

  • 時間だけで除霜せず、上のサインで必要な時だけ除霜。
  • 複数コイルなら交互除霜で連続運転を保つ。除霜後はしっかり水切り・乾燥

③ 回し方(風量・温度・ベルト)を整える

  • ベルト占有率の目安:70〜85%(低すぎ=空気ばかり冷やす/高すぎ=ムラ)。
  • 滞留時間は「必要な冷却時間+10〜15%の余裕」に。
  • 風量はVFDで差圧・温度を見ながら調整。過大風量は電気のムダ。

3. 3Dフリーザーで省エネになりやすい理由

3Dフリーザー(ACVCS®)は、ダクトレスで気流が均一になりやすい構造です。これが省エネに効きます。

  • ムラの少ない気流:過冷却の“予備マージン”を減らせる → 電力が下がる。
  • ダクトレス:空気の通りが良く、ファンの負担が軽い → 送風電力が下がる。
  • 霜の偏りが起きにくい:同じ場所だけ白く詰まる現象を抑え、除霜回数を減らしやすい
  • 洗浄・乾燥がしやすい:立ち上げ直後の再着霜を減らし、停止中のムダも減る。

方式比較は 急速冷凍の最適解は?5方式比較、直進ライン中心なら トンネル型フリーザーとは? も参考に。

4. 着霜(霜)が増える理由と、現場での止め方

なぜ増える?

  • 外気の湿気:入口・出口から流れ込み、冷たい部分で一気に霜になる。
  • 濡れた搬送物:洗浄直後のベルトやトレー、水が滴る製品。
  • 除霜〜再起動が雑:水分が残ったまま再運転すると、短時間で霜が戻る。

どう止める?(すぐできる対策)

  • 入口の二重化(前室や二重カーテン)+開放時間の短縮
  • 清掃→乾燥→再起動を手順化。残水はドレンへ確実に排水

週1チェックの型

  • 入口のシール・カーテンのスキマ、パッキン破れ、結露を点検。
  • コイルの目詰まりを確認。
  • 除霜ログ(回数・時間・使用電力)をまとめ、kWh/kgと一緒に見る。

5. かんたん計算例(目安)

平均電力100kW、処理量500kg/h → 0.20 kWh/kg
入口対策・除霜最適化・風量見直しで1〜2割減は十分狙えます(条件により変動)。

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